高濃度ビタミンC点滴・注射にどんな効果?医師と体験者が対談

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皮膚科専門医である東中野皮フ科クリニック院長の加藤雄一郎先生をお迎えして、高濃度ビタミンC点滴・注射の効果や施術の流れについてお話をお伺いました。費用は比較的リーズナブルで、内側からさまざまな効果が期待できます。この記事では、実際の体験も交えてビタミンC点滴・注射の効果をご紹介します。
このテーマの回答者
加藤雄一郎先生

東中野皮フ科クリニック

院長 加藤雄一郎

日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医/日本医師会認定 産業医
【所属学会】日本皮膚科学会 会員/日本美容皮膚科学会 会員/日本皮膚悪性腫瘍学会 会員/日本美容外科学会(JSAS)会員
【診療外実績】アラガン・ジャパン株式会社 ボトックスビスタ® 認定医
東京医科大学病院 皮膚科勤務を経て、大手美容外科の院長となる。

1.医師に聞くシリーズ「高濃度ビタミンC点滴・注射にどんな効果?医師と体験者が対談」

 

ナールス美容医療アカデミーでは、美容医療に携わる現役の医師に、肌老化や肌悩みを改善するためのさまざまな施術や医療機器についてお伺いした内容を、動画や記事としてお届けしています。

 

今回は、東中野皮フ科クリニック院長の加藤雄一郎先生に、高濃度ビタミンC点滴・注射の効果や施術の流れについてお話をお伺いました。

 

また、聞き手であるナールス美容医療アカデミー編集長富本充昭の体験談も掲載します。

 

高濃度ビタミンC点滴・注射は、費用もそれほどかからずダウンタイムもないので、初めて美容医療を体験する方でも比較的気軽に受けることができる施術です。

高濃度ビタミンC点滴・注射に興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。

本記事については、動画でもお届けしていますので、ぜひ、そちらもご覧くださいね。

<加藤雄一郎先生ご出演:10の効果も実は痛かった!体験者が語る高濃度ビタミンC点滴>

<加藤雄一郎先生からのメッセージ>

ビタミンCは、万能のビタミンと呼ばれますが、健康やアンチエイジング、美肌にとってとても大切な栄養素です。

赤ピーマンや黄ピーマンなどの野菜、アセロラやユズなどの果物に豊富なので、これらを積極的に摂ることも良い方法です。

ただし、ビタミンCは水溶性なので、多く摂っても余剰分は尿として排出されます。また、口から経口摂取しても、血中濃度はある一定以上からは上がりません。

 

ところが、直接静脈内にビタミンCを点滴で大量投与すると、経口摂取の数十倍の量が血管内に行き渡ります。

このビタミンCの特性を生かした治療法が、高濃度ビタミンC点滴・注射です。

ビタミンCの血中濃度を高めることにより、体の各組織に直接行き渡らせ、より高い健康増進効果や美肌効果、アンチエイジング効果が期待できます。

 

たとえば、美白効果や免疫を高める効果、疲労回復効果ほか、多くの効果が期待できます。

また、アメリカではがん治療の代替治療として研究されています。

 

今回は、そんな高濃度ビタミンC点滴・注射の効果をご紹介します。

2.高濃度ビタミンC点滴・注射の効果について加藤雄一郎先生に聞いた

Q1.高濃度ビタミンC点滴・注射とはどんな美容治療でしょうか。

高濃度のビタミンCを短時間に静脈注射によって全身に行き渡らせ、細胞の活性化による若返り効果を促進し、体の健康や美肌をもたらす治療です。

美容クリニックなどでは自費診療で受けることが可能です。

 

ビタミンC点滴・注射の量は、1回で12.5~25mgです。

12.5mgなら、点滴の場合は30分から45分、注射は5分程度です。

25mgなら、点滴の場合は1時間~1時間30分、注射は5分程度です。

 

高濃度ビタミンC注射と点滴は、成分や効果面では大きな違いはありません。

ただし、注射と比べて点滴は、効果をすぐに実感しやすい方が多いようです。

<参考記事>

高濃度ビタミンC点滴療法とは?カラダや肌への効果と危険性を検証

Q2.ビタミンCは、サプリメントや食べ物でも摂れますが、なぜわざわざ注射するのですか?

ビタミンCは水溶性なので、口から摂取したビタミンCは、体の中に行き渡る前にほとんどが尿として体外に排出されてしまいます。

だから、体内に蓄えておける量が限られています。

 

ビタミンCの効果を上げるためには、一気に血中のビタミンC濃度を高めて、全身に行き渡らせる必要があります。

内服ではそれが難しいですが、注射や点滴の場合、血管内に直接ビタミンCを投与するため、口からの摂取時よりも20〜40倍の血中濃度を保持したまま、体の隅々にまでビタミンCを行き渡らせることができます。

つまり、ビタミンCの持つ効果を最大限に得ようとすれば、口からの摂取よりも点滴のほうが圧倒的に優れているのです。

Q3.具体的にどんな効果が期待できますか?

ビタミンCは万能のビタミンとも呼ばれていますが、さまざまな効果を発揮します。

具体的には、次のような効果があります。

 

  • コラーゲン産生アップ

肌のハリの改善やシワ、ほうれい線などの肌老化の予防が可能です。

  • メラニン生成抑制

シミ予防による美白効果が期待できます。

  • 皮脂抑制

皮脂をコントロールするので、ニキビやニキビ跡、毛穴の悩みに効果的です。

  • 抗酸化

紫外線ダメージを軽減したり、全般的なアンチエイジングの効果が期待できます。

  • 免疫アップ

風邪や感染症の予防効果が期待できます。

  • がん予防

高濃度ビタミンC点滴は、抗酸化作用の強い過酸化水素をがん細胞内で発生させることにより、がん細胞を死滅させます。

また、がん細胞にだけ選択的に毒性としてはたらくことや、抗がん活性を有するインターフェロンを生み出す効果があると考えられています。

  • 疲労回復

活性酸素を除去し、血流が良くなることで肩こり、腰痛、だるさなどを改善します。また、役目を終えた細胞を早めに排出させるデトックス効果により、疲れにくくなります。

  • 生活習慣病改善

コラーゲン生成を増加させて血管を丈夫にし、血中脂質の酸化を抑え、動脈硬化を防いで心臓、脳の血管障害(心筋梗塞、狭心症、脳梗塞など)を予防します。

  • 抗アレルギー作用

アレルギーを防ぐので花粉症やアトピー性皮膚炎などの予防効果が期待できます。

  • 歯周病治療の予防・改善

抗酸化作用による効果をはじめ、歯茎のコラーゲンが増えるため、歯周病の予防にも役立ちます。

<参考記事>

ビタミンC不足は毛穴を目立たせ、老化スピードも速めてしまう

コラーゲンを増やすにはビタミンCのチカラが必要!



Q4.ビタミンC点滴・注射のエビデンスに関してはどこまでありますか?

ビタミンCは古くから強力な抗酸化作用を持つことが知られていました。そのため。病気の予防やアンチエイジングの目的で使用されてきました。また、高濃度のビタミンCは、抗がん作用を発揮することがわかってきました。

 

がんに対する高濃度ビタミンC点滴療法は、ノーベル賞学者のライナス・ポーリング博士が1970年代に「ビタミンCの投与によって末期進行がんの患者の生存期間が4.2倍~6倍延長した」という研究結果を発表したことがきっかけとなって、注目されるようになりました。

しかし、その後、時を経ずして否定的な論文が続けて発表されたため、その後の注目度は下がり、医療界でも話題になることは減ってしまいました。

 

ところが、2005年にアメリカ国立衛生研究所(National Institute of Hearth: NIH)から、『ビタミンCががん細胞に効くメカニズムに関する論文1』が発表されて以来、再び注目を集めるようになりました。

それを契機に、アメリカの大学病院などで臨床試験が行われるようになりました。

その後も、基礎研究ではビタミンCのがんへの効果を示唆する論文が2015年のScience誌に出ています。

 

こうした研究の影響を受けて、ビタミンC点滴・注射は病気の治療やアンチエイジング、美容医療の世界でも広まっていったのです。

ただし、現時点では、臨床におけるさまざまな究報告はあるものの、系統だった研究や大規模研究はありません。

そのため、エビデンスの観点からは、医学的に高濃度ビタミンC点滴・注射について効果があるといい切ることはできません。

 

一方、ビタミンC自体の効果は明らかにあるので、ビタミンC点滴・注射を行う意味はあると考えられています。

実際に多くの美容クリニックで取り入れられ、美肌効果や健康増進、病気の予防効果を実感している患者さんもいます。

病気の治療というよりも、健康増進や病気の予防、美肌への期待という点では期待して良いのではないでしょうか。

<参照論文>

(2005年の論文)
Pharmacologic ascorbic acid concentrations selectively kill cancer cells: action as a pro-drug to deliver hydrogen peroxide to tissues.

(2015年の論文)

Vitamin C selectively kills KRAS and BRAF mutant colorectal cancer cells by targeting GAPDH

Q5.どんな方に向いていますか?

次のような方で、ダウンタイムがない治療、比較的小さい費用で美容医療を受けたい方に向いています。

 

  • 体や肌のアンチエイジングを気軽に行いたい方
  • 体の内側から美白を目指す方
  • 疲れにくく風邪などをひきにくい体を目指す方
  • シミ・ニキビ・肌荒れの悩みがある方

Q6.施術の流れを教えていただけますでしょうか。

 

  1. 診察

    まずは、医師の診察からスタートします。健康状態や病歴などを医師がじっくりと診察いたします。医師の診察の結果によっては、高濃度ビタミンC点滴・注射を受けられない場合があります。

  2. 検査

    高濃度ビタミンC点滴・注射を行う方は、点滴を安全に行うためにG6PDスクリーニング検査を行います。G6PDとは、「グルコース6リン酸脱水素酵素」といって、赤血球の機能を保つための酵素です。抗酸化成分の濃度維持に重要な酵素で、欠乏していると薬剤や細菌感染、ソラマメの摂取などを引き金に溶血を生じます。また、G6PD欠損症の人に高濃度ビタミンC50gの点滴を行った場合、溶血反応が起こるとされています。また、高濃度ビタミンC25gを継続的に行う場合も溶血反応が出ることもあります。だから、G6PD欠損症という遺伝性の病気がある人は、高濃度ビタミンC点滴を受けることができません。

    このG6PDが欠損している人が、日本人では0.1~0.5%の確率で存在します。

    そのため、25g以上の高濃度ビタミンC点滴・注射を受ける場合は、事前にG6PD活性スクリーニング検査を行います。検査は少量(0.5mlほど)の血液を用いて行い、約30分で結果がわかります。

    なお、検査には費用がかかります。

  3. 施術

    検査で問題がなければ、目的や症状に合わせて、12.5~50.0gのビタミンCを点滴します。点滴の場合、所要時間は12.5gなら30分程度、50.0gなら60分~90分程度です。注射なら5分程度です。

Q6.ビタミンC点滴・注射の費用はどれくらいでしょうか?

クリニックによって違いますが、おおむね次のとおりです。

G6PD検査料  3,000円〜5,000円

12.5g   10,000円前後

25g   15,000円前後

50g     25,000円

Q7.効果が期待できる頻度や回数は?

個人差もありますし、目的によって変わります。

アンチエイジングや美容目的の場合は、2週間に1回程度を5回〜10回受けると効果を実感できるのではないでしょうか。

健康状態によっても異なりますので、治療回数や間隔はクリニックで医師に相談してください。



Q8.サプリ、美白化粧品、ほかの点滴などと併用しても良いのでしょうか?

高濃度ビタミンC点滴・注射は、毎日行うことはありませんので、ビタミンCやそのほかのサプリメントなどを摂ることは問題ありません。

また、ビタミンC誘導体などを配合した美白化粧品を使っても問題ありません。

さらに、グルタチオン(白玉点滴)点滴・注射やマイヤーズカクテル点滴・注射を同時に行っても大丈夫です。

<参考記事>

話題の白玉点滴の主成分「グルタチオン」の効果に迫る!

美白への過度な期待はお肌をダメに!正しい美白化粧品の選び方の秘密

ビタミンC誘導体化粧水の選び方はエイジングケアの視点で

Q9.ビタミンC点滴・注射で注意する点はありますか?また、治療を受けられない方はいますか?

重篤な副作用はないと報告されています。

ただし、点滴・注射の際には、人によって血管痛が出ることがあります。そのため、温めたり、点滴速度をゆるめたりすることで対応します。

 

ほかには、大量投与で腎臓に負担がかかったり、口渇(のどの渇き)や低血糖(めまい、冷や汗、疲労感など)の可能性があります。

医師がその状態に応じて、適宜対応します。

 

高濃度ビタミンC点滴・注射を受けられない方は、次のとおりです。

  • G6PD欠損症の方
  • 腎不全があり、透析中あるいは透析が必要となる可能性の高い方
  • 心不全や不整脈の方、浮腫、腹水のある方
  • ビタミンC過敏症の方

このほか、医師が診察で不適切だと判断する場合もあります。

Q10.ネットなどでは、高濃度ビタミンC点滴・注射で「白髪になる」といった情報を見かけたのですが、真偽はいかがでしょうか。

結論からいえば、根拠のないことなので心配する必要はありません。

もちろん、私自身も高濃度ビタミンC点滴・注射でそんな副作用が出たという患者さんの経験もありません。

 

「ビタミンCがメラニンの生成を抑える作用があるため、髪の色素であるメラニンが抑制されて白髪になるのでは?」という不安からでた疑問だと思いますが、そうした報告は見当たりません。

 

3.高濃度ビタミンC点滴・注射とマイヤーズカクテルを同時に体験

この対談に先立って、ナールス美容医療アカデミー編集長富本充昭が初めて高濃度ビタミンC点滴とマイヤーズカクテルを同時に体験しました。

高濃度ビタミンC点滴に用いる医療器具

マイヤーズカクテルとは、「カクテル」の名のとおり、ビタミンB群・ビタミンC・マグネシウム・カルシウムを混ぜたものです。

全身倦怠・疲労や慢性疲労症候群、アレルギー性鼻炎ほか、さまざまな症状に効果が期待できる治療です。

当日は、12.5gの高濃度ビタミンC点滴とそれに続いてマイヤーズカクテルを点滴しました。

ソファに寝ながらリラックスして点滴を行ったので、不安もまったくありませんでした。

注射そのものは痛くなかったですが、高濃度ビタミンC点滴が30分で終了した後、マイヤーズカクテルがスタートして10分程度経過した頃、つまり合計40分経過したくらいから、腕に痛みとだるさを感じました。おそらく、これは血管痛です。

我慢できないほどではありませんでしたが、点滴の終了までだるさは続きました。

しかし、点滴の終了後はまったく問題ありませんし、ほかの副作用もまったくありませんでした。

 

効果に関してですが、体がやや軽くなった感覚はありましたが、劇的に何かが大きく変わったことはありません。

もともと、体調に問題があるわけではなかったことも影響していると思います。

おそらく高濃度ビタミンC点滴をはじめ、美容点滴・注射は1回で大きな効果があるわけではなく、継続的に行うことで予防美容や健康増進に役立つものだと思います。

 

個人的には、高濃度ビタミンC点滴やグルタチオン点滴などを1ヵ月に1回程度継続していく予定です。

4.まとめ

東中野皮フ科クリニック院長の加藤雄一郎先生をお迎えして、高濃度ビタミンC点滴・注射の効果についてお話をお伺いました。

また、聞き手でありナールス美容医療アカデミー編集長の私(富本充昭)の高濃度ビタミンC点滴の体験もご紹介しました。

高濃度ビタミンC点滴・注射は、美容医療の中では費用もそれほどかからず、またダウンタイムもない治療なので比較的気軽に受けられるものです。

私自身は、仕事が忙しく疲労気味の場合、また、ゴルフの前日などに白玉点滴などとあわせて年間10回程度の治療を受けています。

もし、仕事やプライベートでストレスがあったり、疲れを感じている方は、男性でも検討してみてはいかがでしょうか。

この記事が、高濃度ビタミンC点滴・注射に興味がある方のお役に立てば幸いです。

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