糸リフトはスレッドリフトとも呼ばれます。時間が経つと体内に吸収される特殊な糸を使った美容医療の施術の1つ。大掛かりな手術なしで、たるみをリフトアップする治療できるのが大きなメリット。また、目元や口元、首などの部分的な施術も可能です。しかし、失敗を防ぐためには、デメリットやリスクを知っておくことが大切です。
平成15年 日本医科大学 卒業
平成16年 日本医科大学附属武蔵小杉病院 研修医/内科 専修医
平成21年~31年 善仁会丸子クリニック 院長勤務
令和元年5月 Alohaさおり自由が丘クリニック 院長
■保有資格
日本内科学会認定内科医
日本透析医学会、日本腎臓学会
点滴療法研究会
日本美容皮膚科学会
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*たるみの原因と対策の全てがわかる!|エイジングケア化粧品のナールス
1.糸リフト(スレッドリフト)とは?
糸リフトは、スレッドリフトとも呼ばれる皮膚の組織に特殊な医療用糸を挿入することで顔のたるみをリフトアップする施術です。気になるほうれい線やマリオネットラインなどの顔のたるみを改善できるだけなく、小顔効果やハリ・ツヤ感アップも期待できます。また、糸リフトの施術はメスを使わずダウンタイムも短いこともメリットの1つです。さらに、最近では、時間の経過とともに体内に吸収される害のない溶ける糸を使う美容クリニックが多くなっています。
物理的な力でフェイスラインを引き上げる糸リフトは、HIFU(ハイフ)などの熱エネルギーを使った施術よりも効果発現が早くいだけでなく、手軽に施術を受けられる」と人気が高い治療法の1つです。
2.失敗を避けるために!糸リフトのデメリットを知っておこう!
糸リフトにはデメリットやりスクもあります。
また、糸の力だけで皮下組織を持ち上げるため医師の技量によって仕上がりが大きく左右される側面もあります。
施術を行う医師は一人ひとりの肌の状態や悩みに合わせて糸の種類や本数、挿入する部位、深さなどを適切に調整だけの技量や経験が求めまれます。それが不足していると、微調整がうまくいかないと治療後の表情が不自然に見えてしまいます。
実際、ネットやインスタグラムなどの口コミには、糸リフトに関する失敗談などが少なからず飛び交っています。
そんなことから、糸リフトを受けてみようかなと検討している方の中には、失敗が心配だという方もたくさんおられます。
そこでこの記事では、糸リフトの失敗例やそれを防ぐための方法、美容クリニックの選び方、おすすめのクリニックをご紹介します。
3.糸リフトのリスクと5つの失敗例
糸リフトにはメリットだけでなくデメリットやリスクもあります。
たとえば、切開を伴う施術に比べて効果が低いことや必ずしも施術直後のようなフェイスラインや顔のハリが、100%ずっと持続しないことです。だから、同じ施術を繰り返す必要なケースもあります。また、最近では減っていますが、非吸収性の糸で施術をすると感染症のリスクがあります。
さらに、何より大きい出来栄えが、施術医の腕に大きく依存してしまうことです。ここでは、主に医師の技量やコミュニケーション力と関係が深い糸リフトのおもな失敗例を5つ紹介します。
1)ひきつれが起こる
皮膚が必要以上に引っ張られて起こる「ひきつれ」は、糸リフトの失敗例として多いと言われています。
糸リフトは神経の多い部位に糸を挿入するため、適切な治療を受けても多少の違和感が出ることがあります。個人差はあるものの、施術から1ヶ月ほど経過すれば症状が落ち着くことが多いです。
しかし、1ヶ月以上経っても皮膚のひきつれが改善しない場合は、以下のような施術者の技量不足が考えられます。
- 強く引っ張り過ぎてしまった
- 糸の特性に見合う施術が行われなかった
- 糸の本数が少なく、1本あたりにかかる負担が大きくなった
少ない本数で必要以上に糸を引っ張りすぎると「皮膚がもとに戻ろうとする力」が強く働き、引きつった不自然な表情になってしまいます。
2)肌が凸凹になる
糸リフトの施術を受けたあと、肌が凸凹になることがあります。
糸リフトは表皮と並行に糸を入れて施術を行います。しかし糸がずれて一部分だけが深い真皮に刺さってしまうと歪みが生じ、肌の表面が凸凹となることがあります。特に、シルエットリフトなどの突起が大きい糸を使用すると肌が凸凹する失敗が起こりやすいです。
糸リフトによって肌が凸凹になったとしても、多くの場合は1〜2週間程度で自然に治りますが、2週間以上症状が改善しなければ医師に相談しましょう。
3)リフトアップ効果が感じられない
糸リフトは気軽に施術を受けられるものの、強いたるみやほうれい線がある場合は期待していたリフトアップ効果が実感できない方もいます。
たとえば、皮膚にメスを入れて切開する施術なら皮膚がピンと伸びた状態のまま固定できます。しかし糸リフトは皮膚を伸ばすのではなく糸で引っ張り上げる施術のため、皮膚全体のたるみが強いと十分に改善されないことがあります。
ただ、糸リフトでも十分に効果を感じられる方も多いため、一度クリニックで相談して自分に適した施術を見極めることが大切です。
4)糸が見えてしまう
糸リフトで使用する糸の種類によっては、施術後に肌の上から糸が見えてしまうことがあります。たとえば「ミントリフト」や「アプトス(フェザーリフト)」といった太い糸を使用すると、糸が透けて見えてしまうリスクがあります。
医師は患者の皮膚の厚さや肌質などを考慮して治療する必要がありますが、技量が不足していると「皮膚に触れると糸のギザギザした感触が分かった」「皮膚から糸が飛び出してきた」という失敗が起こりやすいです。
施術後に腫れが落ち着いても糸が見えてしまう場合は、再度クリニックを受診して修正する必要があります。
5)頭髪が抜ける
糸リフト施術後、まれに頭髪が抜けて一部分がハゲてしまうこともあります。糸リフトで頭髪が抜ける場合、以下の2つのパターンが挙げられます。
施術直後に一気にハゲてしまう
皮下組織に挿入した糸を固定する際に毛根の一部が傷付くと、施術直後に髪の毛が抜け落ちて頭皮の一部がパックリとハゲてしまうことがあります。
術後しばらくして髪が抜け始める
皮膚を引っ張りすぎたり、糸を固定した部分に血行障害が発生したりすると、施術後しばらくしてから頭髪が抜け落ちるケースもあります。
いずれにせよ、毛根自体が破壊されていなければ毛の周期によって再び髪が生えてきます。
4.糸リフトが失敗してしまうのはカウンセリングと技術不足が原因
一見すると糸リフトは簡単な治療と思われがちですが、効果は医師の「カウンセリング力」や「技術力」によって大きく左右されます。
皮膚の状態や厚みは個人差が大きいのはもちろん理想の仕上がりイメージも人によって違うため、医師にはカウンセリング時に患者の希望をしっかり把握する「高いヒアリング力」が求められます。
医師は患者の意図をしっかり汲み取り、効果だけでなくリスクも含めて十分に説明できていなければ、当然「思っていた仕上がりと違う」などの失敗が生じやすくなります。
なかには売り上げのために「患者が希望していない施術」を勧めてくる医師もいるため、断り切れずに了承してしまわないよう注意が必要です。
また、厳密にいえば糸リフトは皮膚を引き上げるのではなく「たくし上げる」「つまみ上げる」施術です。したがって、施術を行う医師は患者一人ひとりの肌の状態や厚みを見極めた上で糸の選び方から場所、深さ、至るまで非常に細かい調整が必要です。
そのため、経験や知識が浅い医師が施術すると効果が出にくくなり失敗してしまうケースもあります。
5.糸リフトの失敗を回避!クリニック選びは慎重に
ここでは、糸リフトの失敗を回避する美容クリニックの選び方のコツを4つ解説します。
1)クリニックや医師の実績をしっかり確認する
糸リフトは高い技術力が必要なので、失敗しないためにはクリニックや医師の治療実績を必ず確認しましょう。
クリニックの公式サイトに実績や症例、医師の経歴などが掲載されていない場合、「実績が少ないこと」や「医師の経験が浅いこと」を隠している可能性があるので注意してください。できれば、顔写真付きで詳しく医師の紹介が掲載されているクリニックを選んだほうが安心です。
また、同じ医師でも得意な施術がそれぞれ異なるため、医師の名前で検索して経歴や実績、評判を確認することをおすすめします。
医師の経歴を確認する際は、
- 形成外科や美容外科の専門医の資格を持っているか
- 美容外科医になる前の病院で責任ある立場にいたか
- 大学病院・総合病院で責任のある役職についていたか
などの点を確認しましょう。専門医の記載があった場合、その資格を発行している学会の公式サイトに医師の名前があるかどうかをチェックすると確実です。
信頼できるクリニックで経験値の高い医師に施術してもらえば糸リフトの失敗が起こりにくく、万が一トラブルが発生した際もすぐに適切な処置が受けられます。
2)カウンセリングが丁寧かをチェックする
糸リフトの失敗を回避するには、丁寧なカウンセリングでじっくり相談に乗ってくれるかどうかも重要な判断基準です。
カウンセリングのチェックポイントは以下のとおりです。
- 理想の仕上がりを正確に理解してくれるかどうか
- 悩んでいるとき、無理に施術を勧めようとしてこないか
- カウンセリングを担当した医師がそのまま施術を担当しているか
- 効果だけでなくリスクやデメリットについても十分な説明があるか
医師が患者の要望に応える技術を持ち合わせていない場合は十分なカウンセリングが行われず、意に反した施術をされて失敗するケースもあります。
逆に、経験豊富で技術力が高い医師はしっかりとカウンセリングを重視する傾向があるため、説明に十分納得したうえで安心して施術を受けられます。カウンセリングを受ける前はクリニックの口コミもチェックし、医師の対応に関する記載を確認しましょう。
3)価格の安さだけでクリニックを選ばない
糸リフトの施術で失敗しないためには、「ほかのクリニックより安い」という理由だけで選ばないことも大切です。
もちろん安いクリニックは必ずしも「安全性に問題がある」「失敗する確率が高い」というわけではありません。しかし相場より極端に安い場合、衛生管理のための費用や人件費など「削るべきではない経費を節約している」可能性もあります。
- カウンセリングを短時間で済ませている
- 医師以外のスタッフがカウンセリングを担当している
- 人件費節約のため、経験が浅く知識不足の医師を雇用している
- 機器のメンテナンスや衛生管理がずさん(感染症を引き起こす原因になる)
以上のことから、クリニックを選ぶ際は価格だけで決めるのではなく、実績や医師の経歴、カウンセリングの質などを総合的に判断することが大切です。
4)アフターケアの内容を確認する
糸リフトの施術を受ける前には、しっかりとアフターケアがあるかどうかを確認しておくことも大切です。公式サイトでアフターケアについて明記されている、もしくはカウンセリング時に説明があるかをチェックしましょう。
低価格を大々的に宣伝するクリニックは相談窓口やアフターケアがないケースもあるため、注意が必要です。
たとえ実績のあるクリニックや医師でもトラブルの可能性がまったくゼロということはありません。そのため、万が一トラブルが生じたときにすぐに相談できる体制が整っているかどうかを確認しておきましょう。
5)他の施術を組み合わせる
糸リフトは切らないたるみ治療としては、効果が高い施術です。しかし、肌の老化の進み具合や顔の特徴によっては、これだけで満足できる効果が得られるとは限りません。
費用はかかってしまいますが、他の施術との併用も検討することがおすすめです。
同時施術可能なものもあれば、施術後一定期間を空けてからではないと、施術が行えないものがありので、カウンセリングの際に医師と相談することをおすすします。
なお、併用できると施術としては、レーザーや高周波、光治療、脂肪吸引、HIFU(ハイフ)などです。
糸リフト後のレーザーや高周波、光治療は、2ヶ月経過していたら施術可能です。
脂肪吸引は同時に施術可能です。
HIFU(ハイフ)は、糸リフト後にハイフの施術を受ける場合は、2ヶ月間を空ける必要があります。
しかし、糸リフトの前に行えば、すぐに糸リフトを受けることが可能です。
6.失敗を避ける糸リフトを受けるなら!おすすめクリニック5選
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7.失敗を防ぐために糸リフト施術後に気を付けること
信頼できる医師による糸リフトの施術を受けても、ダウンタイム中の過ごし方に問題があると仕上がりに悪影響を及ぼしてしまう恐れがあります。そこでここでは、糸リフト施術後のダウンタイムの過ごし方で気を付ける点を3つ解説します。
1)自己判断でマッサージをしない
糸リフトの施術後3ヶ月以内は、自己判断での顔のマッサージを控えましょう。
施術を受けてから約1ヶ月は顔のひきつりやツッパリ感が気になることがありますが、マッサージをすると症状が悪化する可能性があるだけでなく、内出血が起こるリスクもあります。また、患部をこすったり引っ張ったりするとリフトアップの効果が薄れて持続時間が短くなってしまう恐れもあるため、できるだけ顔を触らないようにしましょう。
また、施術後1週間は美容院でのシャワーや頭部の強いマッサージも避けることをおすすめします。
2)激しい運動・長時間の入浴を避ける
糸リフトを施術した後に体を温めすぎると、血行の流れが促進されて腫れが長引いたり内出血が生じたりすることがあるため注意しましょう。
施術後1週間は、以下の点に留意してください。
- 激しい運動をしない
- お酒を飲みすぎない
- 長時間の入浴やサウナ、岩盤浴を避ける
施術当日はぬるま湯に短時間浸かるか、シャワー浴で済ませるのが無難です。翌日から入浴可能ですが、長時間のお風呂はしばらく避けましょう。患部が腫れているときは、タオルにくるんだ保冷剤などで冷やしてください。
3)できるだけ大きく口を開けない
糸リフトの施術後は顔が突っ張って口が開きにくいことがありますが、多くの場合は1~2週間程度でおさまります。
施術後に大声で笑ったり大きな口を開けたりすると痛みを感じることがあるため、約1週間は歯医者の予約を入れないようにしましょう。
なお、大きく口を開けることで挿入した糸が切れてリフトアップ効果が軽減する心配はありません。
8.糸リフトが向いている人・向いていない人
糸リフトは気軽にリフトアップできることが魅力ですが、場合によっては思うような効果が得られにくいこともあります。ここでは、糸リフト治療が向いている人・向いていない人を紹介します。
1)糸リフトが向いている人
糸リフトが向いている人は以下のとおりです。
- ダウンタイムを少なくしたい人
- 施術費用をできるだけ抑えたい人
- メスを入れずにリフトアップしたい人
- 皮膚が柔らかい/程よく皮下脂肪がある人
メスを入れない糸リフトは、フェイスリフトなどの「切る施術」に比べて料金が低いため、費用を抑えながら顔のたるみを改善できます。ダウンタイムも1~2週間と短く、仕事などの都合で長期の休みを取りにくい人にも向いています。
また、皮膚が柔らかい人は糸で引っ張りやすいため、綺麗なフェイスラインが出やすくなります。皮下脂肪は多すぎても少なすぎても最大の効果を発揮しにくいため、引き上げる脂肪が適度についている人は効果を実感しやすいでしょう。
2)糸リフトが向いていない人
糸リフトが向いていない人は以下のとおりです。
- 皮下脂肪が多い人
- シワやたるみの症状が強い人
- 永久的な効果を期待している人
皮下脂肪が多いと糸にかかる負担が大きくなるため、十分なリフトアップ効果が得られない可能性があります。また、糸リフトはメスを使用しないため、たるみやシワの症状が強い人もしっかりと伸び切らないケースがあります。
糸リフトの効果の持続時間は長くても3年のため、永久的な効果を期待している人にも不向きです。
9.まとめ
お手軽な上に効果も高くて人気の糸リフトの失敗例や原因、デメリットを紹介しました。また、失敗を避ける方法や美容クリニックの選び方、おすすめクリニックもご紹介しました。
いかがだったでしょうか。
糸リフトによる施術の出来栄えは、医師の技量や経験、コミュニケーション力によるとことが大きいという側面があります。
そのため、良い仕上がりで満足を得たいなら、上手に美容クリニックを選ぶことが大切です。
また、施術後のダウンタイムの期間にNG行為を控えることも失敗を防ぐために大切です。
ぜひ、この記事を参考に失敗の無い糸リフトの施術を受けてくださいね。
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