ナチュラルAGAクリニック院長新行内出先生にAGA治療インタビュー

この記事の監修医師

ナチュラルAGAクリニック

院長新行内 出（しんぎょううち いずる）先生

■経歴
2013年3月　千葉大学医学部卒業
2013年4月　がん研有明病院勤務
2014年4月　東京大学医学部付属病院勤務
2015年4月　大手AGAクリニックA勤務
2017年6月　大手AGAクリニックB勤務
2021年5月　ナチュラルAGAクリニック開院

■資格・所属学会
日本美容皮膚科学会　正会員
日本抗加齢医学会　正会員

1.ナチュラルAGAクリニック院長新行内出先生へのインタビューに際して

今回は、ナチュラルAGAクリニック院長新行内出先生のAGAやFAGAなどの頭皮・毛髪のトラブルに関する医療に取り組む考え方や先生ご自身のキャリアなどついて、詳しくお話を伺いました。

AGAとは、Androgenetic Alopeciaの略で「男性型脱毛症」のことです。 成人男性に多く、思春期以降に額の生え際や頭頂部の髪が、どちらか一方、または双方から薄くなっていきます。遺伝や男性ホルモンの影響などが主な原因で発症します。

一方、FAGAとは「Female Androgenetic Alopecia」の略で、直訳すると「女性の男性型脱毛症」になります。

FAGAは主に、女性ホルモンの相対的な低下で発症します。

最近は「FPHL（Female Pattern Hair Loss）」と呼ばれることもあります。

また、女性は、「休止期脱毛症」、「加齢による変化」などで薄毛に悩むこともあります。

最近では、男女とも薄毛や抜け毛で悩む方が増えており、それがQOLの低下につながっています。そのため、治療を受ける方も増え、AGAやFAGA専門のクリニックが増えています。

今回、インタビューさせていただいたナチュラルAGAクリニックもその一つですが、「薬に頼らないAGA治療」をコンセプトに掲げ、他院とは異なるユニークな治療を提供されています。

AGA治療や女性の薄毛治療といえば、フィナステリド内服やデュタステリド内服、ミノキシジル外用などの医薬品を継続して使う必要があり、副作用が気になるため躊躇する方もいます。また、副作用で治療が継続できない方もいます。

そんな課題を解決する方法の一つが、「薬に頼らないAGA治療」です。

AGAや女性の薄毛で悩んでいる方で、内服薬を使わない治療が気になる方には、きっと興味深い内容になると思います。

ぜひ、続きをご覧ください。

＜参考記事＞

AGA治療で後悔しない8つのポイント！効果ないと嘆かないために

AGAの治療薬に副作用はある？多毛症やむくみの可能性を解説

女性の薄毛。原因と予防や改善の対策から治療まで！

2.ナチュラルAGAクリニックの特徴

＜ナチュラルAGAクリニック中目黒院＞

＜ナチュラルAGAクリニック　池袋院＞

1)クリニックの特徴について教えていただけますでしょうか。

ナチュラルAGAクリニックは、AGAや女性の薄毛など頭皮・毛髪のトラブルに特化して診療を行っています。

特に、「薬に頼らないAGA治療」をコンセプトに掲げ、より「ナチュラル」「安心」「安全」な発毛治療を実現し、ご来院される方一人ひとりのニーズに応えられるよう常に心掛けております。

AGA治療は、一般的に内服薬を使うケースが多いのですが、ナチュラルAGAクリニックでは、レーザー治療や外用薬、サプリメントを使うことによって、副作用の少ないAGA治療を提供しています。

そのため、内服薬によるAGA治療では、副作用のために継続できないといった方にも対応できる治療です。

2)中目黒と池袋の2院ありますが、違いなどはありますか？

2つの院で治療内容に変わりはありません。

2つの院を作った意図は、患者様がアクセスしやすいほうを選べるようにしようと考えたためです。

3)クリニック患者様の年齢層や性別の比率はどんな状況でしょうか？

患者様の年齢層は幅広く、20代〜70代とさまざまです。

メインとなるのは、30代〜50代です。

男性がメインですが、女性の患者様にも多くご来院いただいています。

3.ナチュラルAGAクリニックの治療の実際

1)「薬に頼らないAGA治療」と具体的にどんな治療でしょうか？

薬を使わない新しいAGA治療「ナチュラルメソッド」は、従来の薬によるAGA治療とは一線を画した新しい治療法です。

また、次のような方に向いた治療法です。

具体的には、低出力レーザー、アデノシン外用、HARVESTサプリメントプラスの3つを組み合わせた治療です。

1. 低出力レーザー

   650nm〜660nmの出力の低いレーザー光を頭皮に直接照射し、細胞を直接刺激することで、ミトコンドリアがATPの生成を促します。そのATPを使って髪の毛の元となる毛乳頭細胞が活発にはたらき、毛包の形成や毛周期における発毛の成長因子を活性化させます。

   このレーザーは痛みやダウンタイムといった副作用がありません。

   そのため、どんな方でも使いやすいというメリットがあります。

   

   <提供：ナチュラルAGAクリニック＞

2. アデノシン外用

   体内のあらゆる細胞でエネルギー物質として使われるアデノシンが配合された外用剤を頭皮に塗布し、毛包の細胞活性化、血流促進作用を促します。

   アデノシン外用の副作用としては、かゆみや赤みのリスクはありますが、頻度は高くありません。また、重篤な症状は出ないので、誰にでも使いやすい薬です。

   <提供：ナチュラルAGAクリニック＞

3. HARVESTサプリメントプラス

   ハーブなどの植物性栄養素を用いたビタミンC、ビタミンB群、ビオチンなどの全29種類の成分が配合された医療用サプリメントです。不足しがちなビタミンやミネラルを補充し、内側から発毛を促進していきます。

   これら３つは、いずれも副作用のリスクが少ないので、内服薬で副作用が出る方にでも適応可能な治療法です。

   もちろん、すべての患者様に3つすべての治療を組み合わせるのではなく、症状やニーズに合わせてオーダーメイドで治療しています。そのため、1つで治療することもありますし、2つを組み合わせることもあります。

2)どのような考え方で治療の組み合わせを考えるのでしょうか？

患者様の中には、AGA予防のために通院されているケースやそれほどAGAが進行していないケースもあります。

そんな場合は、3つすべてを行う必要はありません。１つまたは２つの組み合わせで治療を行います。

一方、AGAが進行している方の場合は、３つを併用して行うことが多いです。

3)予防で通院される方は多いのでしょうか？また、予防は有効でしょうか？

AGAの予防で通われている方も多く、美意識の高い方は早めから通院されています。

AGAは加齢も進行する原因の１つなので、早めから予防することで発症や進行を遅らせることが可能だと思います。

頭皮や毛髪を良い状態でキープしたいなら、予防的に治療を行うこともおすすめです。

4)男性女性の症例をご紹介いただけますでしょうか。

30代男性と40代女性の症例を紹介させていただきます。

1. 男性の症例

   ナチュラルメソッド 3ヶ月施行

   リスク	かゆみ、発赤、頭皮乾燥など
   費用	¥12,500/月~

   治療前	治療後

   ＜ドクターコメント＞

   頭頂部の薄毛が気になり来院された30代男性です。 飲み薬を使わないナチュラルメソッドで治療を行ないました。 3ヵ月の経過で頭頂部の薄さに変化があり、見違えるほどに非常に良くなりました。 ご自身も効果を実感し、大変喜ばれていました。 飲み薬を使っていないため、副作用もなく順調に治療を行うことができました。

2. 女性の症例

   ナチュラルメソッド 3ヶ月施行

   リスク	かゆみ、発赤、頭皮乾燥など
   費用	¥12,500/月~

   治療前	治療後

   ＜ドクターコメント＞

   生え際と分け目の薄さを気にされていた40代、女性の患者様です。 飲み薬を使わないナチュラルメソッドにて治療を開始し、3ヶ月目にはご本人様もかなり生えてきたと実感されております。 「美容室にも気兼ね無く行けるようになりました。」と以前よりも外出を楽しんでいらっしゃいます。

   ＜症例提供：ナチュラルAGAクリニック＞

5)「薬に頼らないAGA治療」を取り入れるようになった背景や経緯を教えていただけますでしょうか。

私は、ナチュラルAGAクリニックを開業する前に、2015年から大手のクリニックでAGA治療に携わっていました。

そこでは、内服薬を使った治療が標準的な方法でした。

もちろん、効果はあるのですが、患者様の中には副作用が出る方もいたので、何か良い対策がないかと思っていました。

その後、2017年に「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」が出ましたが、その中で低出力レーザー治療も選択肢の一つとして推奨されました。

低出力レーザー治療なら内服薬で副作用が出てしまう患者さんにも適応できると考えました。

勤めているクリニックでは、内服薬を使わない治療を主体とする方針ではないため、自分で実践するためにナチュラルAGAクリニックを開業し、現在のナチュラルメソッドによる治療を行うことにしたのです。

＜参考＞

男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版

6)従来の内服薬による治療とナチュラルメソッドで患者様の満足度は変わったでしょうか？

内服薬による治療も、ナチュラルメソッドによる治療も、AGAの改善効果という点では変わりありません。

しかし、内服薬による副作用が出た方で治療が継続できなくなった方にとっては、ナチュラルAGAクリニックの治療法が役立っていると考えています。

内服薬が使えない、もしくは内服薬を飲みたくない患者様でナチュラルメソッドを続けておられる患者様の満足度は高いと思います。

7)ナチュラルAGAクリニックでは他院からの移られた患者様の割合はどんなものでしょうか？

実際、当クリニックの患者様の中に、他院に通われていて副作用で内服薬による治療継続が困難になった方も多いです。

残りの患者様は、AGA治療が初めてでも、内服薬による副作用が不安で使いたくないという方です。

8)治療薬も取り扱っておられるようですが、併用することもあるのでしょうか？

はい。患者様からに強い希望があった場合には、併用する場合があります。

AGA治療は、一般的に異なる治療法を加えれば効果は上がるので、患者様の状態によって、内服薬を加えたほうが良いと判断した場合は、希望に沿ってそうします。

しかし、ほとんどの患者様では内服薬を使うことはありません。

＜参考記事＞

AGA治療薬の種類一覧。ジェネリック医薬品はある？

9)ガイドラインに則った治療を心がけておられるとのことですが、先生の治療方針との関係を教えていただけますでしょうか。

「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」は、日本皮膚科学会が2017年に発表した、男性型脱毛症と女性型脱毛症の標準的治療法をまとめた治療指針です。

このガイドラインが登場するまでは、薄毛治療に本当に有用な情報が非常にわかりにくく、指針もないままに治療が行われていたのが実際です。

そんな問題を解決するために、毛髪診療に詳しい日本を代表する皮膚科医が集まり、医学論文や診療経験などを持ち寄ってそれらを結集し、議論を重ねました。その結果を、医師や患者様のために、わかりやすくまとめてAGA・FAGAの治療指針としたものが「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」です。

ガイドラインでは、治療法の推奨度の分類が行われています。

これは、世界中の薄毛に関する研究論文を集めて解析し、その科学的根拠に応じてそれぞれの治療法を推奨度A〜Dに分類したものです。

AGA治療「ナチュラルメソッド」では、推奨度Aの「行うよう強く勧める」の内服薬で副作用が出て継続できない方を対象に、推奨度B「「行うよう勧める」の低出力レーザー照射やアデノシン外用で治療を行っています。

ガイドラインの解釈で注意することは、推奨度Aの治療法が必ずしも推奨度Bより効果が高いというわけではない、ということです。

推奨度が高いAの治療法は、最もたくさんの研究でより確実な科学的根拠が示されているということです。また、Bの治療法はAに続いて、科学的根拠が示されています。

しかし、直接AとBの治療法を比較して、Aのほうが発毛効果が高かったのではありません。

そのため、Aの飲み薬を使わない場合は、Bの治療法が良い選択肢になります。

私自身はガイドラインを活かしつつ、それぞれの患者様に合った治療法を提案しています。

＜参考＞

男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版

10)AGA治療の今後の進化や展望について教えていただけますでしょうか。

AGA治療法は、ガイドラインに掲載されていないものが世界中で試されています。私自身もそれをキャッチアップしていますが、まだエビデンスが蓄積されているとはいえません。

私自身はエビデンスに基づくAGA治療をベースとしたいので、できるだけデータが蓄積されたものを選んで試したいと考えています。

一方、ガイドラインはかなり保守的なもので、過度に縛られるのではなく、自分が研究論文などで評価したものやエビデンスが揃えば、将来的に取り入れる可能性のある治療法があります。

最終的な判断は、もう少しエビデンスが揃うのを待ちたいと考えています。

4.先生のご経歴や経験

1)AGA治療を志すようになった理由は？また、いつからでしょうか？

友人に誘われて、AGAを治療するクリニックではたらくようになって、それが自分に合っていると感じたことです。

現在のモチベーションは、より良いAGA治療をしっかり行うこと、また普及させたいという想いです。

たとえば、ガイドラインでAGAにもFAGAにもD評価、つまり、「行うべきではない」とされているミノキシジル内服による治療が行われているケースが少なくありません。ガイドラインで推奨されているほかの選択肢があるにもかかわらず、こうした治療が行われているのが現状です。

私自身は、自分自身がガイドラインに則った治療を行うこと、啓発することで、こうした現状を変えるのに役立ちたいと考えています。

2)医療の提供に際して、患者様と向き合う上で一番重視していることは何でしょうか。

また、理念やモットーについてお聞かせいただけますでしょうか？

私が最も重要視していることは、可能な限り患者様のご要望に応えることです。ナチュラルAGAクリニックでは、「薬を使わない治療」が基本ですが、それにこだわらず、患者様のライフスタイルや予算などのご要望を聞いた上で、必要な場合は内服薬を使います。

理念としては、エビデンスに則った医学的に正しい治療を行うことです。

3)具体的な患者様のエピソードや印象に残っていることはありますか？

男性の40代の患者様で、ご本人が内服薬を止めたいと思っていても、AGAが進んでしまうのではないかとの不安から止められずにいた方がナチュラルAGAクリニックに来られました。

その患者様には徐々に内服薬を減らし、最終的にはナチュラルメソッドだけに切り替えましたが、患者様が期待した効果が出ました。

その患者様はとても喜ばれていたので、印象に残っています。

よく似たケースの患者様はほかにもたくさんおられます。

4)AGA治療の研究や研鑽はどのように行なっておられますか？

もともと医学論文を読むことが好きなので、新たなものを読んでAGA治療の最新情報を入手しています。

AGA関連の学会にも時々参加しています。

5)先生ご自身の日常生活や美容医療施術経験、アンチエイジング、AGA予防、健康で気をつけている点などを教えていただけますでしょうか？

自分自身の健康やアンチエイジング、AGAの対策もエビデンスに則った方法を取り入れています。

食事は、魚肉や野菜、ナッツ類は意識的に多く摂っています。また、鶏肉は食べますが、牛肉や豚肉は避けるようにしています。

さらに、AGA予防は、ナチュラルメソッドで使う低出力レーザーを自分自身で照射しています。

5.先生からの患者様へのメッセージをお願いいたします。

今は、薄毛は治療すれば改善できるようになっています。

また、薄毛は早く治療を始めることで、頭皮・毛髪を良い状態にキープすることが可能です。

気になる方は、ぜひ、ナチュラルAGAクリニックにご相談いただければと思います。

カウンセリングも無料で行っていますので、お気軽にお問い合わせください。

6.まとめ

ナチュラルAGAクリニック院長の新行内出先生に、クリニックやAGA治療に関してインタビューした内容をレポートしました。

クリニックの特徴やAGA治療への考え方、ナチュラルメソッドを実践された経緯などについて詳しく教えていただきました。

また、ガイドラインについても教えていただきましたので、AGA治療の全体像もご理解いただけたのではないでしょうか。

内服薬を使うAGA治療に不安のある方や副作用で治療が継続できない方は、一度、ナチュラルAGAクリニックで無料カウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか？

この記事が、AGAやFAGAなどの薄毛に悩む方のお役に立てば幸いです。