サーマクールとは?効果やデメリット、ハイフとの違いについて解説

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サーマクールとは、RF(ラジオ波)で顔全体を引き締めて、小顔効果や小じわの解消などが期待できる施術です。ダウンタイムもほとんどなく、たるみの解消が期待できるため、アンチエイジング治療として、とても人気があります。
一方で、同じくたるみが治療できるHIFU(ハイフ)との違いがわからない、という方も多いはず。サーマクールとハイフでは、施術を受けられる場所や効果が違います。
この記事では、サーマクールの効果やデメリット、ハイフとの違いについて解説します。サーマクールの治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

 

この記事の監修医師
■経歴
奈良県立医科大学卒業。泌尿器科医として臨床に従事する傍ら、
南カリフォルニア大学、国立がん研究センター研究所等でエピジェネティクス、幹細胞の研究に従事。
令和4年にはノリス美容クリニックを開設し、幹細胞の知識を生かした肌再生医療に取り込んでいる。

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目次

1.サーマクールとは?高周波を当てフェイスラインをリフトアップ!

サーマクールとは、6.78MHzのラジオ波(RF)と呼ばれる高周波電磁波を当てて、フェイスラインのリフトアップや、たるみの解消が期待できる施術です。サーマクールが登場したのは2002年。当初は世界初の「メスを使わないたるみ治療」として、アメリカでFDAの承認を受けました。

サーマクールは、加熱によって肌を引き締める治療器です。真皮層から皮下の線維隔壁まで加熱し、コラーゲンや皮下脂肪を収縮させることで、たるみを改善させます。また、サーマクールを使って、皮膚の内部に意図的に軽いダメージを与えると、その傷を治すために、自然治癒力と再生能力がはたらき、コラーゲン生成が促進されます。これにより、肌の弾力アップや、ハリ・ツヤの改善効果も期待できるでしょう。

 

<サーマクールは真皮から脂肪層がターゲット>

 

たるみ治療の肌のターゲット層

 

 

サーマクールは顔だけではなく、太もも・ウエストなどの引き締め効果も期待できるため、全身の治療にも使われています。

治療時間は30分~60分ほど。

サーマクールの費用は、全顔1回10~30万円と設定しているクリニックが多いです。

 

この記事では、サーマクールの効果やメリット、施術の流れ、デメリットや注意点から、ハイフとの違いなどについて幅広くご紹介します。

 

サーマクールに興味のある方や施術を検討中の方は、ぜひ、続きをチェックしてください。

 

<監修医からのメッセージ>
最近では、メスを使わず医療機器でできるたるみ改善やリフトアップなどの美容医療の施術が増えてきました。
その代表的なものの1つがサーマクールです。
サーマクールは、RF(ラジオ波)の熱を肌の真皮や皮下組織に与えることで、コラーゲンや皮下組織が収縮します。その結果、即時に肌が引き締まり、フェイスラインを整える効果が期待できます。
また、一度収縮した真皮は、修復する過程でコラーゲンを生成するため、施術後に数か月かけて肌のたるみが改善していきます。
このように、サーマクールは2つの面から美肌効果を発揮するのです。
一方、メスを使わないたるみ治療の中では痛みが強かったり、費用も相対的に高額になりがちです。
そのため、HIFU(ハイフ)など、たるみによく似た効果を発揮する施術と比較し、自分に合ったものを選びたいと考える患者さんも多くいます。
美容医療の施術は専門用語なども多く、難しい面もあるので一般の方にとっては理解することが難しいことも多くあります。
特に最新の医療機器を使った治療法はなおさらです。
この記事では、サーマクールについて包括的に紹介していますが、たるみ治療の施術を選ぶことは難しいと思います。
だから、まず医師に相談してみたいという方は、カウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。
最近では、無料でカウンセリングを受けることができる美容クリニックが増えていますし、カウンセリングを受けたからといって、必ずしも施術を受ける必要はありません。
私たち美容医療に携わる医師は、真摯な姿勢で全力で患者さんのご希望に応えたいと考えていますので、ぜひ、気軽にご相談ください。

 

<参考記事>

顔のたるみに一番効果がある治療法とは?タイプ別におすすめを紹介

 

2.サーマクールの作用メカニズムと進化

1)サーマクールの作用メカニズムは電子レンジと同じ!

電磁波は、周波数によりさまざまな機器で利用されています。

たとえば、電子レンジ、ラジオ、スマホ、無線LANなどで利用されています。

周波数が違うため効果が同じではありませんが、サーマクールの肌への作用メカニズムは、電子レンジと同じなのです。

 

電子レンジは、火を使わずに電磁波で内側から食べ物を熱することができます。さまざまな食べ物が、表面は熱くないのに内側だけが、温かくなっていることをご存知ではないでしょうか。

これは、電子レンジが電磁波で水分を振動させることで生じる摩擦熱によって、食べ物を温めるという作用メカニズムを応用しているのです。

しかし、水がない場合には、摩擦熱は生じません。

たとえば、皿などの陶器は水分を含まないため、熱くならないのです。

電子レンジは、電磁波のこの性質を利用して内側を中心に温めているのです。

 

では、サーマクールと肌の関係はどうでしょうか?

皮膚は、外側の表皮層から真皮層に向かって深くなっていきます。

表皮では、水分量が約10~30%に対して、真皮では70%ぐらいです。

サーマクールを皮膚に照射すると、水分量の多い真皮での反応が大きく、水分量の少ない表皮では小さいのです。

サーマクールは、電磁波の1つであるラジオ波を照射することで、表皮層にダメージを与えることなく、真皮層だけに熱を与えます。これが、切らないたるみ改善を実現させた作用メカニズムです。

 

このように根本的な原理は、電子レンジもサーマクールも同じなのです。

 

2)サーマクールは進化し続ける!

サーマクールは、初登場の2002年以来進化を続けています。

最初に登場したのは、「サーマクールTC3」。その後、第2世代、第3世代と続き、2018年に第4世代の最新版「サーマクールFLX」が登場しました。

ここでは、それぞれの世代別のポイントや特徴をまとめます。

  1. 2002年登場の初代「サーマクールTC3

    メスを使わず、高レベルのエネルギーを1回照射(シングルショット)することで、たるみを改善できる治療として期待を持って受け入られました。しかし、局所麻酔をしてもかなりの痛みをともなうことがデメリットでした。そのため、今ほど普及することはありませんでした。

  2. 2007年登場第2世代「サーマクールNXT」

    TC3よりも低出力で同一箇所を複数回照射(マルチプルパス)できる機種として、第2世代「サーマクールNXT」が登場しました。1ショットの照射スピードが速くなり、照射チップの面積が大きくなったため、治療時間の短縮と効果アップに加えて、照射時の痛みが小さくなりました。また、照射前に一気にクーリング噴射する冷却装置を搭載することで、瞼(サーマクールアイ)やボディにも対応できるチップが登場しました。その結果、出産後のたるんだお腹の引き締め、ヒップのセルライト治療にも使えるようなりました。

  3. 2009年大きく進化した第3世代「サーマクールCPT」登場

    NXTと比べて照射範囲が2倍になった新しいチップ「フレームチップ」を採用しました。そのため、広範囲に効率よく肌深部に伝えることができ、より少ない痛みで効果を発揮できる「サーマクールCPT」が登場しました。ほかにも、照射前後に冷却するダブルクーリング機能と、熱を加えると同時に振動を与えるバイブレーション機能も搭載されています。その結果、NXTよりもさらに痛みを軽減できるようになりました。CPTは、今でも多くの美容クリニックで使われています。

  4. 2018年最新機第4世代「サーマクールFLX」が登場

    照射前後に加えて、照射中も皮膚表面を断続的に冷却するシステムを搭載したのが、第4世代「サーマクールFLX」。皮膚表面の熱感がCPT以上に抑えられるようになりました。また、CPTでは、痛みを抑える振動が縦方向だけでしたが、FLXでは縦横両方の方向に振動を与えることが可能になりました。そのため、治療時の痛みが大幅に軽減できるようになったのです。

    さらに、1ショットごとに皮膚の温度やエネルギー量の設定調整が可能なチューニング機能を搭載することで、熱エネルギーを最適レベルで照射できるようになりました。

    ほかにも、超耐熱・超耐寒性ポリイミドフィルムでできたフレーム(カプトンフレーム)により、均等に広い範囲の組織を、より高い温度で長期的に加熱できるという進化をとげました。

2023年4月現在では、サーマクールFLXが最新機器であり、最も機能性が高くなっています。

一方、CPTよりも費用がアップしています。

現在では、少しずつFLXを導入する施設も増え、CPTとFLXの2種を採用している美容クリニックもあります。

<サーマクールFLXとCPTの違い>

サーマクールFLXサーマクールCPT
チップの照射面の熱量1.3(CPTを1として)1(基準値として設定)
RFの届く深度2.4mm4.3mm
施術時間30分程度40分程度

 

3)ラジオ波を使ったそのほかの治療

ラジオ波を使った治療はサーマクール以外にも、イントラジェンやアクジェン、テノールなどがあります。

イントラジェンではGFRテクノロジーによって、照射面を格子状にしてエネルギー照射するため、表皮へのダメージを最小限に抑えることができます。

また、マルチパルス方式の採用により、大量の熱エネルギーを数回に分けながら皮膚に伝えるため、より少ないダメージで治療ができるようになりました。

アクジェンとは、イントラジェンの進化版で、こちらも高周波の熱エネルギーを格子状に照射することで、肌の引き締めを目指す治療法です。

テノールは血行とリンパの改善を目的とした治療法です。皮膚深部から皮下脂肪までを加熱することで、コラーゲンの生成を促進させ、肌を引き締めます。いずれもメスを使わずに治療できるため、ダウンタイムを抑えたい方におすすめの治療法です。

 

<参考記事>

イントラジェンのGFRとは?効果やデメリット、サーマクールとの違い

テノールとは?美容効果や副作用、施術回数・間隔について解説




3.サーマクールはこんな人におすすめ!施術の流れと料金は?

1)施術が向くのはこんな人

サーマクールは、頬や目回りを含め、顔全体を引き締めたい方におすすめの施術です。

高周波の熱エネルギーが、真皮層や脂肪層まで届くため、二重あごやシワ、フェイスラインのたるみが引き締まり、小顔効果を実感できるでしょう。また、目元専用のチップを使用したサーマクールアイでは、目周りのたるみやクマの改善の治療もできるようになりました。

 

サーマクールは、次のような方におすすめです。

 

  • たるみを改善したい
  • 小顔になりたい
  • 小じわを改善したい
  • 毛穴を引き締めたい
  • ニキビを改善したい
  • 肌を弾力アップさせたい

 

しかし、たるみ改善ができるほかの施術と比較して、サーマクールは即効性に優れているものの、施術時の痛みが強いという特徴があります。そのため、痛みよりも効果の大きさを重視する方におすすめの治療法といえます。

 

2)サーマクールの施術の流れ

サーマクールは、施術者によって効果が違う施術なので、信頼できるクリニックを探しましょう。

たとえば、医療機器メーカーのトレーニングプログラムを修了した「サーマクール認定医」がいる施設が選択肢の1つです。

 

サーマクールの施術を受けたい美容クリニックが決まったら、用意されている電話、メール、ラインなどの手段のいずれかでカウンセリング・診察の予約をしましょう。

 

クリニックへ着いた後の、サーマクール施術の流れは次のとおりです。

  1. カウンセリング・診察

    施術の前に医師とのカウンセリングで、治療したい部位、照射する範囲、施術後の仕上がりなどを伝えます。また、医師や看護師が、施術の流れや術後のアフターケアなどの詳細について説明します。ここで、副作用、デメリット、費用などの不明点や、不安なことがあればすべて確認しましょう。

    場合によっては、サーマクールではなく、ほかの施術が提案されることもあります。

    また、ここで納得できなければ施術を受ける必要はありません。

  2. 洗顔・クレンジング

    施術を受けることが決まったらクレンジング料でメイクを落とします。また、あわせて皮脂や汚れも落として肌をきれいな状態にします。

  3. マーキング&麻酔

    医師が治療部位を確認しながら、目安となる枠をマーキングします。施術部位にマーキングをしてから麻酔クリームを塗布します。

    麻酔クリームは、施術内容や肌質、痛みへの耐性などによって、塗布する量や範囲を医師が調整します。

  4. 照射

    麻酔クリームが効いた後に専用ジェルを塗り、サーマクールでラジオ波を照射します。照射時間は、顔全体で20分〜30分程度です。

  5. アイシング

    照射が終了したら洗顔してマーキングを落とします。その後、必要に応じて5分〜10分程度施術部位をアイシングし、術後の腫れのリスクを小さくします。

    アフターケアとして、フェイスマスクなどを使う美容クリニックもあります。

  6. メイクして帰宅

    問題がない場合は、メイクをして帰宅することができます。もし、痛みなどが強く残る場合は、医師に相談しましょう。

    なお、稀に赤みが残る場合がありますが、1~2日でほぼ消失します。

    カウンセリングを含めて、おおむね1時間〜1時間30分程度で終了です。

3)サーマクールの費用は高額

サーマクールの費用は、美容クリニックで異なります。また、施術する部位、ショット数でも異なります。さらに、CPTよりも、新機種のFLXのほうが施術料金は高くなります。

そのため、サーマクールの費用相場は、8万円~数十万円と幅が大きいのです。

ここでは、ある程度の目安をお示します。

 

<サーマクールFLXとCPTの費用相場>

FLXCPT
300ショット150,000〜300,000円
400ショット80,000〜200,000円
600ショット250,000〜400,000円120,000〜250,000円
900ショット170,000〜300,000円
目元(サーマアイズ)

上下のいずれかの場合

80,000〜150,000円80,000〜150,000円
目元(サーマアイズ)

上下の両方

180,000〜250,000円180,000〜250,000円

 

美容クリニックによって、初回料金と2回目以降の料金が違うことがあります。

また、メニューにプラスアルファでついてくるサービスの有無によっては、さらに費用がかかることがあります。

施術を受ける美容クリニックで総額を確認しましょう。

 

いずれの場合でも、ほかのたるみ治療と比べると費用が高額なので、美容医療にある程度お金をかける余裕のある方に向く施術です。

 

4.サーマクールの効果・メリット

サーマクールには、高周波の熱による引き締めや、コラーゲンが生成されることによる美肌効果を期待できます。

ここでは、サーマクールによる効果やメリットについて、詳しく紹介します。

 

1)たるみを改善できる

サーマクールは、皮膚組織を縦・横・奥行の3方向にぎゅっと収縮させます。そのため、引き締め力が高いことが特徴です。サーマクールを照射すると、肌の真皮層や皮下脂肪層にダメージが加わり、このダメージを治そうと、コラーゲン生成が促されます。コラーゲンが増えることによって肌の弾力がアップし、小じわやたるみの改善が期待できます。

 

<顔のたるみ>

顔のたるみのイラスト

 

2)肌にハリや弾力が出る

サーマクールは、肌にハリと弾力を与える効果が期待できます。高周波の熱により、コラーゲン生成が促されるため、肌にハリが出て、弾力のある若々しい肌に近づきます。

コラーゲンは、年齢を重ねるごとに減少していく物質です。加齢によって肌はハリや弾力を失い、たるみやしわが増えていきます。サーマクールの施術によってコラーゲンを増やすことで、肌質が改善され、小じわが目立ちにくい肌に近づきます。

 

3)毛穴を改善できる

サーマクールは、毛穴を目立たなくする効果も期待できます。

サーマクールで意図的にダメージを与えることで、再生能力がはたらいて、肌のターンオーバーが正常化。これにより、皮脂の排出がスムーズになるため、詰まり毛穴や開き毛穴の改善が期待できます。

また、毛穴は皮膚のたるみが原因となって目立っている場合もあります。サーマクールは、皮膚を引き締める効果も期待できるため、たるみ毛穴を改善できるのが特徴です。

開き毛穴

 

<参考記事>

毛穴の開き・黒ずみ・たるみの治療!費用と美容クリニックの選び方

毛穴治療でボコボコは改善できる?おでこや鼻など顔のパーツ別に解説

 

4)皮脂を抑えてニキビにも効果

サーマクールは、皮脂腺を収縮させ過剰な皮脂分泌を抑えます。また、熱によってアクネ菌を殺菌するといわれています。

そのため、ニキビを改善したり、ニキビができにくい肌質へ導く効果も見込まれます。

また、サーマクールは肌の新陳代謝を活性化させるはたらきにより、ニキビ跡の改善が可能です。

ただし、深層までダメージを受けて癒着してしまった「ニキビ跡」を根本から改善する効果はあまり期待できません。

ニキビ吹き出物発生のメカニズム

 

5)即効性がある

サーマクールの施術は、1回でも効果を実感できるのが特徴です。サーマクールは、縦・横・奥行の3方向から加熱する「バルクヒーティング(広域加熱)」という技術が採用されています。この技術によって、肌を強力に引き締める効果が。施術後すぐから翌日にかけて、真皮層のコラーゲンが収縮するため、顔のボリュームが減ったように感じられます。

 

6)ダウンタイムがほぼない

サーマクールはダウンタイムが小さい施術です。まれに火傷が起こる可能性がありますが、通常は表面に発赤が生じる程度で、約1週間で治癒します。

肌表面のダメージを抑え、真皮層にアプローチするため、見た目に傷が残ることはありません。

また施術後に、激しい運動や飲酒、長風呂をすると、施術箇所が炎症を起こし、腫れが生じる可能性があります。ダウンタイムがほとんどない治療ですが、クリニックからの注意事項を守って過ごすようにしてください。




5.サーマクールのデメリット・副作用・注意点

サーマクールはダウンタイムが短く、安全性の高い治療法です。しかし、サーマクールにもデメリットや副作用があります。ここでは、サーマクールのデメリットや副作用について解説します。

 

1)施術時に痛みがある

サーマクールは、HIFU(ハイフ)などの治療と比べて、施術時に痛みを感じる可能性が高いとされています。特に骨の上は、痛みを感じやすい傾向にあるようです。

また、サーマクールは50~60度ほどに加熱し、皮膚内部に軽い火傷を起こすため、施術後半になると熱が蓄積されて、さらに痛みを感じやすくなります。

麻酔クリームを処方してくれるクリニックもありますので、痛みが心配な方は医師に相談してみましょう。

 

2)頬がこける場合がある

サーマクールはやりすぎると、頬がこける可能性があります。頬がこけてしまうと老けた印象になるため、注意が必要です。

サーマクールは、医師の技術力や経験が必要な治療ですので、医師選びは慎重にしましょう。もともと顔が細い方は、打ち方や施術を受ける頻度を、医師に相談して受けるようにしてください。

 

3)費用が高い

サーマクールの施術費用の相場は、全顔1回10~30万円、体全体1回60~80万円と、ほかのたるみ治療と比較すると高額です。サーマクールは、施術範囲が広いほど、費用も高額になります。クリニック選びでは、複数のクリニックの施術プランを比較すると、失敗しにくいでしょう。

施術費用が高額な理由の1つに、施術に使われる消耗品が高額な点が挙げられます。

サーマクールの治療に使われるトリートメントチップは、基本的に使い捨てのため、施術費用がおのずと高くなります。

サーマクールの施術の際は、トリートメントチップを一人につき一つ使います。しかし、費用を安くするために、改造して複数人に使いまわすクリニックがあるようです。

サーマクールの施術費用は高額ですが、極端に施術費用が安いクリニックは、正規のトリートメントチップを使っていないなどの可能性が考えられます。

けがや火傷のリスクが高まるため、施術費用が極端に安いクリニックは避けたほうがよいでしょう。

 

4)火傷を起こす場合がある

サーマクールは肌を冷やしながら高周波を照射するため、皮膚表面にダメージが及ぶことは基本的にありません。

しかし、同じ箇所に複数回照射して肌に負担を与えたり、機械の出力を上げすぎたりすると、水ぶくれや火傷、肌がひきつる感じがすることがあります。

火傷のトラブルを防ぐには、火傷にならない程度の出力で施術を受けることが大切です。そのため、経験と実績が豊富な医師のもとで、治療を受けるようにしましょう。

 

5)血行がよくなることは要注意

サーマクールの施術後は、腫れが生じる可能性もあるので、次のような血行を促進することは控えましょう。

 

  • 激しい運動
  • 過度の飲酒
  • 長時間の入浴
  • エステやマッサージ

 

赤みや腫れが生じた場合でも、2日〜3日のうちに引くことがほとんどです。

もし、改善しない場合は、施術を受けた医師に相談しましょう。

6)施術後はしっかり保湿ケアを

サーマクールの施術後は、肌が乾燥しやすくなります。

そのために、十分に保湿ケアを行いましょう。

特に、30代以上の方は、高保湿で刺激の少ないエイジングケア化粧品を使うことがおすすめです。

 

おすすめのケアは、バイオセルロース製やヒト幹細胞培養液、プラセンタエキスなどの成長因子が入ったフェイスマスクを使うことや高保湿化粧水のローションパックなどです。

ほかでは、セラミド配合の美容液や保湿クリームなどもおすすめです。

 

一方、アルコール(エタノール)配合の化粧品は刺激や乾燥のリスクがあるので控えましょう。敏感肌でも使えるノンアルコール化粧品がおすすめです。

 

<参考記事>

美容医療後にヒト幹細胞培養液配合フェイスマスク「ナールスリジェ」

7)サーマクールを受けられない場合は?

サーマクールは、以下の場合、施術を受けることができない、または患部が治った後でしか施術を受けることができません。

 

  • 施術部位に金の糸やプレートなどの金属が入っている方
  • 妊娠中もしくは授乳中の方
  • 施術部位に傷跡や化膿がある方
  • 出血性疾患やケロイド体質の方
  • 肌の乾燥が強い方やバリア機能が著しく低下している方
  • 日焼けや肌荒れなどで炎症のある方
  • 眼内レンズを装着している方(目元専用サーマクールの場合)
  • そのほか医師に不適切だと判断された方

 

ほかにも既往歴があったり、アトピー性皮膚炎やアレルギー性疾患など、何らかの病気を治療中で薬を飲んでいるなどの方は、リスクがあり施術を受けることができない場合があります。カウンセリングの際に医師に相談しましょう。

 

6.サーマクールの効果はいつから出る?持続期間や頻度・回数は?

サーマクールは即効性を感じられる治療法ですが、時間の経過によって、本来の効果が発揮されるようになります。

ここでは、サーマクールの効果はいつから出るのか、効果の持続期間はどれくらいなのかを解説します。また、必要な回数・頻度についても解説します。

 

1)即効性はあるが、効果のピークは2~3か月後くらい

サーマクールの持続期間は半年~1年ほどですが、効果のピークは2~3か月後です。

施術直後でも、真皮層のコラーゲンが収縮するために、顔がぐっと引き締まったことが実感できます。

その後、ダメージを受けたコラーゲンが修復していく過程で、新しいコラーゲンが徐々に生成されるため、さらにリフトアップ効果が実感できるようになるでしょう。そのため、周囲知られずにリフトアップしたい、という方にもおすすめです。

 

2)持続期間は半年~1年が目安

サーマクールの持続期間は、半年~1年ほどです。施術後2~3か月かけてコラーゲンが生成され、肌の弾力がアップしていきます。その後は半年~1年効果が持続します。施術から1年経つと、修復された状態から、また通常通りのエイジングが始まります。

 

3)サーマクールを受ける頻度は半年~1年間隔

サーマクールを受ける頻度は、半年~1年の間隔が推奨されています。

半年を過ぎたあたりから、通常通りのエイジングが見られるようになるため、効果を持続させたい方は、半年~1年の間隔で治療を受けるようにしましょう。

サーマクールは、皮膚の創傷治癒効果によって、徐々に効果を感じられる治療法です。そのため、本来の効果を得るまでに、2~3か月ほどかかります。

施術後すぐに効果が感じられないからといって、治療をやりすぎると、頬がこけるなどの症状が出る可能性が高まります。適切な治療回数は、医師に相談して決めるようにしてください。



7.サーマクールとHIFU(ハイフ)の違い

サーマクールと同じく、顔周りのたるみやリフトアップに使われる治療が「HIFU(ハイフ)」です。サーマクールとHIFUは、どちらも肌の奥に熱エネルギーを与える施術のため、肌表面を傷つけずに高い効果を得ることができます。

たるみの解消やフェイスラインのリフトアップをしたい場合、どちらを選んで良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか。

ここでは、サーマクールとHIFU治療器の違いについて、解説します。

 

1)照射するエネルギーが違うので熱を入れる皮膚の層が違う

サーマクールがラジオ波(RF)を照射する一方、HIFUは超音波を照射する点でメカニズムが違います。

そのため、エネルギーの効果と熱を入れる皮膚の層が違います。

サーマクールは、皮膚の真皮層と皮下脂肪層に熱を入れることが可能です。熱が届くのは表面から2.4mm程度ですが、その影響は4~5mm程度まで発揮されます。

サーマクールは、脂肪層にまでアプローチするため、二重あごや頬の脂肪が気になる方におすすめの治療法です。

※「5mm程度まで」ならハイフより深い?と読み取れますが??

一方HIFUは、脂肪層よりさらに奥にあるSMAS筋膜(スマス)まで熱が届きます。

HIFUで人気のあるウルセラと呼ばれる機械を使う場合、熱が届くのは皮膚の表面から1.5mm、3.0mm、4.5mmの3層にアプローチします。

ただし、HIFUの照射エネルギーの範囲は、照射部位のみでサーマクールより小さいです。

HIFUは、肌のたるみの原因となる筋膜を引き締められるため、フェイスラインがぐっと引きあがる効果が期待できます。

 

サーマクールは引き締め、HIFUはリフトアップ効果に優れているため、自分のたるみの種類に合った施術を受けましょう。

 

HIFUエネルギーが届く深さによる効果

 

2)サーマクールはHIFU(ハイフ)では難しい目周りにも有効

サーマクールは、目の周りにも有効な施術です。

サーマクールは顔全体の引き締め効果を感じられる治療法のため、目元や頬のたるみ、しわの改善が期待できます。

一方で、HIFUは皮膚の深いところまで熱が届く治療法のため、神経や血管に影響を与えやすい部位は、照射できないというデメリットがあります。

最近ではソノクイーンという目の周り使えるハイフマシンも登場していますが、多くのHIFUマシンは目元の施術には不向きです。

 

そのため、顔全体の引き締め、小顔効果、細かい部位の引き締めを目指すのであれば、サーマクールがおすすめです。

たるみがある状態とない状態の眼窩脂肪のイラスト

 

<参考記事>

ソノクイーンの効果はいつから?持続期間や目元への効果を解説

 

3)サーマクールは医療機器の名前でHIFUは治療法の名前

サーマクールは、アメリカThermage社が開発しました。

これは本来、治療機器のブランド名ですが、今では施術を表す言葉として使われています。

そのため、サーマクールといえば4種しかなく、現在使用されているのは、ほとんどがCPTとFLXです。

一方、HIFUは、正式名称High Intensity Focused Ultrasoundの略称で、「高密度焦点式超音波治療法」のことです。

つまり、HIFUは医療機器の名前ではなく、施術そのものを指しているのです。

今ではHIFUマシンは、次のような機種が登場しています。

 

  • ウルセラ
  • ウルトラセルQ+
  • ウルトラフォーマー3
  • ダブロゴールド
  • ソノクイーン
  • ユーティムスA3

 

これらは少しずつ効果や特徴が異なります。

 

<サーマクールとHIFUの違い>

サーマクールHIFU(ハイフ)
照射する周波数ラジオ波(高周波RF)高密度焦点式超音波
エネルギーが到達する皮膚の深さ真皮深層と皮下脂肪浅層浅層繊維とSMAS筋(表情筋)
メインの効果タイトニング(引き締め)リフトアップ(引き上げ)
治療可能な範囲広い限定的
効果を発揮しやすい肌悩み小ジワ・毛穴の開き・たるみ・弾力低下・ニキビほうれい線・たるみ毛穴・たるみ・弾力低下・余分な脂肪
施術中の痛みかなり強いと感じることも軽微な鈍痛の場合が多い
ダウンタイムほとんどなし

(軽微な赤みやほてり)

ほとんどなし

(軽微な赤みやほてり)

効果の持続期間約半年〜1年約半年
費用80,000~400,000円50,000~250,000円
機器の種類少ない(主にCPTとFLX)10種程度ある




8.サーマクールのよくある質問

クリニックによって用意している機械は異なるため、どの機械を選んだら良いのか、悩んでしまう人も多いはず。

ここでは、サーマクールについて、よく聞かれる質問について回答します。

 

Q.1サーマクールアイとはなんですか?

サーマクールアイとは、目の周りにも施術できるサーマクールの施術の種類です。

第2世代までのサーマクールは、まぶたに直接施術することができませんが、第3世代のCPTと第4世代のFLXは、まぶたにも照射が可能なサーマクールアイの施術が行えます。

また、サーマクールアイは、眼瞼下垂の治療も可能です。

眼瞼下垂とは、加齢などでまぶたが下がってきて、目が開けにくくなる症状です。通常は手術が必要ですが、サーマクールアイでも一定の効果が期待できます。

手術が怖いと感じている方は、サーマクールアイでの治療もおすすめです。

 

Q.2サーマクールとイントラジェンの違い何でしょうか?

イントラジェンはサーマクールの後発器で「次世代の切らない しわ・たるみ治療」と呼ばれています。

イントラジェンのメリットとしては、次の3つがあります。

イントラジェンは低コスト化を計るため、冷却機能とバイブレーション機能の2つをカットしました。サーマクールはこの2つの機能で痛みを軽減させていましたが、イントラジェンにはそれがないため、出力パワーを抑えて照射します。そのため、サーマクールよりも痛みが小さいことが特徴です。

さらに、イントラジェンのほうが1回の施術費用が安いため、初めてたるみ治療をする方にもおすすめです。

ただし、サーマクールよりやや効果が低い可能性があります。

 

Q.3サーマクールで老けることはありますか?

サーマクールFLXは、骨格や脂肪のつき具合によって頬がこけるなどの症状が現れることもあります

また、施術を過度に受けると頬がこけてしまい、やつれた印象や老けた印象を与えてしまうことがあります。

もともと痩せた顔立ちの方は、医師と相談し、どれくらいの頻度で施術を受けるのか検討しておきましょう。

医師が不適切だと判断した場合には、残念ながら施術は受けられませんが、自分に適した施術を受けることがもっとも大切ですので、医師の指示に従いましょう。

 

Q.4糸リフトとどっちがおすすめですか?

結論としては、どちらが良いということなく、向いているケースとそうでないケースがあります。

糸リフトは、糸で皮膚のたるみを引き上げてほうれい線やマリオネットラインを改善する施術です。

施術後すぐ効果が現れ、持続期間も1年以上とサーマクールより長いです。また、麻酔をすれば施術中の痛みもありません。

一方、ダウンタイムが2日〜数日あったり、糸の本数によっては費用がサーマクールより高額になることもあります。

したがって、次のような場合は糸リフトをおすすめします。

  • すぐにリフトアップしたい
  • 即効性がほしい
  • 多少ダウンタイムがあってもより高いリフトアップ効果を求めたい
  • リフトアップ効果を長持ちさせたい
  • 口元のたるみやほうれい線、マリオネットラインを改善したい

スレッドリフトの効果のイメージ

一方、ダウンタイムがない施術を受けたい方やたるみ、毛穴、ニキビ、しわなどを複合的に改善したい、小顔効果やたるみの引き締め効果を期待したい方は、サーマクールが向いています。

Q.5エステサロンで受けてもいいですか?

最近では、エステ版サーマクールが登場しています。

これは、医療機関のサーマクールと作用メカニズムや原理は同じですが、出力が小さく設計されています。

そのため、美容クリニックで使うものより効果は穏やかで、治療行為ではありません。

それでもリスクはあります。サーマクールは、専門知識と技術を持った美容クリニックで施術を受けましょう。

 

9.まとめ

サーマクールのメリットや効果や持続期間、必要な回数、施術の流れ、費用などに加えて、デメリットや注意点などをご紹介しました。

また、HIFU(ハイフ)との違いやほかのRF(ラジオ波)による施術との違いもご紹介しました。

いかがだったでしょうか。

サーマクールとは、RF(ラジオ波)で顔全体を引き締めて、小顔効果や小じわの解消などが期待できる人気の施術です。また、ダウンタイムもほとんどないといったメリットもあります。

一方、ほかのたるみ治療より施術中の痛みが強かったり、費用が高いといったデメリットもあります。

そのため、美容クリニックで初めて美容医療を体験する方にとってはハードルが高い治療です。それでも、メスを使わない点ではメリットも大きいので、何度かたるみ治療の経験のある方にはおすすめの施術の1つです。

この記事が、サーマクールに興味のある方や施術を検討している方にとって、お役に立てば幸いです。

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