ひどい場合は、紫色になることもあります。
この記事では、青クマの症状や見分け方、原因と美容医療による治療法、セルフケアの方法をご紹介します。
聖マリアンナ医科大学医学部を卒業後、東京医科大学病院小児科コース修了後、都立広尾病院で小児科医として従事。出産を機に、都内クリニックや産業医として経験を積む。その後、内科小児科クリニックの院長を経て、2024年2月、内科・皮膚科・美容内科・美容皮膚科専門の『青山Fusion Clinic』を開院。幅広い年代の健康と美に寄り添う。
日本禁煙学会禁煙認定指導医
日本旅行医学会認定医
日本医師会健康スポーツ医
日本人間ドック学会認定医
日本医師会認定産業医
1.目の下の青クマとは?症状や見分け方は?
目の下の青クマは、目の周りの毛細血管の血液が血行不良のために滞り、滞留した血液が目の下の薄い皮膚から透けて青っぽく見えてしまっている状態です。毛細血管の状態によって、日や時間で濃くなったり、薄くなったりと変化します。
青クマは、血行不良が原因ですが、色白の方に目立ちやすく、目尻を引っ張って、色が薄くなることが特徴です。また、鏡を見ながら顔を上に向けても、ファンデーションを塗っても薄くなりません。
<青クマ>
青クマの見分け方は、大きく2つです。
1つは、目の下を引っ張ると薄くなる、もしくは消えます。
また、マッサージをして血行が良くなると色が変わります。
ここからは、目の下の青クマの原因と美容医療による治療法、セルフケアの方法について詳しくご紹介します。
<参考記事>
2.目の下の青クマの原因
青クマの原因は、血行が悪化することと皮下脂肪の減少です。
また、リンパの流れも悪くなって、老廃物が排出できないことも原因の一つです。
血行不良は、目の疲れ、睡眠不足、月経時などの女性ホルモンのバランスの乱れ、喫煙、冷え症、ストレスなどが原因です。
女性の場合は、漢方でいう「瘀血(おけつ)体質」という血の巡りが悪くなり滞っている状態に陥っていることもあります。
皮下脂肪の減少は加齢が主な原因ですが、皮膚が薄くなることで細い血管が透けて見えるのです。
1)血行不良の原因
①パソコンやスマホなどの使いすぎ
現代人は、パソコンやスマホで目を酷使しすぎる環境にあります。
目を酷使すると目の周りの筋肉が緊張してしまい、血管を圧迫して血行不良を招いてしまいます。
②睡眠不足
睡眠が足りないと、交感神経優位の状態が長く維持されます。交感神経には体を緊張させるはたらきがあるため、血管が収縮して血流が悪くなります。
また、眠らないと目がかすみやすくなり、目を凝らすことが多くなります。凝らすことで目元の筋肉がさらに緊張し、血行を妨げてしまいます。
③月経時などの女性ホルモンのバランスの乱れ
月経期は、プロゲステロンやエストロゲンといった女性ホルモンの分泌が急激に低下する時期です。体温が低下して血行が悪くなるため、青クマが生じやすくなります。
月経前の黄体期もむくみが出やすく、血流が滞りがちです。
④喫煙
たばこに含まれるニコチンには強い血管収縮作用があるため、血流を悪くしてしまいます。
電子たばこの場合、日本国内で販売されているリキッドはニコチンを含みませんが、海外輸入品のリキッドにはニコチンを含むものもあり、目の周囲の血行を阻害します。
⑤冷え症
女性は夏場の冷房やスカートの着用によって、体が冷えてしまうことがあります。体が冷えると血流は悪くなるため、青クマの原因になります。
締め付けの強い下着、筋肉不足、ホルモンバランスの乱れも冷え性の原因です。
⑥ストレス
現代人は、仕事や人間関係でストレスを受けやすい環境にあります。ストレスを受けると交感神経が優位となって筋肉が緊張し、血流が滞ります。
ストレスが解消されないと血行不良の状態が続き、青クマができやすくなります。
2)皮下脂肪の減少
加齢がすすむと顔の脂肪、とくに頬まわりの脂肪が減少します。皮下脂肪が減ると目の下の静脈が透けてしまい、青クマとして現れやすくなります。
<参考記事>
3.目の下の青クマの美容医療
目の下の青クマは、皮下脂肪や皮膚の厚みを出すことで改善します。
そのため、脂肪注入による治療が良い選択肢です。
また、PRP再生療法や線維芽細胞増殖因子(FGF)やスネコス、ベビーコラーゲン、リジュランなどを注入する治療法もあります。
1)脂肪注入
自身の皮下脂肪を採取・加工し、目の下の凹みに注入する方法です。目の下の皮膚に適度な厚みをもたせることで青クマが目立ちにくくなります。
脂肪は組織に定着するため、基本的には一回の施術で済みます。ただし仕上がりは医師の技量に左右されやすく、施術にあたっては経験豊富なクリニックを選ぶ必要があります。
2)PRP再生療法
自身の血液から抽出した血小板由来の成長因子を注射し、肌再生を促す治療法です。
コラーゲンやヒアルロン酸を増生させることで肌の厚みが正常化し、血管が透けにくくなります。
肌組織を再生させるため、青クマだけでなく茶クマ・黒クマ、ちりめんじわにも効果があります。施術直後はわかりにくいですが、2~3カ月ほど経過すると効果が現れます。
<参考記事>
3)線維芽細胞増殖因子(FGF)注入
FGF(Fibroblast Growth Factor)は人体で合成されるタンパク質の一種で、コラーゲンやエラスチンなどの肌組織再生を促すはたらきがあります。
PRP注射よりも表皮の深い部分(真皮)に作用するため、目の下の凹みやしわが目立つ方におすすめです。
<参考記事>
FGF(Fibroblast Growth Factor=線維芽細胞増殖因子)とは?特徴とはたらき
4)スネコス注射
スネコス注射は、ヒアルロン酸と6種類のアミノ酸を配合したイタリア発のエイジングケア注射です。肌組織の再生を促すため、青クマと同時に目元の小じわを改善できます。
スネコス注射は、2週間おきに3~4回ほど施術を受ける必要があります。また、持続期間は9カ月ほどです。その後は効果が失われていくため、維持したい場合は再度治療が必要になります。
<参考記事>
スネコス注射は目の下のクマに効果あり!持続期間やデメリットは?
5)ベビーコラーゲン注入
ベビーコラーゲン(Ⅲ型コラーゲン)とは、赤ちゃんの弾力のある肌を維持している成分です。ヒト胎盤(プラセンタ)から抽出・精製されたベビーコラーゲン製剤を注入することで、肌細胞の再生を促します。
ベビーコラーゲンは、約1年程と持続期間が長いのがメリットです。
<参考記事>
ヒアルロン酸注射の肌への効果・持続期間はいつまで?ボトックスとの違いも解説!
6)リジュラン注入
リジュランは、サーモン由来のポリヌクレオチドを有効成分とする美容注射です。ポリヌクレオチドによって肌の自己再生力を促し、肌のハリや弾力、厚みを回復します。
肌組織を根本から再生するため、持続期間は約1年程度と長めです。1回だけでは効果を実感しにくいですが、定期的に施術を繰り返すことで徐々に実感しやすくなります。
<参考記事>
リジュラン注射とは?効果やメリット、ダウンタイムやデメリット
4.目の下の青クマ治療が日本全国で受けられるクリニック
ここでは目の青クマ治療が受けられる全国展開している大手美容クリニックなどをご紹介します。
自分なりに合うと思うクリニックを選んで、じっくり相談して施術を受けるかどうか検討しましょう。
1)品川美容外科
品川美容外科/提携品川スキンクリニックは、全国に39院展開している開院36年の歴史と実績のある、美容整形・美容皮膚科専門クリニックです。
目元が若々しく変わる目の下の影や黒クマ取りのメニューも提供しています。
青クマ治療には、美肌注射プレミアムやリデンシティⅡがあります。
2)聖心美容クリニック
聖心美容クリニックが志すのは、「まじめ」な美容医療。
患者さま一人ひとりとしっかり向き合い、とことん対話を重ねながら、安心と信頼を築いていく医療です。
高品質な美容医療を提供するため、世界の医療技術を探求し、施術の幅を広げることで、患者さまの期待を超えていくことやその場限りの関係ではなく、一人ひとりの人生に寄り添っていけるクリニックを目指しています。
青クマ治療には、プレミアムPRP皮膚再生療法やヒアルロン酸注入などを用います。
3)湘南美容クリニック
湘南美容クリニックは、「美容医療をもっと身近に!」を目標に、身近に低価格で高品質な美容医療を提供することを目指している日本最大手の美容クリニックです。
2024年5月時点で日本・世界に214院を展開しているので、とてもアクセスが便利です。
湘南美容クリニックの目の下のクマ取りの特徴は、メニューが豊富で、症例数が11万(2024年6月時点)を超えている点、料金がリーズナブル、麻酔込の価格などです。
青クマ治療には、SBCプレミアムPRP皮膚再生療法やヒアルロン酸注入などを用います。
4)TCB東京中央美容外科
TCB東京中央美容外科は、身体への負担の少ないプチ整形をはじめとしたさまざまなメニューを取り揃え、患者様の「キレイを幸せに」の実現を目指す美容クリニックです。
日本全国に112院(2024年6月現在)を展開しています。
TCBでは、青クマ治療にはクマ取り再生注射を提案しています。
5)東京美容外科
東京美容外科は、美容外科医師として10年以上経験を持つ医師、或いは、形成外科学会から認定を受けた医師、または、東京美容外科で3年以上の経験を積んだ医師のみがメスを握ることを許されています。
一度メスを入れた患者さまは、術後、どのようなトラブルであれ対応しています。
目の下のたるみやクマの原因である「眼窩脂肪」を取り除くことですっきりとした目元を取り戻すことができます。
また、切らずに脂肪を除去する施術やくぼんだ目の下の脂肪を再配置して凹凸をなくす施術など、一人一人に最適な治療を提案してもらえます。
目の下のクマ取りのメニューも豊富で、切らない目の下クマ・たるみ取り、皮膚切除、ハムラ法、裏ハムラ法の4つからそれぞれの患者様の状態に合わせて施術を提案します。
6)ガーデンクリニック
ガーデンクリニックは開院当初から一貫して患者様の立場に立って考え、共に治療を進めていく美容医療を提供して参りました。
美容整形ならガーデンクリニックで!年中無休で患者様のお身体とお悩みに適した治療を提供します。脂肪吸引・豊胸・わきが治療・美容
日本全国に池袋、新宿、品川、船橋、横浜、名古屋、大阪、福岡の8院を展開しています。
青クマの治療には、ニュープレミアムオートファイバーやヒアルロン酸注射、マイクロCRF、PRP法があります。
7)TAクリニック
TAクリニックでは卓越した技術力で、最新の美容医療や当クリニックオリジナルの施術が受けることができます。
また、患者様お一人おひとりに丁寧なカウンセリングができるよう、ご予約時間を十分に確保することで、施術前の認識合わせを念入りに行うことが特徴です。
TAクリニックの目の下のクマ取りは、眼瞼切開術と呼ばれる施術で、目の下の余った皮膚を切除します。また、状態によっては脂肪除去も行ったり、眼窩脂肪移動術と呼ばれる脂肪を移動させクマを改善させる方法もあります。
目の下の青クマ治療には、スネコス注射やヒアルロン酸注射などがあります。
8)フェミークリニック
フェミークリニックは、「今も未来も美しく。一人ひとりの力になる。人はキレイになることで、自信を持てたり笑顔が増えたり、より一層輝くことができる。だからこそ思い描く自分らしい美を叶えたい、
そう願う皆さまを少しでもサポートすること」を使命とする大阪梅田・心斎橋・天王寺に3院を展開するクリニックです。
青クマの治療はベビーコラーゲンやACRS(再生医療)などを使います。
5.自分できる目の下の青クマの予防・改善法
セルフケアで青クマを防ぐには、「血流の改善」がカギになります。
1)質の高い十分な睡眠
ぐっすり眠っている間は副交感神経が優位になります。副交感神経がはたらくと、血管が拡張されて血行が促されます。
毎日十分に睡眠をとることで目元の血流もスムーズになり、青クマの予防につながります。
<参考記事>
美肌は質の高い睡眠中に作られる!3つのホルモンを活かす4つの対策
2)運動やお風呂などで 体を温める
お風呂にしっかり浸かって体を温めると、血管が広がって血液循環がよくなります。
運動も効果的です。運動している間だけでなく、筋肉がつくことで普段の血流も改善します。
<参考記事>
3)バランスの良い食生活
栄養が不足すると、血液や筋肉が不足して血流が悪くなります。
血液をつくるために必要な鉄分やビタミン、筋肉をつくるために必要なタンパク質やミネラルをしっかり補うことが大切です。
また、サンドイッチやサラダなどの冷たい食事よりも、スープや煮込み料理などの温かい食事を選ぶと体が温まって血行がよくなります。
<参考記事>
4)マッサージで血行促進
入浴後やホットアイマスクなどで目元を温めたあと、目尻から目頭に向けてやさしくマッサージをすると血流が促されます。
マッサージを行うときは、マッサージ用のオイルやクリームを使いましょう。滑りが悪い状態でマッサージをすると、皮膚への刺激で茶クマを誘発するので注意が必要です。
<参考記事>
6.目の下の青クマのスキンケア
目元は皮膚がとても薄く、乾燥しやすい部位です。乾燥によって弾力やハリが失われると青クマが目立ってしまうので、毎日のスキンケアでうるおいを補充しましょう。
1)保湿ケアをしっかりする
洗顔をしたあとは化粧水や美容液などの基本的なスキンケアに加え、アイクリームを使って目元を保護し、乾燥を防ぎます。
秋冬などの空気が乾燥しやすい時期は、加湿器を使って適度な湿度を保つことも大切です。
<参考記事>
2)紫外線対策
紫外線を浴び続けると、肌がダメージを受けて乾燥しやすくなります。
4~9月はとくに紫外線が増加するので、日焼け止めや帽子などを使って紫外線を防ぎましょう。
また、UVカットサングラスなども目の周りの皮膚を守るために大切です。
<参考記事>
3)優しい洗顔
洗顔時にゴシゴシ擦ると、肌が傷ついて乾燥や肌トラブルを招きます。
肌に余分な負担をかけないためには、しっかり立てた泡で包み込むように優しく洗いましょう。
時間をかけて丁寧に顔を洗う方もいますが、あまり時間をかけすぎるとかえって肌が乾燥します。洗顔時間は30秒~1分間を目安にし、乾燥しやすい目元は最後に洗うのがおすすめです。
<参考記事>
洗顔の正しい方法と洗顔料の使い方10選!乾燥肌なら特に注意!
クマを引っ張ってみて肌とともに色が移動するようなら、茶クマの可能性が高いです。
7.目の下のクマは青クマ以外もある
目の下のクマは、青クマ以外にも黒クマ、茶クマ、赤クマがあります。
1)赤クマの特徴と見分け方
赤クマは、眼窩脂肪が眼輪筋で圧迫されることで起こります。
筋肉の色が透けて見えるため、赤みがかった色をしていることが特徴です。
2)黒クマの特徴と見分け方
黒クマは、目の周りの皮膚や脂肪がたるみ、そのたるみが影となって現れたものです。加齢によってコラーゲンやエラスチンが減少すると、肌がたるんで黒クマが発生しやすくなります。
顎を上げず目だけで上を向いて色が薄くなる場合は、黒クマの可能性があります。
3)茶クマの特徴と見分け方
茶クマは、落としきれなかったメイクや摩擦による色素沈着が主な原因です。
乾燥や紫外線などのダメージにより、さらに茶クマが発生しやすくなります。
頬骨あたりの肌を引っ張って赤みが増す場合は、赤クマの可能性が高くなります。
<参考記事>
8.目の下の青クマに関するよくある質問
Q1.青クマ取りの美容医療は痛いですか?
青クマの治療は注入(フィラー)治療が多いので、針を刺す際に痛みを生じます。大きな痛みではありませんが、クリニックや施術によっては麻酔を行うため、痛みを軽減できます。
<参考記事>
Q2. 青クマに良い食物は?
青クマに良い食べ物は、血液がサラサラになったり、体温を上げる食べ物、また皮膚の栄養となるものです。
タマネギやニンニク、ねぎ、緑黄色野菜、納豆や豆腐などの大豆製品、アジやイワシ、カツオなどの魚介類、さらにキノコ類やヨーグルトなどがあります。
また、体を温めるショウガや人参などもおすすめです。
<参考記事>
Q3.青クマには何色のコンシーラーが良い?
青クマには、青の補色にあたるオレンジのコンシーラーがおすすめです。補色で打ち消すことで目立たなくなります。
9.まとめ
目の下の青クマの症状や見分け方、原因と美容医療による治療法、セルフケアでの予防・改善法をご紹介しました。
青クマは、血行不良が原因であるため、セルフケアによる対策で改善が可能です。気になる方は、まずは生活習慣を見直し、血行促進を図りましょう。
また、正しいスキンケアやエイジングケアを心がけることが大切です。一方、皮膚が薄くて青クマが目立つ場合は、注入系の美容医療がおすすめの選択肢です。今では、治療法もたくさんあるので、美容クリニックでしっかり診断してもらって、適切な治療法を提案してもらいましょう。
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