大阪市淀川区のなかお三国ペインクリニックでは、膝などの関節の痛みに対し、PDF-FD療法・神経ブロック・リハビリテーションを症状や病態に合わせて組み合わせています。本記事では、中尾謙太院長への取材をもとに、包括的な疼痛治療の考え方や治療の流れ、費用を紹介します。
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※本記事は、なかお三国ペインクリニック院長・中尾謙太先生への取材と、同院の公式サイトの情報をもとに作成しています。
膝や関節の痛みが長く続くと、外出や運動を控えるようになり、筋力が落ちることで、さらに痛みが強くなるという悪循環に陥りがちです。慢性的な痛みには、体の状態だけでなく、気持ちや生活の要因も関わります。そのため、薬・注射・リハビリなどを一人ひとりに合わせて組み合わせる治療が勧められています【1】。変形性膝関節症の国際的なガイドラインも、運動療法と患者さんへの説明・指導を治療の中心に置き、患者さんごとに治療を組み合わせる考え方を示しています【2】。
大阪市淀川区の「なかお三国ペインクリニック」は、2025年に開院したペインクリニックです。阪急「三国」駅から徒歩8分、JR「新大阪」駅から徒歩12分の場所にあります。院長の中尾謙太先生は、日本ペインクリニック学会のペインクリニック専門医で、大阪医科薬科大学の講師を務めました。同院は広いリハビリテーション室を備え、理学療法士・作業療法士が在籍しています。神経ブロックで痛みを和らげ、リハビリで痛みが出にくい体をつくる治療を行い、関節治療の新たな選択肢として、PDF-FD療法も導入しています。
本記事では、中尾院長への取材をもとに、同院のPDF-FD療法と、神経ブロック・リハビリテーションを組み合わせた包括的な疼痛治療の考え方、治療の流れ、費用をご紹介します。
痛みを「多方向から」治療する理由
1)長引く痛みには、炎症・筋力低下・生活の変化などが関わる
長く続く痛みは、関節の炎症だけでなく、痛みをかばうことによる筋力の低下や姿勢の崩れ、睡眠や気分の変化などが重なって起こります。痛み・心理的な負担・睡眠は互いに影響し合うため、複数の治療を組み合わせ、多職種で支える治療が勧められています【1】。
中尾院長は、慢性的な痛みは単一の治療では改善しにくいと考えています。痛みを我慢し続けると活動量が減り、筋肉量や心肺機能の低下につながることがあります。そこで同院では、まず痛みをしっかり評価し、痛みの程度や原因に応じて治療の優先順位を決めています。
中尾院長がこの考え方に至ったのは、大学病院で多くの慢性疼痛の患者さんを診療してきた経験からです。痛みの原因は一つではなく、一つの治療で解決できる問題ではない。数多くの症例を通して、そう実感してきました。
![]() なかお三国ペインクリニック院長・中尾謙太先生 「大学病院で多くの慢性疼痛の患者さんを診るなかで、痛みの原因は一つではなく、一つの治療で解決できる問題ではないと感じてきました。神経ブロックで痛みを取っても、体の使い方に問題があったり、筋力が落ちていたりする方は、なかなか改善しません。痛みだけでなく、生活上の困りごとが残ってしまうこともあります。 当院では、痛みの点数を下げるだけの治療ではなく、患者さんが歩けるようになる、働けるようになる、旅行に行けるようになる。そうした普通の日常生活を取り戻すための治療を提供したいと考えています。」 |
2)神経ブロックで痛みを和らげ、リハビリに取り組みやすくする
神経ブロックは、痛みを伝える神経の近くに局所麻酔薬などを注射し、痛みの伝わりを抑える治療です。同院では、超音波(エコー)や透視装置で針の位置を確認しながら、極細の針で行っています。
膝の痛みに対して、エコーを見ながら膝周囲の神経に注射する神経ブロックを行ったランダム化比較試験(59人)では、偽の注射に比べて、注射後2〜8週の痛みが有意に軽くなりました【3】。また、膝の神経ブロックと物理療法を比べた研究(102人、両群とも自宅での運動を併用)では、どちらの群も痛みが軽くなり、12週後の6分間歩行の距離は神経ブロックの群でより伸びていました【4】。
中尾院長は、ブロック注射で痛みが和らいでも、生活や姿勢が変わらなければ痛みは再発しやすいと考えています。神経ブロックで痛みを軽くしてから、無理なくリハビリに取り組めるようにすることが、同院の治療の基本です。
運動療法が必要な方でも、痛みが強いためにリハビリがうまく進まないことがあります。同院では、神経ブロックで痛みを和らげてリハビリを進めやすくし、身体機能の改善につなげることを心がけています。
3)リハビリテーション(運動療法)は治療の土台

変形性膝関節症の運動療法について、139件の試験・12,468人を分析したCochraneの系統的レビューでは、通常のケア・無治療・限定的な教育と比べ、運動療法で痛み・身体機能・生活の質が改善する可能性が示されています。ただし、改善の大きさや根拠の確実性は評価項目や比較対象によって異なります【5】。
同院には理学療法士・作業療法士が在籍し、医師と連携して、筋力・関節の動きや日常生活での動作などを評価し、一人ひとりに合わせたリハビリを行っています。牽引装置や低周波・干渉波の治療器などの物理療法の機器もそろえています。保険のリハビリに加え、理学療法士がマンツーマンで指導する自費リハビリも用意しています。
関節治療の新たな選択肢「PDF-FD療法」

1)PDF-FD療法とは
PDF-FD(Plasma Derived Factor-Freeze Dry)療法は、ご自身の血液から成長因子などの成分を取り出して濃縮し、凍結乾燥した製剤を患部に注射する治療です。血小板や白血球などの細胞を含まない製剤を使い、使用時に溶解して注入します。
同院では、変形性膝関節症のほか、半月板損傷、母指CM関節症、靭帯損傷、テニス肘・ゴルフ肘、足底腱膜炎などを対象にしています。
同院がPDF-FD療法を導入したのは、薬物療法や運動療法、ヒアルロン酸注射といった従来の治療を続けても痛みが残る患者さんに、手術以外の選択肢を示すためです。手術が選択肢となる場合でも、仕事の都合で受けられない方や、手術に抵抗がある方も少なくありません。
![]() なかお三国ペインクリニック院長・中尾謙太先生 「手術はどうしても難しい、という患者さんはたくさんいらっしゃいます。そういう方にご提示できる選択肢の一つとして導入しました。 ただ、軟骨が再生するといった証明はまだされておらず、効果についてもエビデンスがそろっているわけではありません。万能な治療という位置づけではなく、病態や患者さんのご希望、費用面も踏まえて検討する選択肢の一つと考えています。」 |
▶関連記事:PDF-FD(C-PRP)療法とは?効果・安全性・適応疾患をエビデンスで検証
2)期待できる働き
成長因子には組織の修復に関与する働きがあり、IL-1ra(インターロイキン1受容体拮抗物質)には、炎症に関わるIL-1の作用を抑える働きがあります。同院では、こうした成分を利用して痛みや動きの改善を目指しています。関連する凍結乾燥PRP由来製剤(VFD)の基礎研究では、1年間保存後もIL-1raなどの成分量が保たれていました【6】。ただし、これは同院のPDF-FDそのものの臨床効果や保存性を直接検証した研究ではなく、軟骨や損傷組織の再生を証明するものでもありません。
3)報告されている研究
関連製剤であるPFC-FDの前向き研究では、変形性膝関節症の患者312人が登録され、12か月時点の主要評価対象302人の62%が改善基準を満たしました(論文抄録の集計)。約6%に重篤でない有害事象が報告され、主に注射部位の痛みや腫れでした。重症例は軽症例より改善しにくい傾向でした【7】。対照群のない研究であり、同院で使用するPDF-FDと同一製剤の結果ではありません。
また、変形性膝関節症の51人を、血漿由来の製剤(PDF)と血小板由来の製剤(PFC)に無作為に分けて比べた国内の研究では、4週後の膝の痛みはPDFの群で有意に軽くなっていました【8】。ただし、少人数・短期間の比較であり、長期的な効果や他の治療に対する優位性まで確立したものではありません。
▶関連記事:PDF-FD(C-PRP)療法の整形外科領域の効果と安全性を検証
4)成長因子を高濃度にした「PDF-FD5」
同院では、通常のPDF-FDに加え、成長因子やIL-1raの濃度を高めた製剤「PDF-FD5」も用意しています。ただし、濃度が高いほど臨床効果が高いということは、現時点では確立していません。そのため同院では、どちらが優れているとは断定せず、この点を説明したうえで患者さんに選んでもらっています。最初からPDF-FD5を選ぶ方もいれば、まず通常のPDF-FDから始め、効果が期待できそうであれば次にPDF-FD5を検討する方もいます。
2026年の国内比較研究でも、通常のPDFと、IL-1raを増量してヒアルロン酸に添加したFD5を比べ、4週後の痛みや機能の改善率に有意な差はみられませんでした【9】。なお、この研究のFD5はヒアルロン酸に添加して注射しており、同院のPDF-FD5と投与方法が同じとは限りません。少人数・短期間の研究であり、製剤の優劣を断定する根拠にはなりません。
![]() なかお三国ペインクリニック院長・中尾謙太先生 「手術はどうしても難しい、という患者さんはたくさんいらっしゃいます。そういう方にご提示できる選択肢の一つとして導入しました。 ただ、軟骨が再生するといった証明はまだされておらず、効果についてもエビデンスがそろっているわけではありません。万能な治療という位置づけではなく、病態や患者さんのご希望、費用面も踏まえて検討する選択肢の一つと考えています。」 |
なかお三国ペインクリニックの「組み合わせる」疼痛治療
同院では、痛みの原因や時期に合わせて、次のような治療を組み合わせています。
| 治療 | 主な役割 |
| 神経ブロック | 痛みの伝わりを抑え、つらい時期を乗り切る。リハビリに取り組みやすくする |
| リハビリテーション | 筋力・関節の動き・動作を整え、痛みの再発予防を目指す |
| PDF-FD療法 | 自己血液由来の成分を用い、痛みや炎症の軽減を目指す |
| 内服薬・漢方・点滴 | 症状や体調に応じて選択する。薬の副作用にも配慮して治療を組み立てる |
| 体外衝撃波・動注治療 | 腱の付着部の痛みや、長引く関節の痛みに |
1)PDF-FD療法とリハビリテーション
PDF-FD療法による痛みや炎症の軽減を目指しながら、リハビリで膝を支える筋力や歩き方を整え、痛みが出にくい状態を目指します。
同院では、PDF-FD療法を単独で完結させず、リハビリテーションを併用する方針です。リハビリの過程で、痛みや身体機能の変化を一定期間確認していきます。
![]() なかお三国ペインクリニック院長・中尾謙太先生 「PDF-FDは、一発で治る魔法の注射ではありません。注射をしてやりっぱなし、というのは良くないと思っています。リハビリテーションも必ず一緒に行っていきましょう、ということは、治療の前にきちんとご説明しています。」 |
2)神経ブロックとリハビリテーション
痛みが強い時期は、神経ブロックで痛みを和らげ、そのうえでリハビリを進めます。注射が苦手な方には、物理療法などで対応しています。
3)腱や靭帯の痛みにも
凍結乾燥した成長因子製剤は、腱の治療でもリハビリと組み合わせて使われています。アキレス腱断裂を手術した競技レベルの高いスポーツ選手8人に、早期のリハビリとPFC-FDの注射を組み合わせた報告では、全員が元の競技レベルに復帰しました【10】。ただし、対照群のない8人の症例集積で、手術やリハビリも併用しているため、注射単独の効果は判断できません。同院のPDF-FDとは異なる製剤の報告です。
4)膝の痛みの治療の進め方
膝の痛みで受診した場合、まずは診察で、画像検査による関節の状態に加え、日常生活で困っていることや、生活にどのような支障が出ているかを伺い、痛みを評価します。

同院では、運動療法やヒアルロン酸注射など、従来の保険診療を優先して行います。それでも効果が不十分な場合に、自由診療のPDF-FD療法を検討します。最初からPDF-FD療法を行うことは、あまりありません。
一方で、ペインクリニックである同院には、ほかの医療機関で治療を続けてきたものの、痛みが改善せずに困って来院する方もいます。すでにヒアルロン酸注射などの治療を受けてきた方には、初診の段階からPDF-FD療法を選択肢の一つとして提案することもあります。
なかお三国ペインクリニックとは

1)クリニックの4つの特徴
① ペインクリニック専門医が、痛みを評価して治療を組み立てる
院長の中尾謙太先生は、ペインクリニック専門医・麻酔科専門医・指導医です。大学病院でペインクリニックと緩和ケアの診療・研究に携わってきた経験を生かし、痛みの原因と程度を評価したうえで、一人ひとりに合った治療を組み立てる「痛みのオーダーメイド治療」を行っています。
② エコー・透視下で行う神経ブロック
神経ブロックは、超音波(エコー)や透視装置で確認しながら、極細の針で行います。注射の痛みに配慮して、必要に応じて表面麻酔も使っています。硬膜外ブロック、神経根ブロック、星状神経節ブロックのほか、関節内注射などにも対応しています。

③ 広いリハビリテーション室と専門スタッフ
広いリハビリテーション室に、理学療法士・作業療法士が在籍しています。エアロバイクやトレッドミル、牽引装置、物理療法の機器もそろえ、痛みの治療と再発予防を一つのクリニックで受けられます。

④ 新大阪・三国から通いやすい
阪急「三国」駅から徒歩8分、地下鉄御堂筋線「東三国」駅から徒歩10分、JR「新大阪」駅から徒歩12分です。月・火・水・金曜日は19時まで診療しているため、会社帰りにも通えます。
2)院長プロフィール

| 項目 | 内容 |
| 氏名 | 中尾 謙太(なかお けんた)先生/なかお三国ペインクリニック 院長 |
| 主な経歴 | 2011年 大阪医科大学(現・大阪医科薬科大学) 卒業 2021年 大阪医科薬科大学病院 ペインクリニック外来医長 2023年 大阪医科薬科大学 講師 2025年 なかお三国ペインクリニック 院長 |
| 資格 | 医学博士 日本ペインクリニック学会 ペインクリニック専門医 日本麻酔科学会 麻酔科専門医・指導医 |
中尾院長は、大学病院でペインクリニックや緩和ケアの診療・研究に携わってきました。2025年に同院を開院し、地域の方の痛みの治療と再発予防に取り組んでいます。
3)基本情報
| 項目 | 内容 |
| 医院名 | なかお三国ペインクリニック |
| 院長 | 中尾 謙太 |
| 所在地 | 〒532-0005 大阪府大阪市淀川区三国本町3-7-16 三国本町クリニックビル3階 |
| アクセス | 阪急「三国」駅から徒歩8分 地下鉄御堂筋線「東三国」駅から徒歩10分 JR「新大阪」駅から徒歩12分 (Foods Market satake新大阪店の横) |
| 電話番号 | 06-6210-6301 |
| 診療科目 | ペインクリニック内科/リハビリテーション科/整形外科 |
| 診療時間 | 月〜土 9:00〜12:30 月・火・水・金 16:00〜19:00 木 14:30〜17:30 ※木曜日は担当医が週ごとに変わります(第1・3週 酒井先生、第2・4週 西村先生、第5週 成尾先生) |
| 休診日 | 土曜午後・日曜・祝日 |
| 予約 | WEB予約(自費診療はすべて予約制) |
| 公式サイト | https://nakao-pain.com/ |

PDF-FD療法の流れ
①診察:医師が痛みの原因や関節の状態を診察し、PDF-FD療法が適しているかを判断します。
②採血:製剤を作るための血液を採ります。感染症(HIV、B型・C型肝炎、梅毒)の検査も行います。
③製剤の作製:採取した血液から成長因子などの成分を取り出し、凍結乾燥した製剤を作ります。採血から注入まで、約2週間かかります。
④注入:採血から約2週間後以降に、製剤を溶解して患部に注入します。日帰りで受けられます。

⑤経過観察・リハビリや他の治療:同院ではリハビリを併用し、経過や症状に応じて他の治療も検討します。経過観察とリハビリは並行して行い、痛みや身体機能の変化を確認します。同院の公式サイトでは、効果を実感する時期の目安を治療後1〜3か月、持続の目安を約1年と案内しています。これは同院の説明であり、すべての方に同じ効果や期間を保証するものではありません。
注入後に痛みや腫れが出ることがあります。また、注射に伴う出血や感染などのリスクもあり、自己血液由来でも副作用や合併症が起こらないとは限りません。症状が強い、長引く、発熱を伴う場合は医療機関に相談してください。感染症検査の結果や体の状態によっては、治療を受けられない場合があります。
治療効果の確認と治療回数
同院では、治療の効果を、痛みの強さだけで判断しません。歩ける距離がどれくらい伸びたか、階段の上り下りで痛みがどう変わったか、外出できるようになったか、仕事で困っていたことがどの程度改善したかも評価します。膝の曲げ伸ばしの範囲(可動域)や、正座ができるかどうかも確認します。注入直後の反応だけで判断せず、リハビリを続けながら一定期間、経過をみていきます。
同院では、1回の採血で2本の製剤(バイアル)を作製します。両膝の場合は左右それぞれに1本ずつ、片膝の場合は約1か月あけて2回に分けて注入します。その後の追加治療は、症状や関節の状態、治療後の経過をみて判断します。
![]() なかお三国ペインクリニック院長・中尾謙太先生 「論文のデータでも、効果がそれほど長く続くわけではなく、だいたい1年から2年ほどです。今後は、2回目、3回目の治療を検討される方も出てくると思います。」 |
費用
| 項目 | 料金(税込) |
| PDF-FD | 70,000円 |
| PDF-FD5(成長因子を高濃度にした製剤) | 165,000円 |
| 動注治療(上肢:指・手・肘など) | 片側22,000円/両側33,000円 |
| 動注治療(下肢:膝・足・アキレス腱など) | 片側33,000円/両側44,000円 |
| 自費リハビリ(30分) | 4,400円(4回券16,500円) |
| 自費リハビリ(60分) | 6,600円(4回券24,200円) |
PDF-FD療法・動注治療・自費リハビリは自由診療(保険適用外)です。
PDF-FD・PDF-FD5の掲載料金には、診察料・検査料が含まれます。リハビリなどを組み合わせる場合の総額は、受診時に確認してください。
PDF-FD療法は、医療費控除の対象となる場合があります。
神経ブロック、内服薬、リハビリは、適応や診療上の要件を満たす場合に保険診療となります。PDF-FD療法と組み合わせる場合の診療区分・総額は、受診時に確認してください。
PDF-FD療法は、エビデンスが確立した治療ではありません。保険診療を中心とする同院では、あくまで選択肢の一つとして位置づけ、受けやすい価格に設定しています。
こんな方に
- 膝や関節の痛みが長く続き、外出や運動を控えるようになった
- ヒアルロン酸注射や痛み止めを続けているが、痛みが残っている
- 手術はできるだけ先にしたい
- 痛みが強くて、リハビリや運動を続けられない
- テニス肘や足底腱膜炎など、腱の痛みが治りにくい
- ペインクリニック専門医に、痛みの原因から相談したい
なかお三国ペインクリニックのPDF-FD療法に関するよくある質問
Q1. PDF-FD療法とPRP療法の違いは何ですか?
PRP療法は、血液を遠心分離して血小板を濃縮した液体(PRP)を注射する治療です。PDF-FD療法は、血液から成長因子などの成分を取り出し、細胞を含まない状態で凍結乾燥した製剤を使います。使用時に製剤を溶解して注入する点も異なります。
Q2. 注射は痛いですか?副作用はありますか?
注射時に痛みを感じることがあり、注入後に痛みや腫れが出る場合もあります。自己血液由来でも、副作用や注射に伴う出血・感染などのリスクがなくなるわけではありません。痛みや腫れが強い、長引く、発熱がある場合は医療機関に相談してください。
Q3. 治療は何回必要ですか?
同院では、1回の採血で2本の製剤を作製します。片膝の場合は約1か月あけて2回、両膝の場合は左右に1回ずつ注入する方針です。その後の追加治療は、症状や関節の状態、治療後の経過をみて医師が判断します。
Q4. 保険は使えますか?
PDF-FD療法は自由診療(保険適用外)です。神経ブロックや内服薬、リハビリは、適応や診療上の要件を満たす場合に保険診療となります。組み合わせる場合の診療区分や費用は事前に確認してください。
Q5. 治療を受けられないことはありますか?
採血時の感染症検査の結果や、体の状態によっては、治療を受けられない場合があります。診察の際に医師が判断します。
Q6. 注射が苦手でも治療を受けられますか?
注射が苦手な方には、リハビリや物理療法、内服薬・漢方薬などを組み合わせて対応しています。痛みの状態に合わせて、受けやすい治療からご相談いただけます。
院長からのメッセージ

「『年のせいだから仕方ない』『もう治らないと医者に言われた』。患者さんから、そうした声をよく聞きます。確かに、手術をしない場合、関節の変化を完全に元に戻せないことはあります。でも、関節の状態を元に戻せないことと、痛みや生活の困りごとを改善する方法がないことは、同じではないと思うんです。痛みを適切に和らげてリハビリを続けることで、関節は元に戻らなくても、痛みが楽になり、日常生活でできることが増えた患者さんはたくさんいらっしゃいます。
当院では、画像の変化だけでなく、痛みのために今何に困っているか、好きだったことの何をあきらめてしまったか、一人ひとりが何を大切にしたいかを必ずお聞きしています。お孫さんとお出かけしたい、旅行をもっとしたい、スポーツをしたい。求めることは患者さんによってそれぞれです。その目標に向けて、神経ブロックやリハビリ、鍼なども組み合わせ、患者さんと一緒に考えていきます。
ペインクリニックは敷居が高い、注射は嫌だと思われている方も多いのですが、お話をするなかで納得されて受けてみて、「やっておけばよかった」とおっしゃる方もいます。年齢だけを理由にあきらめる前に、一度ペインクリニックにご相談ください。」
まとめ|痛みの治療と再発予防を、組み合わせて

長引く関節の痛みには、炎症や筋力の低下、生活の変化など、複数の要因が関わります。そのため、一人ひとりの状態に合わせて治療を組み合わせることが大切です。
なかお三国ペインクリニックでは、ペインクリニック専門医が痛みを評価し、患者さん一人ひとりが大切にしたい生活の目標を伺ったうえで、神経ブロックで痛みを和らげ、リハビリで再発しにくい体づくりを進めています。関節治療の新たな選択肢として、PDF-FD療法も組み合わせられます。
膝や関節の痛みを我慢せず、まずは相談してみてください。
*本記事の情報は執筆時点のものです。診療時間・診療内容・料金は変更される場合があります。最新情報は公式サイトまたはクリニックに直接ご確認ください。
参考文献(エビデンス)
本文中で最初に引用した順に掲載しています。
【1】Cohen SP, Vase L, Hooten WM. Chronic pain: an update on burden, best practices, and new advances. Lancet. 2021;397(10289):2082-2097.
PMID: 34062143 DOI: 10.1016/S0140-6736(21)00393-7
日本語要旨:慢性疼痛の負担・診療・新しい治療をまとめた総説。慢性疼痛は生物学的・心理的・社会的な要因が相互に作用した結果と捉えるべきで、痛みと心理的苦痛・睡眠障害は互いに影響し合う。薬物療法・心理療法・統合的治療・侵襲的手技を組み合わせた、個別化された多面的・多職種での治療を推奨している。
【2】Bannuru RR, Osani MC, Vaysbrot EE, Arden NK, Bennell K, Bierma-Zeinstra SMA, et al. OARSI guidelines for the non-surgical management of knee, hip, and polyarticular osteoarthritis. Osteoarthritis Cartilage. 2019;27(11):1578-1589.
PMID: 31278997 DOI: 10.1016/j.joca.2019.06.011
日本語要旨:国際変形性関節症学会(OARSI)による膝・股関節などの変形性関節症の非手術治療のガイドライン。患者教育と、陸上での構造化された運動療法をすべての変形性関節症の中核治療とし、膝では体重管理も中核に位置づけた。患者ごとの状態に合わせて治療を組み合わせるためのアルゴリズムを示している。
【3】Shanahan EM, Robinson L, Lyne S, Woodman R, Cai F, Dissanayake K, et al. Genicular Nerve Block for Pain Management in Patients With Knee Osteoarthritis: A Randomized Placebo-Controlled Trial. Arthritis Rheumatol. 2023;75(2):201-209.
PMID: 36369781 DOI: 10.1002/art.42384
日本語要旨:変形性膝関節症の59人を、エコーガイド下の膝周囲の神経ブロック(ベタメタゾン+ブピバカイン、3か所)31人と、生理食塩水の偽注射28人で比較したランダム化比較試験。痛み(VAS)は2・4・8週後に神経ブロック群で有意に低かったが、12週後の群間差は有意ではなかった。短期的な鎮痛効果を示す研究である。
【4】Güler T, Yurdakul FG, Önder ME, Erdoğan F, Yavuz K, Becenen E, et al. Ultrasound-guided genicular nerve block versus physical therapy for chronic knee osteoarthritis: a prospective randomised study. Rheumatol Int. 2022;42(4):591-600.
PMID: 35165769 DOI: 10.1007/s00296-022-05101-8
日本語要旨:慢性の変形性膝関節症の102人を、エコーガイド下の膝の神経ブロック群51人と物理療法群51人に分けた前向きランダム化研究。両群とも自宅での運動プログラムを併用し、12週間追跡した。痛み(VAS)はブロック群7.01→3.71(2週)→5.08(12週)、物理療法群6.64→4.35→5.25で、両群とも有意に改善した(P<0.001)。12週後の6分間歩行の距離はブロック群でより伸びた(P=0.046)。
【5】Lawford BJ, Hall M, Hinman RS, Van der Esch M, Harmer AR, Spiers L, et al. Exercise for osteoarthritis of the knee. Cochrane Database Syst Rev. 2024;12:CD004376.
PMID: 39625083 DOI: 10.1002/14651858.CD004376.pub4
日本語要旨:変形性膝関節症に対する陸上での運動療法を139試験・12,468人で検討した系統的レビュー。通常のケア・無治療・限定的な教育との比較では、痛みや身体機能、生活の質の改善が示唆された。効果の大きさと確実性は比較対象や評価項目により異なり、臨床的に重要な改善に達するかには不確実性が残る。
【6】Nakajima R, Saita Y, Kobayashi Y, Wakayama T, Uchino S, Momoi Y, et al. Comparison of bioactive substances in novel-developed freeze-dried platelet-rich plasma (PRP) and activated normal PRP, and investigation of bioactive substance levels after long-term storage. Regen Ther. 2024;27:200-206.
PMID: 38571893 DOI: 10.1016/j.reth.2024.03.021
日本語要旨:健康な男性10人の試料で、凍結乾燥PRP由来製剤VFDと通常のPRPの成分を比較した基礎研究。別途、プロサッカー選手5人由来のVFDで保存性を調べ、1年後も生理活性物質の量が維持された。臨床効果を検証した研究ではなく、同院のPDF-FDそのものの保存性を証明するものではない。
【7】Ohtsuru T, Otsuji M, Nakanishi J, Nakamura N, Lyman S, Hanai H, et al. Freeze-dried noncoagulating platelet-derived factor concentrate is a safe and effective treatment for early knee osteoarthritis. Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc. 2023;31(11):4716-4723.
PMID: 37380754 DOI: 10.1007/s00167-023-07414-y
日本語要旨:変形性膝関節症312人を登録した、対照群のない前向き研究。PFC-FDを1回注射し、抄録では主要評価対象302人の62%が12か月後の改善基準を満たしたと報告した。約6%に重篤でない有害事象がみられ、重症例では改善しにくかった。PDF-FDとは異なる製剤の研究であり、本記事の数値は抄録に基づく。
【8】戸田佳孝, 増田研一. 変形性膝関節症に対する濃縮血小板由来成長因子注射と濃縮血漿由来成長因子注射の4週後の治療成績比較. 整形・災害外科. 2025;68(3):285-288.
DOI: 10.18888/se.0000003320
日本語要旨:変形性膝関節症の51人を、凍結乾燥した濃縮成長因子の血漿由来製剤(PDF)群27人と血小板由来製剤(PFC)群24人に無作為に分け、関節内に注射して4週後に比較した。治療後の膝の痛み(VAS)はPDF群がPFC群より有意に低く、治療前からの改善率もPDF群で有意に大きかった(いずれもP<0.001)。
【9】戸田佳孝, 大菅舞. 変形性膝関節症に対する抗炎症サイトカインを増量した濃縮血漿由来成長因子注射の効果. 整形・災害外科. 2026;69(9):1073-1076.
DOI: 10.18888/se.0000003916
日本語要旨:変形性膝関節症の49例を無作為に2群に分け、通常のPDFと、IL-1raを増量しヒアルロン酸に添加したFD5を比較し、4週後の痛み(VAS)およびLequesne重症度指数の改善率に有意差は認められなかった。短期の比較であり、両製剤が同等であることや長期的な優劣を証明するものではない。
【10】Morimoto S, Morio F, Matsumae Y, Nakamura M, Nakao Y, Tachibana T, et al. Clinical outcome of adding injection of freeze-dried platelet-derived factor concentrate to operative treatment accompanied by an early rehabilitation for Achilles tendon rupture in high-level athletes. Regen Ther. 2025;30:107-111.
PMID: 40511258 DOI: 10.1016/j.reth.2025.05.007
日本語要旨:アキレス腱断裂を手術した競技レベルの高いスポーツ選手8人に、早期リハビリとPFC-FDの注射を組み合わせた後ろ向きの症例集積研究。足の機能評価(AOFASスコア)は36.0から1年後に96.8へ改善し(P<0.001)、全員が元の競技レベルに復帰した。復帰までの期間は平均18.3週で、合併症はなかった。 対照群がなく、製剤単独の寄与は不明である。
※本記事は医療に関する情報提供を目的としたものであり、診断・治療方針は医療機関での診察に基づいて判断されます。
公開情報の確認元
確認日:2026年10月23日。クリニックの料金・診療時間・アクセス・院長経歴は公式サイトと照合。治療の考え方・進め方・回数・掲載料金の内訳は、中尾謙太院長への取材文字起こしと照合。
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