ボルニューマは、たるみの引き締めやリフトアップが期待できる最新の高周波(RF)治療器です。表皮層へのダメージを抑え、真皮層・脂肪層を加熱することで、引き締めとコラーゲンやエラスチンの生成をもたらします。この記事では、ボルニューマの効果やメリット・デメリット、副作用を解説します。
今までのRF治療やハイフでは効果が不十分だった方や、一歩進んだたるみ治療を試したい方は、ぜひ続きをチェック!
現在は同大学の関連病院で呼吸器科・感染症科・アレルギー科として勤務する傍ら、
2023年10月より藤崎メディカルクリニック副院長に就任。
医学博士
日本内科学会認定医・総合内科専門医
日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医
日本感染症学会感染症専門医・指導医
日本化学療法学会化学療法認定医・指導医
日本結核病学会抗酸菌症認定医・指導医
日本アレルギー学会アレルギー専門医等を取得。
1.ボルニューマとは?何が新しい?
ボルニューマとは、高周波(RF)を用いた最新のたるみ治療の医療機器です。
RFとはラジオ波という電磁波の一種で、体内の分子同士を摩擦し、熱を発生させるメカニズムがあります。
これによって、脂肪層の繊維物質を縮め、即時的に皮膚の引き締め(タイトニング)効果を発揮します。
また、真皮層にある線維芽細胞を刺激することで、コラーゲンやエラスチンの生成が促進します。これによって、リフトアップ効果を発揮します。
このようにボルニューマは、たるみ治療に効果が期待できるのです。
高周波治療といえば、サーマクールという機器が有名ですが、痛みや熱感が生じることがデメリットでした。
しかし、ボルニューマでは、サーマクールと同様の6.78Mhzの大きな熱を加えることができる一方、水冷式システムと独自形状のカートリッジにより痛みが軽減したことが大きな進化、メリットです。
このようにボルニューマは、たるみの高周波治療の新たな選択肢として期待されています。
この記事では、ボルニューマの効果やメリット・デメリット、副作用を解説します。
ボルニューマは、次のような方におすすめです。
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【ボルニューマ】大人気の最新RF治療を体験!効果や痛みは?
2.ボルニューマの効果発現メカニズム・メリット・特徴
1)皮膚の深層にアプローチ
ボルニューマとは、真皮・脂肪層に働きかけてたるみを引き締める治療です。
高周波(RF)治療器には、電極が1個の「モノポーラ式」、電極が2個の「バイポーラ式」、電極が3個の「マルチポーラ式」があります。ボルニューマはモノポーラ式で、真皮層・脂肪層といった深い部分の治療が得意です。熱エネルギーによって組織の再構築を促すことで、内側から引き締めると同時に真皮層の線維芽細胞を刺激し、肌本来の再生能力を引き出してたるみやハリ、シワを改善させます。
ボルニューマから照射される高周波は、6.78MHzです。これは高周波治療で有名なサーマクールと同じ数値で、かなりの高出力です。効果がマイルドな治療器では約16Hz~1MHzの出力であることから、ボルニューマがいかにハイパワーであるかがわかります。
2)肌に密着して均一に熱を伝えるカートリッジ
ボルニューマのカートリッジは、特許取得済みのチップの角を丸くした設計で、皮膚に密着して熱が均一に伝わるように工夫されています。丸みを帯びたカートリッジは目元や顎下などの凹凸にしっかりフィットし、効果的な照射が可能です。
3)4種のカートリッジでさまざまな部位へ照射
ボルニューマには4つのカートリッジが搭載されています。顔全体のタイトニングはもちろん、カートリッジを換えることで目元・口元・顎下のケアなど、弾力が気になる部位へのピンポイント照射などが可能です。
人によっては、「目の下のたるみだけをなんとかしたい!」、「マリオネットラインが気になる」といった特定の部位の悩みを持つこともあります。
ボルニューマは、そんな部位別の肌老化や肌悩みにも使える点が特徴でありメリットです。
<参考記事>
4)痛み軽減の機能を持つ
同じモノポーラ型のRF治療器といえば、サーマクールが有名です。サーマクールはハイパワーな治療機器であることから、施術中に強い痛みを生じてしまうのがデメリットでした。
ボルニューマは、サーマクールと同等のパワーを持ちますが、痛みのコントロールが可能なため、比較的痛みが少ないとされています。また、4段階の振動と水冷式の冷却方法により、痛みや熱感の緩和に優れています。そのため、「サーマクールが痛くて施術をやめてしまった」という人にもおすすめです。
<参考記事>
サーマクールとは?効果やデメリット、ハイフとの違いについて解説
3.ボルニューマの効果
ボルニューマにはどんな効果があるのか、解説します。
1)顔の引き締め(タイトニング)
ボルニューマを顔全体に照射すると、真皮層や脂肪層が引き締められ、フェイスラインがすっきりとシャープな印象の小顔になります。これは即効性のある効果です。
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2)リフトアップ効果
ボルニューマの熱によって、真皮層に軽い火傷の状態を引き起こします。すると創傷治癒の過程で線維芽細胞がコラーゲンを増生させます。これにより肌がハリや弾力を取り戻し、リフトアップ効果が期待できるのです。
施術後は数ヶ月かけてコラーゲンやエラスチンが生成されるため、ふっくらとした弾力のあるお肌へと導きます。
3)ほうれい線や口周りのたるみ
加齢によって頬がたるんでくると、くっきりとしたほうれい線や口周りのたるみとなって現れます。ボルニューマは顔全体に施術が可能なため、頬を引き締めることで、ほうれい線を薄くし、気になる口周りのたるみ改善につながります。
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4)目周りのたるみやシワ改善
目元は皮膚が薄い上に神経も集まっている繊細な部位ですが、専用のカートリッジを使うことで目元のたるみにもアプローチできます。また、老けた印象に見られがちな目元の小ジワや目の下のたるみも軽減させることができます。
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5)首のたるみやシワ改善
痛みを感じやすく、これまで治療が難しいとされていた首元のたるみやシワにも、ボルニューマならアプローチすることができます。首周りのたるみをすっきりさせることで、若々しい印象になります。
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4.ボルニューマのデメリット
メリットの多いボルニューマですが、デメリットもあります。ここでは、4つのデメリットについて解説します。
1)人によって痛みや熱感が強い
ボルニューマは痛みの少なさが特徴ではありますが、十分な効果を得るためには、ある程度の熱量が必要になります。そのため、痛みのコントロールをしながら、十分に加熱を行っていくことが重要な治療法です。
痛みの感覚には個人差はありますが、痛みを感じる方もいます。
痛みがある場合は、無理に我慢はせず、医師と相談しながら進めていくと良いでしょう。
2)費用がやや高い
ショット数や範囲によっても異なりますが、ボルニューマの1回あたりの施術費用は全顔の場合でおよそ10〜20万円程度です。サーマクールよりは安いですが、これでも高いと感じる方も少なからずいます。
クリニックによっては、ピンポイント照射で5万円前後と設定しているところもありますが、ボルニューマは定期的に行うのが効果的なので、複数回となるとかなりの費用がかかります。この点がデメリットといえるでしょう。
3)医師の技能で効果が違う
ボルニューマは、真皮層や脂肪層へ十分な熱を与えないと効果が下がってしまいます。一方、熱を与えすぎると痛みが増してしまいます。
そのため、効果や安全性を確保するには、医師の経験やテクニックが大切です。クリニックを選ぶ際は、施術経験が豊富な熟練の医師がいることを確認しましょう。
4)施術前に控えるべきほかの施術がある
ボルニューマ熱を利用した照射施術なので、熱と相性の悪い施術やカートリッジの接触による圧が影響する施術は控えたほうがベターです。
美容医療施術 | 間隔を開ける期間 |
ヒアルロン酸注入 | 1カ月程度 |
ボツリヌストキシン(ボトックス)注射 | 1週間 |
糸リフト | 1カ月程度 |
脂肪溶解注射 | 1カ月程度 |
脂肪冷却(クールスカルプティングなど) | 1カ月程度 |
これらの施術を受けている際は、カウンセリングや診察時に必ず医師に伝えましょう。
5.ボルニューマの効果はいつから?施術は何回必要?
定期的に行うのが良いとされているボルニューマですが、効果は何回目の施術から現れるのでしょうか。
1)効果の発現のタイミング
タイトニング効果は施術直後から感じることができます。
一方、肌質改善やリフトアップ効果は、肌のコラーゲンが再構築される期間が必要なため、治療後1カ月~6カ月程度かけて少しずつ効果を感じてくるでしょう。
2)施術間隔
個人差がありますが、3カ月〜半年程度がおすすめです。
もし、ハイフなどのほかのたるみ治療も受けている場合は、1年後でも良いでしょう。
3)施術回数
ボルニューマは、比較的、初回から引き締め効果を感じる方が多く、ある程度のリフトアップ効果も感じる方が多いです。
より効果を高めるなら、2回、3回と回数を重ねるのがおすすめです。
6.ボルニューマの施術の流れと注意
ボルニューマの施術を受けるときの流れについてチェックしましょう。
1)施術の流れ
受診予約
ウェブサイトの予約受付フォームや電話、ラインなどそれぞれのクリニックが用意している方法のいずれかでボルニューマの予約を行います。
カウンセリング
医師または看護師が肌の状態をチェックし、患者が気になっているたるみやシワの部位、これまでの治療歴などについてヒアリングを行います。お顔の状態を見つつ、どの部位にどのくらいの熱量を当てるのがベストかなど、デザインを行っていきます。
洗顔・クレンジング
施術前には、化粧を落とし、クレンジング・洗顔をして肌を清潔にします。この時、肌に触れているアクセサリーも外しておくと良いでしょう。
ジェル塗布
顔に肌を保護するための施術用のジェルを塗っていきます。また、施術ができない部分にはマーキングを行い避けるようにします。
照射
痛みなどがないか聞き取りしながら、照射を行います。人によっては熱や痛みを感じることもありますが、通常は麻酔を使用しなくても耐えられる程度です。
冷却
ジェルを拭き取り、照射部位を冷やして肌を落ち着かせます。ダウンタイムがほとんどないため、施術後はメイクをして帰宅することができます。
2)施術直後の注意
ダウンタイム
ダウンタイムはほとんどありません。多少肌に赤みや火照り、腫れが出ることがありますが、翌日までに落ち着くことがほとんどです。
副作用
発赤、腫れ、熱感が生じることがありますが、数時間程度で引いていきます。まれに軽い火傷をすることがあります。
一時的に皮膚のしびれや知覚鈍麻が生じることがありますが、数日~数ヶ月ほどで改善します。ヘルペスの既往がある方は、再発するおそれがあります。
これらの副作用をよく理解した上で、施術を行うようにしましょう。
3)施術後の過ごし方
施術後数日間は、肌がデリケートな状態になっています。強くこするなど肌に負担がかかる行為は避け、日中はしっかりとUVケアを行いましょう。
4)ボルニューマの施術が受けられない方
ボルニューマは、下記のような方は施術を受けることができません。
下記項目に該当する方・該当する部位は治療を受けることができません。
- 妊娠中または、または、妊娠の可能性のある方、授乳中の方
- ケロイド体質の方
- 心臓疾患のある方
- ペースメーカー、植え込み型除細動器の治療歴のある方
- 体調の悪い方
- シリコン、インプラント、金属プレート、金の糸を埋め込んでいる方
- 治療部位に感染症や重度の皮膚疾患がある方
上記以外でも既往歴や治療中の病気、服薬中の場合などは、医師に相談しましょう。
7.ボルニューマの料金相場
ボルニューマは、現時点では導入しているクリニックが多くありません。
編集部で調査した結果、クリニックによってショット数、施術部位などが異なるため、相場を算定することが難しいことがわかりました。
調査の範囲では、1回の施術が最も安価だったのは、柳川クリニックのライト55,000円でした。
一方、最も高かったのはセオリークリニックの全顔500ショット198,000円でした。
ショット数や施術部位、施術者、内容に違いがあるため一概に安い・高いを決めることは難しいですが、200ショットでは60,000円前後、500ショットだと100,000円以上が相場だと考えられます。
調査したクリニックの料金は次のとおりです。
(2023年12月現在)
1)スキンリファインクリニックの料金
①顔(目元・顎下含む・額なし) 1回 154,000円(税込)
②両頬(額・目元・顎下なし) 1回 88,000円(税込)
③首 1回 55,000円(税込)
2)リアンクリニックの料金
①2リフト【頬+フェイスライン】 1回 66,000円(税込)
②4リフト【額+頬+目元+フェイスライン】顎下含む 1回 82,500円(税込)
③5リフト【額+頬+目元+フェイスライン+手の甲 or デコルテ】1回 99,000円(税込)
3)THE SKIN CLINIC 神楽坂の料金
200ショット 1回64,800円(税込) 3回178,000円(税込) 6回 348,000円(税込)
4)柳川クリニック料金
①ライト 1回 55,000円(税込)
②スタンダード 1回 99,000円(税込)
③プレミアム 1回 138,600円(税込)
5)セオリークリニックの料金
顔 全顔 500ショット 1回 198,000円(税込)
8.ボルニューマとほかの治療との違い
ボルニューマと似た施術として、サーマクール、サーマジェン、イントラジェン、ハイフがあります。それぞれボルニューマとの違いについて解説します。
1)ボルニューマとサーマクールはどう違う?
ボルニューマとサーマクールは、いずれも高周波(RF)治療です。周波数も同じ6.78MHzであり、両者の作用にあまり大きな違いはありません。
最も大きな違いとしては、施術中の痛みの感じ方です。医師による痛みのコントロールが難しいサーマクールと異なり、ボルニューマは痛みのコントロールに優れています。
また、ボルニューマにはさまざまな部位に対応可能な4種類のカートリッジが搭載されており、顔の細かな部位から首元などに照射可能です。
また、ボルニューマは後発医療機器となるため、サーマクールと比べて施術費用を抑えることができます。
2)ボルニューマとサーマジェンはどう違う?
ボルニューマとサーマジェンは、どちらも高周波(RF)を照射する治療機器です。サーマジェンは、真皮層~皮下脂肪層の浅い部分がターゲットとなるよう弱い出力で設定されています。対するボルニューマは、真皮層~皮下脂肪層全体を加熱するよう高出力に設定されています。顔のたるみを改善したい場合には、皮下脂肪層全体にはたらきかけるボルニューマのほうがより適しているといえます。
3)イントラジェンとどう違う?
ボルニューマとイントラジェンは、どちらも高周波(RF)を照射する治療機器です。どちらも同じチップを使いますが、機能が少し異なります。
イントラジェンは低コスト化を計るため、冷却機能とバイブレーション機能の2つをカットし、出力パワーを抑えて照射します。そのため、ボルニューマより効果は劣ります。
一方、1回の施術費用が安いというメリットがあります。
<参考記事>
イントラジェンのGFRとは?効果やデメリット、サーマクールとの違い
4)ハイフはどう違う?
ハイフは超音波によるエネルギーでたるみ治療を行う点が、ボルニューマとの大きな違いです。肌組織を支えるSMAS筋膜にまでアプローチが可能で、強いリフトアップ効果をもたらします。一方でボルニューマは脂肪層全体を広範囲に加熱しますが、熱変性はマイルドです。ボルニューマは脂肪層がやわらかい人で効果が出やすく、ハイフは脂肪層が固い人で効果が出やすいとされています。
また、メカニズムも違うので併用することで高いたるみ改善効果を発揮します。
<参考記事>
HIFU(ハイフ)の効果はいつからいつまで?持続期間と施術頻度を解説
9.ボルニューマに関するよくある質問
ここからは、ボルニューマについてのよくある質問にお答えしていきます。
Q1.ボルニューマのリスクは?
ボルニューマの施術後は、赤みや腫れ、ほてりなどが出ることがあります。また、まれに火傷をすることがありますが、時間とともに改善します。
Q2.ボルニューマとの併用でおすすめできる施術は?
ボルニューマとの併用がおすすめの施術は、ハイフ・水光注射・ポテンツァのダイヤモンドチップです。
ハイフ
ハイフはSMAS筋膜にアプローチすることでリフトアップを実現し、ボルニューマは脂肪層の広い範囲にアプローチしてたるみを軽減する施術です。両者を組み合わせることで、お互いが得意とする方向の引き締めを同時に行うことができます。お顔のボリューム感とたるみを改善させたい人はハイフとの組み合わせがおすすめです。
ウルトラフォーマー3とボルニューマの組み合わせによる「ボルハイフ」(The One )や
ウルトラフォーマーMPTとボルニューマの組み合わせによる「ウルニューマ」(スキンリファインクリニック)など、併用施術に独自名をつけているクリニックもあります。
<参考記事>
HIFU(ハイフ)の効果はいつからいつまで?持続期間と施術頻度を解説
目の下のクマ治療はウルニューマ!スキンリファインクリニックで提供
水光注射
ボルニューマは、注入系施術との相性も良い施術です。中でも水光注射は、専用マシンで直接ヒアルロン酸などの美肌成分を注入することで肌にうるおいを与える施術です。高周波は真皮層の水を振動させて熱を発するので、水光注射で充分な水分を補っておくことは理にかなっています。
<参考記事>
ポテンツァのダイヤモンドチップ
ポテンツァのダイヤモンドチップは、モノポーラとバイポーラの2種類の高周波を同時に発生させる治療器です。
ボルニューマは肌のたるみを脂肪層から引き締め、ダイヤモンドチップでは小ジワを目立たなくしてハリのある肌に導きます。顔全体のエイジングケアを希望する人にはこちらの組み合わせがおすすめです。
<参考記事>
Q3.ボルニューマはむくみますか?
ボルニューマ照射後は、人によってわずかに顔がむくんで感じることがあります。
しかし、一時的なものですぐに治まります。
もし、1日経過してもむくみが解消しない場合は、クリニックで相談しましょう。
10.まとめ
ボルニューマの効果やメリット・デメリット、副作用について解説しました。また、施術の流れや料金相場、注意点についてもご紹介しました。
ボルニューマは、たるみの引き締めやリフトアップが期待できる最新の高周波(RF)治療器です。従来のサーマクールやサーマジェンにおけるデメリットが改善されている後発医療機器であり、痛みのコントロールに優れているため、最大限の効果と最小限の痛みのバランスがとれた施術といえます。
一方、定期的に施術を行うには料金が高いことや、導入している美容クリニックがそれほど多くないといったデメリットもあります。
今までのたるみ治療で納得した治療ができなかった人は、試してみてはいかがでしょうか?
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