植毛とは?手術方法の種類とメリット・デメリットを解説!

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薄毛の悩みを解決する手段の一つとして、植毛手術を検討する方が増えています。しかし、「植毛にはどんな種類があるのか」、「どの方法が自分に合っているのか」、「副作用や注意点はあるのか」など、不安や疑問を抱える人も多いのではないでしょうか?

本記事では、以下の点を中心にご紹介します。

  • 植毛手術の種類とそれぞれの特徴
  • 自毛植毛と人工毛植毛の違い
  • 植毛手術を受ける際の注意点とリスク

植毛手術について正しい知識を持ち、自分に適した方法を選ぶための参考になれば幸いです。ぜひ最後までお読みください。

1.植毛手術とは?

植毛手術とは、頭皮の薄毛部分に毛髪を移植する手術のことを指します。主に、薄毛の進行が気になる人や、DHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンの影響による生え際の後退、頭頂部の薄毛などのAGAを改善したい人が選択する治療法です。

植毛手術には、大きく分けて「自毛植毛」と「人工毛植毛」の2種類があります。

自毛植毛では、男性ホルモンの影響が少ない後頭部からドナーを採取します。それらを脱毛部に移植する自毛植毛を行うことにより、薄毛の改善が期待できます。移植した毛組織が生着すれば、脱毛の起きていない部分の髪の毛と同じような自然な仕上がりに成長する点がメリットです。また、拒絶反応がない点もメリットです。

しかし、費用が高額になりがちで、即効性がないといったデメリットがあります。

一方、人工毛植毛は、その名のとおりナイロンやポリエステルなどでつくられた人工毛を脱毛部に移植する方法です。植毛する本数や長さを自由に調節できるため、理想のヘアスタイルが実現できます。しかし、メンテナンス費用が必要であったり、異物反応を引き起こすリスクもあります。

薄毛治療には、育毛剤や内服薬といった選択肢もありますが、これらはあくまで薄毛の進行を遅らせるための手段です。

そのため、すでに進行してしまった薄毛を根本的に改善するには、植毛手術が有効な手段となります。

この記事では、植毛手術の種類やそれぞれの特徴、メリット・デメリットを詳しく解説します。

それぞれの方法には異なるメリットとデメリットがあるため、自分に適した方法を選ぶことが重要です。

<自毛植毛と人工毛植毛のメリット・デメリット>

メリットデメリット
自毛植毛
  • 拒絶反応がない
  • 定期的なメンテナンスの手間が少ない
  • パーマやカラーリングができる
  • 移植できる髪の量には限りがある
  • 手術後のダウンタイムが必要
  • 手術費用が高額になりやすい
人工毛植毛
  • 自毛の量に関係なく植毛ができる
  • 即時的なボリュームアップが可能
  • 定期的なメンテナンスが必要
  • 異物反応や感染リスクがある

2.自毛植毛とは?種類とメリット・デメリット

1)自毛植毛とは?また種類は?

自毛植毛は、患者自身の後頭部や側頭部の毛髪を採取し、薄毛の気になる部分に移植する方法です。採取した毛根が定着すると、自然な成長を続けるため、長期間にわたって毛髪を維持できます。

自毛植毛には主に4つの施術方法があります。

①FUT法(ストリップ法)

FUT法(ストリップ法)は、ドナーを男性ホルモンの影響を受けない「大後頭隆起」と呼ばれる後頭部のでっぱりの下を帯状に切り取り、毛根を採取する方法です。比較的安価で、大量の毛髪を移植できますが、後頭部に線状の傷跡が残る可能性があります。

FUT法では、複数回のドナー採取ができないので注意が必要です。

②FUE法(ダイレクト法)

FUE法は、パンチを用いて1株ずつ毛根を採取する方法です。傷跡が目立ちにくい点がメリットですが、施術時間が長くなりやすく、費用が高額になる傾向にあります。

自毛植毛では、FUT法とFUE法の2種類が主流です。

どちらも移植希望範囲に開けるスリットの角度や間隔によって毛の生える方向や間隔が決ります。そのため、医師の手技の熟練レベルで有効グラフト数(移植可能な毛髪)の採取率が異なったり、仕上がりが変わります。

③ニードル植毛(単一植毛法)

ニードル植毛(単一植毛法)は、韓国の大学教授が開発したもので、サイズの違う数種類の植毛針を使用して、穴開けと植え込みを同時に行い、毛髪1本1本を植毛する方法です。

仕上がりが美しいことがメリットですが、施術時間が長くなる点、費用が高額になる点がデメリットです。

④スマートブラフト法

スマートブラフト法は、冷却による新鮮保存機能付ドリルで、速やかに頭皮からドナーを抜きとり、自然な毛の流れを再現する方法です。生着率がこれまでの植毛より高い点がメリットです。一方、医師に高い技術が必要です。

2)自毛植毛のメリット

①拒絶反応がない

自毛植毛で移植された毛髪は、ドナー部位(後頭部や側頭部)から採取されるため、拒絶反応がなく、自分の髪として成長します。

②半永久的な効果

一度定着すれば生涯にわたって維持できる可能性が高く、定期的なメンテナンスの手間が少ないのも魅力です。

③ナチュラルな毛髪

移植後は通常の毛髪が生えます。そのため、ヘアケアが可能であり、パーマやカラーリングも行えます。

④根本治療

見た目の自然さを維持しながら、薄毛の悩みを根本的に解決できる治療法です。男性ホルモンの一つである5αリダクターゼは、後頭部や側頭部へは影響が少ないため、後頭部の毛組織を脱毛部へ移植する自毛植毛は、AGA改善に効果的です。

⑤ガイドラインでも評価されている

日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」で、自毛植毛は5段階の推奨度のうち、上から2番目の“推奨度B”に位置付けられており、有用性が認められています。つまり、ミノキシジルなどによる薬物療法などに次いで評価されている治療法です。

3)自毛植毛のデメリット

①移植できる髪の量には限りがある

自毛植毛のデメリットは、移植できる髪の量には限りがあるという点です。

ドナーとなる後頭部や側頭部の毛量が不足している場合、希望通りの密度を実現するのが難しくなります。

②手術後のダウンタイムが必要

また、手術後のダウンタイムが必要です。

施術後は移植部分にかさぶたができたり、一時的に赤みが生じたりすることがあります。

通常、数週間で回復しますが、その間のケアには注意が必要です。

③費用が高額な傾向

手術費用が高額になりやすいのもデメリットの一つです。

自毛植毛は高度な技術を要するため、施術費用が比較的高くなり、広範囲の移植を希望する場合はさらに費用がかかることもあります。

④植毛部以外のAGA進行リスク

植毛部以外の髪の毛は、治療をせずに放っておくと男性ホルモンの影響を受け続けるので、脱毛が進行するリスクがあります。

⑤副作用や傷跡が残るリスク

自毛植毛によって、局所麻酔中毒にともなう不整脈や術後の血腫、創感染、痺れ、顔やまぶたのむくみ、一過性の頭皮の知覚異常などの副作用が起こるリスクがあります。

また、施術で頭皮に傷跡が残ってしまうケースもあります。

<参考記事>

自毛植毛のデメリットは?副作用や注意点を徹底解説!

3.人工毛植毛とは?メリットとデメリット

1)人工毛植毛とは?

人工毛植毛は、人工的につくられた毛髪を頭皮に移植する方法です。即座に見た目の変化が得られるため、すぐに髪のボリュームを増やしたい人に向いています。しかし、人工毛は体内に異物と認識されやすく、拒絶反応や炎症を引き起こすリスクが高いのがデメリットです。

人工毛植毛は、定期的なメンテナンスが必要であり、長期間にわたって健康な状態を維持するのが難しいため、近年ではあまり推奨されていません。

2)人工毛植毛のメリット

人工毛植毛は、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維でつくられた人工毛を頭皮に直接移植する方法です。

この方法の最大のメリットは、自毛の量に関係なく植毛が可能である点です。

自毛植毛とは異なり、ドナー部位の毛量に依存しないため、広範囲の薄毛に悩む方でも施術を受けることができます。

また、即時的なボリュームアップが可能な点も大きな魅力です。

手術後すぐに見た目の変化を実感できるため、短期間で薄毛をカバーしたい方におすすめです。

さらに、髪の色や質感を選べるため、自分の好みに合わせたデザインができるのも特徴です。

3)人工毛植毛のデメリット

①定期的なメンテナンスが必要

人工毛植毛のデメリットは、定期的なメンテナンスが必要なことです。

時間が経つにつれて植毛した髪の毛が抜け落ちることがあり、見た目を維持するためには追加の施術を受ける必要があります。

そのため、長期的に見た場合のコストが高くなる可能性があります。

②異物反応や感染リスクがある

異物反応や感染リスクがある点も注意が必要です。

頭皮が人工毛を異物として認識し、炎症や拒絶反応を引き起こすことがあります。

特に、頭皮の健康状態によっては、強いかゆみや赤みが発生するケースもあります。

③仕上がりが不自然

自然な仕上がりに限界があることもデメリットの一つです。

人工毛は、自毛のような自然な成長や変化がありません。

そのため、長期間にわたって違和感なく維持するのが難しい場合があります。

④AGAの治療はできない

人工毛植毛は、AGAの根本的な治療にはなりません。ほかの治療を行わなければ、薄毛が進行してしまうリスクがあります。

4.植毛手術をするなら自毛植毛がおすすめ

植毛手術を検討する際、多くの専門家が推奨するのは「自毛植毛」です。その理由として、自毛植毛は自分自身の毛髪を移植するため、異物反応が起こらず、自然な仕上がりになるという大きなメリットがあります。

また、日本皮膚学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」では、自毛植毛は「推奨度B(行うよう勧める)」です。一方、人工毛植毛は「D(行わないよう勧められる)」と評価されており、行うべきではないとされています。

こうした点からも、植毛手術をするなら自毛植毛がおすすめです。

自毛植毛の最大の魅力は、一度移植が成功すれば、その毛髪が生え変わりながら半永久的に維持される点です。これは、後頭部や側頭部の毛髪が男性ホルモンの影響を受けにくいため、移植後も抜けにくくなるからです。

また、自毛植毛は施術後のメンテナンスがほとんど不要です。人工毛植毛の場合、異物反応による炎症や感染リスクがあり、定期的なメンテナンスが必須となりますが、自毛植毛ではそうした心配がありません。

一方で、前述のように自毛植毛にはデメリットもあります。施術費用が高額になりやすく、効果が現れるまでに時間がかかる点が挙げられます。しかし、これらのデメリットを考慮しても、長期的な視点で見れば自毛植毛は最も自然で確実な薄毛治療の選択肢といえるでしょう。

<参考記事>

自毛植毛から10年たったらどうなる?人工毛植毛との違いも解説!

5.植毛の副作用と注意点

自毛植毛手術は比較的安全な施術ですが、術後にいくつかの副作用が生じる可能性があります。特に、手術直後や回復期間中に起こりやすい症状を理解しておくことが重要です。

また、注意点もあります。

1)術後の腫れや痛み

副作用としては、まず、術後の腫れや痛みが挙げられます。移植部分やドナー部分(毛髪を採取した後頭部など)は、施術直後に腫れや痛みを感じることがあります。通常、数日から1週間程度で軽減しますが、腫れが長引く場合は医師に相談しましょう。

対策としては、低刺激性のシャンプーを使用し、優しく洗うことが大切です。腫れや痛みがひどい場合は、医師が抗炎症薬を処方してくれます。

2)かゆみや赤み、かさぶた

かゆみや赤みもよく見られる副作用です。移植部位が回復する過程で、軽度の炎症やかゆみを感じることがあります。また、かさぶたができることもあります。

強くかいたり、無理にかさぶたを剥がしたりすると傷跡が残る可能性があるため、医師の指示に従ってケアを行うことが大切です。

3)感覚の鈍化やしびれ

手術後、移植部位やドナー部位に感覚の鈍化やしびれを感じることがあります。施術によって、神経が一時的に影響を受けるためです。多くの場合、感覚の鈍化やしびれは数週間から数ヶ月で消失します。

もし、長期間にわたって感覚の鈍化やしびれが続く場合は、植毛を受けたクリニックの医師に相談しましょう。

4)ショックロス

ショックロスと呼ばれる現象があります。これは、植毛手術を受けた後に一時的に既存の毛髪が抜け落ちる現象で、特に術後1〜2カ月の間に起こることが多いです。しかし、この抜け毛は一時的なものであり、移植した毛髪が定着すると再び生えてきます。

5)感染症

感染症のリスクもゼロではありません。手術は清潔な環境で行われますが、術後のケアが不十分だと細菌感染を引き起こすことがあります。発熱や強い痛み、膿が出るなどの症状が見られた場合は、すぐに医師に相談する必要があります。

これらの副作用を防ぐためには、施術後のアフターケアをしっかり行い、医師の指示に従うことが重要です。

6.植毛手術をする際の注意点

植毛手術は薄毛の改善に有効な手段ですが、施術を受けるにあたっていくつかの注意点があります。事前にしっかり理解し、適切な対策を取ることで、より満足のいく結果を得ることができます。

1)植毛の効果や副作用、メリット・デメリットを理解しておく

植毛の効果が現れるまで時間がかかることを理解しておくことも大切です。施術後すぐに髪が生えてくるわけではなく、一般的に3〜6カ月ほどかけて徐々に生え始めます。最終的な仕上がりが確認できるまでには1年ほどの時間が必要となるため、焦らずに経過を見守ることが重要です。

2)自分に合う良いクリニックを選ぼう

クリニック選びが非常に重要です。植毛手術は高度な技術を要する施術のため、医師の経験や実績が結果に大きく影響します。実際に施術を受けた人の口コミや症例写真を確認し、信頼できるクリニックを選ぶことが成功の鍵となります。最終期にはカウンセリングを受けて、信頼と納得ができるクリニックを選びましょう。

3)施術前の準備をしっかり

術前の準備を怠らないことが大切です。手術の数日前からアルコールや喫煙を控え、血行を促進する行為を避けることで、施術後の出血や腫れを最小限に抑えられます。また、手術当日はリラックスした状態で臨むことが望ましいため、睡眠をしっかりとることも重要です。

4)術後のアフターケア

術後のアフターケアを徹底することも成功のポイントです。手術後は移植した毛髪が定着するまで慎重にケアをする必要があります。特に、頭皮を強くこすらないよう注意し、シャンプーの方法や洗髪のタイミングについては医師の指示に従いましょう。

5)適切な頭皮ケア

術後の一定期間以降も適切な頭皮ケアは大切です。

頭皮の乾燥を防ぐために、自分に合う保湿剤や育毛剤などを使って乾燥肌対策などを行いましょう。

また、紫外線ダメージも頭皮の悪影響を及ぼすため、外出時には帽子などを着用し、頭皮を紫外線から守りましょう。

6)長期的にも良い生活習慣を続ける

頭皮だけでなく全身の健康も大切です。

バランスの良い食生活、毎晩7〜8時間の質の良い睡眠、適度な運動、ストレスの発散などで良い生活習慣を維持しましょう。

7)定期的なアフターフォローや追加治療

植毛後のセルフケアに加えて、定期的な医師によるフォローアップを受けることも大切です。医師が頭皮や移植毛の状態を確認し、適切なアドバイスを受けることで安心感も高まります。

また、必要に応じて移植部位以外の治療を受けましょう。たとえば、医師が処方した薬を適切に使用し、手術後の回復をサポートすることがあります。

7.植毛クリニックの選び方

植毛手術を成功させるためには、クリニック選びが重要です。実績が豊富な医師がいるか、アフターケアが充実しているかなど、いくつかのポイントを押さえて選ぶことが大切です。ここでは、クリニック選びの基準について詳しく解説します。

1)実績が豊富

植毛は医師の技術が結果に大きく影響するため、実績のあるクリニックを選ぶことが重要です。症例数が多い医師ほど、技術力が高く、自然な仕上がりを期待できます。公式サイトなどで症例写真を確認し、自分の希望する仕上がりに近い実績があるかをチェックしましょう。

2)アフターケアの充実度

植毛手術後のアフターケアの充実度も、クリニック選びのポイントです。施術後の経過観察やトラブル対応がしっかりしているかを確認しましょう。特に、移植した毛が定着するまでの期間は適切なケアが必要となるため、クリニックがどのようなサポートを提供しているかを事前に調べておくことが大切です。

3)料金設定が適切

植毛手術の料金は高額となります。また、クリニックによって価格設定方や施術方法が異なり、初めて施術を受ける方にとっては、費用が適切かどうかわかりにくいことが多いです。

クリニック選びでは、料金の相場を知っておくことが大切です。また、クリニックに歴史があるところや全国展開しているクリニックなどは比較的、リーズナブルな価格設定であることが多いです。

<日本国内の自毛植毛の相場>

株数別料金相場500株:約50万円〜80万円

1,000株:約100万円〜150万円

1,500株:約150万円〜200万円

施術方法別の料金相場FUT法(ストリップ法):50万円~150万円程度

FUE法(ダイレクト法) :100万円~200万円程度

移植する範囲別の料金相場生え際・M字:40万円~60万円

症状の進行した生え際・M字:100万円~120万円

頭頂部・つむじ:70万円~80万円

前頭部~頭頂部:120万円~

4)口コミを確認する

クリニックを選ぶ際には、実際に施術を受けた人の口コミをチェックすることが大切です。GoogleレビューやSNS、専門サイトの口コミを参考に、施術の満足度やアフターケアの対応について確認しましょう。ただし、極端に良い評価や悪い評価だけを見るのではなく、さまざまな意見を総合的に判断することが重要です。

5)カウンセリングで話を聞く

実際にクリニックを訪れ、カウンセリングを受けることで、医師やスタッフの対応を確認できます。施術の詳細やリスク、費用について分かりやすく説明してくれるか、不明点に丁寧に答えてくれるかなどをチェックし、信頼できるクリニックを選びましょう。また、無理な勧誘をしないかどうかも重要なポイントです。

<参考記事>

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8.植毛後の髪の寿命

植毛後の髪の寿命は、移植された毛髪が定着するかどうかによって大きく左右されます。自毛植毛の場合、後頭部や側頭部の健康な毛根を移植するため、基本的に生着すれば一生涯にわたって髪が生え続けるとされています。

自毛植毛で移植された髪は、ドナーが男性ホルモンの影響を受けにくい性質を持っているため、AGAの進行による脱毛の影響を受けることはほとんどありません。そのため、移植した髪がしっかりと根付けば、自然な髪と同じように生え変わりを繰り返しながら成長を続けます。

ただし、すべての移植毛が100%生着するわけではありません。クリニックによって異なりますが、生着率は80〜90%程度が一般的です。生着率を高めるためには、術後のアフターケアが非常に重要です。術後数週間は、移植部分を強くこすらないよう注意し、刺激を避けることが求められます。

また、移植毛は生着すれば長期間維持されますが、周囲の既存毛がDHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンの影響を受けて抜ける可能性があります。そのため、植毛を行ったからといって完全に薄毛の進行を止められるわけではなく、必要に応じてAGA治療薬を併用することが推奨されます。

このように、植毛後の髪の寿命は基本的には長いものの、適切なケアと治療の継続が大切になります。

9.植毛手術のよくある質問

植毛手術を検討している方の中には、施術後の経過や費用について不安を感じている人も多いのではないでしょうか。ここでは、植毛に関するよくある疑問について詳しく解説します。

Q1.植毛した髪は抜ける?

植毛後の髪は、一時的に抜け落ちることがあります。これは「ショックロス」と呼ばれる現象で、移植した毛髪が生着する過程で起こる自然な反応です。通常、手術から2〜4週間後に抜け始め、数ヶ月で新たな髪が生えてきます。完全に定着するまでには6カ月〜1年程度かかるため、焦らずに経過を見守ることが大切です。

Q2.植毛にかかる費用は?

植毛の費用は施術方法やクリニックによって異なりますが、一般的な相場は以下のとおりです。

  • FUT法(ストリップ法):1,000グラフトで約60万円〜90万円
  • FUE法(ダイレクト法):1,000グラフトで約80万円〜120万円

また、カウンセリングや術後のアフターケアによって追加費用が発生する場合もあります。費用を抑えるためには、複数のクリニックで見積もりを取り、支払い方法や保証内容を確認することが重要です。

<参考記事>

自毛植毛にかかる費用は?自毛植毛の費用を安く抑える方法も紹介!

Q3.植毛手術後に髪が生えるまでどれくらいかかる?

植毛後の髪が自然に生えそろうまでには、約6カ月〜1年の期間が必要です。手術直後は赤みやかゆみが出ることがありますが、1〜2週間で落ち着きます。施術後3カ月ほどで新しい髪が生え始め、6カ月後には目に見えてボリュームが増えます。1年経過すると、より自然な仕上がりとなり、周囲に違和感なく馴染みます。

植毛は時間をかけて効果が現れる治療法であるため、焦らずに長期的な視点で取り組むことが大切です。

Q4.植植毛以外のおすすめの治療方法は?

ガイドラインでは自毛植毛術が「推奨度B」ですが、「推奨度A」の治療法があります。「ミノキシジル」の外用薬と「フィナステリド」や「デュタステリド」の内服薬を用いた治療です。

Q5.育毛と発毛の違いは何ですか?

髪の毛に関して、「育毛」「増毛」「発毛」などの言葉をよくみかけます。

育毛とは、自分自身の今ある毛髪を健やかに育むことです。育毛剤による保湿ケアや血行を促進などで頭皮環境を整え、健康的な髪の毛の維持を行うものです。また、頭皮マッサージなども育毛の手段です。

発毛とは、薄毛やAGAの治療薬によって男性ホルモンの影響を抑制し、「ヘアサイクル」を改善させたり、成長を促す細胞にはたらきかけて髪の毛を生やすための治療です。

10.自毛植毛の手術のまとめ

植毛手術の種類や特徴、施術のメリット・デメリット、副作用・術後の注意点について詳しく解説してきました。記事の要点をまとめると以下のとおりです。

  • 植毛手術には「自毛植毛」と「人工毛植毛」の2種類があり、自毛植毛のほうが自然で長期的な効果が期待できる
  • 植毛手術には副作用があり、術後の腫れや痛み、ショックロスなどの症状が出る可能性があるため、適切なアフターケアが重要
  • 植毛後の髪は生着すれば長期間維持されるが、周囲の既存毛がAGAの影響を受けて薄毛が進行する可能性があるため、継続的なケアが必要

植毛手術は、薄毛の悩みを根本的に解決するための有効な手段ですが、費用やリスクも考慮した上で慎重に判断することが大切です。納得できるクリニックを選ぶとともに、最適な治療方法を選択しましょう。

この記事が、薄毛やAGAで悩んでいて植毛を検討している方のお役に立てば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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