【医師監修】ヒト幹細胞培養上清液の種類と選び方|由来・製造国・ドナー・安全性を美容医療目線で徹底解説

本ページはPRを含みます。

ヒト幹細胞培養上清液には臍帯・臍帯血・脂肪・歯髄・骨髄などの由来があり、品質はドナー管理・製造工程・検査体制で大きく異なります。エクソソームとの違い、由来別の特徴、安全性の見極め方、再生医療等安全性確保法をめぐる最新動向まで、美容医療の視点でわかりやすく解説します。

ミサクリニック 六本木本院 院長 寺井 美佐栄 先生
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監修医のメッセージ

ミサクリニック 六本木本院

院長 寺井 美佐栄 先生

幹細胞培養上清液は、成長因子やサイトカイン、細胞外小胞などを含む素材として研究が進んでいますが、美容医療での使い方や効果の出方はまだ標準化されているとはいえません。実際の診療では、「どの由来か」だけでなく、製剤の管理体制、投与方法、患者様の体調や既往歴、他の施術との組み合わせまで含めて総合的に判断することが大切です。特に点滴や注射など体内に入れる方法では、品質管理とリスク説明が欠かせません。期待できる可能性と、まだ分かっていない点を分けて理解し、納得して選択することが重要です。

<看護師アドバイザー>

美容看護師中川ゆう子さん

中川ゆうこさん

<執筆>

ナールス美容医療アカデミー編集長 富本充昭

富本充昭

「幹細胞培養上清液やエクソソームが肌に良いと聞いたが、種類が多すぎて何を選べばいいのか分からない」
「臍帯由来や日本製が良いと言われたが、本当に品質の違いがあるのか知りたい」
「“再生”“若返り”という言葉に惹かれる一方で、安全性や法律面が気になる」
ヒト幹細胞培養上清液は、点滴・水光注射・レーザー後のケアなど、美容クリニックで使われる機会が増えています。
一方で、いざ調べてみると由来も品質も製品ごとに大きく異なり、「結局どれを選べばよいのか」が分かりにくいのが実情です。
本記事では、培養上清液の基礎、エクソソームとの違い、由来別の特徴、安全な製品を見分ける7つのチェックポイント、そして法規制の最新動向までを、美容医療の視点で中立的に整理します。効果には個人差があり、医師の診察と説明が前提となる点を最初にお伝えしたうえで、読み進めていただければと思います。

ヒト幹細胞培養上清液とは?基礎からやさしく解説

幹細胞培養上清液のしくみを示す図

1)幹細胞そのものではなく「分泌成分」を使う

ヒト幹細胞培養上清液(培養上清液・上清液)とは、幹細胞そのものではなく、幹細胞を培養したあとの“上澄み”に含まれる成長因子・サイトカイン・エクソソームなどの分泌成分を活用する素材です。細胞を移植するのではなく、細胞が放出した因子で肌の環境を整えるという考え方に基づいています【1】【2】。
幹細胞そのものの基礎を知りたい方は、「幹細胞とは?種類と肌への美容医療と化粧品の効果を解説」もご参照ください。

2)成長因子・サイトカイン・エクソソームの関係

培養上清液には、EGF(上皮成長因子)・FGF2(線維芽細胞増殖因子)・HGF(肝細胞増殖因子)などの成長因子、各種サイトカイン、そして直径約50〜150nmの細胞外小胞であるエクソソームなど、多様な成分が含まれます。エクソソームはこれらの成分の“一部”であり、培養上清液と完全に同じものではありません【3】。両者の違いは後の章で詳しく整理します。

3)美容医療で注目される理由

細胞を用いないため取り扱いがしやすく、線維芽細胞の働きやコラーゲン産生、創傷治癒といった皮膚の修復プロセスに関わる因子を含むことから、皮膚老化や施術後のケアへの応用が研究されています【1】【9】。ただし、これらは「期待される作用」であり、医薬品のような効果が保証されているわけではない点に注意が必要です。

ヒト幹細胞培養上清液の主な種類(由来)

由来別(臍帯・臍帯血・脂肪・歯髄・骨髄)の違いを示す図

養上清液は、もとになる幹細胞の「由来」によって含まれる成分のプロファイルが異なります。代表的な5つの由来を整理します。

1)臍帯由来(臍帯組織・Wharton’s Jelly由来)

出産時に提供される臍帯組織のWharton’s Jelly(ホウォートンゼリー)に含まれる幹細胞を培養した上清液です。臍帯由来のMSC培養上清液は、成長因子・サイトカイン・細胞外小胞などの分泌成分を含む素材として研究されており、美容領域でも注目されています【5】。
詳しくは、「臍帯由来幹細胞培養上清液とは?Wharton’s Jelly・特徴・メリット・選び方を解説」もご参照ください。

2)臍帯血由来

臍帯組織ではなく、臍帯“血”から得られる幹細胞に由来する上清液です。皮膚線維芽細胞の増殖やECM産生の促進、抗炎症などが基礎・小規模臨床で報告されています【4】【8】。臍帯組織由来とは区別して理解することが大切です。
詳しくは、「ベビースキン(臍帯血幹細胞培養上清液療法)の効果とリスク」もご参照ください。

3)脂肪由来

皮下脂肪組織から採取した幹細胞に由来します。UVBによる光老化への影響などが基礎研究で検討されています【7】。採取しやすく研究例も比較的多い由来です。
詳しくは、「脂肪由来幹細胞培養上清液とは?特徴・光老化への研究・注意点を解説」もご参照ください。

4)歯髄由来

歯髄由来は、親知らずや乳歯など、抜歯した歯の中心部にある歯髄(神経や血管が通る組織)から得られる幹細胞に由来します。抜去予定の歯を用いるため採取にともなう負担が比較的少なく、本来は廃棄される組織を活用できる点が特徴です。歯髄の幹細胞は発生の過程で神経堤(しんけいしょう)に由来し、神経栄養因子や血管新生に関わる因子を比較的多く分泌するとされます。再生医療領域では研究が進んでいますが、皮膚・美容領域での比較データは、臍帯由来や脂肪由来に比べると現時点では限られています。
詳しくは、「歯髄由来幹細胞培養上清液とは?特徴と美容医療での位置づけを解説」もご参照ください。

5)骨髄由来

骨髄由来は、骨髄液に含まれる間葉系幹細胞(MSC)に由来します。MSC研究の出発点となった、最も古くからよく解析されてきた由来であり、多分化能をもち、創傷治癒や組織修復に関わる成長因子・サイトカインを分泌することが数多く報告されています【9】【10】。一方で、骨髄の採取は身体的な負担(侵襲)が大きく、ドナーの年齢などによって細胞の状態が変わりやすいという側面もあります。そのため美容領域では、採取のしやすさや供給面から、臍帯由来などが選ばれることが多くなっています。
詳しくは、「骨髄由来幹細胞培養上清液とは?特徴と美容医療での位置づけを解説」もご参照ください。

6)由来だけで優劣は決まらない

「臍帯由来だから最良」と単純化はできません。同じ由来でも、ドナー管理・培養工程・濃縮や精製の方法・検査体制によって品質は大きく変わります。由来は選択の出発点であり、最終的な品質は製造・管理体制で決まると考えるのが適切です。

由来主な特徴美容での使われ方確認したい点
臍帯(組織)分泌成分(成長因子・サイトカイン・細胞外小胞等)を含む素材として研究点滴・注射・外用などドナー管理・製造法・第三者評価
臍帯血皮膚線維芽細胞・抗炎症の基礎/小規模臨床報告外用・点滴などで用いられることがある臍帯組織由来との区別
脂肪採取しやすく研究例が比較的多い点滴・注射・外用培養条件・濃縮方法
歯髄再生医療領域で研究。神経栄養因子等研究・一部施術美容領域のデータ量
骨髄古くから研究される由来研究・一部施術侵襲性・供給体制

詳しくは、「臍帯・臍帯血・脂肪・歯髄・骨髄の違い|由来別比較表でわかる選び方」もご参照ください。

選び方で重要な7つのチェックポイント

培養上清液の選び方7チェックポイントを示す図
由来だけでなく、次の7点を確認することで、品質管理に配慮した製品かどうかを見極めやすくなります【9】。

■ 培養上清液 選び方チェックリスト

① ドナーの適格性評価(問診・既往歴・インフォームドコンセント)

② 感染症検査(HBV・HCV・HIV・HTLV・梅毒など)

③ 細胞培養工程の管理(ウイルス・マイコプラズマ汚染の確認)

④ 無菌試験・エンドトキシン試験の実施

⑤ FBS(ウシ胎児血清)・抗生物質など培地由来成分への配慮

⑥ ロット管理・トレーサビリティ

⑦ 第三者評価・認証の有無(例:日本臨床培養上清研究会の評価など)

①ドナーの適格性評価 提供者(ドナー)が原料として適切かを、問診・既往歴の確認やインフォームドコンセントを通して評価する出発点です。健康状態や感染症リスクを事前に把握できているかが重要です。
②感染症検査 ドナーの血液を用いて、B型・C型肝炎(HBV・HCV)、HIV、HTLV、梅毒などの感染症がないことを確認します。感染直後は検査で陽性と出ないウィンドウ期があるため、期間を空けて複数回検査されているとより安心です。
③細胞培養工程の管理 細胞を培養する過程で、ウイルスやマイコプラズマ(細菌の一種)の汚染が生じていないかを確認します。製造の途中段階で品質を担保する、目に見えにくいけれど重要な工程です。
④無菌試験・エンドトキシン試験 最終製品に細菌・真菌などの微生物汚染がないか(無菌試験)、発熱などの原因となるエンドトキシン(内毒素)が基準値以下か(エンドトキシン試験)を確認します。体内に用いる製品の安全性に直結します。
⑤培地由来成分への配慮 培養に使う培地の成分が最終製品に残るリスクへの配慮です。FBS(ウシ胎児血清)不使用(無血清培養)や、フェノールレッド・抗生物質を含まない培地の採用など、不要な成分を持ち込まない工夫がされているかを確認します。
⑥ロット管理・トレーサビリティ 製造ロットごとに記録・管理され、原料から製品までの履歴をたどれる(トレーサビリティ)体制かどうかです。ロットごとの品質のばらつきを抑え、万一問題が起きた際にも対応しやすくなります。
⑦第三者評価・認証の有無 製造者以外の第三者機関による評価・認証があるかどうかです。たとえば日本臨床培養上清研究会(JSSCCS)の評価などがあり、客観的な安全性を判断する一つの目安になります【13】。

美容看護師中川ゆう子さん
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美容看護師からのメッセージ

美容看護師

中川ゆう子

カウンセリングでは、施術内容だけでなく「どのような製剤を使うのか」「どのように管理されているのか」も遠慮なく確認していただきたいと思います。美容医療では、効果や価格に目が向きやすい一方で、由来、検査体制、保管方法、施術後の注意点などは見落とされがちです。不安な点がある場合は、その場で質問して問題ありません。また、施術後に赤み・腫れ・体調変化などがあれば、自己判断せず早めにクリニックへ相談してください。納得して受けること、そして施術後も適切に経過を見ることが、安全な美容医療につながります。

エクソソームと幹細胞培養上清液の違い

エクソソームと幹細胞培養上清液の違いを示す図

「エクソソーム」と「幹細胞培養上清液」はしばしば同じものとして語られますが、厳密には異なります。培養上清液は、エクソソームだけでなく成長因子・サイトカインなど多様な分泌成分を含む“全体”の考え方です。一方、エクソソーム製品は、その中の細胞外小胞に焦点を当てた製品です【3】。名称が混同されやすいため、製品ごとに成分・製法・濃縮方法・品質管理が異なる点を、医師に確認することが大切です。
点滴での使われ方や費用は、「エクソソーム(幹細胞培養上清液)点滴の効果とデメリットや費用」もご参照ください。

詳しくは、「エクソソームと幹細胞培養上清液の違い|成分・製法・濃縮・選び方を整理」もご参照ください。

美容医療での使われ方

培養上清液のカウンセリングの様子(医師と女性)

1)点滴

点滴で全身に投与する方法です。期待される作用や費用・回数の目安はクリニックにより異なります。なお、美容目的の点滴については、外用や局所導入と比べて、ヒトでの有効性・安全性に関する質の高い研究は限られています。実施の可否は、医師から目的・リスク・費用・代替手段の説明を受けたうえで判断することが大切です。

【重要】学会による静脈投与(点滴・注射)への注意喚起

2024年3月、日本抗加齢医学会は「自由診療特に再生医療に関する安全性の注意喚起について」を発出し、NMN点滴療法・幹細胞培養上清液・エクソソームの静脈投与(点滴・注射)について、有効性・安全性に関して推奨するに足るエビデンスが確認できていないとして、現時点では推奨しないとの見解を示しています【15】。

外用やマイクロニードルなどの局所投与と、点滴などの全身投与(静脈内投与)では、リスクの性質が異なります。点滴を検討する際は、この学会見解も踏まえ、目的・リスク・費用・代替手段について医師とよく相談することが大切です。

2)水光注射・メソセラピー(マイクロニードル併用)

マイクロニードルや水光注射で皮膚に導入する方法です。マイクロニードリングに培養上清液を併用した左右顔比較のランダム化試験では、明るさやキメの改善が報告されています【5】【6】。
詳しくは、「水光注射・メソセラピーと幹細胞培養上清液|マイクロニードル併用研究と注意点」もご参照ください。

3)レーザー・RF・HIFU後の併用

レーザー・RF・HIFUなどの施術後ケアとして併用されることがあります。培養上清液には抗炎症や皮膚バリアに関わる作用が研究されていますが【8】、機器施術後の回復を明確に示す臨床エビデンスはまだ限られています。
詳しくは、「レーザー・RF・HIFU後の幹細胞培養上清液併用|ダウンタイムケアの考え方」もご参照ください。

4)AGA・薄毛・頭皮治療

毛髪成長への応用も研究されています。臍帯由来培養上清液が毛髪成長を促しうるとする基礎研究がありますが、臨床的な効果は確立段階ではありません【11】。
詳しくは、「AGA・薄毛・頭皮治療と幹細胞培養上清液|エビデンスと限界を解説」もご参照ください。

5)アレルギー症状などへの点鼻での使用

美容目的とは別に、一部の医療機関では、アレルギー性鼻炎などの症状に対して培養上清液を点鼻(鼻腔内へ噴霧・滴下)する方法が自由診療として行われることがあります。鼻粘膜の炎症や組織修復に関わる因子の作用を期待したものですが、これは美容を目的とした使い方ではなく、ヒトでの有効性・安全性を示す質の高いエビデンスは現時点では限られています。実施を検討する場合は、目的・期待できる範囲・リスク・費用について医師から十分な説明を受けることが大切です。

6)スキンケア・外用

化粧品・フェイスマスクなどの外用としても用いられます。皮膚への浸透や作用は製剤により異なります。
詳しくは、「スキンケア・フェイスマスクと幹細胞培養上清液|外用での考え方と選び方」もご参照ください。

ナールス美容医療アカデミー編集長 富本充昭
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執筆者のメッセージ

ナールス美容医療アカデミー

編集長 富本充昭

私自身、幹細胞培養上清液の全身投与を受けた経験があります。施術直後に大きな変化を感じたわけではありませんが、翌日は少し活力がわいたような感覚がありました。ただし、それが製剤によるものなのか、体調や気分、いわゆるプラセボの影響なのかは分かりません。だからこそ、個人的な実感だけで「効果がある」と言い切るのは適切ではないと考えています。美容医療は期待を持つことも大切ですが、過度に期待しすぎない姿勢も同じくらい大切です。体験談はあくまで一例として、医師の説明と客観的な情報をもとに判断していただければと思います。

安全性と品質管理の見方

安全性チェック(ドナー検査・製造管理・第三者評価)を示す写真

1)ドナー検査・製造管理・第三者評価

ヒト由来の素材であるため、安全性の確保には、ドナースクリーニング、感染症・ウイルス・マイコプラズマ検査、無菌試験・エンドトキシン試験などの検査体制が重要です。これらは、培養上清液そのものに対する承認基準ではありませんが、ヒト由来素材を扱う際の品質・安全性確保の考え方(厚生労働省 平成24年9月7日 薬食発0907第3号)として参考になります【12】。第三者機関による評価(例:日本臨床培養上清研究会=JSSCCSの評価)も、安全性を判断する一つの指標になります【13】。

2)法規制の今(再生医療等安全性確保法)

法規制の現状を示す図

【重要】法規制をめぐる最新動向

幹細胞培養上清液・エクソソームなど、細胞を含まないことが確認された細胞分泌物を用いる医療については、現時点では再生医療等安全性確保法(安確法)の直接の対象外と整理されています。

一方で、厚生労働省は、当該医療を行う医師・歯科医師の責任のもとで品質やリスク管理に留意するよう周知しています(令和6年7月31日 事務連絡)【14】。

また、改正安確法(2024年公布・2025年施行)の附則では、細胞の分泌物を用いる医療技術について、施行後2年(2027年を目途)に法適用のあり方を検討することとされており、改正法施行後も法的位置づけの検討が続く可能性があります。

つまり「現状は直接の対象外」ですが、今後規制対象化される可能性があります。『法規制がない=安全』という理解は適切ではなく、品質・検査体制を確認することが大切です。

詳しくは、「幹細胞培養上清液は安全?ドナー検査・製造管理・品質評価の見方を解説」もご参照ください。

詳しくは、「幹細胞培養上清液・エクソソーム点滴と法律|再生医療等安全性確保法と最新の検討状況」もご参照ください。

注意点・リスク(「若返る」と言い切れない理由)

美容領域での培養上清液・エクソソームのヒトでのエビデンスは、基礎研究や小規模な臨床研究が中心で、長期的な安全性や最適な使用方法は十分に確立していません【9】。そのため、次の点に注意が必要です。

・効果には個人差があり、医薬品のような効果が保証されているわけではありません

・「若返る」「再生する」「治る」といった断定的な表現は、薬機法・医療広告ガイドラインの観点からも避けるべきです

・価格の安さだけで選ばず、由来・製造・検査・第三者評価を確認しましょう

・医師の診察と十分な説明(製剤の由来・安全管理・期待できる効果の限界)を受けることが前提です

とくに静脈投与(点滴・注射)については、日本抗加齢医学会が2024年3月、有効性・安全性のエビデンスが確認できていないとして「現時点では推奨しない」との注意喚起を出しています【15】。局所投与(外用・マイクロニードル)と全身投与ではリスクの性質が異なるため、点滴・注射を検討する際はとくに慎重な判断が必要です。
詳しくは、「効果の限界とリスク|「若返る」と言えない理由・選んではいけない製品の特徴」もご参照ください。

高品質な培養上清液を選ぶなら何を見るべきか

高品質な培養上清液を選ぶポイント

高品質な培養上清液を選ぶ際は、由来だけでなく、ドナー管理・感染症検査・製造工程・不要成分の除去・ロット管理・保管安定性・第三者評価の有無を確認することが大切です。たとえば臍帯由来の製品では、フリーズドライ化、不要成分除去技術、3 STEP検査、第三者評価などを備えたものも登場しています。
以下は品質管理項目を確認するための一例であり、特定製品の治療効果を推奨・保証するものではありません。
一例として、ヒト臍帯(Wharton’s Jelly)由来の濃縮培養上清液フリーズドライである「MedicaCell TYPE-Ⅰ」(セルプロジャパン社)は、特許技術による培地由来因子・添加因子の除去、FBS不使用、ドナー検査・細胞検査・培養上清液検査の3 STEP検査、JSSCCSのAランク評価などを特徴としています【13】。なお同製品は研究用試薬であり、効能・効果を保証するものではありません。また、第三者評価は品質・安全性管理を判断する参考情報であり、特定の疾患や美容効果を保証するものではありません。
詳しくは、「MedicaCell TYPE-Ⅰ導入クリニック紹介|特徴・施術メニュー・選び方【PR】」もご参照ください。

詳しくは、「医療機関向け:MedicaCell TYPE-Ⅰとは?臍帯由来・フリーズドライ・3STEP検査・JSSCCS A評価」もご参照ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 臍帯由来が一番良いのですか?

由来だけで優劣は決まりません。臍帯(組織)由来は分泌成分を含む素材として研究され注目されていますが、同じ臍帯由来でも、ドナー管理・培養工程・濃縮や精製の方法・検査体制によって品質は大きく変わります。「臍帯由来だから安心」と短絡せず、由来を出発点としたうえで、製造・管理体制まで含めて総合的に判断することが大切です。

Q2. 日本製と海外製は何が違いますか?

製造国そのものよりも、品質管理の中身を確認することが重要です。一般に、国内製造の製品は製造・検査体制やトレーサビリティ(製造履歴の追跡)を確認しやすい傾向がありますが、海外製でも品質管理が徹底された製品はあります。逆に、製造が国内であることだけを理由に安全と判断するのは適切ではありません。ドナー検査・製造工程・第三者評価などの具体的な情報が開示されているかを確認しましょう。

Q3. エクソソームと幹細胞培養上清液は同じですか?

同じではありません。幹細胞培養上清液は、エクソソームのほかに成長因子・サイトカインなど多様な分泌成分を含む“全体”を指す考え方です。一方、エクソソームは、その中に含まれる直径約50〜150nmの細胞外小胞であり、培養上清液の一部にあたります【3】。名称が混同されやすいため、製品ごとに成分・製法・濃縮方法が異なる点を医師に確認することをおすすめします。

Q4. 安全な製品かどうかは何を見ればよいですか?

次の項目が開示・実施されているかが目安になります。①ドナーの適格性評価、②感染症検査(HBV・HCV・HIV・HTLV・梅毒など)、③培養工程でのウイルス・マイコプラズマ検査、④無菌試験・エンドトキシン試験、⑤FBS(ウシ胎児血清)・抗生物質など培地由来成分への配慮、⑥ロット管理・トレーサビリティ、⑦第三者評価・認証の有無です【12】【13】。これらの情報がそろっているほど、品質管理に配慮した製品と判断しやすくなります。

Q5. 効果はどのくらいで実感できますか?

効果の有無や実感までの期間には個人差があり、一律にお伝えできるものではありません。美容領域でのヒトでのエビデンスは基礎研究や小規模な臨床研究が中心で、医薬品のように効果が保証されているわけではありません【9】。施術の種類・回数・体質によっても異なるため、期待できる範囲と限界について、事前に医師から説明を受けることが大切です。

Q6. 副作用やリスクはありますか?

ヒト由来の素材を体内に用いる以上、注射部位の腫れ・赤み・内出血などの局所反応や、まれにアレルギー反応などのリスクが考えられます。リスクを抑えるうえでも、ドナー検査・無菌試験・エンドトキシン試験などの品質管理が行われた製品を、医師の診察のもとで用いることが重要です。気になる症状があるときは自己判断せず、施術を受けた医療機関に相談してください。

Q7. 「再生」「若返り」とうたう広告は信頼できますか?

「若返る」「再生する」「必ず効果がある」といった断定的な表現は、薬機法・医療広告ガイドラインの観点から本来は避けるべき表現です。こうした表現を強調する広告ほど、効果の限界や品質情報の開示が伴っているかを慎重に確認することをおすすめします。価格の安さや過度な効果訴求だけで選ばないようにしましょう。
詳しくは、「幹細胞培養上清液のよくある質問Q&A|由来・安全性・効果・費用30問」もご参照ください。

まとめ

まとめの図

ヒト幹細胞培養上清液は、由来だけでなく、ドナー・製造・検査・保管・第三者評価、そして法規制の現状まで含めて確認することが大切です。美容領域のエビデンスは発展途上であり、「再生」「若返り」といった言葉だけで判断せず、医師の説明を受けたうえで、期待できる範囲と限界を理解して選ぶことをおすすめします。

<参考記事>

ヒト幹細胞とは?各部位ごとの美容効果について簡単に解説

肌の再生医療とは?効果や種類からメリット・デメリットを解説

エクソソームと幹細胞培養上清液の違い|成分・製法・濃縮・選び方を整理

幹細胞培養上清液・エクソソーム点滴と法律|再生医療等安全性確保法と最新の検討状況

【参考文献】

本記事は、幹細胞培養液上清液に関する主要論文を参考に、専門医監修のもとで作成しています。
【1】 Alquraisy A, et al. A Comprehensive Review of Stem Cell Conditioned Media Role for Anti-Aging on Skin. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2024;17:2167-2179.

PMID: 39310304 DOI: 10.2147/CCID.S469884
日本語要旨:幹細胞培養上清液の皮膚抗老化への応用を整理した総説。in vitro・in vivo・臨床で皮膚老化指標の改善が報告されると総括。本記事の総論の根拠として参照。
【2】 Pawitan JA. Prospect of Stem Cell Conditioned Medium in Regenerative Medicine. Biomed Res Int. 2014;2014:965849.

PMID: 25530971 DOI: 10.1155/2014/965849
日本語要旨:培養上清液には成長因子・サイトカイン・細胞外小胞が含まれ、細胞を用いない治療素材として注目される背景を整理。本記事の『培養上清液とは』の根拠として参照。
【3】 Kalluri R, LeBleu VS. The biology, function, and biomedical applications of exosomes. Science. 2020;367(6478):eaau6977.

PMID: 32029601 DOI: 10.1126/science.aau6977
日本語要旨:エクソソームの生物学・機能・医療応用を整理した代表的総説。エクソソームは細胞外小胞の一種で培養上清液の一部成分。本記事のエクソソームとの違いの根拠として参照。
【4】 Kim YJ, et al. Conditioned media from human umbilical cord blood-derived mesenchymal stem cells stimulate rejuvenation function in human skin. Biochem Biophys Rep. 2018;16:96-102.

PMID: 30417126 DOI: 10.1016/j.bbrep.2018.10.007
日本語要旨:臍帯血由来MSC培養上清液が皮膚線維芽細胞の増殖・ECM産生を促し、外用でしわ・真皮密度の改善を示した研究。本記事の臍帯血由来の根拠として参照。
【5】 Liang X, et al. Efficacy of Microneedling Combined With Local Application of Human Umbilical Cord-Derived Mesenchymal Stem Cells Conditioned Media in Skin Brightness and Rejuvenation: A Randomized Controlled Split-Face Study. Front Med (Lausanne). 2022;9:837332.

PMID: 35685406 DOI: 10.3389/fmed.2022.837332
日本語要旨:臍帯(組織)由来MSC培養上清液をマイクロニードリングに併用した左右顔比較RCT(30名規模のsplit-face試験)。明るさ・キメの改善を報告。小規模である点に留意のうえ、本記事の臍帯由来・施術併用の根拠として参照。
【6】 Lee HJ, et al. Efficacy of microneedling plus human stem cell conditioned medium for skin rejuvenation: a randomized, controlled, blinded split-face study. Ann Dermatol. 2014;26(5):584-591.

PMID: 25324650 DOI: 10.5021/ad.2014.26.5.584
日本語要旨:マイクロニードリングに幹細胞培養上清液を併用した左右顔比較RCT。色素沈着・しわの改善を報告。本記事の水光注射・メソセラピーの根拠として参照。
【7】 Li L, et al. Conditioned Medium From Human Adipose-Derived Mesenchymal Stem Cell Culture Prevents UVB-Induced Skin Aging in Human Keratinocytes and Dermal Fibroblasts. Int J Mol Sci. 2019;21(1):49.

PMID: 31861704 DOI: 10.3390/ijms21010049
日本語要旨:脂肪由来MSC培養上清液がUVB照射後の皮膚細胞に与える影響を検討した基礎研究。本記事の脂肪由来の根拠として参照。
【8】 Kim YJ, et al. Effects of conditioned media from human umbilical cord blood-derived mesenchymal stem cells in the skin immune response. Biomed Pharmacother. 2020;131:110789.

PMID: 33152947 DOI: 10.1016/j.biopha.2020.110789
日本語要旨:臍帯血由来MSC培養上清液が炎症性サイトカインを抑制し、皮膚バリア指標の改善を示した研究。本記事の機器併用後ケアの根拠として参照。
【9】 Montero-Vilchez T, et al. Mesenchymal Stromal Cell-Conditioned Medium for Skin Diseases: A Systematic Review. Front Cell Dev Biol. 2021;9:654210.

PMID: 34368115 DOI: 10.3389/fcell.2021.654210
日本語要旨:MSC培養上清液の皮膚応用を整理した系統的レビュー(101報)。創傷治癒・育毛・皮膚若返り等を幅広く扱い、全体像と限界を示す。本記事の総論・限界の根拠として参照。
【10】 Chen L, Tredget EE, Wu PY, Wu Y. Paracrine factors of mesenchymal stem cells recruit macrophages and endothelial lineage cells and enhance wound healing. PLoS One. 2008;3(4):e1886.

PMID: 18382669 DOI: 10.1371/journal.pone.0001886
日本語要旨:MSCの分泌因子が創傷治癒を促す可能性を示した基礎研究。『細胞ではなく分泌成分に着目する』作用機序の根拠として参照。
【11】 Ni J, et al. Promotion of hair growth by a conditioned medium from human umbilical cord mesenchymal stem cells cultivated in a 3D scaffold of gelatin sponge. Eur J Med Res. 2024;29(1):270.

PMID: 38704575 DOI: 10.1186/s40001-024-01830-7
日本語要旨:臍帯MSC由来培養上清液が毛髪成長を促しうると示した基礎研究。本記事のAGA・薄毛の根拠として参照(臨床効果は確立段階ではない)。
【12】 厚生労働省「ヒト(同種)体性幹細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保について」(平成24年9月7日 薬食発0907第3号)

日本語要旨:ヒト(同種)体性幹細胞加工医薬品等のドナースクリーニング・ウイルス検査・無菌試験等の品質・安全性確保の考え方を示す通知。培養上清液そのものの承認基準ではないが、品質管理の考え方として参照。
【13】 日本臨床培養上清研究会(JSSCCS)認定製品情報/セルプロジャパン MedicaCell TYPE-Ⅰ 製品資料

日本語要旨:培養上清製品の臨床的安全性を審査・公開する研究会のA評価情報、および臍帯由来濃縮培養上清液フリーズドライ製品(研究用試薬)の特徴。本記事の第三者評価・製品例の根拠として参照。
【14】 厚生労働省 医政局研究開発政策課 事務連絡「幹細胞培養上清液及びエクソソーム等を用いる医療について(周知)」(令和6年7月31日)

日本語要旨:細胞分泌物(培養上清液・エクソソーム等)を用いる医療について、薬事承認された医薬品はなく、実施する医師・歯科医師の責任のもとで特に安全性に留意する必要があると周知した一次資料。改正安確法の施行(2025年)後も法的位置づけの検討が続く点とあわせ、本記事の法規制の根拠として参照。
【15】 日本抗加齢医学会「自由診療特に再生医療に関する安全性の注意喚起について」(2024年3月1日)

日本語要旨:NMN点滴療法、幹細胞培養上清液及びエクソソームの静脈投与は医療水準として未確立であり、有効性・安全性について推奨するに足るエビデンスが確認できていないとして、現時点では推奨しないと会員に注意喚起した学会見解。本記事の点滴・全身投与のリスク説明の根拠として参照。

※本記事は医師監修のもと作成されていますが、個別の医療アドバイスを提供するものではありません。治療の適応や製剤の使用については必ず医師にご相談ください。学術論文は情報提供を目的としており、治療効果を保証するものではありません。

※2026年6月時点の情報に基づいています。法令・ガイドラインの改訂や製品情報の変更により内容が変わる場合があります。幹細胞培養上清液・エクソソームを用いる医療の法的位置づけは検討中の事項を含むため、最新情報をご確認ください。

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