【医師監修】シワ・ほうれい線などエイジングケア治療と幹細胞培養上清液|エビデンスと限界を解説

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シワやほうれい線などのエイジングケアでも、幹細胞培養上清液の臨床応用が研究されています。培養上清液が線維芽細胞やコラーゲンに関わりうる仕組み、外用・施術併用の臨床研究とメタ解析、シワやほうれい線への限界、安全性・法規制まで、美容医療の視点でエビデンスに基づきわかりやすく解説します。

寺井 美佐栄 先生
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この記事の監修医からのメッセージ

ミサクリニック 六本木本院

院長 寺井 美佐栄 先生

幹細胞培養上清液は、成長因子やサイトカインなどを含む素材として、シワやハリといったエイジングケア領域でも研究やクリニックでの使用が進みつつあります。ただし、ヒトでの有効性が比較的検討されているのは、マイクロニードルやレーザーなどの施術に外用を併用した研究が中心で、規模も限られています。とくにほうれい線やたるみは、皮膚のしわだけでなく顔の構造的な変化が大きく関わるため、培養上清液で「若返る」と言い切れるものではありません。標準的なケアや治療を土台に、期待できる範囲と限界、そしてリスクを分けて理解し、医師とよく相談して選んでいただくことが大切です。

 

<看護師アドバイザー>

美容看護師中川ゆう子さん

中川ゆうこさん

<執筆>

ナールス美容医療アカデミー編集長 富本充昭

富本充昭

「シワやほうれい線が気になるが、幹細胞培養上清液で改善できるのか知りたい」
「“再生”“若返り”という言葉に惹かれるが、本当に効果があるのか、限界はどこかを知りたい」
「外用・注入・点滴など方法が多く、どれがエイジングケアに向くのか分からない」

ほうれい線や頬のシワを気にする50代女性

幹細胞培養上清液は、成長因子・サイトカイン・エクソソームなどの分泌成分を含む素材として、シワ・ハリといったエイジングケア領域でも研究が進みつつあります。基礎研究では、これらの因子が真皮の線維芽細胞やコラーゲン産生に関わりうることが示されています。
また、美容クリニックでもエイジングケアメニューの1つとして提案されることも少なくありません。
一方で、ヒトでの効果を示す研究は、レーザーやマイクロニードルなどの施術に外用の培養上清液を併用したものが中心で、規模も限られています。また「シワ」と一口に言っても、乾燥や光老化による小じわ・ちりめんじわと、顔の構造的な変化によるほうれい線・たるみでは成因が異なり、培養上清液が関与しうる範囲も変わります。
本記事では、エイジングケアの基礎、培養上清液がシワに関わりうる仕組み、現在分かっている研究とその限界、施術での使われ方、ほうれい線・たるみへの位置づけ、安全性・法規制の確認ポイントまでを、美容医療の視点でエビデンスに基づき整理します。効果には個人差があり、医師の診察と説明が前提となること、そして培養上清液で効果が保証されるものではないことを最初にお伝えしたうえで、読み進めていただければと思います。

幹細胞培養上清液はシワ・ほうれい線に効果がある?まず結論

この記事の結論
幹細胞培養上清液は、成長因子・サイトカイン・エクソソームなどの分泌成分を含む素材で、シワ・ハリなどのエイジングケア領域でも研究されています。現時点で比較的検討されているのは、マイクロニードルやレーザーなどの施術に外用を併用した研究です。一方、深いほうれい線やたるみは構造的な要因が大きく、培養上清液だけで消える・引き上がるといえるエビデンスは乏しいのが現状です。効果には個人差があり、品質管理・投与方法・安全性を医師に確認したうえで検討することが大切です。

シワ・ほうれい線・たるみとエイジングケアの基本

1)シワの種類と成因

乾燥小じわ・光老化じわ・表情じわ・深いしわの種類と原因

シワには、乾燥による浅い小じわ(ちりめんじわ)、紫外線の影響が積み重なる光老化(真皮)じわ、表情の癖でできる表情じわ、そして加齢による真皮コラーゲンの減少や顔の構造的な変化やたるみに伴う深いしわなど、いくつかのタイプがあります。原因が異なれば、適したケアも変わります。

<参考記事>

しわの美容医療7つの治療法|効果・持続期間・ダウンタイムと選び方

しわ(シワ)の原因と対策完全ガイド|4つの種類別改善法・予防・美容医療

しわが目立つ7つの原因と5つのプロセスを知ろう

2)ほうれい線は「皮膚のしわ」だけではない

ほうれい線が深くなる3つの原因

ほうれい線は、皮膚表面のしわとしてだけでなく、中顔面のボリューム減少や皮膚・脂肪のたるみ(下垂)といった構造的な要素が大きく関わります。そのため、肌の表面をケアするだけで深いほうれい線が消えるわけではない点を、はじめに理解しておくことが大切です。培養上清液が関わりうるのは、主に肌の性状(ハリ・小じわ・キメ)の部分です。

<参考記事>

ほうれい線の原因とは?目立つのはなぜ?深くなる理由を探る!

ほうれい線を美容皮膚科で消す!4つの切らないおすすめ治療

3)標準的なエイジングケアの位置づけ

エイジングケアの土台は、保湿・紫外線対策・レチノイドなどのスキンケアです。加えて、ヒアルロン酸注入・レーザー・RF(高周波)・HIFU(高密度焦点式超音波)などの施術が、しわ・たるみの種類や症状に応じて選択されます。培養上清液は、これらの標準的なケアや施術に置き換わるものではなく、補助的・付加的な選択肢として研究されている段階です。
培養上清液の全体像は、「ヒト幹細胞培養上清液の種類と選び方|由来・製造国・ドナー・安全性を美容医療目線で徹底解説」もご参照ください。

スキンケア・外用での考え方は、「スキンケア・フェイスマスクと幹細胞培養上清液|外用での考え方と選び方」もご参照ください。

幹細胞培養上清液とは?シワに関わりうる理由

幹細胞培養上清液に含まれる成長因子・サイトカイン・エクソソーム

1)分泌成分(成長因子・サイトカイン・エクソソーム)

幹細胞培養上清液とは、幹細胞そのものではなく、幹細胞を培養したあとの上澄みに含まれる成長因子・サイトカイン・エクソソームなどの分泌成分を利用する製品です【1】【2】。細胞を移植するのではなく、細胞が放出した因子を活用するという考え方に基づいています。

2)線維芽細胞・コラーゲンへの関与

真皮の線維芽細胞とコラーゲンに関わる培養上清液の模式図

シワやハリに関わるのは、真皮でコラーゲンやエラスチンをつくる線維芽細胞です。基礎研究では、脂肪由来幹細胞の培養上清液(分泌因子)が、ヒト真皮線維芽細胞の増殖・遊走を促し、I型コラーゲンの産生を高めうることが示されています【3】。また、間葉系幹細胞が分泌するパラクライン因子が組織修復に関わりうるとする研究もあります【4】。こうした基礎的な知見が、「培養上清液がシワ・ハリに関わりうる」と考えられる理由です。

3)エクソソームとの違い

「エクソソーム」と「培養上清液」は混同されがちですが、培養上清液は多様な分泌成分を含む“全体”を指し、エクソソームはその一部にあたる細胞外小胞です【5】。製品ごとに成分・製法・濃縮方法が異なるため、名称だけで判断しないことが大切です。
基礎的な仕組みは、「幹細胞培養上清液とは?成長因子・サイトカイン・エクソソームの違いをやさしく解説」もご参照ください。

エクソソームとの違いは、「エクソソームと幹細胞培養上清液の違い|成分・製法・濃縮・選び方を整理」もご参照ください。

シワ・エイジングケアの研究で分かっていること(エビデンスの現在地)

幹細胞培養上清液のエビデンスを示す研究論文のイメージ

1)外用+施術併用のメタ解析・臨床試験

現時点で比較的質の高いエビデンスがあるのは、レーザー・ピーリング・マイクロニードルなどの施術に、培養上清液の外用を併用した研究です。これらのランダム化比較試験(RCT)5件を統合したメタ解析では、しわ・毛穴・色素沈着・全体的な見た目の改善において、培養上清液併用が寄与しうると報告されています【6】。個々のRCTでも、マイクロニードリングとの併用でしわや色素沈着の改善が示されています【7】【8】。羊膜由来培養上清液をマイクロニードルと併用した臨床試験でも、毛穴やしわの改善が報告されています【9】。

2)外用単独・基礎研究

外用単独では、臍帯血由来培養上清液の外用でしわや真皮密度の改善が示された研究【10】や、幹細胞由来の上皮前駆細胞の培養上清液(5%外用)の小規模臨床でしわ・肌の凹凸の改善が報告された研究があります【11】。基礎研究では、脂肪由来培養上清液が紫外線(UVB)による光老化関連の変化を抑えうることも示されています【12】。

3)研究の質と規模には限界がある

ただし、培養上清液の皮膚領域を対象とした系統的レビューでは、研究の質や規模に限界があると総括されています【13】。多くは施術併用や小規模の臨床であり、由来(脂肪・臍帯・羊膜など)や製法もさまざまです。「改善が報告されている」ことと「効果が確立している」ことは異なる点に注意が必要です。

【重要】研究の現在地を正しく理解する
・比較的検討されているのは「施術(マイクロニードル・レーザー等)+外用の併用」で、単独・大規模の高品質エビデンスは限られています【6】【13】。
・研究の多くは小規模で、由来・製法も不均一です。
・肌の性状(ハリ・小じわ・キメ)に関する報告が中心で、構造的なほうれい線・たるみへの直接的なエビデンスは乏しいのが実情です。

効果の範囲と限界は、「効果の限界とリスク|「若返る」と言えない理由・選んではいけない製品の特徴」もご参照ください。

エイジングケアでの使われ方(施術方法)と注意点

エイジングケアの方法を医師に相談する様子

1)マイクロニードル・水光注射などで導入

幹細胞培養上清液は、マイクロニードルや水光注射などで肌に導入する形で用いられることがあります。前述のとおり、施術併用の研究はしわ・毛穴・色素などで改善を報告していますが【7】【8】【9】、効果には個人差があり、回数や体質によっても異なります。

2)レーザー・RF・HIFU後の併用(ダウンタイムケア)

レーザーやRF、HIFUなどの施術後に、ダウンタイムのケアを目的として併用されることもあります。ただし、これらは主に施術後の肌をサポートする位置づけであり、培養上清液そのものがたるみを引き上げるわけではありません。

3)外用(化粧品・マスク)

化粧品やフェイスマスクとして外用で使われることもあります【10】【11】。手軽な一方で、肌に浸透する成分量や効果は製品により大きく異なるため、過度な期待は禁物です。
スキンケア・フェイスマスクと幹細胞培養上清液|外用での考え方と選び方」も参考にしてください。

4)点滴・静脈投与には注意

エイジングケア目的で点滴(静脈投与)が案内されることもありますが、日本抗加齢医学会は、幹細胞培養上清液・エクソソームの静脈投与について、有効性・安全性に関して推奨するに足るエビデンスが確認できていないとして、現時点では推奨しないとの注意喚起を出しています【14】。局所投与とはリスクの性質も異なるため、慎重な判断が必要です。

幹細胞培養上清液で期待されることと難しいこと

項目培養上清液で期待される範囲限界・注意点
小じわ肌のハリ・キメのサポートが期待される効果には個人差がある
乾燥小じわ外用・施術併用で肌状態の改善報告あり保湿・紫外線対策が基本
ほうれい線肌質のサポートとして位置づけ深い溝や構造的なたるみを消す根拠は乏しい
たるみ施術後ケアの補助として使われることがあるリフトアップ効果を保証するものではない
点滴エイジングケア目的で案内される場合がある学会は現時点で推奨していない
中川ゆう子さん
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美容看護師中川ゆう子さんコメント

美容看護師

中川ゆう子さん

カウンセリングでは、シワの種類(乾燥小じわなのか、構造的なほうれい線・たるみなのか)を見極めたうえで、培養上清液で期待できる範囲と、標準的な施術(注入・レーザー・RF・HIFUなど)との組み合わせを相談することが大切です。「これだけで若返る」といった説明ではなく、限界やリスク、費用まで丁寧に説明してくれるかを確認してください。
*中川ゆう子さんは、ナールス美容医療アカデミーのアドバイザーですが、ミサクリニック六本木本院の看護師ではありません。

ほうれい線・たるみへの位置づけと「若返る」と言い切れない理由

ほうれい線やたるみは、皮膚のしわだけでなく、中顔面のボリューム減少や皮膚・脂肪の下垂といった構造的な要因が大きく関わります。培養上清液が主に関わりうるのは、肌の性状(ハリ・小じわ・キメ)であり、深いほうれい線やたるみそのものを引き上げ・改善することを示すエビデンスは、現時点ではほとんどありません。
構造的なほうれい線・たるみに対しては、ヒアルロン酸注入・糸(スレッド)・RF/HIFUなどの施術が標準的な選択肢として検討されます。培養上清液は、これらの代わりではなく、肌質のサポートという別の役割で位置づけて考えるのが現実的です。

・効果には個人差があり、医薬品のような効果が保証されているわけではありません【13】
・「若返る」「消える」「治る」といった断定的な表現は、薬機法・医療広告ガイドラインの観点からも避けるべきです【15】
・深いほうれい線・たるみは構造的要因が大きく、培養上清液の直接的なエビデンスは乏しいのが現状です
・「再生」「幹細胞」という言葉や価格の高さだけで、効果や品質を判断しないことが大切です【16】
・点滴・全身投与には局所投与と異なるリスクがあり、学会も現時点では推奨していません【14】
富本充昭
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ナールス美容医療アカデミー編集長 富本充昭 コメント

ナールス美容医療アカデミー

編集長 富本充昭

私は「魔法のように語られる施術ほど、その根拠と限界を正直に伝えるべき」だと考えています。培養上清液は、肌のハリや小じわといった性状の面では研究が進んでいますが、ほうれい線やたるみのような構造的な変化まで解決するものではありません。期待できる部分とそうでない部分を切り分け、標準的な選択肢と組み合わせて、納得したうえで選んでいただければと思います。
もちろん、理解して使えば幹細胞培養上清液はエイジングケアの選択肢の1つになり得ると考えています。

安全性・品質・法規制の確認ポイント

培養上清液の製剤と品質資料を確認する医師

1)ドナー検査・製造管理・第三者評価

ヒト由来の素材を用いるため、安全性の確保が重要です。ドナースクリーニング、感染症・ウイルス・マイコプラズマ検査、無菌試験・エンドトキシン試験などの検査体制を確認しましょう。これらは培養上清液そのものの承認基準ではありませんが、品質・安全性確保の考え方(厚生労働省 平成24年9月7日 薬食発0907第3号)として参考になります【17】。第三者団体による評価(例:日本臨床培養上清研究会=JSSCCSの評価)も、判断材料の一つになります【16】。
詳しくは、「幹細胞培養上清液は安全?ドナー検査・製造管理・品質評価の見方を解説」もご参照ください。

2)法規制の今(再生医療等安全性確保法)

法規制の現状を示す図

【重要】法規制をめぐる最新動向
幹細胞培養上清液・エクソソームなど、細胞を含まないことが確認された細胞分泌物を用いる医療については、現時点では再生医療等安全性確保法(安確法)の直接の対象外と整理されています。
一方で、厚生労働省は、当該医療を行う医師・歯科医師の責任のもとで品質やリスク管理に留意するよう周知しています(令和6年7月31日 事務連絡)【18】。
また、改正安確法(2024年公布・2025年施行)の附則では、細胞の分泌物を用いる医療技術について、施行後2年(2027年を目途)に法適用のあり方を検討することとされています。
つまり「現状は直接の対象外」ですが、今後規制対象化される可能性があります。「法規制がない=安全」という理解は適切ではなく、品質・検査体制を確認することが大切です。

法的な位置づけは、「幹細胞培養上清液・エクソソーム点滴と法律|再生医療等安全性確保法と最新の検討状況」もご参照ください。

国内で美容目的に用いられる幹細胞培養上清液・エクソソーム等は、製品や投与経路によって法的位置づけやリスクが異なります。医薬品として承認された効果を前提に説明するものではなく、自由診療として医師の判断と説明のもとで検討されるべきものです。

高品質な製品・クリニックを選ぶポイント

エイジングケアで培養上清液・クリニックを選ぶポイント

エイジングケアで培養上清液を検討する際は、次のような点を確認し、医師の説明を受けたうえで納得して判断することが大切です。以下は品質管理項目を確認するための一例であり、特定製品の治療効果を推奨・保証するものではありません。

■ エイジングケアでの確認チェックリスト
① シワの種類(小じわか、構造的なほうれい線・たるみか)を医師が見極めているか
② 期待できる範囲と限界(構造的変化には別の選択肢が必要)の説明があるか
③ 製剤の由来・濃度・製造/検査体制が開示されているか
④ 施術併用・外用など方法ごとの費用と回数の目安が明確か
⑤ 第三者団体による評価の有無(例:JSSCCSの評価など)
⑥ 標準的な治療(注入・レーザー・RF・HIFU等)との組み合わせを提案してくれるか

一例として、品質管理の指標がそろった製剤もあります。ヒト臍帯(Wharton’s Jelly)由来の濃縮培養上清液フリーズドライである「MedicaCell TYPE-Ⅰ」(セルプロジャパン社)は、特許技術による培地由来因子・添加因子の除去、FBS不使用、ドナー検査・細胞検査・培養上清液検査の3STEP検査、JSSCCSのAランク評価などを特徴としています【16】。なお同製品は研究用試薬であり、効能・効果を保証するものではありません。また、第三者評価は品質・安全性管理を判断する参考情報であり、特定の疾患や美容効果を保証するものではありません。
詳しくは、「MedicaCell TYPE-Ⅰ導入クリニック紹介|特徴・施術メニュー・選び方【PR】」もご参照ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. シワに効果がありますか?

外用と施術を併用した研究では、しわ・毛穴・色素の改善が報告されています【6】【7】。ただし多くは小規模で、効果には個人差があり、医薬品のように保証されているわけではありません【13】。期待できる範囲と限界を、事前に医師から説明を受けることが大切です。

Q2. ほうれい線は消えますか?

深いほうれい線は、中顔面のボリューム減少やたるみなど構造的な要因が大きく、培養上清液で消えることを示すエビデンスは現時点ではほとんどありません。培養上清液が関わりうるのは主に肌の性状(ハリ・小じわ・キメ)で、構造的な変化にはヒアルロン酸注入・糸・機器などの選択肢が検討されます。

Q3. 外用と施術併用では、どちらがよいですか?

比較的検討されているのはマイクロニードルなど施術併用の研究です【6】【7】【8】【9】。外用は手軽ですが浸透量や効果は製品差が大きく、一概にどちらがよいとは言えません。目的や肌の状態、費用に応じて医師と相談して選ぶことが大切です。

Q4. 点滴でエイジングケアはできますか?

日本抗加齢医学会は、幹細胞培養上清液・エクソソームの静脈投与について現時点では推奨しないとの注意喚起を出しています【14】。局所投与とはリスクの性質も異なるため、慎重な判断が必要です。

Q5. 副作用・リスクはありますか?

注入・施術部位の腫れ・赤み・内出血などの局所反応や、まれにアレルギー反応が起こる可能性があります。ドナー検査・無菌試験などの品質管理が行われた製剤を、医師の診察のもとで用いることが重要です。気になる症状があれば、自己判断せず医療機関に相談してください。

Q6. 「若返り」「再生」とうたう広告は信頼できますか?

「若返る」「消える」「必ず効く」といった断定的な表現は、薬機法・医療広告ガイドラインの観点から本来は避けるべき表現です【15】。こうした表現を強調する広告ほど、効果の限界や品質情報の開示が伴っているかを慎重に確認することをおすすめします。

Q7. 幹細胞培養上清液とエクソソームは何が違いますか?

培養上清液は、成長因子・サイトカイン・エクソソームなど多様な分泌成分を含む全体を指します。一方、エクソソームはその一部にあたる細胞外小胞です。製品ごとに由来・製法・濃縮方法が異なるため、名称だけで効果や品質を判断しないことが大切です。

Q8. 何回くらいで効果を感じますか?

施術方法や肌状態、製剤、併用治療によって異なります。研究でも条件が統一されていないため、回数や期間を一律に示すことはできません。医師の診察で、目的・費用・回数の目安を確認しましょう。

Q9. ヒアルロン酸注入やHIFUとは何が違いますか?

ヒアルロン酸注入はボリューム補正、HIFUやRFはたるみ・引き締めを目的に使われることがあります。一方、培養上清液は主に肌質・ハリ・小じわのサポートとして位置づけられます。悩みによって適した選択肢は異なります。

<参考記事>

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ヒアルロン酸注射の肌への効果・持続期間はいつまで?ボトックスとの違いも解説!

Q10. 化粧品のヒト幹細胞培養液と美容医療の培養上清液は同じですか?

同じ名称が使われることがありますが、由来・濃度・製法・品質管理・使用方法は製品ごとに異なります。化粧品は医薬品や医療行為とは異なり、治療効果を示すものではありません。
さらに詳しくは、「幹細胞培養上清液のよくある質問Q&A|由来・安全性・効果・費用30問」もご参照ください。

まとめ

幹細胞培養上清液のエイジングケアにおける要点まとめ

シワ・ほうれい線などのエイジングケアでも、幹細胞培養上清液の応用が研究されています。基礎研究では線維芽細胞やコラーゲンへの関与が示され、施術併用のメタ解析・臨床ではしわ・毛穴・色素の改善が報告されています。一方で、研究の多くは小規模で、由来や製法も不均一です。とくにほうれい線・たるみは構造的な要因が大きく、培養上清液が関わりうるのは主に肌の性状(ハリ・小じわ・キメ)で、深いほうれい線を消すエビデンスは乏しいのが現状です。「若返る」「再生」といった言葉や価格だけで判断せず、シワの種類の見極め、標準的な治療との組み合わせ、由来・製造・検査・第三者評価・法規制の確認を行い、医師の説明を受けたうえで、期待できる範囲と限界、リスクを理解して選ぶことが大切です。

参考文献

本記事は、幹細胞培養上清液のエイジングケア応用に関する主要論文・メタ解析・公的資料・学会見解を参考に、専門医監修のもとで作成しています。
【1】 Alquraisy A, et al. A Comprehensive Review of Stem Cell Conditioned Media Role for Anti-Aging on Skin. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2024;17:2167-2179.
PMID: 39310304 DOI: 10.2147/CCID.S469884
日本語要旨:幹細胞培養上清液の皮膚抗老化への応用を整理した総説。本記事の総論・序文の背景として参照。
【2】 Pawitan JA. Prospect of Stem Cell Conditioned Medium in Regenerative Medicine. Biomed Res Int. 2014;2014:965849.
PMID: 25530971 DOI: 10.1155/2014/965849
日本語要旨:培養上清液の再生医療応用を整理した総説。『培養上清液とは』の基礎として参照。
【3】 Kim WS, Park BS, Sung JH, et al. Wound Healing Effect of Adipose-Derived Stem Cells: A Critical Role of Secretory Factors on Human Dermal Fibroblasts. J Dermatol Sci. 2007;48(1):15-24.
PMID: 17643966 DOI: 10.1016/j.jdermsci.2007.05.018
日本語要旨:脂肪由来幹細胞の培養上清液(分泌因子)がヒト真皮線維芽細胞の増殖・遊走を促し、I型コラーゲン産生を高めうると示した基礎研究。シワに関わりうる作用機序の根拠として参照。
【4】 Chen L, Tredget EE, Wu PY, Wu Y. Paracrine Factors of Mesenchymal Stem Cells Recruit Macrophages and Endothelial Lineage Cells and Enhance Wound Healing. PLoS One. 2008;3(4):e1886.
PMID: 18382669 DOI: 10.1371/journal.pone.0001886
日本語要旨:MSCの分泌因子が組織修復・創傷治癒を促す可能性を示した基礎研究。分泌成分に着目する作用機序の背景として参照。
【5】 Kalluri R, LeBleu VS. The Biology, Function, and Biomedical Applications of Exosomes. Science. 2020;367(6478):eaau6977.
PMID: 32029601 DOI: 10.1126/science.aau6977
日本語要旨:エクソソームの生物学・機能・医療応用を整理した代表的総説。エクソソームとの違いの根拠として参照。
【6】 Lin TJ, Huang YL, Kang YN, Chen C. Effectiveness of Topical Conditioned Medium of Stem Cells in Facial Skin Nonsurgical Resurfacing Modalities for Antiaging: Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. Aesthetic Plast Surg. 2023;47(2):799-807.
PMID: 36396862 DOI: 10.1007/s00266-022-03168-z
日本語要旨:外用の培養上清液を施術(レーザー・マイクロニードル等)に併用したRCT5件を統合したメタ解析。しわ・毛穴・色素・全体的改善で併用が寄与しうると総括。対象RCTは少数で不均一な点に留意し、効果断定には用いない。
【7】 Lee HJ, et al. Efficacy of Microneedling Plus Human Stem Cell Conditioned Medium for Skin Rejuvenation: A Randomized, Controlled, Blinded Split-Face Study. Ann Dermatol. 2014;26(5):584-591.
PMID: 25324650 DOI: 10.5021/ad.2014.26.5.584
日本語要旨:マイクロニードリングに培養上清液を併用した左右顔比較RCT。しわ・色素沈着の改善を報告。施術併用の根拠として参照。
【8】 Liang X, et al. Efficacy of Microneedling Combined With Local Application of Human Umbilical Cord-Derived Mesenchymal Stem Cells Conditioned Media in Skin Brightness and Rejuvenation: A Randomized Controlled Split-Face Study. Front Med (Lausanne). 2022;9:837332.
PMID: 35685406 DOI: 10.3389/fmed.2022.837332
日本語要旨:臍帯由来培養上清液をマイクロニードリングに併用した左右顔比較RCT。明るさ・キメの改善を報告。施術併用の根拠として参照。
【9】 Prakoeswa CRS, Pratiwi FD, Herwanto N, et al. The Effects of Amniotic Membrane Stem Cell-Conditioned Medium on Photoaging. J Dermatolog Treat. 2019;30(5):478-482.
PMID: 30265171 DOI: 10.1080/09546634.2018.1530438
日本語要旨:羊膜由来培養上清液をマイクロニードルと併用し、光老化(しわ・毛穴・色素)への効果を検討した臨床試験。CM併用側で改善を報告。由来(羊膜)・小規模である点に留意し施術併用の一例として参照。
【10】 Kim YJ, et al. Conditioned Media From Human Umbilical Cord Blood-Derived Mesenchymal Stem Cells Stimulate Rejuvenation Function in Human Skin. Biochem Biophys Rep. 2018;16:96-102.
PMID: 30417126 DOI: 10.1016/j.bbrep.2018.10.007
日本語要旨:臍帯血由来培養上清液の外用でしわ・真皮密度の改善が示された研究。外用応用の根拠として参照。
【11】 Sohn SJ, Kim H, Kim SH, et al. Anti-aging Properties of Conditioned Media of Epidermal Progenitor Cells Derived From Mesenchymal Stem Cells. Dermatol Ther (Heidelb). 2018;8(2):229-244.
PMID: 29500741 DOI: 10.1007/s13555-018-0229-2
日本語要旨:MSC由来上皮前駆細胞(EPC)培養上清液の研究。5%外用の小規模臨床でしわ・肌の凹凸の改善を報告。外用応用の補足として参照。
【12】 Li L, Ngo HTT, Hwang E, et al. Conditioned Medium From Human Adipose-Derived Mesenchymal Stem Cell Culture Prevents UVB-Induced Skin Aging in Human Keratinocytes and Dermal Fibroblasts. Int J Mol Sci. 2019;21(1):49.
PMID: 31861704 DOI: 10.3390/ijms21010049
日本語要旨:脂肪由来培養上清液がUVBによる光老化関連の変化(MMP-1・IL-6等)を抑えうると示した基礎研究。光老化の背景として参照。
【13】 Montero-Vilchez T, et al. Mesenchymal Stromal Cell-Conditioned Medium for Skin Diseases: A Systematic Review. Front Cell Dev Biol. 2021;9:654210.
PMID: 34368115 DOI: 10.3389/fcell.2021.654210
日本語要旨:培養上清液の皮膚応用(皮膚若返り15報を含む101報)を整理した系統的レビュー。全体像と研究の限界を示す。本記事の限界の根拠として参照。
【14】 日本抗加齢医学会「自由診療特に再生医療に関する安全性の注意喚起について」(2024年3月1日)
日本語要旨:幹細胞培養上清液・エクソソームの静脈投与は有効性・安全性を推奨するに足るエビデンスが確認できていないとして、現時点では推奨しないと注意喚起した学会見解。点滴・全身投与のリスク説明の根拠として参照。
【15】 厚生労働省「医療広告ガイドライン」/医薬品医療機器等法(薬機法)・景品表示法
日本語要旨:医療広告における誇大広告・体験談・断定的表現の規制を示す。「若返る」「消える」等の表現を避ける根拠として参照。
【16】 日本臨床培養上清研究会(JSSCCS)認定製品情報/セルプロジャパン MedicaCell TYPE-Ⅰ 製品資料
日本語要旨:培養上清製品の臨床的安全性を審査・公開する研究会のA評価情報、および臍帯由来濃縮培養上清液フリーズドライ製品(研究用試薬)の特徴。第三者評価・製品例の根拠として参照。
【17】 厚生労働省「ヒト(同種)体性幹細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保について」(平成24年9月7日 薬食発0907第3号)
日本語要旨:ヒト由来素材のドナースクリーニング・ウイルス検査・無菌試験等の品質・安全性確保の考え方を示す通知。品質管理の考え方として参照。
【18】 厚生労働省 事務連絡「幹細胞培養上清液及びエクソソーム等を用いる医療について(周知)」(令和6年7月31日)
日本語要旨:細胞分泌物を用いる医療について、実施医師の責任のもとで安全性に留意する必要があると周知した一次資料。法規制の現状の根拠として参照。

 

※本記事は医師監修のもと作成されていますが、個別の医療アドバイスを提供するものではありません。エイジングケアの方法や製剤の使用については必ず医師にご相談ください。学術論文・学会見解は情報提供を目的としており、個々の治療効果を保証するものではありません。
※2026年7月時点の情報に基づいています。法令・ガイドラインの改訂や製品情報の変更により内容が変わる場合があります。幹細胞培養上清液を用いる医療の法的位置づけは検討中の事項を含むため、最新情報をご確認ください。

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