レボノルゲストレルはアフターピル!効果や副作用とノルレボの違い

本ページはPRを含みます。


       
レボノルゲストレルは、性交後の緊急避妊を目的とするアフターピル「ノルレボ」の有効成分です。プロゲステロンとして知られる女性ホルモンの一種で、排卵の抑制または遅延などの作用で妊娠を防ぎます。
この記事では、レボノルゲストレルの効果や副作用について解説します。
アフターピルを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の監修医師

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医。神戸にある沢岻美奈子女性医療クリニック院長。

子宮がん検診や乳がん検診、骨粗鬆症検診まで女性特有の病気の早期発見のための検診を数多く行なっている。

更年期を中心にホルモンや漢方治療も行い、女性のヘルスリテラシー向上のために実際の診察室の中での患者さんとのやりとりや女性医療の正しい内容をインスタグラムで毎週配信している。

目次

1.レボノルゲストレルは優れた緊急避妊薬

1) レボノルゲストレルとは?

レボノルゲストレルは、日本初のアフターピル(緊急避妊薬)「ノルレボ」の有効成分名です。また、レボノルゲストレル錠は、ノルレボ錠のジェネリック医薬品です。

レボノルゲストレルは、女性ホルモンである黄体ホルモンの一種で、性交後72時間以内の服用が推奨されています。

従来の緊急避妊法であるヤッペ法(中用量ピルを用いた避妊法)と比べると、避妊の成功率は98%と高いのが特徴です。

ただし、その高い効果を発揮するためには性交後72時間以内に服用しなければなりません。服用が遅ければ遅いほど、避妊効果は低くなります。

 

レボノルゲストレルは、排卵の抑制と子宮内膜の増殖防止の2つのはたらきによって、高い避妊効果が期待できます。

 

レボノルゲストレルが開発されるまでは、緊急避妊法はヤッペ法が主流でした。

ヤッペ法とは、2種類の中用量ピルを決められた時間ごとに服用し、避妊効果を得る方法です。

 

しかし、副作用の発現率の高さ(吐き気や嘔吐)や、低い避妊成功率(72時間以内の服用で31%)、服用の手間(時間をおいて2回服用)などのデメリットが多かったのです。

 

レボノルゲストレルは、ヤッペ法に比べてメリットの多い優れたアフターピルです。

 

<レボノルゲストレルとヤッペ法の効果の比較>

レボノルゲストレルヤッペ法
妊娠率1.1%3.2%
妊娠阻止率85%57%

※妊娠率:月経周期を考慮せず、緊急避妊薬服用後に妊娠する確率

 妊娠阻止率:妊娠しやすい時期の服用で妊娠しなかった確率

 

<参考記事>

アフターピル(緊急避妊薬)の効果は?仕組みや効果・飲み方を解説

 

2) レボノルゲストレルの飲むタイミングによる効果

レボノルゲストレルは緊急避妊薬(アフターピル)の一種であり、服用が早ければ早いほど、避妊効果が高まります。

 

レボノルゲストレルの服用までの時間経過による避妊の成功率は以下のとおりです。

時間の経過とともに避妊の成功率は低くなるため、できる限り早く服用しましょう。

 

服用までの時間避妊成功率
24時間以内99%
24時間~48時間98%
48時間~72時間97%
72時間~96時間75%

 

<オンラインで低用量ピルの処方が可能>

2.レボノルゲストレルとノルレボとの違いは?

レボノルゲストレル錠は、ノルレボ錠のジェネリック医薬品として発売され、成分名がそのまま製品名となっています。

 

そのため、レボノルゲストレル錠はノルレボ錠と有効成分は同じで、効果や副作用に違いはありません。

一方、価格は、ジェネリック医薬品であるレボノルゲストレル錠のほうが安価です。

 

1)ノルレボ錠はあすか製薬から販売された先発品

ノルレボ錠のシート(表裏)

ノルレボ錠は、日本で販売されている緊急避妊薬の一つで、2011年にあすか製薬から発売された先発品です。避妊率が高く、副作用が出にくいとされています。価格は処方するクリニックなどにより異なりますが、13,000円~16,000円程度が相場とされています。

2)レボノルゲストレル錠は富士製薬から販売された後発品

レボノルゲストレル錠のシート(表裏)

富士製薬は、2019年にノルレボ錠の国内初の後発医薬品であるレボノルゲストレル錠を発売しました。

 

従来の緊急避妊法として用いられてきたヤッペ法よりも避妊成功率が高く、副作用が少ないのが特徴です。価格は8,000円~11,000円程度が相場とされています。

 

また、海外製のレボノルゲストレル錠もあります。

 

レボノルゲストレル錠の組成は以下のとおりです。

有効成分(1錠中)レボノルゲストレル1.50mg
添加剤トウモロコシデンプン、ポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、乳糖水和物

 

<参照元>

レボノルゲストレル錠1.5mg 添付文書

3.避妊失敗!レボノルゲストレルが必要な4つのケースを解説

避妊に失敗した際に、レボノルゲストレルを必要とするケースはいくつか考えられます。

ここでは、緊急避妊薬であるレボノルゲストレルが一般的に推奨される状況を4つ挙げます。

1)避妊せずそのまま性交渉をしてしまった

性交中にコンドームなどの避妊具を使用しなかったり、正しい避妊方法を取らなかったりすると、妊娠のリスクが高まります。このような場合は、アフターピル(緊急避妊薬)であるレボノルゲストレルを使いましょう。

 

レボノルゲストレルは、性交後すぐに服用することで妊娠リスクを低減できます。服用後、平均1週間~2週間ほどで生理が来ます。生理が遅れたり、来なかったりした時は、婦人科を受診しましょう。

2)コンドームなしで膣外に射精した

コンドームを使用しない、いわゆる「外出し」法(膣外射精)では、妊娠する可能性がゼロではありません。射精前でも精子が含まれている可能性があり、妊娠を引き起こすことがあります。

 

膣外射精は、非常に不確実な避妊方法です。そのため、その場合はレボノルゲストレルの使用を検討する必要があります。レボノルゲストレルは、射精後72時間以内が最も効果的であり、できるだけ早く服用することが推奨されます。

3)コンドームは付けたが途中で破れた、または外れた

コンドームは、正しく使用された場合に有効な避妊手段です。性交中にコンドームが破れたり、外れたりすると、精子が膣内に入る可能性があり、妊娠のリスクが高まります。

 

このような状況でも、アフターピルであるレボノルゲストレルをできるだけ早く、特に72時間以内に服用することが推奨されます。早期に服用することで、妊娠の可能性を低減できます。

4)低用量ピルを飲み忘れてしまった

経口避妊薬(低用量ピル)は非常に効果的な避妊方法ですが、毎日同じ時間に正確に服用しなければなりません。飲み忘れた場合には避妊効果が低下し、妊娠のリスクが高まります。

 

特にピルを2回以上連続して飲み忘れた場合、または忘れたのが周期の最初の数日間であった場合には、緊急避妊が必要になることがあります。このような場合は、性交後72時間以内にレボノルゲストレルを含む緊急避妊薬の服用を考慮する必要があります。

 

ただし、「いつ、どれだけのピルを飲み忘れたか」によってリスクは異なるため、具体的な対処法については医師に相談しましょう。

4.レボノルゲストレルの費用は安い?理由や違いはなぜ?

1)アフターピルは健康保険適用なし

アフターピルの費用の相場は、1錠6,000〜15,000円です。

金額が高くなっているのは、保険が適用できず、全額自費で支払う必要があるからです。

避妊は、「病気や怪我の治療」ではないので、健康保険は使えず自由診療となります。

そのため、アフターピルは産婦人科や婦人科によって、料金が大きく異なります。

 

2) レボノルゲストレルの費用は安い?

レボノルゲストレルの一般的な価格帯は、1錠8,000円~11,000円程度です。

ノルレボは先発医薬品ですが、レボノルゲストレルはジェネリック医薬品で、開発費を抑えてつくられています。

そのため、先発品であるノルレボよりも安く手に入れられます。

ただし、販売元や購入場所によって値段が異なる場合もありますので、購入前には最新の情報を確認しましょう。

また、医療機関で処方される場合は、診察料や処方箋料も別途必要になるので注意が必要です。

5.レボノルゲストレルを手に入れる2つの購入方法

レボノルゲストレルを入手するには、処方箋を持って薬局や病院で購入するか、オンラインで購入する方法があります。ここでは、レボノルゲストレルの購入方法について解説します。

1)産婦人科や婦人科など専門の医療機関で処方してもらう

まず、産婦人科や婦人科などの専門の医療機関を訪れて処方してもらう方法です。日本では、一般的に緊急避妊薬(アフターピル)は処方箋が必要となります。

 

レボノルゲストレルは、医師の適切な指導のもとで購入することで、正しい服用方法や副作用についての情報を得られます。

2)オンライン診療で処方してもらう

レボノルゲストレルを手に入れるもう一つの方法は、オンライン診療を利用して処方してもらうことです。一部の医療機関や認可を受けたWebサイトを通じて、オンラインで処方箋を取得すれば、薬を購入できます。

 

オンライン診療を利用すれば、産婦人科に足を運ばなくても自宅から手軽に処方箋を取得し、薬を入手することが可能です。

6.レボノルゲストレルの副作用は?

ノルレボ錠やレボノルゲストレル錠は、吐き気をはじめとした副作用が非常に少ないとされています。

レボノルゲストレルの副作用には、消退出血・吐き気・眠気・頭痛などがありますが、発現率には個人差があります。

 

一般的には服用後数日で軽減されますが、レボノルゲストレルの副作用について詳しく見ていきましょう。

1)比較的副作用は少ないが消退出血・倦怠感・吐き気がある

レボノルゲストレルの副作用として、消退出血・倦怠感・吐き気などが報告されています。

詳しくは、以下の表のとおりです。

 

頻度副作用
5%以上消退出血(46.2%)、不正出血(13.8%)、頭痛(12.3%)、

傾眠、悪心、倦怠感

0.1~5%未満めまい(浮動性・体位性)、不安、月経過多、下腹部痛、下痢、

腹痛、貧血、異常感、口渇、熱感、疲労、末梢性浮腫

頻度不明月経遅延、嘔吐、乳房圧痛

 

一般的に副作用は少ないとされていますが、気になる症状がある場合には医師に相談しましょう。

 

<参照元>

レボノルゲストレル錠1.5mg 添付文書

2)副作用の期間は24時間以内で落ち着き長くても3日

アフターピルであるレボノルゲストレルの副作用は、服用後24時間以内で落ち着くことがほとんどです。個人差はありますが、時間の経過とともに軽快し、長くても3日程度で症状は緩和されるでしょう。

 

<参考記事>

アフターピルの副作用とは?正しい使用方法でリスクを抑えられる!

 

7.レボノルゲストレルの服用禁忌や慎重投与

1)服用禁忌

レボノルゲストレルは緊急避妊薬として使用されますが、以下の条件に当てはまる人は服用を避けるべきとされています。これを服用禁忌と呼びます。

薬剤の成分にアレルギーの既往歴がある女性

レボノルゲストレルの成分にアレルギーの既往歴がある場合、過敏症反応を起こす可能性があります。アレルギーの既往のある方がアフターピルの服用を検討する際には、成分に注意しましょう。

重篤な肝障害がある女性

重篤な肝障害があると代謝能が低下し、肝臓への負担が増加するため、症状が増悪する可能性があります。重篤な肝障害のある方は、レボノルゲストレルなどのアフターピルの服用には注意が必要です。

妊婦中の方

妊娠中の方は、レボノルゲストレルを服用してはいけません。アフターピルを検討中だが生理が来ないという場合には、妊娠検査薬を使うか病院を受診し、妊娠しているか確認することをおすすめします。

2)レボノルゲストレルを慎重に服用する必要がある人

以下に該当する場合は、レボノルゲストレルを慎重に服用する必要があります。これを慎重投与と呼びます。

服用前に医師に相談しましょう。

 

  • 心疾患またはその既往歴がある
  • 重度の消化管障害または消化管の吸収不良症候群がある
  • 腎疾患またはその既往歴がある
  • 肝機能障害がある
  • 妊娠中である
  • 授乳中である

 

3)併用禁忌や注意は?

併用禁忌とは、レボノルゲストレルと一緒に服用してしまうと危険な医薬品や成分のことを指します。

幸い、レボノルゲストレルに併用禁忌の医薬品はありません。

しかし、注意すべき医薬品や食品などはあります。

以下の医薬品を服用中の方は、レボノルゲストレルとの併用に注意が必要です。必ず医師または薬剤師に相談してください。

 

  • 抗けいれん薬(フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン、カルバマゼピン)
  • HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル)
  • 非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(エファビレンツ、リファブチン、リファンピシン)
  • セイヨウオトギリソウ含有食品(サプリメント、飲料)

 

8.レボノルゲストレルを服用する際の5つの注意点

レボノルゲストレルは緊急避妊薬であり、定期的な避妊方法としては使用すべきではありません。服用時の注意点を5つ紹介します。

1)心配だからといって規定量以上の服用をしない

レボノルゲストレルの安全性と効果を得るためには、処方された規定量を正確に守って服用しましょう。過剰に服用しても、避妊効果が高まるわけではありません。

 

潜在的な健康リスクや副作用につながるおそれがあるため、医師に指示された飲み方を必ず守りましょう。

2)服用後に不正出血する場合があるため生理周期を確認して再受診

レボノルゲストレルは、服用後に不正出血が発生する可能性があります。服用前には現在の生理周期に注意を払い、不正出血が起こった場合は再受診することが重要です。

 

生理周期を確認しておくことにより、医師は出血の原因を評価し、適切なアドバイスや治療を提供できます。

3)安易に使用しない

レボノルゲストレルは緊急用の避妊薬であるため、予期せぬ性交渉または避妊失敗の直後にのみ利用することが推奨されます。推奨される状況以外での安易な使用や頻繁な使用は避け、普段から正しい避妊方法を取ることが大切です。

4)100%避妊できるわけではないので月経や妊娠の確認は必須

レボノルゲストレルは緊急避妊薬ですが、避妊率が100%ではないということを認識しておく必要があります。服用後は生理周期を確認し、予期される生理がない場合には、妊娠の有無を必ず検査しましょう。

5)消化管障害などの疾患がある方には効果を期待できない

消化管障害などの疾患がある場合、レボノルゲストレルを服用しても、消化管の問題によって薬剤の吸収が妨げられることがあります。十分な効果が期待できないため、注意しましょう。

9.レボノルゲストレルに関するよくある質問

Q1.レボノルゲストレルの服用は排卵日や排卵後でも効果あるの?

排卵日や排卵後に服用した場合であっても、性交後72時間以内であれば効果は変わらないとされています。排卵の抑制だけでなく、受精卵の着床を防ぐ効果もあるためです。

Q2.レボノルゲストレル服用後から生理はいつ頃くるの?

通常の生理周期の前に、アフターピル服用から3週間以内に消退出血が起こります。消退出血とは、少量の生理のような出血のことです。

 

服用から3週間以内に消退出血が起こるか生理が来れば、避妊に成功したといえます。もし3週間以内に出血がみられなければ、避妊に失敗した可能性があります。すぐに受診しましょう。

Q3.レボノルゲストレル服用後に避妊に失敗したら?

服用から12時間が経過した場合は、再度緊急避妊を行う必要があります。体への悪影響はないとされていますが、あくまでも緊急であることを忘れないようにしましょう。

Q4.レボノルゲストレル服用後に食事や飲酒しても大丈夫?

食事はしても構いませんが、服用後2時間以内に嘔吐や下痢をするようなことがあると、効果が得られずに避妊に失敗する可能性があります。また、飲酒も薬の効果が下がったり、副作用が強くなったりする可能性が高まります。

 

可能であれば、レボノルゲストレルの服用後24時間は安静にし、飲酒は控えましょう。

Q5.レボノルゲストレルの保管方法は?

光、高温、湿気を避けて室温(1~30℃)で保管しましょう。乳幼児や小児の手の届かないところに保管することも大切です。また、薬が残った場合は保管せず、廃棄してください。

10.まとめ

レボノルゲストレルの効果や副作用について解説しました。

レボノルゲストレルは、避妊効果の高い緊急避妊薬(アフターピル)です。

しかし、飲むタイミングで効果が異なります。

避妊に失敗した場合は、なるべく早急にレボノルゲストレルを服用することが推奨されます。緊急避妊薬は、性交後すぐに服用するほど効果が高いとされているためです。

 

しかし、緊急避妊はあくまで緊急時の措置であり、定期的な避妊方法としては適していません。日々の避妊は、計画的かつ責任を持って行いましょう。

 

この記事が、正しい避妊やレボノルゲストレルの適切な服用につながれば幸いです。

 

<本記事執筆の参照情報>

■「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」開催要綱,厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000910061.pdf

 

■医薬品医療機器情報提供ホームページ

https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/670109_254900AF2032_1_06

 

■「緊急避妊について」富士製薬工業

https://www.fujipharma.jp/patients/emergency/faq/index.php

SNS Share

\ この記事をシェアする /