ピコレーザーの種類と機種別の特徴!5種からどれを選ぶ?

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ピコレーザーの医療機器にはたくさんの種類があります。基本的な機能は同じでも照射速度や周波数などが違うため特徴があります。また、それぞれメリットやデメリットもあります。そこでこの記事では、ピコレーザー5種の機器の特徴を一挙公開。どの機種を選べば自分にあうかわかります。

この記事の監修医師
■診療科
内科,美容皮膚科,アレルギー科,アンチエイジング外来,女性外来,産業医
■経歴
ニューヨーク州バッファロー市生まれ
金沢医科大学 医学部 卒
金沢医科大学病院にて小児科・内科研修
大阪・神戸・東京・福岡の病院で内科と皮膚科を担当
2018年8月クリスタル医科歯科クリニック内に内科、美容皮膚科、アレルギー科を開設
■資格
日本内科学会 認定内科医
日本医師会 認定産業医
抗加齢医学会 専門医

美容レーザーにはたくさんの種類があります。

美容レーザーの種類と特徴の図

その中でピコレーザーは最新の機器で、シミの除去をはじめ毛穴の開きや小じわなどさまざまな肌悩みに効く美容医療の施術を行う医療機器です。

また、従来でレーザー治療で悪化すると言われていた肝斑の改善にもその可能性が期待されています。

その上、ダウンタイムや副作用が少ないといったメリットもあります。

なぜなら、ピコレーザーは従来のシミ取り治療とは異なり、衝撃波でメラニン色素を破壊する治療法で、周囲の肌を傷つけるリスクがとても小さいからです。

<ピコレーザーとQスイッチレーザーの違い>

ピコレーザーのシミへの効果を表した図

<ピコレーザーは衝撃波で治療>

従来のレーザーとピコレーザーの違い

そのため、今では多くの美容クリニックで取り扱いがあり、人気の美容医療の施術の1つになっています。

ピコレーザーがおすすめの方は次のような方です。

シミ・そばかす・肝斑を無くしたい

毛穴・小ジワ・ニキビ跡を改善したい

アートメイクを消したい

肌質を良くしてトーンアップしたい

光治療(IPL)を受けたが薄いシミが残った

ダウタイムの少ない治療を行いたい

Qスイッチレーザーより痛くない施術を受けたい

そんなピコレーザーには、いくつかの種類があります。そして、少しずつ特徴が異なるため、機種によって効果が異なることがあります。

もちろん、どのピコレーザーの機種にもメリットやデメリットがあります。

だから、施術を受ける方からは、「自分の肌悩みにはどの機種のピコレーザーの機種を選べば良いの?」が気になりますね。

そこで、この記事では、ピコレーザー5種の機器の効果の違いや特徴をご紹介します。

<監修医からのメッセージ>
最近では多くの美容クリニックで採用されているピコレーザー。
シミや毛穴の開きなどに効果が期待できるレーザー治療機器です。

従来は、ナノ秒(10億分の1秒)単位で照射できるQスイッチレーザーが主流でしたが、今ではナノ秒よりも短いピコ秒(1兆分の1秒)単位での照射を行えるピコレーザーが美容医療の現場でよく使われるようになってきました。

ピコレーザーはQスイッチレーザーと比べても痛みが少なく、色素沈着を起こしくい上に施術後のリスクを軽減できる点デメリットがあります。

また、スポット、フラクショナル、トーニングという3つの照射モードがあるので、さまざまな肌悩みの治療が可能です。

そんなピコレーザーは今では種類が増えてきました。
そのため、基本的な機能は同じあっても、機器の種類の違いで少しずつ特徴が異なります。

この記事では、そんなピコレーザーの特徴から機種やそれぞれの特徴を紹介しています。

ピコレーザーで治療を検討している方は、ぜひ、参考にしてください。

 

<参考記事>

シミ取りレーザーの種類と効果は?失敗しない選び方や料金相場を解説

ピコレーザーとはシミ取りに効果ある?種類やダウンタイムについても解説

 

<参考動画>

最先端のピコレーザー治療!専門医おすすめはこのマシン

2.ピコレーザーの特徴と効果を決める要素

1)ピコレーザーの強みは照射速度

ピコレーザーのパルス幅を比較したグラフ

 

ピコレーザーの「ピコ」とは、レーザーのパルス幅(照射時間)を示しています。

これまで主に使われていたQスイッチレーザーが「ナノ秒(10億分の1秒)」であるのに対し、ピコレーザーのパルス幅は「ピコ秒(1兆分の1秒)」と、1000倍も早くレーザーを照射することができます。

パルス幅が非常に短くなったことで、従来よりも皮膚へのダメージを大幅に減らすことができます。

さらに、ピコレーザーは、熱作用ではなく「衝撃波」によって色素を粉砕するため、従来のレーザーではアプローチできなかった微粒子サイズのメラニン色素を破壊できるという特徴があります。それにより、従来のレーザーでは難しかった薄いシミの治療にも効果を発揮します。

2)ピコレーザーには3つの照射モードがある。

ピコレーザーには次の3種類の照射モードがあり、モードを使い分けることで、周辺組織への影響を考慮した、お肌悩みに合った効果的な治療を行うことができます。

  • ピコトーニング

ピコトーニングは、弱い出力のレーザーを広い範囲に照射してメラニン色素を少しずつ減らしていく治療法で、シミ・ソバカス、くすみ改善に効果的です。

3つのモードの中で、唯一肝斑の治療が可能です。

施術時の痛みも少なく、ダウンタイムがほとんどありません。

  • ピコフラクショナル

ピコフラクショナルは、レーザーを無数の点状に照射し、肌の深部(真皮)にまで刺激を与えて、皮膚の再生を促す治療法で、しわやニキビ跡、たるみ毛穴など、お肌の凹凸改善に効果的です。

従来のフラクショナルレーザーと比べて、施術時の痛みやダウンタイムが短いのが特徴です。

また、個人差はありますが、比較的早く変化が実感できます。

  • ピコスポット

ピコスポットは、強い出力のレーザーを気になる部分にピンポイントに照射して、メラニン色素を破壊する治療法で、濃いシミやほくろなどの改善に効果的です。アートメイクやタトゥーの除去に使用されることもあります。

熱作用ではなく衝撃波によってメラニン色素を粉砕するため、周辺組織へのダメージが少ないため、痛みが少なく、ダウンタイムも短いというメリットがあります。

また、機種によっては術後のテープ保護が不要であることも大きなメリットです。

 

<ピコレーザーの照射モード別の特徴>

効果が高い肌悩みダウン

タイム

治療間隔・

回数

メイク・洗眼
トーニングシミ・ソバカス

肝斑

くすみ除去

ほぼなし1回/3週~4週

を5回~10回程度

当日または翌日から
フラクショナル毛穴の開き

たるみ毛穴

ニキビ跡

小じわ

ほぼなし1回/3週~4週

を5回~10回程度

当日から
スポット濃いシミ

大きめのシミ

ADM

刺青

アートメイク

2週間程度基本1回

大きいシミには2回くらい

刺青は2~3回

照射部位以外は当日から

 

<参考記事>

ピコフラクショナルの効果はいつから?何回で毛穴やシミに効果が出る?

ピコトーニングの効果はいつから?施術間隔やダウンタイムも解説

ピコスポットの経過とダウンタイム。かさぶたにならない過ごし方は?

3.ピコレーザーの機種別の特徴を生む3つの要素

ピコレーザーにはさまざまな機種が存在しますが、機種別の特徴を生む要素は主に波長とパルス幅の2つがあります。それぞれ具体的にみていきましょう。

  1. 波長

    波長とは、電磁波をグラフにしたときに、ひとつの波が生じてから次の波が生じるまでの長さのことをいいます。

    一般的には、波長が短いほど皮膚表面へはたらき、波長が長いほど皮膚の奥深くまで届きます。

    例えばシミに反応させたい場合は、シミのもとであるメラニンに吸収されやすい波長のレーザーを使用します。また、赤ら顔の治療には、赤い色素であるヘモグロビンに吸収されやすい波長を使用します。

    ピコレーザーで使用されるレーザーの波長は主に532nm~1,064 nmですが、機種によって搭載している光源が異なり、それによって照射できる波長が異なります。

     

    <波長別の吸収スペクトラム>

    レーザーの種類と色素吸収スペクトラムのグラフ

  2. パルス幅

    パルス幅とは、1回の照射時間のことをいいます。

    パルス幅の違いによって、皮膚に入る「熱」と、「ピークパワー」と言って、ターゲットを破壊する力が変わります。

    具体的には、パルス幅が長いほど皮膚に入る熱量が増えます。反対に、短くなるとピークパワーが強くなります。

    もともとピコレーザーはパルス幅が短いので、皮膚に入る熱は少なく、ピークパワーは高いのですが、機種によってパルス幅が異なるので、同じピコレーザーでも違いが出てきます。

  3. フルエンス

    美容医療で使われるレーザーのフルエンスとは、単位面積あたりのエネルギーの尺度です。

    これでレーザーのエネルギーがどれだけ集中しているかがわかります。

    レーザーフルエンスの一般的に使用される単位は、1平方センチメートルあたりのジュール (J/cm2) です。

    フルエンスが高いとレーザーが肌の色素に反応しやすくなるので効果は高くなります。しかし、火傷などのリスクも高くなります。

    だから、肌質に合わせフルエンスを細かく設定することがとても大切です。

    この3つの要素の組み合わせによって、適応する肌悩みやダウンタイムなどが変わってくるのです。

4.ピコレーザー5種を一挙公開

ピコレーザーの機種によって、波長やパルス幅が異なることがわかったところで、実際にクリニックで取り扱われている代表的な5つの機種と、その効果の違いや特徴をご紹介します。

 

<ピコレーザの種類別の違い>

機種名メーカーパルス幅波長
ピコシュアサイノシュアー社755ps532nm・755nm
ピコウェイシネロンキャンデラ社246ps、294ps、339ps532nm・730nm・1064nm
エンライトンⅢキュテラ社750~2000㎰532nm・670nm・1064nm
エンライトンSRキュテラ社750~2000㎰532nm・1064nm
スペクトラピコルートロニック社750~2000㎰1064nm・532nm・

595nm・660nm

ディスカバリーピコプラスクアンタ社370~450㎰532nm・1064nm・694 nm
ディスカバリーピコクアンタ社370~450㎰532nm・1064nm

1)ピコシュア

世界初のピコレーザー機器で、アレキサンドライトレーザーの1種です。

米国のFDAからシミ・シワ・ニキビ跡の改善とタトゥー除去の承認を得ています。

また、厚生労働省でも承認を受けています。

メラニンの吸収率が高い755nmの波長を使用しているため、低出力でもシミの除去がよりスピーディに行えます。

通常、ピコシュアのピコフラクショナルは弱めのパワーで行うので、ダウンタイムが少なく、赤みも24時間以内に消えていきますが、ニキビ跡の中でもクレーターを改善するにはハイパワーでのピコフラクショナルの治療が必要になります。

クリニックによってはハイパワーでの治療を行っているところもあるので、クレーター改善が目的の場合は、そういったクリニックを探してください。

なお、ピコシュアのピコフラクショナルでのハイパワーの治療は、痛みが強く、ダウンタイムも1週間ほどかかります。ほかの治療方法とも比較しながら、医師と相談のうえ、自分に合った治療方法をご検討ください。

 

<参考記事>

アレキサンドライトレーザーとは?シミへの効果や値段について解説

2)ピコウェイ

ピコウェイは、厚生労働省の承認を受けているピコセカンドKTP/Nd:YAGレーザーです。

ピコレーザーの中で最も照射速度が速く周りの皮膚にダメージが小さい点が特徴です。

3種類の波長の特性を活かして、症状や治療のニーズに合わせた使い分けや組み合わせが可能となっているのが特徴です。

730nmの波長は、メラニンへの吸収が良い反面、酸化ヘモグロビンへの反応が少ない波長です。そのため、効率的にメラニンを除去でき、かつ血管の障害が少なくなります。

ピコウェイはピコシュアよりも鋭いピークパワーを持っていますが、波長が長めなので、真皮や皮下組織を含む、皮膚の深い部分まで届き、皮膚の深い部分から肌質を改善できます。また、エネルギーが皮膚の奥まで分散するので、ダウンタイムをそれほど気にする必要がありません。ダウンタイムを取らずに、肌のハリ、キメ、毛穴の引き締めをしたいという方にお勧めの機種です。

 

<参考記事>

YAGレーザーとは?シミへの効果やダウンタイムについて解説

3)エンライトンⅢ、エンライトンSR

エンライトンは、ピコセカンドKTP/Nd:YAGレーザーです。

日本の厚生労働省の許可を受けており、シミや肝斑、タトゥー除去などの治療に使用されています。

エンライトンの特徴は、短いピコ秒単位のパルス幅とあわせて、ピコより長いナノ秒単位のパルス幅でも照射できることです。

ナノ秒で大きなメラニンにアプローチしたと、ピコ秒で小さなメラニンにアプローチするといった治療が可能に。

エンライトンⅢは、エンライトンの最新機種。従来のエンライトンSRが2種類の波長だったのに対し、3種類の波長を搭載しています。

それにより、SRは赤・橙・黄・茶・黒の色素に対応していましたが、エンライトンⅢの場合、赤・橙・黄・茶・黒・青・緑の色素に対応。多色のタトゥー除去の治療にも効果が期待できます。

4)スペクトラピコ

スペクトラピコは、ピコセカンドKTP/Nd:YAGレーザーです。

ピコレーザーの中で最も多い4つの波長を搭載。

例えば、他の機種にない595nmの波長は、血液中のヘモグロビンに反応し、赤アザや赤ら顔の治療に効果が期待できます。

この4つの波長を使い分けて、青や緑、紫、赤、オレンジ、黄色など、ほぼ全ての色素対応。

そのため、さまざまな色素が混在した難しいタイプのシミやくすみ、複数の色素を使ったアートメイクやタトゥーの除去にも最適と言われています。

また、エンライトン同様、ピコレーザーとナノレーザーの両方を照射することが可能です。

5)ディスカバリーピコプラス、ディスカバリーピコ

独自のピコテクノロジーで、他のピコレーザー機器の2倍から4倍のピークパワーで照射が可能とされています。

ピコウェイに次いで、ピコレーザーの中でもパルス幅が短いため、痛みや色素沈着のリスクを抑えながら高い効果が期待できます。

上位機種のディスカバリーピコプラスでは、ルビーレーザーを搭載し波長694nmが加わり、シミへの効果が従来機のディスカバリーピコよりアップしています。

また、ディスカバリーピコプラスは、「ピコ秒」「ナノ秒」「マイクロ秒」のパルス幅と、532nm・694nm・1,064nmの3つの波長に加え、単一波長のロングパルスも搭載されています。それぞれの特徴に合わせた豊富な治療が可能なので、より効果的に肌全体のお悩みに対応することが可能です。

さらに、3つのモードに加えて、お顔全体に熱エネルギーを照射し、皮膚の美肌成分を生成・促進する「ジェネシスモード」を搭載。赤ら顔、ニキビ、毛穴、ハリはだの美肌ケアに加えて唇のケアも可能。

 

<参考記事>

ルビーレーザーとは?シミ治療にかかる料金やダウンタイムなど解説

5.まとめ

ピコレーザーの7種の機器の効果の違いや特徴をご紹介しました。

ピコレーザーはダウンタイムが少ないうえ、従来のレーザーでは難しいとされていた肝斑治療や肌質改善など、幅広い治療に効果が期待できることから、今では人気の美容医療の施術の1つになっています。

そんなピコレーザーの機器にはいくつかの種類があり、少しずつ特徴が異なるため、機種によってお肌悩みに対する効果が異なってきます。

そのため、求める効果が期待できる機器を事前に理解しておくことは大切です。

また、自分の肌悩みに合ったピコレーザーの機種を取り扱っているかを、実際にクリニックを訪れる前に調べておくことで、希望に合ったクリニックを見つけやすくなるのではないでしょうか?

この記事が、ピコレーザーでお肌悩みを改善したい方や、自分に合ったクリニックを探している方のお役に立てば幸いです。

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