顔のたるみは、真皮や表情筋、皮下脂肪などの衰えが原因です。
たとえば、紫外線によって肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンが破壊されたり、皮下脂肪が重力に逆らえないことなどで起こります。
また、顔の筋力が低下したり、むくみ、骨の萎縮が原因になる場合もあります。
本記事では、たるみの改善方法を顔のパーツごとに解説します。
また、セルフケアと美容医療の違いやメリット・デメリットもご紹介します。
東京医科大学医学部医学科を卒業後、麻酔科学講座入局。
麻酔科退局後、明治通りクリニック皮膚科・美容皮膚科で院長を務める。
平成24年より医療法人容紘会高梨医院皮膚科・美容皮膚科を開設し、現在は院長として勤務している。
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1.たるみやすい顔のパーツ
たるみやすい顔のパーツは以下の5か所です。
- 頬
- 目の下
- 口元
- 顎下
- フェイスライン
<たるみやすい顔のパーツ>
5か所といえば、顔の多くでたるみが起こってしまうことがおわかりただけると思います。
そんなたるみの原因は複数ありますが、大きなものは加齢です。
加齢によって、顔の皮膚、脂肪、SMAS(表在性筋膜)、靭帯(リガメント)、筋肉(表情筋)、骨などが衰えますが、それらが絡み合って顔のたるみが起こるのです。
また、紫外線ダメージの蓄積は、肌の真皮の線維芽細胞を衰えさせたり、肌のハリの源であるコラーゲンとエラスチンの変性や現象に繋がります。
これは、光老化と呼ばれます。
<肌の断面図>
ほかにも糖質が多い食べ物を取り過ぎると、肌の糖化や肌の老化がすすみ、やがてたるみの原因になることがあります。
もちろん、喫煙が肌の酸化を起こし、それがたるみのつながることもあります。
ただし、各パーツによっては少しずつたるみの主な原因が異なります。
たとえば、目の下のたるみなら眼輪筋という筋肉の衰えが原因であることが多く、口元のマリオネットラインは頬の脂肪の垂れ下がりが大きな原因となります。
そのため、顔のたるみといっても、パーツごとの原因にあった対策が必要となるのです。
この記事では、顔のパーツ別のたるみの主な原因を明らかにするとともに、その予防法や美容医療による治療法について解説します。
まだ、顔のたるみはないけれど、将来のために予防法を知りたいという方、今既に悩んでいるので治療法を知りたい方は、ぜひ、続きをチェックしてくださいね。
<監修医からのメッセージ>
顔がたるむと老けて見えたり、不健康に見えます。
そのため、多くの方が気にされていることと思います。
そんな顔のたるみは、個人差はあるものの、多くの場合年齢とともに進んでいきます。
だから、顔のたるみの予防や改善は、年齢を重ねるとともに大きなテーマとなります。
では、予防のために大切なことは何でしょうか?
それは日々の生活習慣であったり、スキンケアやエイジングケアです。
特にたんぱく質を十分に摂ったり、紫外線対策をしっかり行うことは、顔のたるみの予防に大切です。
たるみが気になる方もまだ目立たない方も、まずは予防のための対策を行いましょう。
また、たるみがあっても、今以上に進ませないためには、これらの対策は必要です。
しかし、たるみが目立ってしまうと、生活習慣やスキンケアやエイジングケアなどのセルフケアでは改善が難しくなります。
なぜなら、たるみの原因は皮膚だけではなく、脂肪、筋肉、靭帯、骨なども関係しているからです。
そのため、たるみをしっかり改善するためには、美容医療を受けることが必要になります。
かつては、たるみの治療といえばメスを使う手術が主流でしたが、今では医療機器の進化や再生医療の登場によってさまざまな選択肢が増えてきました。
だから、患者さまは、求める改善の度合いやご予算に合わせて、自分に合う治療法を選ぶことができるようになってきました。
たるみを改善したいと感じた場合は、まずは美容クリニックでカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。
<参考記事>
顔のたるみに一番効果がある治療法とは?タイプ別におすすめを紹介
2.顔のたるみのパーツ別の特徴と原因
今、挙げたように、たるみの原因は大きくは共通していますが、パーツによって特徴があり、原因が少し変わることがあります。
ここでは、各パーツ別のたるみの特徴的な原因を挙げます。
1)頬のたるみ
頬は、目の下から頬にかけてのミッドチークラインにできるゴルゴラインやほうれい線が気になります。頬のたるみの原因は、主に以下の3点があげられます。
- 保湿能力の減少
- 表情筋の衰え
- 老廃物の蓄積によるむくみ
たとえば、目頭のあたりから頬に向かって斜めに伸びる線のことをゴルゴラインと呼びますが、こちらは頬の筋肉が衰え、皮膚のハリや弾力が失われることで形成されます。
保湿能力の減少
肌の保湿能力は、加齢や蓄積された紫外線の影響、肌のバリア機能の低下などで徐々に弱くなっていきます。その結果、肌が乾燥しやすくなり、角質が不健康な状態になります。それが、表皮の奥やさらに奥の真皮層にも悪影響を与え、肌全体の衰えを助長します。
その結果、コラーゲンやエラスチンが減って、たるみにつながります。
肌の水分量は年齢とともに減少するので、しっかりとした保湿ケアが必要です。
<参考記事>
表情筋の衰え
日常生活においては、すべての表情筋を使うことはありません。日常的に使うのは約30%で、残りの70%の筋肉はほぼ使われないため、加齢とともに衰えることが多くなります。それが、たるみにつながります。表情筋を鍛えるには、意識的に顔を動かして適度に刺激を与えることが必要です。
老廃物の蓄積によるむくみ
冷え性などによる血行不良、睡眠不足、飲酒や不規則な生活習慣によって、老廃物が排出されずに蓄積された結果、顔がむくんでしまいます。そんな顔のむくみが続くと、たるみを引き起こすこともあります。
<参考記事>
2)目の下
目の下のたるみは、眼球を囲む眼輪筋が衰えることで起こります。加齢などで眼輪筋が衰え、目の下の眼窩脂肪が前に出てくることがたるみの原因です。
目の下にたるみができると黒っぽいクマが目立ちます。
一方、眼窩の骨が減少し、眼球が入っている骨の窪みが大きくなること、または脂肪の位置の変化や増減により、目の下の膨らみが凹みます。
また、ほかのたるみと同じように、コラーゲンやエラスチンの減少によって肌のハリがなくなることも原因です。
さらに、目の周りの皮膚は薄く、刺激を受けやすいので、強くこすることもたるみの原因になります。
目の下のたるみを予防するためには、アイクリームなどの保湿を徹底しましょう。
ツボ押しマッサージや表情筋のトレーニングも有効です。
ただし、大きな改善のためには、美容医療による治療が必要です。
<参考記事>
目の下のたるみの予防と改善・解消!全てが学べる7つのポイント
3)口元
口元は、40代からたるみが目立ち始め、50代にはっきりすることが多いため、年齢を感じやすいパーツです。口元のたるみの主な原因は、口輪筋の衰えと肌の真皮の衰えです。
唇を囲むように位置する口輪筋は、日常的に動かさないと徐々に衰えていきます。特に、マスク生活になってから久しいので、以前よりも口を大きく動かす機会も減りました。そのため、ほうれい線やマリオネットラインが気になる方が多くなっています。
また、咀嚼回数が少ないと、筋肉が使われないため弱ってしまいます。柔らかいものを好んで食べる方は特に注意してください。
もちろん、真皮の衰えも口元のハリがなくなってたるみの原因となります。
ほかでは、姿勢が悪いと脂肪が下がってしまい、口元がたるんでしまいます。猫背がクセになってしまっている方は、意識的に上を向くようにしてみましょう。
<参考記事>
4)顎下
顎下のたるみは二重あごにつながります。二重あごは太ったように見えたり、老けて見えたりするので改善しておきたいですよね。
顎下のたるみの原因は、主に筋力の低下です。口元と同様に、食事の際に噛む回数が少ないとたるみの原因になります。また、猫背や巻き肩の方も注意が必要です。PCをよく使う方や事務作業が多い方などは、長時間同じ姿勢になりやすいので適度にストレッチをはさみましょう。
スマホを使うときもなるべく下を向きすぎず、猫背にならないように意識してください。正しい姿勢を補助する道具などもあるので、上手く活用するとたるみの改善につながります。
なお、あごにできるうめぼしのようなシワ(梅干しジワ)は、オトガイ筋と呼ばれる筋肉が過度に緊張することが原因です。
<参考記事>
フェイスラインがたるむと、以前より輪郭が四角くなったり首との境目がなくなったりします。
また、フェイスラインは顔の大部分を占めており、横から見ても一目瞭然なのでできるだけ改善しておきたいパーツです。
フェイスラインのたるみは、顔全体のたるみのさまざまな原因が絡み合っています。
真皮の衰え
真皮層のコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などが減少することでフェイスラインがたるみます。
表情筋の筋力低下
フェイスラインにはさまざまな表情筋があります。それらが衰えると、たるみの原因になります。
脂肪の肥大化や減少
脂肪が増えすると皮膚が支えられなくなり、その結果たるみを引き起こします。また、脂肪が減ってしまっても、顔が凹んだ印象になったり、垂れ下がることがあります。
骨格の衰え
加齢によって骨が萎縮すると骨格が変化し、骨の面積が減少するため皮膚もたるみやすくなります。
ほかでは、頭皮のたるみがフェイスラインのたるみの原因になることがあります。
<参考記事>
3.たるみの予防・改善方法の基本
たるみの原因はさまざまですが、予防や改善のためにできることは大きく3つあります。スキンケアから美容医療まで、多岐に渡っています。
予防や改善したい度合いによって方法は異なるので、どの程度たるみを改善したいのかによって最適な方法を選びましょう。
もちろん、今回、ご紹介する3つ以外でも、良い生活習慣がたるみの予防に大切なことはいうまでもありません。
1)スキンケアを見直す!保湿・紫外線対策
スキンケアやエイジングケアではたるみを改善するのは難しいです。
しかし、予防したり、進行を遅くするには有効です。
たるみが気になったり、今、目立っていなくても予防するためには、まずスキンケアを見直しましょう。
大切なことは、正しい洗顔やクレンジング、保湿、紫外線対策です。
中でも紫外線ダメージは、光老化によるたるみの大敵なので徹底的に対策してください。紫外線を予防するには、日焼け止めクリームを塗ることが基本です。
紫外線は屋外だけでなく、室内にも入り込みます。また、天候にかかわらず紫外線は降り注いでいるため、天候や季節を問わず日焼け止めクリームを塗りましょう。日焼け止めクリーム以外にも、UVカットの帽子や日傘を活用したり、室内では遮光性のカーテンを利用するとよいでしょう。
保湿は、保湿力が高く刺激のない成分をバランス良くことが大切です。
- 水分を吸着するグリセリンやナールスゲン、アミノ酸
- 水分を抱えむはコラーゲンやヒアルロン、エラスチン
- 水分を挟み込むセラミド
- 水分の蒸散を防ぐスクワランオイル、シアバター、ワセリン
などを上手に組み合わせるために、必要に応じて化粧水、美容液、乳液、保湿クリームを
使いましょう。
目元や口元など乾燥しやすいパーツは特に、保湿を徹底しましょう。
<参考記事>
紫外線対策こそエイジングケア!日焼けダメージの肌老化を防ぐ対策
2)表情筋のトレーニングやマッサージをする
表情筋のトレーニングやマッサージは、たるみの予防に効果的です。また、時間をかければ少し改善する可能性があります。
表情筋を鍛えるには、機器を使ったり意識的に顔を動かしたりすることが必要です。顔のトレーニングメニューもいくつかあるので、簡単なものから取り入れてみてください。口をあいうえおと大きく動かすだけでも表情筋を鍛えられます。
笑顔の練習をしてみるのもトレーニングになります。鏡の前で自分の表情を確認し、口角が下がるなどのクセをなくすよう意識してみてください。口角を思いっきりあげて笑顔をつくると表情筋のトレーニングができます。
また、頬骨の下に指を置いてほぐすマッサージも効果的です。表情筋を鍛えたあとは優しくマッサージしてトレーニングの疲れを取りましょう。
ただし、表情筋のトレーニングやマッサージで、強く顔を擦る・たたく・ひっぱるなどはかえってたるみの原因になるで、絶対に避けましょう。
<参考記事>
ほうれい線の予防・解消は表情筋のエクササイズ&マッサージで!?
3)しっかり改善!美容医療の施術を受ける
たるみをしっかり改善したいなら、美容医療の施術を受けることをおすすめします。たるみを改善するための治療は、手術・手技による治療、医療機器を使う治療、フィラー(注入)による治療、注射・点滴による治療、再生医療などがあります。
特に、初めて美容医療を受ける方にとっては、クリニックをどう選ぶかはとても大切です。
<参考記事>
4.顔のたるみの代表的な美容医療
今では、顔のたるみの美容医療には、メス使うフェイスリフト以外にもたくさんの方法があります。ここでは、外側からの3種のアプローチと内側からの2種のアプローチによる治療法をご紹介します。
美容医療は、それぞれに特徴やメリット・デメリットがありますので、自分の状態や目的に合わせて選ぶことが重要です。また、いずれもリスクがありますので、必ず専門医に相談し、適切な施術を受けるようにしましょう。
1)エネルギー機器による治療
HIFU
HIFUとは、「High Intensity Focused Ultrasound」の略称です。
日本語では、「高密度焦点式超音波」の意味です。肌の真皮より奥にある皮下組織・SMAS筋膜に超音波を一点に集中させて照射します。
そのエネルギーで即時的に引き締め、その後に皮膚の再構築によって肌のたるみを改善する治療法です。
ほとんどダウンタイムはありませんし、治療直後のメイクも可能です。
今では、切らないたるみ治療の代表的な治療法として人気の施術です。
<参考記事>
RF(高周波)治療
高周波のRF(Radio Frequency: ラジオ波)をお肌に照射し、効率的に皮膚深部(真皮層)を加熱する治療です。
熱によるたるみの引き締めで小顔効果を期待することができます。
また、真皮の線維芽細胞を刺激してコラーゲンやエラスチンの生成、再構築を促進し、持続的なリフトアップ効果を引き出します。
ほとんどダウンタイムはありませんし、治療直後のメイクも可能です。
サーマクールやイントラジェンという医療機器が有名です。
<参考記事>
サーマクールとは?効果やデメリット、ハイフとの違いについて解説
イントラジェンとは?効果やデメリット、サーマクールとの違いを解説
レーザー治療(フラクショナル照射)
レーザーを点状に照射するフラクショナルレーザーでは、たるみの治療が可能です。
レーザーの熱エネルギーで、肉眼では確認できないほどの微小な穴を皮膚の表面に開け、コラーゲンの再構成を促すことで顔のたるみを改善します。
最近では、従来のナノ秒(10億分の1秒)より早いピコ秒(1兆分の1秒)間隔の照射速度(パルス幅)のピコレーザーが登場し、フラクショナル照射が可能になっています。
ピコフラクショナルは、肌表面ではなく真皮に空洞をつくるため、従来のフラクショナルレーザーより肌ダメージが小さく、ダウンタイムも短くて済みます。
<参考記事>
フラクショナルレーザーの効果とは?期間やダウンタイムについても解説
ピコフラクショナルの効果はいつから?何回で毛穴やシミに効果が出る?
2)フィラー(注入)治療
フィラー治療とは、皮下にフィラーと呼ばれる薬剤を注入することで主に皮膚のたるみ、シワを改善する治療です。
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ヒアルロン注入
ヒアルロン注入は、たるみのフィラー治療では最もポピュラーです。
加齢によるボリュームロスを改善させることでたるみを改善させます。
頬のこけやこめかみのくぼみなども改善させることが可能です。
また、顎やフェイスラインの輪郭を整えることもできます。
ヒアルロン酸にはさまざまな種類があります。
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ヒアルロン酸注射の肌への効果・持続期間はいつまで?ボトックスとの違いも解説!
ベビーコラーゲン
ベビーコラーゲンは、⾚ちゃんの肌に⼤量に含まれているⅢ型コラーゲンを注射で注⼊する治療です。
ヒアルロン酸が向かない、肌が薄い目の下のたるみや浅いシワの治療に向いています。
<参考記事>
3)手術による治療
フェイスリフト(切開)
フェイスリフトは、皮膚を切開し、SMAS(表在性筋膜)を引き上げて皮膚や脂肪を持ち上げる治療法です。
顔のたるみの改善効果は、最も高くかつ最も長く続くことがメリットです。
額や頬、口元などのたるみを根本的に解消する治療です。
一方、費用が最も高く、ダウンタイムも長いことがデメリットです。
いち早くたるみの大きな改善を望む方、一度の治療で結果が欲しい方におすすめの治療です。
糸リフト(切らない治療)
糸リフトは、メスで切開することなく、リフト用の糸を入れることで顔のたるみを治療します。フェイスリフトと比べると、費用が少なくて済むことやダウンタイムが短いことがメリットです。
一方、効果の継続期間は1年〜1年半程度で、フェイスリフトと比べると短いことがデメリットです。
糸リフトで失敗しないために知っておきたいメリット・デメリット
4)美肌点滴・注射
美肌点滴や注射は、内側から栄養素や薬剤を入れることで体全体の健康増進やアンチエイジングをサポートします。
長期的なたるみの予防や進行の防止は可能ですが、大きな改善はあまり期待できません。
幹細胞上清液点滴・注射
幹細胞上清液点滴・注射は、幹細胞そのものではなく、幹細胞を培養し滅菌処理などを施した上澄み液を使用した治療法です。たるみなどを改善するアンチエイジング効果のほか、薄毛や抜け毛の改善、さまざまな病気の改善など、幅広い効果が期待できます。
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高濃度ビタミンC点滴・注射
高濃度ビタミンC点滴は、12.5g~50gの高濃度のビタミンCを1度に体内へ取り込める美容医療の施術です。たるみなどの肌の老化防止や美白、免疫力向上、アレルギーの緩和、肩こりの緩和などの効果が期待できます。
<参考記事>
高濃度ビタミンC点滴療法とは?カラダや肌への効果と危険性を検証
5)再生医療
最近では、美容医療の世界でも再生医療が適応されるようになりました。顔のたるみには、真皮線維芽細胞療法(線維芽細胞移植)やPRP(多血小板血漿)療法が行われます。
根本的なアプローチですが、改善に時間がかかります。
<参考記事>
真皮線維芽細胞療法
真皮線維芽細胞療法は、自分の耳の裏から採取した真皮線維芽細胞を培養し、増殖させます。それを顔のたるみが目立つなど気になるパーツに移植する治療法です。活力のある線維芽細胞を増やすことで、顔のたるみの根本的な改善が期待できます。
また、肌細胞は半永久的に保管が可能なため、長期的に継続して治療することでたるみやそれ以外の肌老化の予防が可能です。
<参考記事>
PRP療法
PRP治療は、自分の血液から抽出した血小板をお肌に注入し、血小板に含まれるEGFやFGFなどの成長因子によって細胞を活性化させ、お肌そのものを再生・若返らせる治療です。
たるみやシワをはじめとするさまざま肌老化に効果が期待できます。
また、フィラー治療では難しかった目の周りや口元のたるみなどの改善も可能です。
<参考記事>
PRP注射とは?美容効果や施術費用、ダウンタイムなど徹底解説
5.顔のパーツ別たるみ改善方法
たるみの予防・改善方法は、マッサージや美容医療までさまざまです。
顔のパーツには特徴があるので、それぞれに適した予防や改善方法があります。
たとえば、皮膚が薄く乾燥や血行不良が影響しやすい目元は、マッサージや保湿の効果が出やすいですが、顎下やフェイスラインはマッサージだけでは改善できません。
パーツごとの改善方法を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
1)頬
頬のたるみを予防するためには、マッサージで血行を良くすることも効果的です。マッサージは顔を優しくほぐすことが大切です。円を描いてマッサージをすると力が入りすぎずにほぐせます。
しかし、マッサージではたるみを大きく改善することができません。
短時間で大きく改善したい場合は、切開リフトや糸リフトがおすすめです。どちらも皮膚を引き上げますが、切開リフトのほうがより大きな効果があります。皮膚にメスを入れるというリスクはありますが、目に見えるたるみの改善を期待できます。
糸リフトは顔にメスを入れる必要がない点がメリットで、フェイスリフトほど効果はありませんが、リスクが小さく即効性のある治療法です。
時間をかけて改善する場合は、エネルギー機器による治療や再生医療なども選択肢です。
2)目の下
目の下のたるみはシワの原因になるので、目元はこすらないことが重要です。こすると強い刺激を与えてしまい、クマの原因にもなります。目の下のたるみを改善するには、以下のようなトレーニングを取り入れてみましょう。
まぶたをゆっくりと開く
眉を引き上げて5秒キープする
この2つを定期的に行うことで眼輪筋が鍛えられ、たるみ防止になります。また、テレビやスマホのブルーライトは目を疲労させ、クマやたるみの原因になるので、長時間続けての使用は控えてください。
たるみを改善するには目の下のクマ取りをすることも効果的です。
施術には、下眼瞼切開術や下眼瞼除皺術、ハムラ法があります。
最近では、表面に傷の付かない手術(経結膜脱脂術や裏ハムラ法)もあります。
また、HIFUの機種の1つであるソノクイーンは、目元のたるみの改善に向いています。
そのほかでは、脂肪注入、ヒアルロン酸注入、スネコス、ベビーコラーゲン、リジュランなどがあります。
<参考記事>
スネコス注射は目の下のクマに効果ある?効果期間やデメリットも完全解説!
3)口元
口元のたるみを改善するためには、口をすぼめて頬をふくらます運動をくりかえしましょう。たるみは口輪筋の衰えが原因のため、意識的に口周りを動かすと効果があります。日常生活では使いづらい筋肉なのでトレーニングを取り入れてたるみを改善しましょう。
マリオネットラインのたるみを改善するための治療で、最も効果が大きいのはフェイスリフト、次いで糸リフトです。
ダウンタイムがない治療なら、HIFU(ハイフ)もおすすめです。
4)顎下
顎下のたるみには、以下のようなトレーニングを取り入れてみてください。
顎をつきだし、上を向く
唇を突き出し呼吸をする
首が伸びているのを感じて2.3回深く呼吸をする
顎は猫背や筋力の低下が原因でたるみが起こるので、顎を伸ばすことで下がっていた脂肪がほぐされ、たるみを改善できます。
大きく下がった脂肪が原因なら、フェイスリフトや糸リフトで皮膚を引き上げてたるみを改善することが最も効果があります。
皮膚にメスを入れることに抵抗があれば、同様の効果があるHIFU(ハイフ)でも可能です。
また、脂肪がつきすぎている場合は、脂肪吸引や脂肪溶解注射、BNLS注射などの治療法があります。
<参考記事>
5)フェイスライン
フェイスラインのたるみを改善するためには、天井を見て唇を突き出し5秒キープするトレーニングを取り入れましょう。実際にやってみるとフェイスラインが伸びるのを実感できます。フェイスラインを意識的に動かすことで、つきすぎた脂肪をマッサージでき、たるみの改善に効果的です。
美容医療では、たるみのリフトアップならフェイスリフト、糸リフト、HIFU(ハイフ)が適しています。フェイスリフトや糸リフトはフェイスラインを直接引き上げられるため顔周りがすっきりします。横顔も首と輪郭の境目がわかるようになるので若々しい印象を取り戻すことができます。
一方、引き締め効果を期待する場合は、サーマクールなどの高周波治療がおすすめです。
6.まとめ
たるみの改善には、セルフケアと美容医療の2通りがあります。どちらにもメリットとデメリットがありますが、上手に組み合わせたり使い分けることがおすすめです。
セルフケアは自宅で手軽にできて金銭面の負担が少ないことがメリットですが、すぐに効果を実感しにくいというデメリットもあります。しかし、継続して行うことでたるみ予防や浅いたるみには一定の改善効果があります。
一方で、美容医療は高い改善効果を得られることがメリットです。
しかし、セルフケアと比べて費用が高く時間がかかり、治療法によってはダウンタイムがあるというデメリットもあります。
そんな美容医療ですが、今では顔のたるみの治療法の選択肢が増えています。予算やニーズに合わせて自分に向いたものを選ぶことができます。
セルフケアでもなかなか改善しないたるみで悩んでいる場合は、まずカウンセリングを受けてみることをおすすめします。
この記事が、頬、目の下、口元、下あご、フェイスラインなど顔のたるみで悩んでいる方のお役に立てば幸いです。
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