NMN点滴治療の効果はいつから?気になる料金や副作用も解説!

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NMN点滴は、若返り効果が期待できるアンチエイジング治療です。しわやシミ、たるみなどの肌悩みを改善するだけでなく、身体機能アップや睡眠の質向上にも役立ちます。本記事では、NMN点滴の効果や若返りの仕組み、効果が現れる時期、気になる料金相場や副作用についても解説します。NMN点滴を検討している人は、ぜひ、参考にしてください。

 

1.NMN点滴治療とは?若返り効果で話題のアンチエイジング療法

NMN点滴治療とは、ハーバード大学医学部の研究で「若返り効果」が見出されたアンチエイジング療法です。
デビット・A・シンクレア教授が自身の著書『LIFE SPAN 老いなき世界』の中で「NMM」についての研究結果を紹介したことから、メディアでも話題になり、多くの方が知るところとなりました。

デビット・A・シンクレア教授が紹介した研究は、ヒトの年齢に換算すると60歳相当になるマウスに一定期間NMNを投与すると、20歳相当にまで変化したという結果です。これが話題となり、NMNがマスコミや有名人も注目することになったのです。

NMNは「ニコチンアミドモノヌクレオチド」の略で、体のさまざまな臓器や組織を修復するはたらきがある成分(ビタミンB3の一種)です。NMNは体の中で自然に作られていますが、加齢とともに生産量が減っていきます。特に40代になると、10代後半のピークの半分になってしまいます。

そこで、アンチエイジングを期待して点滴によって直接投与するという「NMN点滴療法」が美容医療で人気が高まっています。
NMN点滴によって、肌質が若々しくなるだけでなく、身体機能の改善効果が期待できます。

NMN点滴治療は、肌や髪の毛に関しては、次のような方におすすめです。

  • しわやたるみ、ほうれい線が目立ってきた
  • シミが気になる
  • 肌のキメが乱れやすく透明感がない
  • 肌ツヤがなくなってきた
  • 髪の毛が薄くなってきた
  • 髪の毛が細くなった

体に関しては、次のような方におすすめです。

  • 体のだるさや倦怠感が気になる
  • 睡眠不足が気になる
  • 最近疲れやすくなった
  • 集中力が続かない
  • 物忘れしやすくなった
  • 健康診断などで高血糖が指摘された
  • 二日酔いしやすくなってきた

 

<監修医からのメッセージ>

マスコミや有名人、有名大学の医師なども注目のアンチエイジング成分NMN。
その重要性は、ワシントン大学医学部の今井眞一郎(いまい・しんいちろう)教授が唱えたものです。

サーチュイン遺伝子やミトコンドリアを活性化することで、肌や体のアンチエイジングが期待できることから、今では美容医療の分野で点滴治療でも応用されるようになりました。

NMNは、まだ研究が始まってそれほど長い期間は経ていませんが、多くの研究者が注目し、さまざまな臨床研究が始まっています。
たとえば、日本人研究者の発表で「健康な人の血中脂肪はNMN注射で減らすことができる」(*)といった研究報告も登場しています。

とはいっても、大規模な人の研究報告はなく、医薬品として承認されている状況ではありません。
期待も大きく、実際にNMN点滴治療で効果を実感している方も多いですが、まだ研究は発展途上です。

また、施術の費用がまだほかの美容点滴より高い傾向にあって、施術を受けるハードルが高いのがデメリットです。

NMN点滴治療が、今後の研究と生産量増加によるコスト低減によって、より多くの方に福音をもたらすことを期待します。

<参照論文>
(*)Kimura S, Ichikawa M, Sugawara S, et al. (September 05, 2022) Nicotinamide Mononucleotide Is Safely Metabolized and Significantly Reduces Blood Triglyceride Levels in Healthy Individuals. Cureus 14(9): e28812. doi:10.7759/cureus.28812

 

<参考記事>

最先端のアンチエイジング物質「NMN」の効果と安全性に迫る!

2.NMN点滴でなぜ若返る?秘密は長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)にあり

1)NMNの効果はサーチュイン遺伝子やミトコンドリアの活性化

サーチュイン遺伝子は、長寿遺伝子とも呼ばれます。元々は酵母の老化を抑制する遺伝子として発見されたものです。その後、人でも体のさまざまなところに「SIRT1~SIRT7」の7種類のサーチュイン遺伝子あることが発見されました。

サーチュイン遺伝子がつくる「サーチュインタンパク」には、ダメージを受けた細胞をDNAレベルで修復させるはたらきがあります。

具体的には、「糖・脂肪の代謝をあげる」、「インスリンの分泌を促して血糖値を下げる」など、健康や老化、寿命に深く関わっています。

NMN点滴によってサーチュイン遺伝子を活性化できれば、老化や免疫機能、心機能などの身体機能を改善し、若返らせることが可能です。

また、NMNは消化器官で分解されず、血中内に素早く入り込んで細胞に届けられます。そして、生きていくために必要なエネルギー源を産生する細胞小器官「ミトコンドリア」のエネルギー源となります。

ミトコンドリアが活性化すると、見た目の若返りに加えて身体機能も向上します。

2)NMNとNAD+とニコチン酸アミド

NMNと「NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)」、「ニコチン酸アミド(ナイアシンアミド)」は、一緒に紹介されるケースが多いです。

その理由は、この3つの成分が深く関係しているからです。

まず、化粧品成分やサプリメントとしても有名なニコチン酸アミド(ナイアシンアミド)は、酵素のはたらきでNMNに変換されます。

また、NAD+はNMNからつくられる物質で、NMNが細胞に届けられる際にNAD+という物質に変わり、このNAD+がサーチュイン遺伝子やミトコンドリアの活性化を促進します。

NAD+は加齢とともに減少し、50代後半には20代の半分程になり、その後も減少し続けます。

NAD+が不足すると老化が進んでしまうのです。

だから、NMN点滴でNAD+を補うことがアンチエイジングに役立つのです。

 

<加齢によるNAD+の減少>

加齢によるNAD+の減少

 

<NMNとNAD+とナイアシンアミドの関係>

NMNとNAD+とナイアシンアミドの関係を表した図

 

<参考記事>

ナイアシンアミドの効果は?話題のシワ改善化粧品のおすすめ紹介!

3)NAD+を直接摂れない?

ここで、「NMNではなく、直接、NAD+自体を補えば良いのでは?」と疑問を持つ方が多いのではないでしょうか。

残念ながら、NAD+はそれ自体を摂取してもほとんど細胞に取り込まれず、十分に作用できないことがわかっています。その上、NAD+を高容量で投与すると不眠や疲労といった副作用が生じてしまうのです。

そんな経緯から、日本国内では食品として使用することができません。

そのため、体内でNAD+に変換するNMNを点滴で取り込むことが有効なのです。

NMNは細胞に取り込まれやすく、すぐに体内のNAD+濃度が高めるのです。



3.NMN点滴で期待できる効果は?こんな悩みにおすすめ

NMN点滴で期待できる効果を5つ紹介します。

1)肌トラブル改善

NMNを投与してサーチュイン遺伝子が活性化すると、ミトコンドリアが増えます。その結果、新陳代謝が上がり、肌のターンオーバーが改善したり、真皮の線維芽細胞の活性化が期待できます。

その結果、しわやたるみ、シミ、くすみ、毛穴の詰まり、ニキビなどの肌トラブルが改善するほか、キメやハリ、ツヤもアップします。

2)身体機能の改善

NMNを摂取して体内のミトコンドリアが増えると、老化にともなう身体機能も改善します。また、サーチュイン遺伝子が活性化することで脳や目の機能低下が改善し、体力もよみがえります。さらに細胞の修復力の向上も期待でき、糖尿病や心血疾患の予防や改善にも役立ちます。

3)思考・集中力の若返り

NMNを摂取して体内でNAD+へ変換されると、若返り効果が発揮されて頭がスッキリし、思考力や集中力の高まりも実感できます。また、NAD+が増加すると認知機能も高まり、脳の血流不足による脳細胞死を防ぐ効果もあります。

4)体内時計リズムの正常化

加齢によってNAD+が減少すると、体内時計のリズムが乱れて、不眠や頭痛を引き起こしやすくなります。とくに60歳を過ぎると、眠りを誘う「メラトニン」というホルモンの分泌が減少して睡眠の質が低下し、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めやすくなったりします。

NMN点滴によってNAD+が増えると、体内リズムが正常化するため、睡眠の質の向上にも効果的です。

5)代謝の向上

体内でエネルギー代謝が正常に行われるためには、NAD+が必要不可欠です。加齢によってNADが減少すると代謝が下がり太りやすくなりますが、NMN点滴を続ければ代謝機能も回復し、太りにくく痩せやすい体に近づくでしょう。つまり、ダイエイット効果も期待できるのです。

4.NMN点滴の効果はいつから表れる?回数や期間、料金は?

NMN点滴の効果が現れる時期や回数、治療期間、料金について解説します。

1)1回目の治療から効果を感じられる

NMN点滴の効果は個人差があるものの、1回目の治療から「寝つきがよくなった」、「眼精疲労が改善した」、「視界が明るくなった」といった変化を感じられる人もいます。

ただし、1回の治療で劇的な効果を実感できるわけではないため、老化予防や健康維持、美容、疲労回復などを目的とする場合は継続的な治療が必要です。

2)効果の持続には、定期的な治療が必要

NMNは、1回の点滴で2週間程度効果が持続すると考えられています。

NMN点滴の効果を持続させるには、定期的な治療が必要です。しっかり効果を実感できたあともNMN点滴の効果を持続するには、月に1〜4回程度の施術を3カ月〜6カ月間継続することをおすすめします。効果を実感できてからも月1回ぐらいのペースで治療を受けると、サーチュイン遺伝子の活性化が維持できます。長期的に施術を続けることで、調子のよい状態をキープできます。

3)NMN点滴の料金は約4~6万円。投与量により異なる

NMN点滴は自由診療のため、費用は全額自己負担になります。

現段階ではNMNを大量生産する方法が発見されていないため、1回あたりの料金が高めになっていることが多いです。また、上記の点滴代のほか、クリニックによってはカウンセリング料や初診料、再診料などがかかることもあります。

多くのクリニックでは、複数回の施術をセットで契約すると、1回あたりの料金が安くなります。

また、初回限定価格、初回お試し価格を設定しているクリニックもあります。

最安値だと初回限定で20,000円台の場合もあります。

NMN点滴の料金はNMNの投与量によって異なり、1回あたりの料金の目安は以下のとおりです。

 

投与量100mg150mg200mg300mg
料金相場30,000円~40,000円40,000円~50,000円50,000~80,000円80,000~120,000円

5.NMN点滴の治療の流れ

NMN点滴の治療の流れは以下のとおりです。

1)カウンセリング

まずは医師とのカウンセリングで、肌や体の悩みを相談し、今までの点滴経験や若返り治療などを共有します。医師から点滴の効果や副作用などについて説明があるので、不明点や不安な点などを質問しましょう。

また、費用については、施術費用だけでなく、オプションを含む総額についても確認しましょう。

2)施術

椅子などに座り、NMNが配合された製剤を左右どちらか一方の腕に点滴します。施術時間は点滴の量によって異なるものの、およそ15分〜60分程度が目安です。

3)アフターケア

点滴が終わったら患部を消毒・止血します。NMN点滴はダウンタイムがなく、点滴直後から普段通りの生活が可能です。現時点では大きな副作用は報告されていませんが、場合によっては血管痛や倦怠感、関節痛、微熱などの症状が現れることがあります。気になる点があればすぐに相談しましょう。



6.NMN点滴の副作用・デメリット・注意点

1)NMN点滴は危険?安全?重大な副作用の報告はなし

NMN点滴療法は新しい治療法なので、副作用への不安もあるでしょう。

幸いにも現段階では、NMN点滴による重大な副作用の報告はありません。また、慶応大学医学部で臨床試験が行われた結果、「人体に安全に投与できる」との報告が出ています。(*1)

また、兵庫医科大学の研究でも健康な成人に点滴でNMNを投与した結果、副作用などの大きな問題は起こりませんでした。(*2)

ただし、頭痛、吐き気、アナフィラキシー様症状(顔面蒼白、血圧低下、脈拍異常)などの報告がまれにあります。

また、注射を刺して点滴をするため、その部位に赤みや発疹が出ることはあります。また稀に投与部位や脇下の血管痛が生じる可能性があります。

これらは、点滴治療全般で起こりうる副作用のため、過度な心配はいりません。血管痛が生じても、多くの場合はゆっくり点滴を行って投与時間を延長することで痛みを抑えられます。

また、症状は数日で落ち着きます。

NMN点滴は、基本的には大きなリスクはありませんが、医師の管理の下に慎重に行うべき治療です。

 

<参照元>

(*1)世界初 抗老化候補物質NMNを、ヒトに安全に投与できることが明らかに

(*2)NMNの静脈投与の健常者に対する安全性観察研究

2)妊娠中・授乳中の人、腫瘍性の病気はNMN点滴を受けられない

妊娠中や授乳中にNMN点滴を受ける安全性は検証されていないため、施術を受けられません。妊娠の可能性がある方も同様となります。

また、がんなど腫瘍性の病気がある場合も受けられません。

3)アレルギー・疾患を持つ人は、医師に相談しよう

アレルギー疾患を持っている人や薬剤アレルギーがある人、現在治療中の疾患がある人は悪影響が出る可能性が否定できないため、必ず医師に相談しましょう。服用中の医薬品やサプリがある場合も、事前に医師に相談することをおすすめします。

4)NMN点滴療法のほかのデメリットは?

NMN点滴療法のデメリットは、施術料金が高いこととクリニックに通う必要があることです。

NMN点滴療法は製剤100mgでも30,000円以上のケースが多いです。回数割引があっても初診料、再診料などが加わると、5回受診すれば150,000円以上は必要になります。

また、点滴を受けるために月に1回から2回の頻度でクリニックに通う必要があります。多忙な方やクリニックまでのアクセスが悪い方にとってはデメリットになります。

5)そのほかの注意事項

  1. 未承認医薬品等である事の明示

    本治療に用いる遺伝子は、医薬品医療機器等法上の承認を得ていないものです。 日本では、未承認医薬品を、医師の責任において使用することができます。

  2. 国内の承認医薬品等の有無の明示

    同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。

  3. 諸外国における安全性等に係る情報の明示

    主要な欧米各国で承認されている国はありませんが、ワシントン大学医学部を始めとして、臨床試験(二重盲検無作為化試験)が開始されています。

7.NMNは点滴以外で摂取できる?

若返り効果があるNMNは、サプリメントや食べ物からも摂取可能です。また、最近では化粧品成分も登場しています。

1)NMNは食べ物からも摂れる?

NMNを含む食べ物は、トマトやブロッコリー、アボカド、えび、枝豆、マッシュルームなどが挙げられます。

しかし、その含有量はごくわずかです。そのため、若返り効果を期待する場合、ブロッコリーなら4000房、えびなら5000尾ほどを食事で摂る必要があります。

この量は、現実的ではなく、食事からの摂取ではアンチエイジング効果は期待できない可能性が高いといえます。

2)NMNはサプリメントでも摂れる

食べ物に比べるとサプリメントのほうが効率よくNMNを摂取できるものの、高品質のものは、1粒あたりの値段は数千円〜と高めで、1カ月に数十万円ほどかかってしまうこともあります。一方、1カ月数千円で済むものもありますが、純度が低く添加物の多い低品質の安いNMNサプリメントであることも。

そんなサプリメントを使用すると、ほとんど効果を感じられないこともあります。

経済的に余裕がある場合はNMN点滴に加えて、高品質のサプリメントを摂取することもおすすめです。

3)化粧品成分も登場

化粧品成分としてのNMNが登場し、エイジングケア美容液やフェイスマスクなどに配合されるようになってきました。

化粧品成分としては、ナイアシンアミドの効果も考えられ、線維芽細胞の活性化によるコラーゲンやヒアルロン酸産生なども期待されます。

そのため、肌のハリアップや小じわの改善効果が期待できます。

しかし、化粧品成分であることから効果は限定的です。

また、体への効果は期待できません。

以上のことから、NMNは食べ物やサプリ、化粧品よりも「点滴」で摂取する方法の効率がよく、吸収スピードも早いと考えられます。

また、コストパフォーマンスが良い可能性があります。

8.NMNの研究は進んでいる?

NMNに関して、国内外でさまざまな臨床研究があります。研究が終わり論文になっているものから、まだ研究が継続中のものもあります。

しかし、NMN点滴の大規模な臨床研究はなさそうです。

1)長期ニコチンアミドモノヌクレオチド補給後のニコチンアミドアデニンジヌクレオチド代謝と動脈硬化:ランダム化二重盲検プラセボ対照試験

NMNは、健康な中年成人のNAD+代謝を安全かつ効果的に上昇させました。また、NMNの補給は、動脈硬化を緩和する可能性を示しました。

 

<参照元>

The efficacy and safety of β-nicotinamide mononucleotide (NMN) supplementation in healthy middle-aged adults: a randomized, multicenter, double-blind, placebo-controlled, parallel-group, dose-dependent clinical trial

2)ニコチンアミドモノヌクレオチドの時間依存的な摂取が、高齢者の睡眠の質、疲労、および身体能力に及ぼす影響

この研究では、次のグループに分けて試験を行いました。

  • NMNを午前中に摂取するグループ
  • NMNを午後に摂取するグループ
  • プラセボを午前中に摂取するグループ
  • プラセボを午後に摂取するグループ

NMNを午後に摂取したグループで、時間依存的摂取によって身体機能障害や加齢に伴う疾患を予防できる可能性があることがわかりました。

また、同じグループで、疲労改善の傾向が生じました。

NMNを効率的に補給することで高齢者が抱く倦怠感を取り除き、健康状態をサポートしてくれる可能性があることもわかりました。

 

<参照元>

Effect of 12-Week Intake of Nicotinamide Mononucleotide on Sleep Quality, Fatigue, and Physical Performance in Older Japanese Adults: A Randomized, Double-Blind Placebo-Controlled Study

 

<参考記事>

プラセボは化粧品やメイクアイテムを使う際も効果的!美肌をサポート

3)ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)で高齢男性の運動機能が改善 

NMNを1日あたり250mg経口摂取することで、健康な高齢男性の筋力とパフォーマンスを改善する可能性が示唆されました。

その結果から、高齢男性でのNMN経口摂取による筋力改善の可能性が明らかとなりました。  NMNの経口摂取は、サルコペニアのような加齢に伴う筋力低下の予防に有効であり、超高齢化社会における予防医学の新たな選択肢となる可能性があります。

 

<参照元>

ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)で高齢男性の運動機能が改善 ~超高齢化社会の課題“サルコペニア”の予防効果に期待~



9.NMN点滴でよくある質問

Q1.NMN点滴治療は何歳くらいから受けるのがおすすめですか?

NMNは、40代ではピーク時の半分程度まで低下してしまいます。このため、NMN点滴治療は、40代もしくはその前の30代から受けることをおすすめします。

Q2.NMN点滴は効果がないという話を聞きますが、本当でしょうか。

効果を実感するかどうかは個人差があります。そのため、そのように感じる方は実際にいると思われます。

多くは、純度が低く添加物が入っている安価で低品質のNMNサプリメントを使われる場合や、NMN点滴治療を継続しない場合などの理由が多いのではないでしょうか。

効果を実感するためには、信頼できる医療機関で高品質のNMNの点滴治療を定期的に受けることをおすすめします。

Q3.健康保険は使えないのでしょうか?

NMN点滴療法は保険が使えない自由診療です。

美容目的でも、健康目的でも、健康保険診療の対象ではありません。

10.まとめ

NMN点滴治療の効果や発現時期、料金、副作用などをご紹介しました。

NMN点滴によって若返り遺伝子(サーチュイン遺伝子)を活性化させれば、エイジングケアだけでなく身体機能の改善や代謝の向上、集中力の高まりなど、さまざまな効果を実感できます。

40代を過ぎるとNMNの量はピーク時(10代後半)の半分程度まで減少してしまうため、40代以降の方にとくにおすすめです。

「しわやたるみ、シミなどが気になる」、「最近疲れやすくなった」、「集中力が低下している」などの悩みがある方におすすめです。

また、副作用も現時点では重篤なものはなく、安全な治療法です。

一方、NMN点滴治療の料金が高めであることや、人での大規模な臨床研究はまだないため、どこまで効果が期待できるかは未知数な点もあり、今後の研究成果が待たれるとことです。

この記事が、NMN点滴治療に興味のある方や施術を検討している方にとって、お役に立てば幸いです。

 

<参考文献>

NMNとは?体内での働き

NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)は、体内で補酵素NAD⁺の前駆体として重要な役割を果たします。NAD⁺はエネルギー代謝やDNA修復、抗酸化など多様な生理機能を支える分子であり、加齢に伴い減少します。このNAD⁺の低下を補う手段として、NMN補給は「エイジングケアの分子レベルのアプローチ」として注目されています【Grozio 2019】【Song 2023】。

NMN点滴の仕組みと内服との違い

NMNの摂取方法には経口・点滴などがあります。点滴は消化吸収を介さず、直接血中に取り込まれるため、NAD⁺レベルを短時間で上昇させる利点があります。実際、ヒトでのNMN点滴投与試験では、短期でNAD⁺上昇と代謝改善効果が確認されています【Kimura 2022】。一方、経口摂取でも60日程度で有意なNAD⁺上昇と代謝指標改善が報告されています【Yi 2022】。

NMN点滴の効果はいつから?

NMN点滴や経口投与の効果がいつ現れるかは、個人差がありますが、臨床研究では30〜60日程度で効果を確認した報告が多くみられます。たとえば、YiらのRCTでは、60日間の摂取により血中NAD⁺濃度が上昇し、6分間歩行距離の改善も見られました【Yi 2022】。また、高齢男性を対象とした研究では、長期投与によって筋力や持久力の一部改善も確認されています【Igarashi 2022】。これらの結果から、NMNの代謝活性化や抗疲労効果は1〜2カ月後に実感できる可能性があります。

NMN点滴の副作用・安全性

NMNはヒトでの安全性が複数の臨床試験で確認されています。Fukamizuらによる研究では、1,250mg/日を4週間投与しても有害事象の増加はなく、肝腎機能も安定していました【Fukamizu 2022】。さらに、12週間の長期投与試験でも動脈硬化指標の改善傾向が見られ、長期摂取でも安全性が高いと報告されています【Katayoshi 2023】。現時点では重篤な副作用報告はなく、比較的安全な補助療法と考えられます。

NMN点滴が向いている人・注意点

NMN点滴は、以下のような方に向いています。

・疲労回復や代謝改善を目的とする方

・エイジングケアや集中力低下が気になる方

・栄養吸収が落ちている中高年層

ただし、吸収経路や効果の持続時間には個人差があり、NMNの取り込み機構(Slc12a8など)に関しても議論が続いています【Song 2023】【Grozio 2019】。定期的な医師相談のもとで安全に実施することが推奨されます。

1.Kimura S, et al. Nicotinamide Mononucleotide Is Safely Metabolized and Significantly Reduces Blood Triglyceride Levels in Healthy Individuals. Cureus. 2022. DOI: 10.7759/cureus.28812

2.Yi L, et al. The efficacy and safety of β-nicotinamide mononucleotide (NMN) supplementation in healthy middle-aged adults: randomized, dose-dependent clinical trial. GeroScience. 2022. DOI: 10.1007/s11357-022-00705-1

3.Fukamizu Y, et al. Safety evaluation of β-nicotinamide mononucleotide oral administration in healthy adults. Scientific Reports. 2022. DOI: 10.1038/s41598-022-18272-y

4.Katayoshi T, et al. NAD metabolism and arterial stiffness after long-term NMN supplementation: randomized, double-blind, placebo-controlled trial. Scientific Reports. 2023. DOI: 10.1038/s41598-023-29787-3

5.Igarashi M, et al. Chronic NMN supplementation elevates blood NAD and alters muscle function in healthy older men. npj Aging. 2022.

6.Irie J, et al. Effect of oral administration of NMN on clinical parameters and nicotinamide metabolite levels in healthy Japanese men. Endocrine Journal. 2020. DOI: 10.1507/endocrj.EJ19-0313

7.Song Q, et al. The Safety and Anti-aging Effects of NMN: A Review of Clinical Trials and Preclinical Studies. Advances in Nutrition. 2023. DOI: 10.1016/j.advnut.2023.11.004

8.Grozio A, et al. Slc12a8 is a nicotinamide mononucleotide transporter. Nature Metabolism. 2019. PMCID: PMC6530925

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