アフターピル(緊急避妊薬)の効果は?仕組みや効果・飲み方を解説

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アフターピルは緊急的に使用する避妊薬です。ただし、どのような仕組みや効果があるのか、理解していない人も多いのではないでしょうか。アフターピルを服用する際には、正しい知識が必要です。服用前にきちんと把握しておきましょう。
今回は、アフターピルの仕組みや効果、正しい飲み方について解説していきます。適切な使用方法や注意点を知り、安心してアフターピルを服用するための情報としてお役立てください。

この記事の監修医師
レディースクリニックLOG原宿では月経困難症、過多月経、月経不順にたいするピル治療、子宮鏡、円錐切除、バルトリン腺嚢胞など多彩な日帰り手術も行っています。
婦人科疾患で悩んでいる女性のライフスタイルを崩さないように治療しています。
■経歴
杏林大学医学部卒業
筑波大学附属病院初期研修
けいゆう病院後期研修
横浜総合病院などで勤務した後に開業
■資格・所属学会
日本産婦人科学会専門医
産婦人科内視鏡技術認定医
所属学会
日本産婦人科学会
日本産婦人科内視鏡学会
日本子宮鏡研究会
■手術実績
腹腔鏡手術   700件以上
開腹手術    150件以上
帝王切開    300件以上
分娩(経腟分娩) 1000件以上
目次

1.アフターピルは妊娠を回避する「緊急避妊薬」

アフターピルとは、避妊に失敗した場合や性行為後に不安を感じた場合などに服用する「緊急避妊薬」のことです。

妊娠を望まないにも関わらず、次のような方はすぐに婦人科などを受診しましょう。

  • 性行為中にコンドームが途中で脱落した
  • 性行為中にコンドームが途中で破損した
  • 性行為の途中まで、コンドームを使わなかった
  • いつも低用量ピルを飲んでいるが、飲み忘れてしまった
  • 避妊していると思っていたが、相手が避妊しなかった
  • 避妊せず性行為した

アフターピルは黄体ホルモンと呼ばれる女性ホルモンの一種が主な成分です。

名前のとおり、緊急時にのみ使用するものであり、通常の避妊方法としては使用できません。アフターピルには、副作用のリスクがあるためです。

ここでは、服用する時期による効果について詳しく見ていきましょう。

1)排卵前の服用:排卵を遅らせて妊娠を回避

排卵前にアフターピルを服用した場合に期待できる効果は、排卵の遅延です。つまり、卵子が成熟して子宮内膜に到達するのを遅らせることで、精子との出会いのチャンスを減少させます。

このとき、アフターピルの効果が最も高まるのは、性行為の翌日から72時間以内に服用した場合となります。

2)排卵後の服用:精子の侵入を防ぐ・子宮内膜の環境を変えることで妊娠を回避

排卵後にアフターピルを服用した場合、精子の侵入を防ぐこと、また子宮内膜の環境を変えることによって妊娠を回避する効果が期待できます。具体的には、子宮内膜の環境を変えることで、受精卵の着床を阻害します。

また、72時間経過しても120時間以内であれば効果はありますが、ウリプリスタール法では85%の確率、レボノルゲストレル法、ヤッペ法では63%の確率と避妊成功率が低くなってしまいます。

2.アフターピルの種類は3つ!違いを詳しく紹介

アフターピル

アフターピルには、レボノルゲストレル法、ヤッペ法、ウリプリスタール法の3つの方法があります。アフターピルは性行為後、服用が早ければ早いほど効果がありますが、いずれの場合も72時間以内に服用することがおすすめです。

ここでは、主に使用される3つのアフターピルの種類の特徴や効果の違いについて詳しく解説していきます。

1)レボノルゲストレル法:性行為後から72時間以内に1錠服用

レボノルゲストレルという黄体ホルモンを内服する方法です。

主成分としてのレボノルゲストレルが排卵を抑制します。

日本では先発品のノルレボ錠のほか、ジェネリック医薬品として、国産品のレボノルゲストレルや輸入品のアイピルなどの薬剤があります。

服用回数が1回で済むことや副作用が少ないことがメリットです。

レボノルゲストレル法は、性行為後72時間以内に1錠服用することで、97〜98%の確率で妊娠の回避が可能です。72時間を超えても120時間以内なら効果はありますが、63%と避妊成功率が低くなってしまいます。

2)ウリプリスタール法:性行為後から120時間以内に内服

ウリプリスタール酢酸エステルという成分が含まれており、これが受精卵の着床を防ぎます。これは、子宮筋腫治療に使われる事もあるお薬です。製品名はエラです。

ウリプリスタール法は、副作用が少ないことがメリットです。

ウリプリスタール法は、性行為後72時間以内に1錠服用することで、97〜98%の確率で妊娠の回避が可能です。また、72時間を超えても120時間以内なら85%の確率で避妊が成功するので、それほど効果が低下しない点もメリットです。

3)ヤッペ法:性行為後から72時間以内に中用量ピルを2錠服用

ヤッペ法は、通常の中用量のピルを緊急避妊薬として使用する方法で、排卵を抑制する効果があります。

製品名は、プラノバールです。

費用が安い点がメリットですが、ほかの2つの方法に比べて服用の頻度が高い点がデメリットです。

ヤッペ法は、性行為後72時間以内に中用量ピルを2錠服用し、更にその12時間後にもう2錠プラノバールを内服することで、97〜98%の確率で妊娠のリスクを低減させます。72時間を超えても120時間以内なら効果はありますが、63%の確率と避妊成功率が低くなってしまいます。

また、ヤッペ法はアフターピルと比較して副作用が多く、妊娠防止率も劣ることから、現在は緊急避妊法として推奨されていません。

3.アフターピルの費用は1回分で8,000〜20,000円程度|市販では購入不可

避妊に失敗したときにアフターピルを思いつく人が多い一方で、その値段やジェネリック製品の情報について知らない人もいるのではないでしょうか。ここでは、アフターピルの費用や購入方法を詳しく解説していきます。

1)薬局やマツキヨには売っていない

アフターピルを手に入れたいと思ったとき、まず薬局やドラッグストアで購入しようと考える人は多いでしょう。しかし、マツキヨや一般的な薬局での取り扱いはありません。

アフターピルは処方箋医薬品であるため、医師の診察を受けて処方される必要があります。ただし、2023年11月28日より処方箋なしでの試験販売が開始になっており、今後の動向に注目が集まっています。

2)購入はオンライン診療がおすすめ

アフターピルの1種であるレボノルゲストレル

アフターピルを購入するなら、オンライン診療がおすすめです。オンライン診療を利用すれば、自宅や外出先からでも医師との面談が可能となり、処方箋を受け取れます。

オンライン診療のメリットは、待ち時間なしでプライバシーを守りながら、必要な薬を手に入れられる点です。アフターピルの料金は一般的に8,000〜20,000円程度ですが、自由診療なのでクリニックや病院によって異なります。

目安としては、次の通りです。             

レボノルゲストレル(国産)税込み10,000円程度
アイピル(輸入)税込み7,000円〜8,000円程度
プラノバール税込み3,500円〜4,500円程度
エラ税込み 12,000円程度

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4.アフターピルには副作用がある?気をつけたい5つのリスク

避妊効果のあるアフターピルですが、副作用の可能性があるため注意が必要です。

最も気をつけるべきは、吐き気です。吐き気によって嘔吐をしてしまうと、薬の成分も一緒に吐いてしまうリスクがあります。

服用後2時間以内に嘔吐した場合は、ただちに1錠追加服用することがおすすめです。

また、2時間経過後でも吐いてしまった場合は、すぐに処方してもらった医療機関に相談しましょう。

ここからは、吐き気以外のアフターピルの副作用として知られている5つのリスクを詳しく解説していきます。

1)腹痛、頭痛、眠気、倦怠感

アフターピルの服用後、腹痛、頭痛、眠気、倦怠感を感じることがあります。これらは一時的なもので、1日から長くても数日で改善されることが多いですが、持続する場合は医師の診察を受けることをおすすめします。

2)胸・乳房の張り

アフターピルの服用後に胸や乳房に張りを感じるのは、ホルモンの影響によるものだと考えられます。一時的な症状であることが多いですが、気になる場合は医師に相談すると安心できるでしょう。

3)肌荒れ

肌荒れもアフターピルの副作用の一つです。ホルモンバランスの変動が原因とされており、ニキビや赤みが出ることがあります。持続する場合は皮膚科を受診しましょう。

4)胃腸障害

アフターピルの服用後、胃や腸に不調を感じることがあります。食欲不振や下痢、便秘などの症状が多いですが、これらは一時的なもので、数日で改善されます。もし症状が続く場合は、医師に相談することをおすすめします。

5)消退出血(アフターピル服用後のホルモン剤の作用による出血)

アフターピルの服用後、ホルモン剤の作用で出血する人もいます。これを消退出血と呼び、通常の生理とは異なり、軽度の出血が続きます。出血が長く続いたり、量が多くなったりしたら、産婦人科の受診を検討しましょう。

5.アフターピル服用時の3つ注意点

アフターピルを飲む女性

アフターピルを正しい知識なしに服用すると、効果を十分に発揮できません。しっかりと効果を得るために、アフターピルを服用する際の3つの注意点を詳しく解説していきます。

1)決められた用量と時間を守る

アフターピルの効果を最大限に引き出すためには、指定された用量を正確に、そして指示された時間内に服用することが大切です。適切な量を守らないと、避妊効果が低下する恐れがあります。

また、過剰に服用すると体調不良の原因となることもあるでしょう。指示通りの量と時間を守ることが、アフターピルの正しい使用方法です。

2)次の生理までは性行為を避ける・避妊をする

アフターピルを服用した後、次の生理が来るまでの間は性行為を避けるか、適切な避妊方法を取りましょう。アフターピルはあくまで緊急避妊薬であり、通常の避妊方法の代わりにはなりません。

この期間中に避妊を怠ると、妊娠の可能性があるため注意が必要です。

3)生理予定日を1週間過ぎても出血がない場合は産婦人科へ

アフターピルを服用後、生理予定日を1週間過ぎても出血がない場合は体の異常を示すサインかもしれません。性行為後に期待される生理が来ない場合は、妊娠の可能性もあります。

このような状況になったら速やかに産婦人科で診察を受け、医師の指示を仰ぐことが大切です。

なお、正しく避妊できているかの確認は、次の生理が来くるか、専門医による直接診療を行わない限り判断できません。

妊娠を回避したと思っていても、異常妊娠している可能性もありますし、性病に感染している可能性もあります。

ご自身の健康のためにも、必ずピル服用3週間後に産婦人科を受診することがおすすめです。           

6.アフターピルに関するよくある質問

Q1.アフターピルは性交後いつまでに飲めばいい?

アフターピルは性交後72時間以内に服用することで、その効果を最大限に発揮できます。7そのため遅くとも72時間以内、早ければ早いほどおすすめです。

Q2.アフターピルを飲むと本当に避妊できますか?

アフターピルは、適切な用量と用法を守ることで、高い確率での避妊が期待される緊急避妊薬です。性交後、服用が早ければ早いほど、より効果的な避妊に繋がるといえます。

Q3.アフターピルを飲むことで不妊の原因になりますか?

アフターピルが不妊を引き起こすことはありません。しかし、度重なる服用はホルモンバランスを乱し、体の不調を招く恐れがあります。そのため、アフターピルは緊急時の最後の手段と位置づけて使用しましょう。

Q4.アフターピル服用前・服用後にお酒を飲んでも問題ないですか?

アフターピルを服用した日とその翌日は、アルコールの摂取は控えましょう。アルコールが副作用を引き起こしたり、薬の有効性を低下させたりするリスクが考えられるためです。

Q5.授乳中の場合にアフターピルを服薬する上での注意は?

授乳中にアフターピルを服用する場合、その後24時間は授乳を避ける必要があります。

授乳時間を考えてアフターピルを服用しましょう。

7.まとめ:緊急避妊にアフターピルは効果あり

アフターピル(緊急避妊薬)の効果や仕組み、種類、飲み方について解説しました。アフターピルは、緊急避妊に「効果あり」として広く認知されています。しかし、効果を最大限に引き出すためには、正しい知識と使用方法が必要です。また、正しく服用することによって、副作用を最小限に抑えることも大切です。

本記事で紹介した内容を参考に、効果を十分に発揮させ、かつ安全な方法でアフターピルを使用しましょう。

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<本記事の参考・参照記事>

緊急避妊法の適正使用に関する指針

http://www.jsog.or.jp/activity/pdf/kinkyuhinin_shishin_H28.pdf

緊急避妊薬レボノルゲストレル

http://medical.radionikkei.jp/suzuken/final/110505html/index.html

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