女性の薄毛治療(FAGA)は保険適用にならない!費用相場は?

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FAGAとは女性の薄毛の総称を指す言葉。治療法はさまざまあるものの、美容クリニックでは自費診療のため保険が適用されないので、費用の心配をしている方も多いことでしょう。そこで、この記事では、FAGAの治療法やその費用相場についてご紹介いたします。

この記事の監修医師
■経歴
東京医科大学卒業。東京医科大学病院皮膚科、都内美容皮膚科クリニックなどを経て2012年、水谷皮フ科クリニック開院。
一般皮膚科、小児皮膚科に加え、しみ、たるみなどの美容皮膚科を診療している。
目次

1.クリニックや病院へ行く前に知っておきたい女性の薄毛・脱毛の症状

「髪の分け目の広がりが気になる」「全体的に薄毛になってきた」

このようなお悩みの原因は、加齢による抜け毛ではなく、FAGAかもしれません。

FAGA(Female Androgenetic Alopecia:女性男性型脱毛症)とは、女性の薄毛の総称を指す言葉です。

男性のAGA(Androgenetic Alopecia:男性型脱毛症)は、頭頂部や前頭部といった頭皮の一部が薄くなるのが特徴ですが、FAGAは一部だけではなく、全体的に薄毛になるのが特徴です。

主に40〜50代に起こるといわれていますが、稀に20代でも起こる場合があります。

FAGAの原因は、AGA同様にホルモンが関係しているといわれていますが、はっきりといった原因は解明されていません。

男性の薄毛であるAGAは抜け毛の症状が特徴的ですが、FAGAは広範囲に症状が現れることから「びまん性脱毛」と呼ばれることもあります。

びまん性脱毛を引き起こす原因は、ホルモンバランスの崩れや生活習慣、またピルの服用といった薬剤などであることも。また、甲状腺機能低下症や膠原病などの女性が発症しやすい病気が原因で薄毛になることもあります。

男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」では、FAGAを、次のように定義しています。

  • 毛周期のうち成長期が短くなり、休止期にとどまる毛包が多くなるのはAGAと同じ
  • 頭頂部の比較的広い範囲の頭髪が薄くなるパターンが多い
  • 更年期以降に発症することが多い
  • 男性ホルモンの関与が確認できないこともある

つまり、AGAとFAGAは類似性があるものの、ほぼ別の病気とみています。

そんなFAGAは、セルフケアである程度予防はできますが、症状が進むと改善が難しくなります。
だから、早めに病院やクリニックを受診することをおすすめします。

<監修医からのメッセージ>
女性の薄毛の治療は、ストレスや自己免疫が引き起こす円形脱毛症や甲状腺機能障害によって引き起こされる薄毛を除けば、自費診療となるため患者様が治療費を全額負担する必要があります。
そのため、薄毛で悩んでいても治療費がどれくらいかかるのかが心配になる方が大半でしょう。
女性の薄毛は、内服や外用薬以外にもいくつかの治療法があり、症状に応じていずれかを選択したり、または組み合わせることで予防や改善を目指します。
その場合、費用は治療法で変わりますし、クリニックによりさまざまな価格体系あります。また、予防を目指すのか、積極的に発毛を促進させたいのかなどでも費用は変わります。
だから、女性の薄毛治療に要する費用は、かなり幅広くなってしまいます。また、一般の方にとっては、なかなか見積もることも難しいのが実際ではないでしょうか。
この記事では、そんな女性の薄毛治療にかかる費用の目安や相場を示していますので、ある程度までは、費用感がつかめると思います。
それでも、いろんな要素があるため、自分自身の薄毛の治療費を明確にすることはできません。だからこそ、ホームページなどで信頼できそうな病院やクリニックを見つけて、カウンセリングを受けることをおすすめします。
今では、無料でカウンセリングを受けることができる病院やクリニックがたくさんありますので、問い合わせてみてはいかがでしょうか。
薄毛の悩みを解消して、ぜひ、自信のある毎日を送りましょう。

<参考記事>
女性の薄毛(FAGA)の原因と対策。確実に治す方法はある?
女性の薄毛。原因と予防や改善の対策から治療まで!
抜け毛がひどい原因と対策!男性・女性に分けて年代別に解説

2.女性の薄毛治療法7選!効果や目的で選ぼう

女性の薄毛治療に効果があるといわれている治療薬には、内服薬と外用薬があります。

また、治療薬以外の施術もあります。

薄毛の症状によって処方される治療薬は異なるため、病院で診察を受ける前に知っておくとスムーズでしょう。

1)内服薬:パントガール・ミノキシジルなどで内側から頭皮に栄養を与える

内服薬はパントガールやミノキシジルなどの、頭皮に栄養を与えたり、毛母細胞を活性化させる飲み薬が代表的です。

 

  1. パントガール

    パントガールには、パントテン酸カルシウムやケラチンといった頭皮環境や髪の毛の成長に欠かせない成分が多く含まれています。びまん性脱毛症以外にも、産後脱毛症や過度なダイエットによって引き起こされた薄毛などにも処方される薬です。

    また、パントガールは主な成分がタンパク質であることから重篤な副作用は報告されておらず、サプリメントに近い薬となっています。

  2. ミノキシジル内服

    ミノキシジルは髪の毛の成長を促す毛乳頭細胞に作用し、毛周期を延長させる力を持っています。毛母細胞や毛乳頭細胞そのものを増やす効果があり、発毛を促す成分として位置づけられているものです。

    ミノキシジルは効果が出るまでの期間がやや長く、遅いと6ヶ月程度かかるといわれています。

    副作用は動悸やめまい、むくみなどのほかに、肝機能疾患が報告されています。

    ミノキシジルは肝臓で代謝される薬であるため、肝臓に負担がかかってしまい、肝機能疾患に罹ってしまうことも。肝機能疾患の副作用は稀といわれていますが、重篤化すると肝不全を引き起こす場合があるので、定期的に血液検査を受けることが推奨されています。

  3. スピロノラクトン

    スピロノラクトンは、もともと高血圧治療のための利尿薬です。

    抜け毛の原因である男性ホルモンのはたらきを抑える効果があることから薄毛治療にも使われるようになりました。しかし、期待できるのは、ミノキシジルのような発毛効果ではなく、抜け毛の予防です。また、ヘアサイクルの改善の可能性も期待できます。

    デメリットは、副作用が少し多い点です。頻尿や喉の渇きが起こりやすいことに加え、ホルモンバランスが崩れやすく、生理不順や不正出血のような副作用が出る可能性もあります。

  4. セファランチン

    セファランチンは、ツヅラフジ科の植物からの抽出物で、円形脱毛症に対して保険診療でも処方している内服薬です。

    抗アレルギー作用や血液幹細胞増加作用に加えて、血管の拡張作用があることから薄毛治療にも利用されることがあります。

2)外用薬:ミノキシジルなど発毛作用がある薬剤を塗布する

  1. ミノキシジル外用

    ミノキシジルには外用薬もあり、発毛や髪の成長を促進する作用があります。

    女性の場合は1%(男性は5%)の濃度で使います。

    頭皮に直接塗ることで毛母細胞が刺激され、細胞分裂が活発になることで発毛が促進されるというものです。日本国内ではローションタイプのミノキシジルが一般的ですが、ほかにゲルタイプなどもあります。

    使用方法は、脱毛症状がある部分に塗布するのみ。朝・夜の使用が効果的です。一度の使用量や詳細は治療薬によって異なるので、注意書き通り、用法・用量を守って使用しましょう。

  2. アデノシン

    アデノシンは、細胞が生産するエネルギー代謝に関わる重要な物質です。血管の拡張や免疫系の向上、睡眠など体内の生理的なはたらきに必要な役割を果たしています。

    毛髪成長因子の増加による育毛効果が期待できます。

    また、ヘアサイクルを正常に保ち、毛乳頭細胞に作用して毛髪の成長を促進させるFGA-7を増やすはたらきもあるとされています。

    アデノシンは人間の体内で生成される物質なので、副作用のリスクは少ないと考えられています。

  3. カルプロニウム塩化物

    塩化カルプロニウム(フロジンジェネリック)を5%配合した外皮用薬です。

    また、育毛剤で使われる血管拡張成分です。頭皮の血管を拡張し、血流をよくして毛乳頭に栄養補給を助け、毛髪の成長を促す作用があります。

    塗布直後に全身発汗、それにともなう悪寒、吐気、刺激痛、熱感を生じることがあります。異常が認められた場合には、水でよく洗い流します。

  4. フラバノン

    フラバノンは、西洋オトギリソウのエキスの中にあるアスチルビンという成分を、さらに分子設計や化合物の合成などを行いつくられました。

    t-フラバノンとも呼ばれており、主にヘアサイクルの成長期を保つほか、毛母細胞の増殖や毛の成長の促進などの効果が確認されています。

  5. サイトプリンおよびペンタデカン

    サイトプリンとペンタデカンという2つの成分を組み合わせた育毛製品です。

    髪の毛が抜け落ちている頭皮の部位は、骨形成促進因子であるBMPと血管新生誘導遺伝子であるエフリンという2つの因子が不足しています。この2つの因子を増やす作用のある成分がサイトプリンです。また、ペンタデカンは髪の主成分であるケラチンというタンパク質合成に必要なエネルギーを増やすはたらきがあります。

  6. ケトコナゾール

    ケトコナゾールは、抗真菌薬で頭皮の脂漏性皮膚炎の改善が期待できます。

    頭皮が脂漏性皮膚炎にかかると炎症やかゆみ、フケの増加などが見られます。そのため、頭皮環境が乱れることで、抜け毛や薄毛が起きやすくなります。

    脂漏性皮膚炎は、真菌が原因の場合もあります。その場合は、ケトコナゾールを使って、真菌の増殖を抑えることで、頭皮環境を改善して抜け毛を防ぐことにつながります

  7. パントスチン

    パントスチンは、アルファトラジオールという有効成分が含まれている治療薬です。

    AGA治療薬「プロペシア(フィナステリド)」の有効成分である「フィナステリド」と同じはたらきで、頭皮内で毛根にダメージを与えるジヒドロテストステロンの産生を阻害することで、抜け毛の抑制につながります。抑制作用効果はマイルドなので、副作用も少なく女性の薄毛でも使えます。

  8. KIP スカルプヘアエッセンス

    KIP スカルプヘアエッセンスには「毛母細胞成長因子(KGF)」(別名ヒトオリゴペプチド-5、FGF-7)が高濃度で配合されています。

    KGFは、毛根部分(毛乳頭)でも産生されていて、ヘアサイクルの成長期に関与し、発毛を担当する「毛母細胞」を活性化させるはたらきを持っています。

    しかし、加齢などが原因でその量が減ってしまうため、薄毛や抜け毛、発毛不全につながってしまいます。

    KIP スカルプヘアエッセンスは、高濃度のKGFを頭皮に補い、毛髪を健康に保ちます。

3) LED および低出力レーザー照射

LEDとはLight Emitting Diodeの略で、発光ダイオードのことです。

ヘアビームに使用されているのは赤色LEDです。630nm(ナノメートル)と波長の長い光で頭皮の奥深くまで到達するため、発毛増殖因子の分泌を刺激し、血流が促進されます。また、コラーゲンの増加、新陳代謝の改善、炎症を抑える効果もあるとされています。

 

低出⼒レーザー治療(LLLT :Low Level Laser therapy)はFDAの認証を受けており、レーザー波長を使った安全な低出力光学療法です。

 

1日20分程度を最低4ヶ月は毎日続けることで、効果を発揮します。一度に長時間使用するより、長期にわたって使用したほうが効果があると臨床実験で実証されています。

 

また、低出力レーザー治療は、ヘルメットのような育毛器具を毎日頭にかぶることで照射ができ、頭皮や髪の健康を保てる治療になります。医薬品が副作用で使えない方やクリニックに定期的に通院せずに、自宅で育毛治療を行いたい方に向いています。

 

<参考記事>
ヒーライトとは?効果やデメリット、頻度や料金など全解説

4)AGAメソセラピー:髪の成長を促進する薬剤を頭皮に注射する

AGAメソセラピーは、薄毛や抜け毛に有効な成分を頭皮に直接注入する治療方法です。

 

薄毛の進行を抑制し、発毛を促す効果が期待できます。

FAGAは内服薬や外用薬の治療がメインに行われていますが、AGAメソセラピーと併用することで効果を実感するまでの期間を短縮できます。

また、持病で投薬治療が行えない方にも、少ない副作用で治療を行えることもポイントです。1人ひとりに合った薬剤をブレンドして頭皮に注入します。

 

注射器を用いた治療以外にも、炭酸ガスやレーザー照射など痛みが抑えられた治療法もあるので、痛みに弱い方でも治療を受けやすいでしょう。

 

内服薬や外用薬とは違い、クリニックに通いながら2〜4週間に1回程度治療を受ける必要があります。そのため、投薬治療よりも高額になってしまうというデメリットも。また、毛包を失っている方への発毛効果が期待できないので、人によっては投薬治療や自毛移植が進められることもあるでしょう。

 

<参考記事>
メソガンとは?効果やダーマペンとの違い、ダウンタイムについて解説

5)HARG(ハーグ)療法:毛髪再生成分を頭皮に注射する

HARG療法はAGAメソセラピー同様、頭皮に薬剤を直接注入する治療方法です。

 

AGAメソセラピーとの違いは注入する薬剤です。メソセラピーが使用する薬剤はクリニックによって異なりますが、HARG療法の薬剤は構成成分が決まっているので、どこのクリニックで受けても効果にほぼ変わりがありません。

 

HARGカクテルには、幹細胞から抽出された150種類以上の成長因子が含まれています。そのほか髪の成長に必要なビタミンBなども配合されており、毛母細胞が刺激されることで発毛が促進されるのです。

 

なお、HARG治療は3〜4週間に1回の頻度で、6回程度治療を受けることが推奨されています。その後は年1〜2回程度のメンテナンスで毛髪を維持できるものです。

 

HARG療法は1回の治療費が高いのがデメリットですが、投薬治療は長期間続ける必要があるため、トータルコストではほかの治療よりもリーズナブルなことも。

アレルギー反応や副作用が少ないため、投薬治療よりも幅広い方が治療を受けられるところも魅力の治療法です。

6)自毛植毛:後頭部など髪が生えているところから皮膚ごと移植する

自毛移植は、自分の健康な髪を頭皮ごと移植する治療法です。

 

定着すれば薄毛の根本的な治療になるので、長期に渡って投薬治療などをするのに抵抗のある方におすすめです。

 

自毛移植には自身の髪を使用するため、自然な仕上がりになります。また人工毛を移植すると稀に拒絶反応が起こることがありますが、自毛移植は拒絶反応がほとんどなく、感染症になるリスクも少なくなっています。

デメリットは、投薬治療に比べて費用が高額なうえに傷跡が残ってしまう可能性があるという部分。自毛移植の術式によっては傷が目立ってしまうこともあるので、症例写真や口コミを参考にして慎重にクリニック選びを行いましょう。

7)かつらを着用する

かつらの着用もAGA、FAGAともにC1評価(行ってもよい)になっています。

かつらは女性の薄毛の根本的な治療ではありませんが、かつらを着用した人のQOL(生活の質)や満足度が高まったという研究結果があります、

FAGA治療を試してみて、それでも効果がなかった場合にかつらを検討しても良いでしょう。

3.日本皮膚科学会のAGA・FAGAガイドラインと治療薬・治療法

日本皮膚科学会では、適切な薄毛治療の普及を目的として、「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」(以下 ガイドライン)を策定しています。

ここでは、ガイドラインと先ほどご紹介したFAGAの治療薬・治療法の関係を解説します。

このガイドラインでは、さまざまなAGAやFAGA治療法について、明確に5段階で評価しています。

 

  • A:行うよう強くすすめる
  • B:行うようすすめる
  • C1:行ってもよい
  • C2:行わないほうがよい
  • D:行うべきではない

1)推奨度A:行うよう強くすすめる

ミノキシジル外用は、FAGAでもA(行うよう強くすすめる)になっているので、女性も積極的に使うことができます。

2) 推奨度B:行うようすすめる

LED および低出力レーザー照射

3)推奨度C1:行ってもよい

  • 自毛植毛術
  • アデノシンの外用
  • カルプロニウム塩化物の外用
  • フラバノンの外用
  • サイトプリンおよびペンタデカンの外用
  • ケトコナゾールの外用
  • かつらの着用

4)推奨度C2:行わないほうがよい

  • ビマトプロストおよびラタノプロストの外用
  • 成長因子導入および細胞移植療法(メソセラピーやHARG治療法)

 

国内の皮膚科の権威が「行わないほうがよい」と判断している治療法です。

効果がないというよりも、エビデンスが少なかったり、安全性が確立されていないなどでこうした評価になっています。

この治療法を取り入れている薄毛治療専門のクリニックもたくさんあります。

5)推奨度D: 行うべきではない

  • ミノキシジルの内服
  • 人工毛植毛術

 

ガイドラインによると、ミノキシジル内服の有用性に関して臨床試験は実施されていないことなどから、「利益と危険性が十分に検証されていないため、男性型脱毛症・女性型脱毛症ともに行わないよう強く勧められる。」とされています。

 

また、人口植毛術については、ガイドラインで「日本国内で人工毛植毛術を施行することに医療法上の問題はないが、有害事象の発生を看過できないため、安全性に関する高い水準の根拠が得られるまでは、原則として人工毛植毛術を行うべきではない。」とされています。

 

6)ガイドラインで記載のないもの

パントガール、スピロノラクトン、セファランチン、パントスチン、KIP スカルプヘアエッセンスについては、ガイドラインで記載がありません。

 

セファランチンについては、2010年版のガイドラインでは、推奨度C2「行わないほうがよい」でしたが、2017年版では記載がなくなっています。

そのほかに関しては、記載がありません。

パントガールなどは新しい治療法なので、ガイドラインの改訂版が発刊される際に掲載される可能性があるでしょう。

4.薄毛の治療薬の処方までの流れ

1)予約

LINE、電話、メールにてカウンセリングの予約を取ります。

来院のオンラインが選べる場合もあります。

2)病院・クリニックで問診票記入

来院後、プライバシーが確保された待合室を持っているクリニックもあり、そこへ案内されます。

そこで、抜け毛や薄毛の状態を把握するために必要な問診票に必要事項を記入します。また、血圧測定を行います。

3)カウンセリング・診察

薄毛治療専門医師が頭髪、頭皮の状態と体全体の健康状態などについてカウンセリングを行います。

ここまでのプロセスは無料のクリニックもたくさんあります。

また、治療内容や流れ、得られる効果や副作用、費用についての不安、不明な点はしっかり確認しましょう。

納得できないなどの場合は、ここで帰っても構いません。

 

また、毛髪診断士が在籍するクリニックでは、毛根・頭皮の状態をさらに詳しく見るため、頭皮チェックを行うことがあります。

4)検査

処方される治療薬が体に与える影響がないかなどを判断するために血液検査を行うことが多いです。

また、治療内容や処方内容によりほかの検査が必要な場合もあります。

さらに、必須ではありませんが、任意検査を受けることも可能です。

5)処方・治療

薄毛の原因や症状にあわせて、医師と合意した治療や薬の処方が行われます。

また、治療や処方する内服薬や外用薬の補助説明も行われます。

その後、会計を行って帰宅します。

6)通院

通常、1~2ヶ月に1回程度通院し、治療の効果、頭髪・頭皮の状態や体の健康状態の確認を行います。

その際、1~2ヶ月分の治療薬が処方されます。

事情によってそのスパンで通院できないなどの場合は、クリニックで相談しましょう。

5.女性の薄毛治療における自由診療と保険適用の条件

薄毛治療をするにあたって知っておきたいポイントは、保険適用を受けられないということです。

1)FAGAの治療費は基本的にすべて自由診療

FAGAの治療費は基本的にすべて自由診療です。自由診療とは、公的医療保険の対象にならない治療のことを指します。

日本の公的医療保険制度は、国民が病気やケガの治療を小さな負担で受けられることを目的としています。

一方、FAGA治療は美容医療であり、病気の治療には分類されません。つまり、FAGA治療の費用は健康保険の適用を受けられず、治療費を全額自己負担で支払うことになります。

 

自由診療はクリニックや病院が治療費を定めているため、病院によって費用が大きく異なります。なるべく費用を抑えたい方は、複数の病院でカウンセリングや診察を受けて治療費を比較するのがおすすめです。

最近では、治療を継続しやすいように「月額定額制(サブスク)プラン」を用意しているクリニックもあります。

2)膠原病・甲状腺など病気が要因の場合は保険適用される

薄毛治療は基本的に自由診療で全額負担になりますが、保険適用になる例がいくつかあります。

たとえば、膠原病や甲状腺機能疾患などで頭皮に炎症を起こしている、円形脱毛症、びまん性脱毛症である場合。こうした場合は保険適用になる可能性があり、医療費控除を受けられるのもポイントです。

 

なお、保険適用の薄毛治療と自由診療の薄毛治療は併用できないので、医師と相談して治療方法を決めましょう。

6.FAGA治療の知っておきたい料金システムや検査費用

1)料金システム

FAGAの治療を受ける前に知っておきたいことの1つが「料金システム」。事前にある程度の予算を立ててから診察を受けると、無理のない範囲で治療を受けられます。

 

まずかかってくるのはカウンセリング料や初診料、診察料。クリニックによって異なりますが、カウンセリング料は無料の病院やクリニックが多いです。診察料は、初診料無料〜5,000円、再診料は2,000〜3,000円と設定されていることが多いようです。

2)検査費

2つ目は検査料です。薄毛の進行状況や甲状腺機能をチェックするためにマイクロスコープや血液検査を行います。検査にかかる費用は無料〜10,000円です。なるべく薄毛治療の費用を抑えたい方は、診察や検査を無料で受けられるクリニックを選ぶといいでしょう。

3)通院費

クリニックや病院に通院するには、交通費が発生します。FAGAの治療は半年から1年以上継続する必要があることが大半です。

そのため、交通費についても考慮して、近隣の通いやすい病院やクリニックを選ぶこともポイントです。

また、最近ではリモート診療を導入している病院やクリニックも増えつつあります。

こうしたシステムの有無もチェックしましょう。

7.FAGA治療法別の費用相場を理解してから病院へ行こう

先程ご紹介したとおり、治療方法は複数あるので、治療法によって費用が異なります。月額や年額で料金が定められているものも多くあります。

「実際に診察を受けたら思っていたより高額だった」という事態にならないよう、事前に費用相場を理解しておきましょう。

1)【内服薬の相場は3,000~40,000円】女性の薄毛治療にジェネリック医薬品はない

内服薬の費用相場は、月額で3,000〜40,000円程度です。女性の薄毛治療にはジェネリック医薬品がないため、男性のAGA治療薬に比べると高額となってしまいます。

 

また、予防目的の場合より積極的に発毛を目指したい場合のほうが、費用が上がります。

たとえば、内服で抜け毛や薄毛の予防を目的とすれば、年間で5,000円×12ヶ月=60,000円くらいの費用でも可能です。

内服薬は途中で中止すると薄毛が進行することがあるので、継続的な服用が必要です。

最低でも6ヶ月は服用を続けることが推奨されており、遅い人では効果を実感するまで1年かかることもあります。服用中に経済的に厳しくなって途中でやめてしまうといった事態が起きないよう、計画的に治療を受けましょう。

2)【外用薬の相場は5,000~20,000円】有効成分の濃度で料金が変わる

外用薬の費用相場は5,000〜20,000円と、内服薬に比べると高額になるわけではありません。しかし、内服薬と組み合わせて治療を行うこともあることを頭に入れておきましょう。

 

ここで、内服薬と外用薬に治療についてまとめてみます。

目的治療法の例月額費用
抜け毛・薄毛予防・頭髪維持バントガール、スピロノラクトン5,000〜12,000円
発毛促進スピロノラクトン+ミノキシジル外用15,000〜30,000円
積極的な発毛スピロノラクトン+ミノキシジル外用+α30,000円以上

 

3)【LED および低出力レーザー照射 機器買い取りで160,000~250,000円】

低出力レーザー治療は、クリニックに定期的に通院せずに、自宅で毎日行う育毛治療法です。

そのため、機器を買い取るケースがほとんどです。

その費用は、160,000〜250,000円です。

 

LEDおよび低出力レーザー照射治療は、発毛促進薬と併用して使用が可能です。

また、

副作用が比較的少ないので持病や体質などで投薬治療が受けられない方に適しています。

4)【メソセラピー1回10,000〜15,000円】1回で終わらないことに注意!

メソセラピーの相場費用は1回10,000〜15,000円です。メソセラピーの治療回数は1クール6〜16回程度で、2〜4週間に1回の頻度で治療を受けなくてはならないので、1回では終わりません。

また、メソセラピーだけでなく内服薬や外用薬を併用することが多いので、予算は多めに見積もっておきましょう。

5)【HARG(ハーグ)1回80,000~150,000円】毛髪再生効果に期待

HARG療法の相場は1回80,000〜150,000円です。1クール6〜9回受けることで、毛髪再生効果が期待できます。そのため、メソセラピーと同様に1回の治療では終わりません。

 

しかし、効果が出た後は年1〜2回のメンテナンスで毛髪を維持することが可能なので、長期的な目線で見ると低コストになる可能性も考えられます。

6)【自毛植毛1,000~120万円】本数によって費用が大きく変わる

自毛移植の相場は1,000〜120万円と幅があり、本数によって大きく費用が異なります。

 

自毛移植では、髪の毛包という部分ごと採取して移植します。毛包1つを1株と呼び、その株数によって費用が変わってくるのです。

 

部分的な薄毛であれば500株程度、全体的な薄毛であれば2,000〜3,000株程度必要といわれており、株数が多ければ多いほど高額になります。ほかの薄毛治療と比較してもかなり高額になる可能性がある治療法です。

7) 【かつら1万~80万円】髪質や長さで費用が大きく変わる

同じ種類のかつらであっても、髪質(人毛・人工毛)や毛の長さの違いや面積・大きさなどによって、価格に違いがあります。

目安は次のとおりです。

オーダーメイド:40万円~80万円

セミオーダー:10万円~40万円

既製品:1万円~10万円

ヘアピース:10万円~50万円

 

価格帯の高いかつらには、品質はもちろん、メンテナンスサービスやアフター保証などが優れていることがあります。

かつらは日々の生活で長時間にわたり着用するものなので、コストパフォーマンスを考えて選びましょう。

 

<各治療法のメリット・デメリット>

メリットデメリット
内服薬治療費が安い

 

副作用のリスク

発毛は期待できない

外用薬発毛が期待できる内服薬より費用が高い

推奨度Aはミノキシジルだけ

LED および低出力レーザー照射通院が不要

医薬品が合わなくても使える

単独で大きな発毛効果は期待できない

買い取り費用が高額

メソセラピーうまくいけば大きな発毛効果が期待できる

効果発現までの期間が短い

副作用のリスクが小さい

費用が高い

効果には個人差がある

ガイドラインで推奨されていない

HARGうまくいけば大きな発毛効果が期待できる費用が高い

効果には個人差がある

ガイドラインで推奨されていない

自毛植毛半永久的な効果が期待できる

通院やメンテナンスが不要

炎症などの拒絶反応が少ない

費用が高い

効果発現に時間がかかる

かつら費用を安く済ませることが可能

継続的な費用は不要

ヘアスタイルが自由

薄毛の根本的な改善ではない

8.女性の薄毛治療にかかる費用を抑える方法

自由診療である薄毛治療は高額になりがちです。しかし、自由診療であるがためにクリニックによって料金設定が異なるので、治療費が安いクリニックを選ぶことで費用を抑えられます。

気になるクリニックを複数ピックアップし、まずはカウンセリングを受けるのがおすすめです。

1)進行をおさえるのか?発毛したいのか?治療範囲の希望を決める

薄毛治療を始める際には、進行を抑えたいのか、発毛を促進したいのかといった治療範囲の希望を決めておきましょう。

 

希望する治療範囲によって費用も大きく変わってきます。もちろん2種類の治療薬を併用してもOKです。

2)クリニックによっては独自サービスあり!サブスクや交通費サービスも

薄毛治療は、クリニックによってサブスクや交通費サービスなどの独自サービスが存在します。

 

オンライン診察をしているクリニックもあり、通院にかかる時間や交通費を大幅に削減できるでしょう。また、薬も自宅に配送してくれるため、仕事で忙しい方でも継続して投薬治療を続けられるのがポイントです。

3)早い段階で病院へ!早期治療は早期改善につながる

薄毛治療において早期治療が大切な理由は、毛母細胞には寿命があり、生涯で起こるヘアサイクルが決まっているからです。

ヘアサイクルは毛周期とも呼ばれ、髪が生えて抜け落ち、再び生えてくる周期をいいます。

通常ヘアサイクルは、男性で3〜5年、女性で4〜6年が1サイクルといわれています。しかし、FAGAを発症するとヘアサイクルが1〜1年半まで短縮してしまいます。

薄毛という異常に気づいているのに、放置しているとこのヘアサイクルが消費されてしまう可能性も。ヘアサイクルが消費される前に治療を開始し、毛母細胞の寿命を延ばすことで薄毛を抑制し、発毛を促すことができるのです。

9.まとめ

女性の薄毛の代表であるFAGAの原因や治療法と料金相場についてご紹介しました。

また、できるだけ総費用を下げる方法についてもご紹介しました。

「加齢による薄毛だから」といって放置すると手遅れになってしまうこともあるので、なるべく早く病院で診察を受けることをおすすめします。

また、クリニックによって料金設定が異なるため、複数の病院で診察を受けて比較するのがおすすめです。クリニックによっては初診料や検査料を無料で提供しているところもあるのでチェックしてみてくださいね。

もちろん、費用だけで決めるのではなく、自分の薄毛治療の目的に合う病院やクリニックを受診することが大切です。

薄毛治療を受けて、自信の持てる自分になりましょう。

この記事が、FAGAの治療の内容や費用で不安のある方のお役に立てば幸いです。

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