ピルの効果や種類・副作用を紹介!正しい服用で健やかな毎日を!

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ピルは、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが配合された「経口避妊薬」として有名です。
しかし、それ以外にも多くの女性の心身をサポートしてくれる心強い医薬品として使われることが増えています。
この記事では、ピルの基本的な情報や効果、種類、副作用について詳しく解説します。
初めての服用や産婦人科を受診する前に、ピルの正しい知識を身につけて健やかな毎日を過ごしましょう。

この記事の監修医師
レディースクリニックLOG原宿では月経困難症、過多月経、月経不順にたいするピル治療、子宮鏡、円錐切除、バルトリン腺嚢胞など多彩な日帰り手術も行っています。
婦人科疾患で悩んでいる女性のライフスタイルを崩さないように治療しています。
■経歴
杏林大学医学部卒業
筑波大学附属病院初期研修
けいゆう病院後期研修
横浜総合病院などで勤務した後に開業
■資格・所属学会
日本産婦人科学会専門医
産婦人科内視鏡技術認定医
所属学会
日本産婦人科学会
日本産婦人科内視鏡学会
日本子宮鏡研究会
■手術実績
腹腔鏡手術   700件以上
開腹手術    150件以上
帝王切開    300件以上
分娩(経腟分娩) 1000件以上

 

目次

1.ピルとは?今の日本の服薬事情と課題

ピルとは、1960年代アメリカで開発されたエストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンが配合された「経口避妊薬」です。一般的に「ピル」とは低用量ピルのことを指し、主に避妊効果があることが知られています。

ピルは内服することによりホルモンバランスを調整し、脳に「妊娠した」と間違えて認識させることによって、排卵を起こさせないことで避妊ができる薬です。

また、ピルの種類によっては避妊目的だけではなく、生理をコントロールしたり生理痛を和らげるための薬としても利用されています。

現代社会では働く女性が増えていますが、経済産業省の「働く女性の健康推進に関する実態調査」によると、7割が生理痛を感じていて、そのうちの3割は仕事に支障があると報告されています。こうした背景においては、ピルは生理が始まる思春期から40代でも服用することができるため、経口避妊薬以外の使い方が正しく普及することには大いに価値があります。

日本ではピルは少しずつ避妊薬以外の使われ方が普及しつつありますが、まだその数は欧米などと比べると少ないようです。

実際、国連の発行している「避妊法2019(Contraceptive Use by Method 2019)」によると、日本のピル内服率は2.9%です。一方、海外のピル内服率は、フランス33.1%、カナダ28.5%、英国26.1%、ノルウェー25.6%、タイ19.6%、米国13.7%、カンボジア13.7%、ベトナム10.5%、マレーシア8.8%、ミャンマー8.4%、香港6.2%、韓国3.3%、中国2.4%となっています。日本のピル服用率は中国以外の国よりも低くなっています。

その理由の1つは、多くの日本人女性のピルに対する正しい理解が進んでいないからです。

そこで、この記事では、女性にとってさまざまなサポートが可能なピルのはたらきをはじめ、得られる効果、また副作用やデメリットなどを幅広く解説します。

2.ピルの基本情報・特徴をわかりやすく説明

ピルを手にもっている女性

ピルの基本的な特徴は、次の3つです。

1)ホルモンバランスを調整することで排卵を抑える

ピルの主なはたらきは、ホルモンのバランスを調整することです。これには、エストロゲンとプロゲステロンという2つのホルモンが関係しています。これらのホルモンのバランスを適切に保つことで、排卵を抑えることが可能です。

2)生理をコントロールする

ピルには、生理周期の調節や生理痛、PMS(月経前症候群)などの症状を緩和するはたらきがあります。旅行や大切なイベントが控えている時など、ピルの服用により生理のタイミングをコントロールすることができます。

3)他の避妊方法と比べて効果が高い

経口避妊薬として知られるピルは、ほかの避妊方法と比べて避妊効果が非常に高いといわれています。ただし、正しい服用方法を守ることが前提です。飲み忘れや体調不良で吐いてしまった際には、避妊効果が低下するリスクがあります。

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3.メリット大!ピルの効果10を紹介

ピルの効果やメリットを具体的に知っている方は少ないかもしれません。ここでは、ピルの効果を正しく理解できるように、10の効果について詳しくご紹介していきます。ピルについての正しい知識を持つことで、女性にとっての日常がもっと快適になる可能性があります。

1)避妊効果

ピルは、正しい服用方法を守ることで避妊効果は約99%にも達する場合があります。これは、ホルモンのはたらきにより排卵を抑制することが主な理由です。ただし、飲み忘れや正しい服用方法を守らないと、その効果は低下しますので注意しましょう。

2)生理不順の改善

生理不順に悩む女性は多いですが、ピルはその改善に役立ちます。ホルモンバランスを整えることで、生理周期を安定させるのに効果的です。これにより、予定通りの生理を迎えることができるようになります。

3)生理痛や生理の出血量の軽減

生理痛や多量の出血に悩む女性にとって、ピルは救世主ともいえる存在です。子宮内膜の増殖を抑えることで、生理痛の軽減や生理の出血量の減少が期待できます。これにより、生理中も快適に過ごすことができるでしょう。

4)月経前症候群(PMS)の軽減

PMSとは、生理前に女性の体や心に現れるさまざまな不快な症状のことです。多くの女性がこれらの症状に悩まされる中、ピルの服用でPMSの症状が軽減されることが多くの研究で証明されています。この効果により、生理前の不快な時期もより快適に過ごすことができます。

5)貧血の改善

生理時の出血量が多いと、体内の鉄分が失われやすくなり、継続すると貧血のリスクが増加します。しかし、ピルを服用することで生理中の出血量が減少し、貧血のリスクを抑えることが可能です。

6)子宮内膜症の症状改善と予防

子宮内膜症は、子宮内膜が子宮内腔以外の卵管や卵巣などの異なるところに生じる病気です。ピルは、この子宮内膜症の症状を軽減させる効果があり、予防にもなります。

7)ニキビの予防や改善

ホルモンバランスの乱れは、ニキビの原因となることがあります。ピルによってホルモンバランスを整えることで、ニキビの予防や改善にも効果的です。

8)卵巣がん、子宮体がんの予防・改善

卵巣がんや子宮体がんは女性特有のがんであり、発症すると非常に治療が難しいことが多いです。しかし、ピルの長期的な服用は、これらのがんのリスクを低減することが多くの研究で報告されています。

9)大腸がんの予防

ピルの服用が大腸がんの発症を抑えるという報告があります。長期使用の効果やメカニズムは明確ではありますが、大腸にあるホルモンレセプターの関係で、ピル服用で大腸がんが減るのでないかと考えられています。

10)骨粗鬆症の予防

ピルに含まれているエストロゲンは腸からのカルシウム吸収を助けます。そして、骨に作用してカルシウムが失われるのを抑えます。その結果、骨密度の減少を抑え骨粗鬆症の発生を予防します。

40歳以上でピルを服用すると大腿骨頚部骨折の発生を25%低下させるという報告があります。また、若い女性でもピルを服用しホルモンバランスを整えることが将来の骨粗鬆症の予防につながります。

4.ピルは効果がない!はホント?

処方薬

「ピルは効果ない」という声があります。はたして、これは本当でしょうか?この章ではこの点について検証します。

まず、ピルには避妊効果があるといえます。正しく使用すれば、妊娠のリスクを限りなく減らすことができることが研究・報告されています。また、ピルには生理周期の調整や生理痛の軽減効果もあるのは、これまで述べてきたとおりです。

しかし、ピルの効果には個人差があります。体質や生活習慣、服用方法などによって、効果の現れ方や感じ方が異なることがあります。そのため、ピルの効果については、一概に「必ず効果がある」とはいい切れないのです。

また、ピルには副作用もあるため、体調や症状に異変を感じた場合はすぐに医師に相談することをおすすめします。

5.ピルは種類がある!違いや特徴を紹介

ピルと聞くと、多くの方が避妊のための薬として認識しているかと思います。しかし、実はピルにはいくつかの種類があり、それぞれ異なる効果や用途が存在します。ここでは、主要なピルの種類とその特徴について表にまとめた上で、詳しく解説していきます。

 

特徴避妊

効果

主成分服用方法副作用生理周期の調整重度の生理痛の緩和
低用量ピル高い人工的なエストロゲンとプロゲステロン毎日1錠を飲む軽度の副作用が一般的(吐き気、頭痛、体重変動など)一般的に生理周期を調整する一般的に緩和する
超低用量ピル高い超低用量のエストロゲンとプロゲステロン毎日1錠を飲む副作用が少ない傾向(血栓症のリスク、吐き気や乳房の敏感さが軽減)生理周期を調整する場合がある一般的に緩和する
中用量ピル高い中用量のエストロゲンとプロゲステロン毎日1錠を飲むより多くの副作用の可能性(吐き気、体重変動、血栓症、生理痛の改善)生理周期を調整する場合がある緩和する場合がある
アフターピル一時的な避妊効果レボノルゲストレルなどのプロゲステロン必要に応じて服用する副作用が一時的な場合がある(不正出血、吐き気、めまい、生理の変化など)生理周期に影響しない

1)低用量ピル・超低用量ピル:避妊が目的

低用量ピルと超低用量ピルは、ホルモンの量が低めに設定されているピルで、主に避妊を目的として使用されるものです。生理の何日目からピルを始めるかを悩むことがありますが、生理の初日から開始すると、ホルモンのバランスを整えることで排卵を抑制し、避妊効果を発揮することができます。

2)中用量ピル:女性ホルモンに関わる病気の治療が目的

中用量ピルは、低用量ピルよりもホルモンの量が多いタイプのピルです。このピルは、避妊だけでなく、女性ホルモンに関わるさまざまな病気の治療を目的として処方されることがあります。

3)アフターピル(緊急避妊薬):避妊が目的・性交後72時間以内に飲む

アフターピルは、緊急避妊薬とも呼ばれ、性交後に避妊を目的として服用するピルです。性交後72時間以内に服用することで、高い避妊効果を発揮します。しかし、これは緊急時の措置であり、定期的な避妊方法としての使用は推奨されません。

こうした分け方以外でも保険制度の関係で日本では、避妊目的に開発されたものはOC、月経困難症の治療薬として開発されたものはLEPと呼んでいます。

種類目的保険

適応

薬剤名(有効成分)
OC避妊×トリキュラー (エチニルエストラジオール・デソゲストレル)

ラベルフィーユ (エチニルエストラジオール・デソゲストレル)

アンジュ(エチニルエストラジオール・レボノルゲストレル)

マーベロン  (エチニルエストラジオール・デソゲストレル)

ファボワール(エチニルエストラジオール・デソゲストレル)

シンフェーズ(エチニルエストラジオール・ノルエチステロン)

LEP月経困難症ルナベルLD(エチニルエストラジオール・ノルエチステロン)

フリウェルLD(エチニルエストラジオール・ノルエチステロン)

ヤーズ(エチニルエストラジオール・ドロスピレノン)

ドロエチ(エチニルエストラジオール・ドロスピレノン)

ヤーズフレックス(エチニルエストラジオール・ドロスピレノン)

ジェミーナ(エチニルエストラジオール・レボノルゲストレル)

6.ピルにはデメリット・副作用もある!代表的なリスクを紹介

ピルを手に持っている女性の手

ピルは、生理のコントロールや避妊といった多くの効果が期待できる一方で、副作用やデメリットも存在します。ここでは、ピルの代表的な副作用について詳しく解説していきます。

1)はきけ・頭痛・倦怠感

ピルの服用を始めた直後や、体質によっては、吐き気、落ち込み、眠気、頭痛、倦怠感を感じることがあります。多くの場合、服用を続けることで徐々に症状は軽減するものの、持続する場合は医師との相談が必要です。

2)不正出血

ピル服用中に予期しない出血や腹痛が起こることがあります。このような出血は不正出血と呼ばれ、特にピルの初期服用時によく見られる副作用の一つですので特に心配はいりません。ただし、継続的に不正出血が続く場合や腹痛が強い場合は、ピルの種類の変更や医師の診察が必要となることもあります。

3)胸が張る・乳房痛

ピルに含まれるホルモンの影響で、胸が張る感じや乳房痛、時には熱が出ることもあります。これらの症状は、体や乳腺組織が反応しているからです。症状が強い場合や持続する場合は、医師との相談をおすすめします。

4)血栓症(血管内にできた血の塊により血管がつまる病気)

ピルの服用により、まれに血栓症のリスクが高まることが知られています。この血栓は、血管内で血液が固まる現象です。特に、喫煙者や高齢の方、長時間の移動をともなう旅行後などは注意してください。足の痛みや腫れ、呼吸困難などの症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診することを強くおすすめします。

7.低用量ピルを飲み忘れたらどうする?ケース別の対処法を紹介

ピルは、内服が遅れたり、胃腸障害などで吸収が悪い時は、ピルの効果が減少します。また、不正出血が現れやすくなる可能性があります。

そのため、日できる限り同じ時間に服用することが大切です。

しかし、ピルを飲み忘れてしまうこともあるでしょう。そんな時、どのように対処すれば良いのでしょうか。ここでは、飲み忘れた場合のケース別の対処法をわかりやすく紹介します。

1)24時間以内(1日分1錠):気づいた時点で飲み忘れ分を服用

もしピルを飲み忘れたと気づいたら、24時間、つまり1日以内であれば、すぐに飲み忘れた分を服用しましょう。このように対応することで、避妊効果は継続されます。

2)24時間以上(2日分2錠):飲み忘れに気付いた時点で飲み忘れ分を服用、当日の分を予定の時間に服用

24時間以上ピルの服用を忘れてしまった場合、特に2錠以上飲み忘れたとき、避妊効果が低下するリスクが高まります。この場合、ピルの服用を一時中止し、次の生理が始まった初日から再度服用を開始する、か、あるいは、飲み忘れの分も服用するのであれば、7日間連続して服用するまで避妊をすることが大切です。この期間中は、安全のためほかの避妊方法を併用することをおすすめします。

8.低用量・超低用量ピル服用中の検査

ピルを服用していても、消退出血が起きないことで、妊娠の可能性も考慮しなければならないことがあります。そんな場合、不安な方は婦人科などで超音波検査や妊娠反応検査を受けることをおすすめします。

また、さらに、半年〜1年に1回の血液検査が推奨されています。この検査では、貧血、肝機能、脂質系のチェックを行い、血栓症のリスクを評価するためのD-dimer(Dダイマー)の検査も行われることもあります。自分自身の健康を守るために、定期的に検査をうけることをおすすめします。

ピル処方で必要な検査一覧

<提供>

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9.ピルに関するよくある質問

Q1.ピルの正しい服用方法が知りたいです

低用量ピルを服用する際は、生理が始まった初日から定められた時間に1錠を摂取することが大切です。一方、アフターピルは、性的接触後の72時間以内に摂取することを心がけましょう。

Q2.ピルは健康保険が効きますか?

ピルで健康保険が適応になるのは、月経困難症や月経前症候群(PMS)、子宮内膜症といった病気であると診断され、その治療を目的とした場合に限られます。

避妊薬として使う場合は、健康保険の適応になりません。

Q3.ピルはいつまで飲めばいいですか?

ピルの服用期間は、個人の目的や体調によって異なります。避妊目的であれば、性行為がある期間中は継続的に服用することが必要です。また、ピルを中止した後は、約1カ月〜3カ月の間で通常の生理サイクルに戻ると考えられています。

Q4.ピルと一緒にほかの薬を飲んでもいいですか?

ピルと一緒に市販の薬を摂取する場合、大きな問題は生じないといわれています。しかし、病院での処方薬との組み合わせには注意が必要です。一部の薬は、ピルの効果を増強させたり、逆に減少させたりすることが考えられます。そのため、医師や薬剤師との相談が欠かせません。

Q5.ピルを飲んではいけない方はいますか?

次のような方は、ピルを服用することができません。

  • 肥満(BMIが30以上)
  • 高血圧(血圧の数値が160/100mmHgを超えている)
  • 重度の喫煙者(35歳以上で、1日に15本以上)
  • 前兆のある片頭痛
  • 血管病変のある糖尿病
  • 肝硬変
  • 乳がん(乳がん手術から5年以内の方も該当します)
  • 血栓症の既往、素因がある
  • 4週間以内に手術を控えている
  • 妊娠している、または妊娠している可能性がある
  • 妊娠中のヘルペス既往
  • 産後3週間以内
  • 現在授乳されている
  • 14歳未満、50歳以上

ほかにも、既往歴や治療中の病気がある方や服用中の薬場合は、医師に相談しましょう。

Q6.低用量ピルが飲めない場合は、生理痛やPMSは我慢するしかないのですか?

ピルが内服できない場合には、ジエノゲスト(商品名;ディナゲスト)という医薬品やミレーナ(IUS:子宮内避妊システム)という子宮内に装着することで避妊の効果を得る「避妊リング」といった選択肢があります。生理痛や出血量が多いといった症状は我慢せず、クリニックで相談しましょう。

Q7.低用量ピルはオンラインで処方してもらえますか?

ピルを始めたいけれど、婦人科のクリニックや病院に行くのはハードルが高いと思う方は、オンライン診療を受けることが可能です。

ただし、便利な反面、検査を受けられないなどのデメリットもあります。

また、次のような方は、オンラインでのピル処方に適していません。

  • 肥満体型である
  • 血圧が高い
  • タバコを吸う
  • 血栓症の心配がある、家族が血栓症になったことがある

これらの場合は、ピルの服用を希望される場合は直接クリニックへ相談にいきましょう。

10.まとめ:ピルの基本知識を理解して健やかな毎日を送ろう!

ピルの基本的な情報や効果、種類、副作用について詳しく解説しました。

ピルが単に経口避妊薬としてだけでなく、女性の心身のサポートに大切な薬剤だとおわかりいただけたのではないでしょうか。

ピルに関する知識は、正しい服用や効果を最大限に得るために非常に重要です。

この記事を参考に、ピルの正しい知識を身につけ、健やかな毎日を過ごしてください。何か疑問や不安がある場合は、専門家である産婦人科医や婦人科医に相談することをおすすめします。

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