AHAのピーリング効果とは?シミ治療へのメカニズムについて解説

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AHAはケミカルピーリングで使う「アルファヒドロキシ酸」のこと。肌表面の古い角質を除去し、ターンオーバーを促進することから、シミ治療に効果的といわれています。肌の表層を剥離することにより、再生を促す効果が期待できます。今回は、そんなAHAのピーリング効果とシミ治療へのメカニズムを解説します。

 

この記事の監修医師
■経歴
平成15年 日本医科大学 卒業
平成16年 日本医科大学附属武蔵小杉病院 研修医/内科 専修医
平成21年~31年 善仁会丸子クリニック 院長勤務
令和元年5月 Alohaさおり自由が丘クリニック 院長
■保有資格
日本内科学会認定内科医
日本透析医学会、日本腎臓学会
点滴療法研究会
日本美容皮膚科学会

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1.AHAピーリングでシミを治療したい方へ

AHAという言葉を聞いたことがあるでしょうか?

AHAとは、アルファヒドロキシ酸(Alpha Hydroxy Acid)の略称で、ケミカルピーリングで使われる薬剤(酸)の一種。肌のターンオーバーを促すことで、シミや顔のくすみの改善が期待できる美容医療の施術です。

シミの治療は、レーザーのようにメラニンを破壊して行う方法もありますが、AHAを使ったケミカルピーリングでターンオーバーを改善することにより、メラニンを体外へ出す方法もあります。

また、AHAは比較的マイルドな酸であるため、ホームピーリングで使う市販の化粧品に配合されることもあります。

こちらは、美容医療で使う場合よりも効果が穏やかですが、同じようにAHAピーリングと呼ばれることがあります。

果たしてAHAピーリングは、シミへの効果は高いのでしょうか?また、ほかの肌悩みへの効果は?

この記事では、AHAとはどのようなものかについて解説します。

また、美容医療で行うAHAピーリングのシミへの効果をはじめ、市販の化粧品の効果や使い方の注意点などを幅広く解説します。

 

<監修医からのメッセージ>
AHAを使ったピーリングは、美容皮膚科などのクリニックで治療を受けることも、家庭で市販の化粧品を使って行うことも可能です。

美容クリニックの場合は、医師などの専門家が、肌状態を診ながら適切な薬剤で治療を行うため、ホームピーリングより効果が高く、より安全に行えます。
しかし、費用が高くなったり、通院の必要があります。

一方、AHAのホームピーリングの場合は、比較的安価で手軽に行えます。しかし、効果という点においてはマイルドで個人差があり、大きな改善が期待できません。また、肌のコンディションや使用方法などを誤ると、肌トラブルのリスクがあります。

このように、いずれもメリットとデメリットがありますが、シミやニキビなどをしっかり改善したいとお考えの場合は、クリニックでAHAピーリングを受けることがおすすめです。

クリニックなら、肌悩みにAHAピーリングが向かない場合なら、ほかの治療法の提案ができますし、単独で効果が不十分な場合は、ほかの治療との組み合わせの提案が可能です。

今、大きな肌悩みがなく、予防的なケアならホームピーリングでも十分ですが、すでに肌悩みがあって、早く改善したい場合は、まず美容皮膚科などでカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。

 

2.AHAのピーリングとは?|フルーツ酸の効果で美肌を手に入れる

1)AHAとは?

AHAは、アルファヒドロキシ酸(Alpha Hydroxy Acid)の頭文字をとった略称です。

アルファヒドロキシ酸は、りんごや柑橘類などに含まれている天然由来成分で、別名フルーツ酸とも呼ばれます。

AHAには次のような種類があります。

 

  • クエン酸(肌の活性化、酸化防止作用)
  • 乳酸(角質を柔らかくする作用)
  • グリコール酸(古い角質を溶かす作用)
  • リンゴ酸(角質を柔らかくする作用)
  • 酒石酸(phバランスを整える作用)

2)ケミカルピーリングではグリコール酸と乳酸を使用

今挙げたAHAのうち、主にグリコール酸と乳酸が日本の美容皮膚科のケミカルピーリング治療に用いられます。

グリコール酸と乳酸には、皮膚表面の古くなった角質を剥離して、肌のターンオーバーを促進させる効果があります。

その結果、皮膚が生まれ変わることで、シミやくすみ、毛穴の開き、ニキビなどの改善に効果を発揮します。

<参考記事>

ケミカルピーリングの効果はいつから?ニキビ跡や毛穴にも効果ある?

3)化粧品では5種のAHAを使用

AHAは、ピーリング剤の中では比較的刺激が少なく、お肌に優しくアプローチできる成分です。

肌への負担が少なく日本人の肌にも合うことから、最近では市販のピーリングアイテムに配合されることが増えています。

たとえば、洗顔料やクレンジング料、拭き取り化粧水、収れん化粧水などのスキンケア製品も多く販売されています。

一般的に、ホームピーリング用の化粧品には、目的に応じて先ほど挙げた5種が配合されます。

<参考記事>

ふき取り化粧水の効果と安全性!メリットとデメリットと使い方のコツ

収れん化粧水は毛穴の開きに効果的?その真実の効果と選び方



3.AHAピーリングのシミ治療のメカニズム・仕組みを解説

AHAには、皮膚の角質に接着しているタンパク質を分解して、古くなった角質層を剥がれやすくする作用があります。

AHAピーリングのメカニズムは、そのはたらきで、肌表面の古くなった角質層を剥がし、お肌のターンオーバーを正常化し、新しい肌細胞を再生させるのです。

剥がされた古い角質には、シミや色素沈着の原因となるメラニン色素が含まれており、剥離することで、シミの予防や改善に効果があります。

さらに、肌表面の乾燥やザラつき、くすみなども改善されます。

その結果、AHAピーリング後はトーンアップした透明感のある肌や、潤いのある滑らかな美肌へと導いてくれるのです。

しかし、リスクもあります。

刺激が少ないAHAピーリングですが、過度に使用してしまうと肌トラブルを引き起こす原因になります。 そのため、市販の化粧品を使用する際には、用法・用量、使用方法など、説明書の内容を理解して適切に使用してください。敏感肌や使用方法に不安がある人は、美容皮膚科で施術を受けることも一つです。

4.AHAピーリングの嬉しい3つの効果

AHAピーリングには、3つの効果があります。

  • シミやくすみのない美肌へ導く
  • ニキビやニキビ跡の改善
  • 小じわのないハリに満ちた肌へ

 

しかし、美容皮膚科によるAHAピーリング治療においても、1回で大きな改善効果が得られるものではありません。

お肌の状態によって、適切な頻度・回数の施術をクリニックで受ける必要があります。

一方、スキンケアとして取り入れるAHAピーリングは、より効果がマイルドなため、肌悩みの予防はできても大きな改善を期待するものではありません。

また、適切な使用法・使用回数を守ることが安全に使うために大切です。

1)シミ・くすみのない明るい肌に

シミやくすみの原因の1つは、ターンオーバーの乱れによるメラニン色素の蓄積です。AHAは表面の角質を剥がして、肌のターンオーバーを促進させる効果があるため、肌の奥深くにあるメラニンを押し出して、シミやくすみを改善させます。

さらに、シミやくすみがなくなることで、肌がトーンアップも期待できます。このように、AHAピーリングは、シミに悩んでいる方へぜひおすすめしたい治療法です。

 

<シミやそばかすができるメカニズム>

シミ・そばかすができるメカニズムの図

 

<参考記事>

お肌のターンオーバーの改善と正常化は促進だけではNG!

2)頑固なニキビにもアプローチ

ニキビの原因は、皮脂が毛穴へ詰まることです。詰まってしまった毛穴にアクネ菌が繁殖し、炎症を起こすことで、ニキビができます。AHAは新陳代謝を活性化させることで、皮脂や角質の詰まりを取り除く効果があります。このことから、ニキビやニキビ跡、毛穴の黒ずみや開きの改善にも役立ちます。

 

しかし、難治性のニキビ痕の場合は、AHAピーリングだけでは改善が難しいことがあります。その場合は、フラクショナルレーザーやダーマペンといった治療と組み合わせることで効果が期待できます。

 

<ニキビ発症にメカニズム>

ニキビ発症のメカニズム

 

<参考記事>

フラクショナルレーザーの効果とは?期間やダウンタイムについても解説

ダーマペン4の効果まとめ!値段やダウンタイムまで徹底解説

3)小じわを改善してハリのあるすっぴん美肌に

乾燥肌の原因には、加齢によるターンオーバーの乱れやバリア機能の低下があります。また、乾燥すると肌バリアの低下からほかの肌トラブルを招く原因にもなります。

さらに、紫外線ダメージが加わると肌のハリやツヤが失われ、小じわが目立つこともあります。

AHAでターンオーバーを改善させることで、肌が整い乾燥肌が改善します。ピーリング後は一時的に肌の乾燥を感じますが、その後、肌が再生され潤いが期待できるため、乾燥肌や乾燥による小じわの改善が期待できます。

また、AHAによって角質を除去すると、「サイトカイン」という細胞同士の情報を伝達するタンパク質が皮膚の細胞から放出されます。そのサイトカインが線維芽細胞にはたらきかけ、コラーゲンやエラスチンの生成も促進します。

その結果、肌にハリをもたらします。

<参考記事>

お肌のバリア機能とは?低下の原因を知って対策で美肌へ!

乾燥肌とは?原因は12の要素!メカニズムを知ることで対策



5.美容クリニックで受けるAHAピーリング

1)クリニックで受けるAHAピーリングの特徴

美容クリニックでは、グリコール酸や乳酸、またはいくつかの種類をブレンドしたピーリング剤が使われます。
グリコール酸はAHAの中で分子量が最も小さく、肌の奥に届きます。

グリコール酸は、角質細胞間結合と呼ばれる角質と角質の間にある接着部分を弱め、角質を剥離します。

乳酸はグリコール酸と比べ、分子量が大きく皮膚の表層部に作用します。

また、保湿力もあり、グリコール酸よりも作用がマイルドで、敏感肌や乾燥肌の人でも使えることがあります。

施術後の感覚としては、グリコール酸 はさっぱり、乳酸はしっとりします。

2)AHAピーリングのメリットは?

  1. ダウンタイムがほとんどない

    治療後のダウンタイムはほとんどない点がメリットです。

    肌状態によっては、赤みが少し残ることがありますが、多くは当日のうちに消失します。特に大きな問題がない場合は、施術当日からメイクが可能です。

  2. 施術後の効果実感が早い

    AHAピーリングでは、古い角質や汚れがとれるので、効果を早く実感できます。

    もちろん、年齢や肌悩みの種類によって個人差があり、ニキビ跡や毛穴の開き、シミなどでは、何度か施術を受ける必要はありますが、毛穴がキレイになったり、肌のツルツル感の効果実感は早いです。

  3. 顔以外にも使用ができる

    AHAケミカルピーリングは、背中やデコルテ、肘や膝、くるぶしなど、さまざまパーツに使えることもメリットです。

<参考記事>

デコルテのニキビの予防と改善対策のスキンケアと治療法

ひじ・ひざ・かかとの黒ずみと乾燥とエイジングケアの秘密

3)AHAピーリングの注意事項

まれですが、治療数日後に薄い皮むけが起きたり、赤みがでること、ピリピリ感・熱感を感じることがあります。

施術後は、肌が敏感になっているので、治療部位を強く洗ったり、こすったりすることは控えましょう。

また、保湿ケアと紫外線対策をしっかり行うことが大切です。

なお、次のような方は、AHAピーリングを受けられない場合があります。

  • アスピリン・ラテックスにアレルギー
  • 自己免疫疾患
  • 皮膚の炎症や発疹
  • ヘルペス等の感染がある方
  • 妊婦および授乳
  • 極度の日焼け、または近日中に日焼けの予定がある
  • 1ヶ月以内にレーザー治療や医療脱毛などほかの治療を受けた
  • 肌の炎症が起こりやすい

6.自宅でケア!AHAピーリングの3つの主な製品と使い方

AHAピーリングをやってみたいけれど、定期的にサロンやクリニックに通えないという人は、自宅でのケアから始めてみてはいかがでしょうか?

美容医療で受けるAHAピーリングより効果がマイルドで、手軽に始めることができます。

ここでは、自宅のスキンケアとして取り入れやすいオススメの3タイプを使い方とともにご紹介します。

AHAピーリング製品は、多くのブランドからさまざまな特徴を持つアイテムが販売されています。ご自身の肌に合うものを選択し、うまく取り入れてみてください。

1)石鹸タイプ

洗顔料として使用できるAHAを配合した石鹸タイプは、洗顔するだけで簡単にホームピーリングができます。これは、ピーリング洗顔とも呼ばれます。使い方は、通常の洗顔料と同じように泡立ててくるくると回すように洗顔するだけです。石鹸タイプのAHAピーリングは、比較的浅い層の角質に作用するため、肌のトーンアップなどのマイルドな効果が期待できます。

石鹸の泡が洗い流される際、AHAが完全に洗い流されるため、肌への刺激は比較的少ないとされています。ただし、ピーリング洗顔は毎日行ってしまうと、肌に負担を与えてしまう危険性もあります。週に1回〜2回程度を目安に使用することをおすすめします。

最近では、ボディソープとして全身で使用できる化粧品もありますので、肘や膝など気になるところに部分使いも可能です。

2)ローションタイプ

ピーリングローションは、化粧水のような使用感で、肌に直接塗布することができます。肌に浸透しやすいため、比較的浅い層の角質に作用しますが、石鹸タイプよりも強い効果があります。

拭き取りタイプと拭き取らないタイプの2種類あり、化粧品の種類によって乳酸やグリコール酸などの配合成分や濃度が異なります。いずれも正しい使い方を行わないと肌に刺激となってしまうので、注意が必要です。

拭き取りタイプの使い方は、コットンにたっぷりと含ませ、優しく拭き取ります。製品によってはコットンパックを推奨しているものもありますが、パックの装着時間については、必ず製品の使用方法を守ってください。

拭き取らないタイプの使い方は、通常の化粧水と同じように優しく肌になじませます。こちらは、コットンによる摩擦の心配もなく使用できる点がメリット。

ローションタイプを使用した後は、しっかりと保湿力の高いクリームなどでケアすることをおすすめします。

3)ジェル・クリームタイプ

ピーリングジェルとピーリングクリームは、肌に塗布してから時間をおいて洗い流すタイプの製品です。比較的浅い層から中層の角質に作用し、肌のターンオーバーを促進することで、肌のトーンアップ、小じわやシミの軽減などの効果が期待できます。

製品によって、クエン酸、りんご酸、グリコール酸や乳酸など、含まれる成分が異なります。

ジェルタイプの使い方は、洗顔後に顔の水気を拭き取り、10円玉程度のジェルを手に取ります。くるくると優しくマッサージしながら伸ばしていくとポロポロとカスが落ちてくるので、洗い流して終了です。

クリームタイプの使い方は、適量のピーリングクリームを手のひらに取ります。肌にやさしくマッサージするように、クリームを顔全体に塗ります。各製品によって異なりますが、通常は30秒〜1分程度マッサージしてください。時間をかけすぎるとお肌に負担がかかってしまうため、使用前に製品の推奨する時間を確認することをおすすめします。その後、しっかり洗い流して終了です。

使用頻度はお肌の状態に合わせて、週に2~3回程度がおすすめです。こちらも使用後は、しっかりと保湿力の高いクリームなどでケアをすることをおすすめします。



7.AHAピーリングの4つの注意点

AHAは、比較的お肌に刺激の少ないフルーツ酸を主としたピーリングです。ただし、製品に記載の使用方法や時間を誤ると、副作用や肌トラブルを引き起こしてしまいます。多くの場合は、美容医療でAHAピーリングを受ける場合と同じです。ここでは、家庭でのAHAピーリング使用時に守るべき4つの注意点について解説します。

1)乾燥しやすいので保湿は必須

ピーリングをすると肌表面の角質層が剥がれ、一時的に肌バリアが低下します。そのため肌の水分量が減り乾燥しやすくなるのです。お肌が乾燥していると炎症を引き起こし、肌トラブルに繋がるため、ピーリング後は徹底した保湿をする必要があります。

2)赤みが出ることも

ピーリングを初めて行った場合や、使用頻度がご自身の肌には多すぎて負担がかかっている場合などには、副作用として赤みが出ることがあります。その場合は、一時ピーリングの使用を止めて様子をみてください。赤みが酷かったり、炎症となってしまった場合は、色素沈着の恐れもあるため、早めに皮膚科で医師に相談することをおすすめします。

3)ピリピリした刺激あり

ピーリングが初めての場合は、副作用としてピリピリとした刺激を感じる人が多いです。数回続けるとお肌が慣れて刺激を感じにくくなります。複数回使用後にピリピリが強い場合は、使用頻度を見直すことをおすすめします。必要な角質層まで剥がれて肌バリアが低下している可能性もあります。回数を減らし保湿をしっかりとして、様子を見てください。

4)紫外線対策も忘れずに

AHAピーリングを行ったあとは、肌バリアが低下し紫外線の刺激を受けやすくなっています。紫外線を浴びるとメラニンが増加し、シミが濃くなる恐れもあります。外出する際や陽のあたる室内で過ごす際は、必ず日焼け止めを塗って紫外線ケアを行ってください。

8.AHAピーリングの回数は?週に1回程度がおすすめ

1)ホームピーリングは週1回程度

AHAピーリングの回数については、一般的に週1回程度がおすすめとされています。

ただし、使用する製品の種類や肌質によっても異なる場合があります。万が一、毎日使用してしまうと、必要な角質層まで剥がしてしまい、肌トラブルを引き起こす可能性もあります。誤った使い方をすると、逆に肌に悪い影響を及ぼしてしまうため、注意が必要です。

特に敏感肌や乾燥肌の人は、使用頻度を調整する必要があります。

2)クリニックなら月2回から1回程度

美容皮膚科で施術を受ける場合の頻度については、2~4週間に1回程度を目安にしてください。ただし、個人差やクリニックで使用する成分によっても異なるので、医師と相談の上施術をしてください。

9.日本のケミカルピーリングで使用されているのは3種類

最後に、AHA以外のケミカルピーリングに使われる薬剤をご紹介します。

AHA以外では、日本で使用されているケミカルピーリングの薬剤は2種類があります。

 

  • BHA(Beta Hydroxy Acid)
  • TCA(Trichloroacetic acid)

1)BHA

BHAは通称サリチル酸と呼ばれ、角質を柔らかくし溶かす成分です。AHAは皮膚表面の角質に作用することに対して、BHAは毛穴の深くまで浸透し、皮脂や角質を溶かします。シミや毛穴の黒ずみ、ニキビ跡の凹凸に効果があり、ターンオーバーを活性化させることで、皮膚のあらゆるトラブルに有効です。

こちらも一般的に、ケミカルピーリングの治療として使用されます。個人差はあるものの、ピーリング後3〜4日の間は、皮がポロポロと剥けるダウンタイムがあります。

2)TCA

TCAは、通称トリクロロ酸と呼ばれる成分です。美容皮膚科でのダーマペンと同じように、創傷治癒力を利用して治療します。TCAは浸透力が高く、深い層の角質に作用するため、より強力なピーリング効果を得られることが特徴です。AHAやBHAと比べて肌への刺激が強いために、日本では医療機関でのみ使用されます。ニキビやニキビ跡、加齢によるシミやたるみに効果が期待できます。

施術後は、約1週間程度のダウンタイムや肌のひりつきがあります。個人差はあるものの、かさぶたができた場合は、自然に剥がれるまで待つことが大切です。

10.まとめ

AHAのピーリング効果とシミやニキビ、小じわなどを改善するメカニズムについて解説しました。

美容医療で受けるAHAピーリングは、シミ治療に効果的です。メラニン色素の生成を抑制する作用もあるため、シミの予防にも効果が期待できます。また、くすみ、ニキビ、ニキビ跡、ハリなどの改善にも効果が見込めます。

しかし、単独では効果が不十分な場合もあるので、その場合はほかの治療法と組み合わせる必要があります。

化粧品によるAHAピーリングは、美容医療で受けるものより効果がマイルドで、シミほか肌悩みの予防はできても改善は難しいです。

また、AHAピーリングは適切な方法で行うことが大切です。製品の種類や肌質によっては、使用頻度を調整する必要があります。敏感肌の人は、濃度の低いピーリング製品を、間隔を開けて使用することから始めましょう。

美容医療でも家庭用でも、AHAピーリング後は、肌バリアが低下するため一時的に乾燥しやすく、外的ダメージを受けやすいので、しっかりとした保湿と紫外線対策をしてください。

この記事が、AHAピーリングを試してみたい方や美容クリニックの施術を検討している方のお役に立てば幸いです。

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