神戸大学医学部附属病院形成外科・美容外科の特徴は?客員教授の武川力先生にインタビュー

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最近では、大学病院でも審美目的の形成外科・美容外科に取り組む施設が増えつつあります。

そんな中で、神戸大学医学部附属病院は、2007年に国立大学の独立診療科としては全国で初となる美容外科が設立された臨床経験が豊富な大学病院です。

この記事では、そんな神戸大学医学部附属病院形成外科・美容外科の特徴などを客員教授の武川力先生へのインタビューを通してご紹介します。

 

<取材させていただいた先生>

神戸大学医学部附属病院 形成外科・美容外科

客員教授

武川 力 先生

<略歴>

2004年

名古屋市立大学医学部卒業

2006年

神戸大学医学部附属病院 形成外科

2007年

新日鐵広畑病院 形成外科

2009年

大分市医師会立アルメイダ病院 形成外科

2012年

川崎病院 形成外科医長

2014年

こやまクリニック 形成外科美容センター長

2019年

神戸大学医学部附属病院 形成外科・美容外科特定助教

2020年

神戸大学医学部附属病院 形成外科・美容外科病棟医長

2021年

LIKI CLINIC KOBE 開院・院長就任

2021年

神戸大学大学院医学研究科 形成外科・美容外科 客員准教授

2025年

神戸大学大学院医学研究科 形成外科・美容外科 客員教授

 

<所属学会・資格>

日本形成外科専門医

日本美容外科専門医(JSAPS)

日本創傷外科専門医

皮膚腫瘍外科分野指導医(日本形成外科学会)

小児形成外科分野指導医(日本形成外科学会)

 

1.神戸大学医学部附属病院形成外科・美容外科 武川力先生にインタビュー

神戸大学形病院全景

神戸大学医学部附属病形成外科・美容外科は、2007年の設立以来、安全で有効な治療の研究、技術だけでなく人間的にも優れた医師の教育、そして何よりも患者様のためになる診療に励んでいる診療科です。

 

美容外科は、審美目的の治療を行うため、健康な体にメスを入れる手術を行います。

それは、患者様の社会性に大きな変化を与えます。神戸大学医学部附属病形成外科・美容外科の医師や医療スタッフの皆さんは、その責任の重さを自覚し、真摯な姿勢で患者様に向き合い、時には寄り添う存在であることを目指しています。

 

今回は、そんな神戸大学医学部附属病院形成外科・美容外科の特徴や今後の展望について、客員教授の武川力先生にインタビューさせていただきご紹介します。

2.神戸大学医学部附属病院形成外科・美容外科に診療の考え方の基本

1)神戸大学医学部附属病院形成外科・美容外科ではどんな考えで診療に取り組んでおられるのでしょうか?

最近では、プチ整形という言葉がメディアで取り上げられることが多くなりました。

メスを使わないプチ整形はダウンタイムが短いこともあり、受け入れられやすいのでしょう。

しかし、たとえプチ整形でも合併症のリスクはゼロではありません。また、効果が限定的であったり、すぐに元に戻ってしまうなど、期待したほどの効果が得られないこともあります。

 

逆に大きな手術は、大きな効果が期待できる可能性があります。しかし、体への負担が大きく、ダウンタイムも長い点がデメリットです。
また、術後のトラブルがあったり、合併症などでお悩みの方も少なくありません。

神戸大学の美容外科では、大学の形成外科・美容外科である強みを生かした診療を行っています。

 

まず、形成外科専門医が十分な人数揃っているため、他院トラブルの対応や術後の合併症などの対応が可能です。

また、画像診断機器をはじめ機器が揃っているので、必要であれば画像検査を行なって、体の状態を把握することが可能です。

さらに、ほかの診療科との連携が可能な大学病院のメリットを活かし、その患者様に合った最適な治療法を考え、提案することができます。

たとえば、必要であれば入院していただくことも可能です。

もちろん、どんな患者様に対しても、治療法の長所と短所を十分に説明し、納得いただいた上で治療を進めています。

このように、大学ならではの体制を活かし、手厚くまた幅広く形成外科・美容外科の診療が行えることが大きな特徴だと考えています。

 

神戸大学形成外科・美容外科の部屋

<神戸大学医学部附属病院形成外科・美容外科 基本情報>

住所〒650-0017 神戸市中央区楠町7丁目5-2
公式ページhttps://www.med.kobe-u.ac.jp/cosme/
電話番号078-382-5822
診療科目美容外科/形成外科
診療時間月・火・水・木・金

8:30~16:20(完全予約制)

休診日土曜・日曜・祝日・年末年始(12月29日~1月3日)
アクセスJR 神戸駅から徒歩約15分 / 神戸高速鉄道 高速神戸駅から徒歩15分 / 神戸市営地下鉄 大倉山駅から徒歩約5分

アクセス詳細を詳しく見る

無料カウンセリングの有無なし

3.神戸大学医学部附属病院形成外科・美容外科の施術の範囲・種類や特徴

1)診療内容について教えていただけますでしょうか。

診療内容については、美容外科的なメニューから注入療法、美肌メニューなどを豊富に揃えています。

美容医療のイメージ

具体的には次のとおりです。

分類メニュー
上まぶたの治療二重埋没法

二重切開法

眼瞼下垂

眉下皮膚切除

眉毛リフト

上瞼たるみ取り

目頭切開

目尻切開

蒙古ひだ形成

脂肪注入

ヒアルロン酸注入

下まぶたの治療脱脂術

下まぶたのたるみ取り(下眼瞼除皺術)

経皮的眼窩脂肪移動術(裏ハムラ)

経皮的眼窩脂肪移動術(表ハムラ)

たれ目形成

脂肪注入

ヒアルロン酸注入

鼻の整形隆鼻術

鼻尖形成術

鼻中隔延長術

鼻翼縮小術(小鼻縮小術)

耳介軟骨移植

鼻骨骨切り

斜鼻修正

わし鼻修正

人中短縮術

鼻の修正手術

フェイスリフトフェイスリフト
脂肪吸引脂肪吸引
注入療法ヒアルロン酸

ボツリヌストキシン

脂肪注入

刺青除去・傷跡修正刺青(いれずみ)除去

傷痕(きずあと)修正

レーザー療法Qスイッチ付きルビーレーザー

Vビーム

炭酸ガスフラクショナルレーザー(アキュパルス)

お肌・皮膚の治療ほくろ切除、切開

しみの治療

いぼ

しかし、神戸大学の形成外科・美容外科では、治療が難しい場合の診療方針を決めるプロセスが民間のクリニックとは異なります。

週1回のカンファレンスで、形成外科医・美容外科医が約20名集まり、全員の経験や知識などに基づいて意見交換、ディスカッションをした上で診療方針を決めています。

また、神戸大学で美容外科に携わる医師は、全員が形成外科専門医です。

2)神戸大学の形成外科・美容外科で特に注力されている診療内容とは、どのようなものでしょうか。

 

神戸大学美容外科の部屋の入口

当診療科の患者様の半数くらいは、ほかの美容クリニックでトラブルがあった方です。

多くの患者様は、大学に形成外科や美容外科があることをご存知ないため、最初は民間の美容クリニックで施術を受けられます。

そこで何かトラブルがあったり、施術で合併症が起こった場合に、神戸大学に形成外科・美容外科があることを知って、全国から来院されます。

 

注力しているということではありませんが、結果的に他院でのトラブルがあった患者様を診療する機会が多くなっています。

もちろん、掲げている診療メニューも全て対応可能なので、初めての患者様も歓迎します。

3)形成外科・美容外科の体制取り組みについて教えていただけますでしょうか。

神戸大学の美容外科は、形成外科の中の外来診療科の一つですが、美容外科を訪れる患者様には、特別なケアが必要だと私たちは考えています。

そのため、完全予約制とすることで、待ち時間を限りなく少なくしています。

また、その待ち時間も、できる限り個室でお待ちいただくように配慮しております。

美容外科だけで独立したブースを有しており、ほかの診療科の患者様と一緒にお待ちいただく必要はありません(診察料のお支払いの際の窓口は共通です)。

 

美容外科の医師は、私を含め全員が大学で常勤しているのではなく、民間の美容クリニックでも診療に携わっています。

そのため、それぞれの医師の経験の幅が広く、それを集合知として活かしています。その結果、院内の知識レベルや技術レベルが高まるので、どんな患者様にも対応できる体制が築けています。

 

<神戸大学形成外科・美容外科の非常勤医師の先生方>

華山 博美 先生
華山 博美 先生 

岩山 隆憲 先生
岩山 隆憲 先生 

桒水流 健ニ 先生
桒水流 健ニ 先生

吉武 優 先生
吉武 優 先生  

多田 惇 先生
多田 惇 先生

4)神戸大学の美容外科ではどのように研鑽されているのでしょうか?

美容外科も学問として学び、エビデンスに基づく診療を行うことが大切だと思います。そのため、美容外科関連の学会に参加して最新の情報を入手したり、自分たちが行った治療を集約して発表するなどの活動を行っています。

また、医学論文の投稿なども行います。私もさまざまな論文を執筆し、投稿しています。

美容外科でも他の診療科と同じで、患者様にマイナスにならない真っ当な医療を提供するため、学び続けることは大切だと考えています。

 

<武川力先生の2020年以降の執筆論文一覧>

  • Daiki Kitano, Misako Morita, Chikara Takekawa, Safe and Effective Treatment Protocol for Facial Pigmentary Disorders in Asian Patients: A key to Success for Plastic Surgery Residents With Limited Clinical Experience in Aesthetic Dermatology. Cureus, 17(5):e83467, 2025.
  • 武川力:隆鼻術―男性と女性の求めるものの違いについてー.形成外科,67.1061-1069,2024.
  • Shunsuke Sakakibara, Akira Takekawa, Chikara Takekawa, Satoshi Nagai, Hiroto Terashi, Construction and Validation of an Image Discrimination Algorithm to Discriminate Necrosis from Wounds in Pressure Ulcers. J.Clin. Med. 2023.12(6).2194
  • Chikara Takekawa, Takeshi Fukumoto, Goichi Haraoka, Hiroto Terashi, Analysis of variation of orbital soft tissue by a novel method in magnetic resonance imaging, Plast Reconstr Surg Glob Open.2022 Jan 12;10(1):e4015.
  • 武川力、原岡剛一:鼻尖形成術の修正から学ぶこと.PEPASRS,176:57-72,2021.
  • 原岡剛一、武川力:挙筋腱膜弁の「あそび」としての効果に着眼した切開式重瞼術.PEPASRS,176:31-38,2021.
  • Chikara Takekawa, Takeshi Fukumoto, Goichi Haraoka, Hiroto Terashi, Combination treatment algorithm for pigmentary disorders of the face: A prospective observational study in Asian patients, J Plast Reconstr Aesthet Surg., 74:370-376,2021.

5)今後の展望について教えていただけますでしょうか。

 

神戸大学の美容外科では、大学と関連する美容クリニックなど、他院の医師の見学を受け入れています。

大学であるという立場では、美容外科医の教育が大切だからです。
美容外科は、人材育成という点では課題もあると思いますので、一人でも多くの資質の高い医師を育成できればと考えています。

 

一方、患者様対しては、今まで以上に神戸大学形成外科・美容外科の存在を認知していただきたいと考えています。

民間の美容外科では、他院でトラブルがあった患者様に対して、人員や体制の問題で十分に対応できないことが少なくありません。

 

そんな場合は、当院に来ていただければ適切な対応ができる可能性が高いと思います。

神戸大学形成外科・美容外科の特徴や体制を今以上の知っていただき、必要だと考える患者様に多く来院いただければと考えています。

4.来院される患者様について

1)年代や男女比はいかがでしょうか?

患者様の男女比率については、90%以上が女性です。

年代としては、20代で美容外科的な施術を受ける方と50代でアンチエイジングのための治療を受ける方が多いです。

もちろん、30代や40代の患者様も一定います。

2)どんな施術が多いのでしょうか?

私自身が眼瞼や鼻、フェイスリフトなどの顔面の形成外科的な治療が得意なこともあり、それらの相談を受けることが多いです。

医療機器を使ったり、ボトックス注射などの注入系の施術のような侵襲(*)の小さな施術は少なく、外科的な治療が多いです。

また、民間のクリニックからの紹介の患者様も多くなっています。自院での対応が難しいケースでは、そこから紹介を受けて来院される患者様も少なくありません。

(*)医療・医学で良く使われる言葉で、体に対して変化をもたらす刺激や行為全般、あるいは、痛みや苦痛などの負担を伴う医療行為(手術や薬の投与、検査など)全般のこと

5.武川力先生ご自身について

1)得意な施術を教えていただけますでしょうか。

私自身は、形成外科専門医であるほか、美容外科専門医、創傷外科専門医、皮膚腫瘍外科分野指導医、小児形成外科分野指導医です。

こうしたバックグラウンドから、顔の形成外科や美容外科の領域を得意としています。

具体的には、次の手術が得意です。

眼瞼の手術眼瞼下垂、重瞼術、目頭切開、目尻切開、たれ目形成、上下眼瞼のたるみ取り
鼻の手術隆鼻、鼻尖形成、鼻翼縮小、軟骨移植、鼻中隔延長、他院の修正
輪郭の手術フェイスリフト、顔の脂肪吸引

また、他院修正も得意です。

2)大学とご自身のクリニックの経営で大変かと思いますが、やりがいやご苦労されることはあるでしょうか?

私自身は、神戸市中央区三ノ宮で「LIKI CLINIC KOBE 」という美容皮膚科・美容整形・美容外科を経営し、院長を務めています。

神戸大学へはクリニックの休診日に勤務しているので、時間的な点では大変です。

しかし、大学では診療だけでなく、医学部生への授業を行ったり、カンファレンスがあるので、自分のクリニックではできないことに携わることができます。

 

また、鼻の手術の場合は、神戸大学の耳鼻科との連携や共同で手術を行うこともあります。

こうした活動で自分自身の視野が広がったり、見識が深まるなどのメリットもたくさんあります。

この点では大学の仕事とクリニックの経営の両方を行うことは自分自身にとって大きなやりがいだと感じています。

 

<ご参考>

神戸三宮の美容外科・美容皮膚科・形成外科LIKI CLINIC KOBE

6.武川力先生からのメッセージ

1)神戸大学医学部附属病院形成外科・美容外科への来院を検討されている方へのメッセージをお願いします。

神戸大学医学部附属病院形成外科・美容外科は、大学病院なので商業ベースではなく、エビデンスに基づく正しい診療を行っています。

民間のクリニックの場合は、どこを選んで良いかがわかないと悩んでおられる患者様も少なくないかと思います。

そんな場合は、ご相談だけでも良いので、神戸大学医学部附属病院形成外科・美容外科にご来院いただければと思います。

 

大学と言っても、自由診療の美容外科でどの医師も患者様の審美的な相談には親切かつ丁寧に答えて居ます。

相談を受けたかからと言って、必ずしも施術を受ける必要はありませんので、お気軽にご相談いただければと思います。

7.まとめ

神戸大学医学部附属病院形成外科・美容外科の特徴などを客員教授の武川力先生にインタビューさせていただきました。

大学で美容医療を受けられることを知らない方も多いですが、神戸大学医学部附属病院は、2007年に国立大学の独立診療科としては全国で初となる美容外科が設立されています。

 

今回のインタビューを通して、民間の美容クリニックと大学の美容外科との診療体制の違いがよく理解できました。

美容外科的な施術を検討されている方や他院での後遺症で悩まれている方は、神戸大学医学部附属病院形成外科・美容外科でカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。また、民間で施術を検討されている方もセカンドオピニオンとして相談してみる方法もあります。

 

この記事が、美容医療アカデミーの読者の皆様にとってお役に立てば幸いです。

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