東中野皮フ科クリニック院長の加藤雄一郎先生をお迎えして、男性のほうれい線の美容医療によると治療についてお話をお伺いしました。
おすすめは、HIFU(ハイフ)とヒアルロン酸注入の組み合わせです。
また、男性のほうれい線の原因や予防についてもご紹介しています。
さらに、聞き手のハイフ体験もご紹介します。
院長 加藤雄一郎
【所属学会】日本皮膚科学会 会員/日本美容皮膚科学会 会員/日本皮膚悪性腫瘍学会 会員/日本美容外科学会(JSAS)会員
【診療外実績】アラガン・ジャパン株式会社 ボトックスビスタ® 認定医
東京医科大学病院 皮膚科勤務を経て、大手美容外科の院長となる。
- 1 1.医師に聞くシリーズ「男性のほうれい線治療」
- 2 2.男性のほうれい線治療について加藤雄一郎先生に聞いた
- 2.1 Q1.男性でもほうれい線を気にする方が増えているようです。ほうれい線の原因は何でしょうか?
- 2.2 Q2.男性の肌の特徴やほうれい線との関係で気をつけることはありますか?
- 2.3 Q3.男性がほうれい線を予防するために気をつけることは?
- 2.4 Q4.ほうれい線が深くなった場合の治療について詳しく教えていただけますでしょうか。ズバリ、先生がおすすめの治療法は?
- 2.5 Q5.HIFU(ハイフ)について詳しく教えていただけますでしょうか。
- 2.6 Q6.効果はいつから出ますか?
- 2.7 Q7.HIFUのデメリットはあるのでしょうか?
- 2.8 Q8.HIFUの費用はどうですか?
- 2.9 Q9.続いて、ほうれい線へのヒアルロン酸注入について詳しく教えていただけますでしょうか。
- 2.10 Q10.ヒアルロン酸のデメリットはありますか?
- 3 3.ほうれい線対策のHIFU(ハイフ)体験
- 4 4.まとめ
1.医師に聞くシリーズ「男性のほうれい線治療」
ナールス美容医療アカデミーでは、美容医療に携わる現役の医師に、施術や医療機器、肌老化や肌悩みについてお話を伺った内容を動画や記事としてお届けしています。
今回は、東中野皮フ科クリニック院長の加藤雄一郎先生に、肌老化による男性の肌悩みの代表であるほうれい線の治療についてお話を伺いました。
本記事については、動画でもお届けしていますので、ぜひ、そちらもご覧くださいね。
<加藤雄一郎先生ご出演:ほうれい線は消える?HIFU体験男性&医師対談>
<加藤雄一郎先生からのメッセージ>
男性であっても女性であっても、ほうれい線の原因は、顔のたるみです。
男性の場合、ほうれい線が目立つ原因である顔のたるみは、髭剃り、タバコ、紫外線、摩擦の多い洗顔、スキンケアやエイジングケアに無頓着であることなどです。
まずは、日々のスキンケアやエイジングケア、生活習慣で原因をつくらないようにしましょう。
たとえば、禁煙と紫外線対策だけでも、ほうれい線など肌の老化のかなりの部分を予防することが可能です。
まずは、しっかりと予防を心がけましょう。
なぜなら、一旦、ほうれい線が目立ってしまうと、改善することは難しいからです。
たるみは、肌の真皮より奥の層が原因で起こります。
だから、表皮の角質層までしか届かない化粧品で消すことはできません。また、顔のマッサージなどを行っても、なかなか改善することはありません。
そのため、ほうれい線を改善するためには、美容医療による治療が必要になります。
今回は、そんな男性のほうれい線を改善するために、HIFU(ハイフ)とヒアルロン酸注入のポイントをご紹介します。
<参考記事>
2.男性のほうれい線治療について加藤雄一郎先生に聞いた
Q1.男性でもほうれい線を気にする方が増えているようです。ほうれい線の原因は何でしょうか?
男性であっても女性であっても、ほうれい線の原因は、顔のたるみです。
加齢や紫外線などの影響によって、肌の潤いやハリ・弾力性を維持する役割がある真皮層が変質してしまうと、頬がたるみやすくなり、ほうれい線が目立ってきます。
たるみの主な原因としてあげられるのは、以下の3つです。
- 真皮の衰え(皮膚の弾力・ハリが低下する)
- 表情筋の衰え
- 皮下脂肪の衰えや肥大化
また、乾燥による小じわから若い年齢でもほうれい線が目立ちやすくなってしまうこともあります。
これらの原因によって、男女関係なくほうれい線ができてしまうのです。
ほかにも、骨の萎縮や顔の靭帯(リガメント)のゆるみも顔をたるませ、ほうれい線の原因となることがあります。
<参考記事>
ほうれい線の原因と10代、20代、30代、40代、50代の特徴
Q2.男性の肌の特徴やほうれい線との関係で気をつけることはありますか?
男性の肌は女性と違って、次の特徴があります。
- 水分量が、女性の60~70%程度と少ない
- 皮脂の分泌量が、女性の2倍前後多い
これは、女性と比べて乾燥しやすいお肌を、皮脂で守っているといえます。
<男女の肌の違い>
ただ、男性の肌の特徴そのもので、ほうれい線ができやすいわけではありません。
むしろ、男性は、皮脂分泌が50代まで減少することが少ないので、脂性肌である場合が多く、しわなどにはなりにくいのです。
男性は、肌の特徴というより、間違ったスキンケアやバランスの崩れた生活習慣が原因で、ほうれい線が目立つようになることが多いのです。
たとえば、次のようなことが挙げられます。
- 喫煙
- 紫外線対策をしない
- 運動不足
- スキンケアをしない
- 髭剃り
髭剃りは、毛穴から生えている毛を電気シェーバーやカミソリで切り取る行為です。その際、肌表面の角質層や、皮脂膜を削りとってしまっている可能性があるのです。
これが、皮膚を傷つけ、乾燥しやすい状態をつくり出し、ほうれい線ができやすくなる原因となります。
<参考記事>
メンズ(男性)にもエイジングケアが必要な3つの理由と5つの対策
Q3.男性がほうれい線を予防するために気をつけることは?
まず、予防に大きな影響を与えるのは、紫外線対策です。
紫外線による肌の老化は、光老化と呼ばれますが、肌の老化の80%が紫外線の影響によるという説もあります。
だから、ほうれい線をはじめ肌老化を防ぐために、真っ先にすべきことは紫外線対策です。
日焼け止めを塗ったり、帽子、衣類、サングラスなどでしっかり紫外線をブロックしましょう。
また、最近では飲む日焼け止めもありますので、それらを有効に使いましょう。
<光老化で片方だけ老け顔の男性>
(New England Journal of Medicine 2012; 366: e25)
<参考記事>
男性も紫外線対策は重要!老け顔を防ぐ日焼け止めとエイジングケア
もう1つは喫煙をやめることです。
喫煙は、活性酸素を過剰に発生させて肌の酸化を促進します。
肌が酸化すると、コラーゲンなどが減ってしまうことでほうれい線の原因になります。
紫外線ダメージやたばこの害を少しでも小さくする方法としては、ビタミンCが豊富な果物や野菜を摂ることがおすすめです。
ほかには、化粧水や乳液で保湿ケアすることも大切です。
また、もう1つ気を付けていただきたいのが、洗顔です。
男性の方は、無頓着にゴシゴシ擦っている方も多いのではないでしょうか。
こんな洗顔は肌ダメージになるので控えましょう。
<参考記事>
メンズ(男性)も化粧水を使うのが常識!ランキングに頼らない選び方
Q4.ほうれい線が深くなった場合の治療について詳しく教えていただけますでしょうか。ズバリ、先生がおすすめの治療法は?
美容医療の施術でいえば、ズバリ、HIFU(ハイフ)とヒアルロン酸注射の併用療法です。
内側に超音波で熱エネルギーを照射するHIFU(ハイフ)と、フィラー治療の代表で即効性のあるヒアルロン酸注射を組み合わせることで、早くほうれい線を目立たなくすることが可能です。
Q5.HIFU(ハイフ)について詳しく教えていただけますでしょうか。
HIFU(ハイフ)とは、「High Intensity Focused Ultrasound」の略称です。
日本語では、高密度焦点式超音波といいます。
もともと前立腺がんなどの治療のために使われてきたエビデンスのある治療法で、組織焼灼(そしきしょうしゃく)に関しては、エビデンスもあってメカニズムは立証されています。
HIFU機器には、いくつかの種類がありますが、たとえば、1.5mm、3.0mm、4.5mmの深さに焦点をあわせるカートリッジがあります。
これによって、「真皮層」「脂肪層」「SMAS(筋膜)」と作用させたい組織に的確に超音波を照射することが可能です。
<HIFUの超音波が届く深さと改善できる肌悩み>
ほうれい線治療なら、筋膜の層(SMAS層)までアプローチしてたるみの改善を促します。
熱作用で真皮や皮下組織、スマス筋膜に人工的なダメージを与えることで、組織の再構築の促進が期待できます。
<参考記事>
Q6.効果はいつから出ますか?
HIFUの効果は、大きく即時効果と中長期的な効果に分かれます。
即時効果
HIFU照射直後に、この熱作用による引き締め効果が現れます。
中長期効果
1〜3ヶ月かけて、傷ついた組織を治す力がはたらき、コラーゲンが生成されます。
↓
即効性は引き締めによるもので、根本的なたるみ改善効果とはいえません。
一方、中長期的な効果は、組織の再構築によるものです。
HIFUの機種の違いや個人差はありますが、組織の再構築の時間を考えると90日程度で、ほうれい線の改善の効果は最大になると考えられます。
<参考記事>
HIFU(ハイフ)の効果はいつからいつまで?持続期間を施術回数を解説
Q7.HIFUのデメリットはあるのでしょうか?
切らないたるみ治療ができるHIFUですが、いくつかのデメリットがあります。
- 個人差がありますが、痛みが大きい場合もある
- 切らない美容医療の中では比較的、ダメージが大きい
- 機器の違いによって効果が大きく異なる可能性がある
- 超音波の照射出力が同じでも機器の違いで痛みが異なる
- 比較的高額になる
効果を最大化するには、HIFUのあと、1〜2ヶ月後に、リフトアップ効果が最大に達したタイミングでヒアルロン酸を入れると、注入量も少なくてすむのでおすすめです。
<参考記事>
Q8.HIFUの費用はどうですか?
クリニックによる違い、機種によるショット数の違いがありますが、4万円〜10万くらいが相場です。
もちろん、4万円以下、10万円以上の場合もあります。
正確な金額は、施術を受けるクリニックのホームページで確認したり、カウンセリングの際に確認しましょう。
初診料や再診料、オプションの費用なども含めて費用総額を確認することをおすすめします。
Q9.続いて、ほうれい線へのヒアルロン酸注入について詳しく教えていただけますでしょうか。
ヒアルロン酸は、もともとヒトの体内に存在している物質です。体内ではコラーゲン組織の保持、肌組織の水分・潤滑性・柔軟性の保持などの役割を果たしています。
施術では、透明なジェル状の製剤を使用します。
製剤にはたくさんの種類がありますが、ほうれい線の症状によって量や種類を選択します。
それが注入されると、もとより体内にある自身のヒアルロン酸と融合することで皮膚にふくらみが生まれます。このふくらみがほうれい線の充填剤となります。そして、凹みを持ち上げることで、くぼんだ肌がなだらかになり、ほうれい線が改善されます。
<ヒアルロン酸の種類別の効果>
ヒアルロン酸の注入のメリットは「即効性」です。注入後すぐに、ほうれい線の改善を実感できます。
また、クリニックやヒアルロン酸の種類、注入量によって違いますが、費用は両側で15,000円〜20,000円程度なので、比較的お手軽です。
<参考記事>
ヒアルロン酸注射の肌への効果・持続期間はいつまで?ボトックスとの違いも解説!
Q10.ヒアルロン酸のデメリットはありますか?
ヒアルロン酸注入におけるデメリットは「持続性の低さ」です。
ヒアルロン酸の成分は、注入後少しずつ体内に吸収されてしまうので、効果を持続させるためには、一定の期間を置いて定期的にヒアルロン酸注入を施術する必要があるのです。
半年〜1年に1回程度がおすすめです。
3.ほうれい線対策のHIFU(ハイフ)体験
ナールス美容医療アカデミー編集長である富本充昭のほうれい線治療体験記です。
私自身、50代を迎え、ほうれい線が気になるようになってきました。そこで、2022年9月にほうれい線の改善のためにHIFUによる治療を受けました。
機種は、ウルトラフォーマーMPTという最新機器です。
照射は、ほうれい線だけではなく、顔全体に行いました。
<ウルトラフォーマーMPT>
痛みがあると聞いていたので、事前に鎮痛薬を飲んで施術に臨みました。
そのおかげもあるとは思いますが、おでこの端への超音波照射を除いては、ほぼ痛みもなく施術が終了しました。
<施術直前の富本充昭の写真>
<HIFUによるほうれい線の治療>
<ほうれい線以外への照射>
HIFU施術の1ヶ月後くらいから、フェイスラインが少し細くなって引き締まった実感があります。
2023年3月現在、施術後約半年を経過していますが、まだある程度の効果は持続していると思います。
費用は比較的高額な点が難点ですが、痛みも麻酔なしで耐えられる程度であること、ダウンタイムがないというメリットもあることから、HIFUによるほうれい線治療は、男性でも良い選択肢だと思います。
<2023年3月(HIFU施術後約半年)の富本充昭の写真>
4.まとめ
東中野皮フ科クリニック院長の加藤雄一郎先生をお迎えして、男性のほうれい線の美容医療による治療についてお話をお伺いしました。
また、聞き手であり、ナールス美容医療アカデミー編集長の私(富本充昭)のほうれい線へのHIFU(ハイフ)施術の体験もご紹介しました。
男性のほうれい線治療で、加藤雄一郎先生のおすすめは、HIFUとヒアルロン酸注入の組み合わせです。
私自身は、まだヒアルロン酸注入などのフィラー治療の経験はありませんが、HIFUだけでも効果を実感することができました。今後も定期的な施術を行う予定です。
もし、男性のほうれい線が気になる方は、HIFUやヒアルロン酸注入を検討してみてはいかがでしょうか。
この記事が、ほうれい線に悩んでいる男性の方にとってお役に立てば幸いです。
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