大人の百日咳の予防におすすめのマスクは？選び方も紹介

マスクは大人の百日咳の予防や感染拡大を防ぐ効果的なアイテムです。

現在、患者数は全国的に増加しており、深刻な健康問題として注目されています。

本記事では、大人の百日咳予防におすすめのマスクと選び方や正しい使い方をわかりやすく解説します。

この記事の監修

東中野皮フ科クリニック

院長

加藤 雄一郎先生

1.百日咳の予防や感染抑制にマスクは有効

百日咳は、百日咳菌（ボルデテラ・パーテュシス=Bordetella pertussis）によって起こる急性の呼吸器感染症です。

発症までに7～10日の潜伏期間があり、まずは鼻水や軽い咳など風邪のような症状が出ます（カタル期）。

その後、2～3週間にわたって激しい咳が続き（痙咳期）、回復までには長い場合で約100日かかることもあります。

この経過から「百日咳」と呼ばれています。

百日咳を防ぐ最も効果的な方法は予防ワクチンの接種です。

ただし、ワクチンの効果は永続的ではなく、接種から10年以上経過すると抗体が低下してしまいます。

そのため、大人にとってはマスクの着用や手洗い・うがいなどの基本的な感染対策も非常に重要です。

百日咳は、感染者の咳やくしゃみによる飛沫感染で広がります。

飛沫は約1～2メートルの範囲に届くため、マスクを着けることは、自分を守るだけでなく周囲への感染拡大を防ぐためにも有効です。

新型コロナウイルスやインフルエンザと同じように、百日咳も小さな病原体によって広がるため、マスクによる予防の意味は大きいといえます。

＜参照記事＞

百日咳とは（厚労省）

百日咳の発生状況について（国立健康危機管理機構）

マスクの着用について（厚労省）

＜参考記事＞

【2025年最新】大人の百日咳の症状や原因・治療・予防の対策

【2025年最新】大人の百日咳予防対策｜ワクチン・マスク・生活習慣まで徹底解説

2.百日咳をしっかり予防したいならおすすめはJ95マスク

百日咳やインフルエンザなどの感染症から花粉まで、可しっかりと感染予防したい方におすすめの抗菌4層不織布マスクが、「J95マスク」です。

1）J95マスクの特徴

2）J95マスクのおすすめの理由

①豊富な販売実績

J95マスクは、2025年9月現在の累計販売実績で5000万枚を超えています。

コロナ感染やインフルエンザなどの予防でも使われ豊富な販売実績があります。

②医療用クラスⅢ

J95マスクは、日本産業規格JIST9001が定める規格に合格した「医療用クラスⅢ」のものです。

医療用クラスⅢとは、医療用の中でもトップクラスのものです。

③日本人の顔型にフィット

日本人の顔型に適している点も大きなメリットです。

日本人の顔は欧米人と比較して鼻が低く、頬骨が張っているという特徴があります。

J95マスクはこうした特徴を考慮して設計されているため、より良いフィット感を得られる可能性が高いです。

特に長時間の着用が必要な場面では、フィット感の良さが快適性と予防効果の両方に影響します。

④国産で安心

生産工場は大阪で、国内の安全清潔基準のもと、最高品質を目指しつくられたマスクで、原材料の不織布の品質、調達や加工まで徹底的にこだわり、品質管理と衛生管理も徹底しています。

3）J95マスクの規格・価格

百日咳の予防におすすめのマスク

3.百日咳予防に効果的なマスクの選び方

百日咳を防ぐためには、どんな素材や種類のマスクを使うかよりも、顔にしっかりフィットするマスクを選ぶことが大切です。

ここでは、選び方のポイントを2つ紹介します。

1） 細菌や微粒子をどれだけ防げるかを確認する

マスクの効果は、細菌や微細な粒子をどれだけ捕集できるか（ろ過できるか）で決まります。

パッケージには以下のような表示があるので確認してみましょう。

• BFE（細菌ろ過効率）
• PFE（微粒子ろ過効率）
• VFE（ウイルスろ過効率）

これらの数値が高いほど、感染予防に有効です。

特に百日咳の予防では、BFE・PFEが95％以上のマスクを選ぶと安心です。

2） 顔にしっかりフィットするかどうか

どんなに高性能なフィルターを持つマスクでも、顔とマスクの間に隙間があると効果は大幅に下がってしまいます。

特に鼻のまわりとあご下のフィット感が重要です。

自分の顔に合ったマスクを選ぶために、以下を目安にしましょう。

• 耳から耳までの距離
• 鼻からあごまでの長さ

これらを測って、自分のサイズに合うものを選ぶと、隙間を減らして予防効果を高めることができます。

＜参照記事＞

マスクの着用について（厚労省）

感染防止のためのマスクの効果・選び方・注意点

4.マスクの種類と特徴

1）一般的な不織布マスク

日常的な百日咳予防には不織布マスクがおすすめです。

ポリプロピレンなどの繊維を重ねた構造で、飛沫を効率よくブロックします。使い捨てで衛生的、価格も手頃で入手しやすいのが特徴です。

フィルター性能はおよそ80～95％あり、咳やくしゃみの飛沫をしっかり防ぎます。装着時は鼻やあごを完全に覆い、隙間ができないよう注意しましょう。

2） 高機能マスク

感染リスクが高い環境（病院受診、人が多い室内イベントなど）では、高機能マスクが有効です。

高齢者や免疫力が低下している方にも特に推奨されます。代表的な種類は以下の3つです。

① J95マスク（日本規格）

日本人の顔型に合わせて作られており、フィット感に優れます。

フィルター性能はN95と同等で、0.3μm以上の微粒子を95％以上捕集。

国産品が多く、品質面で安心ですが、やや価格が高めです。

百日咳の予防におすすめのマスク

② N95マスク（米国規格）

医療従事者も使用する標準的な高性能マスク。微粒子を95％以上除去でき、百日咳やインフルエンザなどの予防に有効です。

密着度が高いため効果は大きいですが、正しい装着に慣れが必要で、呼吸のしづらさがデメリットです。

③ KF94マスク（韓国規格）

フィルター効率は約94％。立体的な構造で口元に空間ができるため、呼吸がしやすいのが特徴です。

性能はN95に近く、快適性が高いため日常使いにも向いています。

＜J95・N95・KF94マスクの比較＞

3）ウレタンマスクや布マスク

ウレタンマスクや布マスクは快適性やファッション性では優れていますが、フィルター性能は不織布や高機能マスクに劣ります。

• ウレタンマスク：飛沫捕集効率は約50～70％
• 布マスク：素材や枚数によって異なるが60～80％程度

感染予防を重視する場合は、不織布や高機能マスクを優先しましょう。

5.生活シーン別マスクの選び方

1） 医療機関を受診するとき

病院は感染リスクが高い場所です。特に呼吸器科や小児科を受診する場合は、高機能マスク（N95、J95、KF94など）を着用すると安心です。

自分を守るだけでなく、周囲への感染予防にもつながります。

2）人混みや公共交通機関

電車やバス、ショッピングモールなど、人が多く集まる場所では基本的に不織布マスクを使いましょう。

換気が不十分な空間や長時間の移動では、より安心のため高機能マスクの使用もおすすめです。

長時間着用すると効果が落ちるため、可能であれば途中で新しいマスクに交換してください。

3） 職場や学校での使用

職場や学校では、会話や人との接触が避けられない場面が多くあります。そのため、状況に応じてマスクを選ぶことが大切です。

特に会議や授業など、長時間人と向き合う場面では、高機能マスクを選ぶとより安全です。

4） 家庭内での使用

家庭でも感染対策が必要な場合があります。

家族の中に咳や熱などの症状がある人、高齢者や乳幼児がいる場合は、家庭内でもマスク着用を検討しましょう。

特に症状のある人は、家族にうつさないために必ずマスクをつけることが大切です。

＜生活シーンとおすすめのマスク＞

6.感染予防にはマスクを正しく使おう

1） 着用前に手を清潔にする

マスクをつける前には、必ず手を洗うかアルコール消毒を行いましょう。

汚れた手でマスクを触ると、マスクそのものが感染源になってしまう可能性があります。

2） 正しいマスクのつけ方

百日咳をはじめとした感染症を防ぐには、正しく着用することが大切です。

次のポイントを意識しましょう。

• 鼻と口の両方をしっかり覆う
• ゴムひもを耳にかける
• 顔にフィットするように調整する

さらに、以下も確認すると効果的です。

• 鼻やあごがはみ出していないか
• 鼻とマスクの間に隙間がないか
• 頬との密着が甘くないか

密着性を高めるには、マスクの端を軽く内側に押し込みましょう。

また、眼鏡をかける人は、マスクの上端を眼鏡の下に入れることで、曇りを防ぎつつ密着度も高められます。

3） マスクに飛沫がかかったときの対応

マスクに咳やくしゃみの飛沫が付着した場合、病原体が表面についている可能性があります。

外側には触れず耳ひもを持って外し、すぐに廃棄した後は必ず手洗いや消毒を行いましょう。

7.マスク着用時の注意点

1） 肌荒れ・乾燥・毛穴の詰まりに注意

長時間のマスク着用によって起こる肌トラブルは「マスク接触皮膚炎」と呼ばれることもあります。

主な症状は、肌荒れ・ニキビ・乾燥・毛穴の詰まり・かぶれなどです。

マスクの摩擦で肌が刺激を受けたり、外した直後に肌の水分が蒸発して乾燥することが原因です。

さらに、繰り返し刺激が加わると色素沈着が起こり、シミが目立つこともあります。

予防のためには、マスクをつける前後にしっかり保湿ケアを行いましょう。

化粧水や乳液で肌のバリア機能を整えることが、肌ダメージを軽減するポイントです。

＜参考記事＞

マスクによる肌荒れ・肌ダメージを防ぐ！選び方と使用時のスキンケア

マスク生活で増える毛穴や角栓の悩み！予防や改善の対策は？

マスクの摩擦でシミが目立つ！色素沈着の予防や改善法は？

マスク着用でほうれい線が目立つ！原因と予防や改善の対策

2） 夏場は熱中症に注意

夏でも百日咳の感染リスクはあるため、マスクの着用は有効です。

しかしその一方で、マスクをしていると熱がこもりやすく、熱中症のリスクが高まります。厚生労働省は、以下のような対策を推奨しています。

• 気温や湿度が高いときは、人と2メートル以上距離が取れる場所ではマスクを外す
• こまめに水分を補給し、脱水を防ぐ

感染予防と熱中症対策の両方を意識して、状況に応じたマスクの使い方を心がけましょう。

8.マスク以外でできる予防や感染を抑える方法

1） ワクチン接種による予防

百日咳を防ぐ最も確実な方法は、ワクチン接種です。

成人にも複数の種類のワクチンがあり、それぞれ特徴が異なるため、医師と相談しながら自分に合った接種計画を立てることが大切です。

ただし、百日咳ワクチンの効果は一生続くわけではありません。

接種から5～10年ほどで予防効果は弱まりやすいため、定期的な追加接種（ブースター接種）が推奨されています。

特に注意が必要なのは、妊娠を予定している女性や乳幼児と接する機会が多い大人です。

妊娠中にワクチンを接種することで、母体から赤ちゃんに抗体が移行し、生まれてから数か月間の感染リスクを減らすことができます。

2） 日常生活での感染予防対策

マスク以外にも、次のような基本的な習慣が感染予防に役立ちます。

①手洗い・うがい

流水と石けんで20秒以上かけて、指先や指の間、手首までしっかり洗いましょう。外出先では、携帯用のアルコール消毒液を活用すると安心です。

②咳エチケット

咳やくしゃみをするときは、ティッシュで口と鼻を覆い、使い終わったティッシュはすぐに捨てましょう。

ティッシュがない場合は、袖や上着の内側で口を覆います。

手のひらで直接覆うのは、他人や物に触れることで感染を広げる原因になるため避けてください。

これらの習慣は、百日咳だけでなくインフルエンザや風邪など、他の呼吸器感染症の予防にも効果的です。

9.百日咳や感染症予防のマスクの選び方に関するよくある質問（FAQ）

Q1. N95とJ95マスクではどちらがおすすめですか？

N95とJ95はどちらも高性能で、大きな性能差はありません。

ただし、J95は日本人の顔の形に合わせて作られているためフィットしやすく、説明書も日本語で詳しく書かれているため安心して使用できます。

価格もほぼ同じなので、使いやすさの点からJ95を選ぶ方が多いです。

Q2.高性能マスクが正しくフィットしているかどうかを確認する方法は？

マスクをつけた後、両手で覆って息を強く吸い込んでみましょう。顔にマスクが吸い寄せられ、空気の漏れを感じなければ正しくフィットしています。

また、強く息を吐いたときにマスクがふくらみ、端から空気が漏れなければ装着は適切です。

Q3.マスクはどのくらいの頻度で交換すればいいですか？

基本的に使い捨てマスクは1日1枚が目安です。

ただし、湿ってしまったり、汚れたりした場合はすぐに交換してください。長時間の使用で内側が湿ると、細菌が繁殖しやすくなります。

さらに、頻繁にマスクを触る環境では、より早めの交換が安心です。

Q4.外したマスクはどのように保管すればいいですか？

食事などで一時的に外すときは、清潔な袋や専用ケースに入れましょう。机の上など不潔になりやすい場所に直接置くのは避けてください。

未使用のマスクは直射日光を避け、湿気の少ない場所に保管すると長持ちします。

Q5.使い終わったマスクはどう捨てればいいですか？

使用済みマスクにはウイルスや細菌が付着している可能性があります。外すときはマスクの外側に触らず、耳ひもを持って外しましょう。

そのまま密閉できる袋に入れて捨てるのが安全です。処分後は必ず石けんで手洗い、または手指消毒をしてください。

Q6.高機能マスク（N95やJ95）は再利用できますか？

基本的には使い捨てが原則です。

ただし供給不足の際、医療機関などでは専門家の指導のもと再利用が認められることもあります。

その場合も、適切な保管と消毒が必須で、形が崩れたり汚れがある場合はすぐに廃棄します。家庭での再利用は避けるのが安全です。

10.まとめ

大人の百日咳予防に役立つマスクの選び方や正しい使い方をわかりやすく解説しました。

大人の百日咳は近年増加しており、重症化や周囲への感染拡大を防ぐためにも、マスクは重要な役割を果たします。

予防の基本はワクチン接種ですが、日常生活ではマスクを正しく活用することが大切です。

日常的には不織布マスクで十分な効果が期待できますが、医療機関を受診する時や人が多く集まるイベントなど感染リスクが高い場面では、J95・N95・KF94といった高機能マスクを選ぶとより安心です。

マスク選びのポイントは、フィルター性能（BFE・PFE95％以上推奨）と顔へのフィット感。

どんなに高性能でも隙間があれば効果は半減します。

さらに、使用前の手洗いや正しい装着、汚れや湿気がある場合の速やかな交換、飛沫が付着した際の安全な廃棄など、正しい使い方を心がけることも欠かせません。

百日咳は飛沫感染で広がるため、マスクは「自分を守る」だけでなく「家族や周囲を守る」行動でもあります。

状況に応じてマスクを使い分け、日常的な手洗いや咳エチケットと組み合わせることで、効果的に感染を予防していきましょう。