ミラドライは皮膚を切開することなく、多汗症・ワキガに半永久的な効果を発揮する医療機器であり、治療法のことをいいます。これまでの根本的な治療法は手術しかなく、また、ボトックス注射でも一時的な効果しか得られませんでした。ミラドライを用いることで、この状況を克服することが期待できます。
本記事では、ミラドライのメカニズムやその効果、あわせて失敗例やデメリットなどを幅広く解説します。
岡山県の倉敷中央病院で初期臨床研修過程修了後に、同院形成外科で後期研修医として採用。
福岡大学形成外科入局、助教として採用難易度の高い手術、再建外科、抗加齢・美容医療を経験。
形成外科学会専門医資格を取得、同大学で医局長就任。
さらなる患者さんの生活の質の向上を目指し、六本松稲本クリニック形成外科、美容皮膚科を開院。
1.ミラドライは多汗症とワキガ治療の新たな選択肢
ミラドライは、厚生労働省とアメリカのFDA(Food and Drug Administration)が承認している、皮膚を切開することなく多汗症とワキガを治療する画期的な医療機器で、ワキの汗やニオイの元となる汗腺を皮膚を切らずにマイクロウェーブの照射により破壊する治療法です。
汗が気になり、仕事や日常生活に支障をきたす「多汗症」(医学的には「原発性局所多汗症」)の患者は、日本で約260万人。(*1)また、ワキガは約10人に1人の割合で発症するといわれています。(*2)
どちらも、汗腺から出る汗が原因。多汗症は自律神経の乱れなどにより汗の量をうまくコントロールできないことから起こり、ワキガは汗腺の一つであるアポクリン汗腺から出る汗が細菌と混ざり起こる症状です。
これまでは、それらの治療には手術を用いることが一般的でしたが、施術時間が長い上、傷跡が残るといったデメリットがありました。
また、比較的簡単な施術としてボトックス注射も用いられていますが、その効果は一時的です。
そんな状況で登場したのがミラドライです。ミラドライは施術が1日で終わり、さらに皮膚を切開することがないため傷跡が残らず、今や注目の治療法です。
ただし、正しく施術をしないと治療効果がない、多汗症が再発した、副作用が大きいなどのデメリットも報告されています。
この記事では、ミラドライのメカニズムやその効果、あわせて失敗例やデメリット、さらにその回避方法などを幅広く解説します。
<監修医からのメッセージ>
ワキ汗、ワキガなど多汗症治療は、軽症の場合は内服や外用薬があります。これらの中には健康保険が適応されるものもあります。
そのため、それほど症状がひどくない場合は、まず皮膚科で相談することもおすすめです。
一方、症状が重い場合は、従来は脇を切開して皮膚の裏側にある汗腺を削り取る手術しかありませんでした。手術は、術後に安静期間が必要だったり、腕が挙げられないため日常生活に支障をきたすなどのデメリットがありました。
こうした状況下で多汗症治療の新たな選択肢として登場したのがミラドライです。
ミラドライは、体への負担が少なく日常生活への支障が少ない上に、効果が長期に持続するメリットの多い治療です。
自費診療となるため、費用が高額になっている点に難がありますが、QOL(生活の質)を改善するにはおすすめの治療法です。
多汗症に悩んでいてミラドライによる施術を選択肢と考えている方は、一度、信頼できるクリニックで相談してみてはいかがでしょうか。
(*1)参照元
こんな脇汗は皮膚科に相談|脇汗スッキリProject|製薬会社のマルホ
(*2)参考元
「ワキガ」の原因、予防法・対処法について | ロート製薬: 商品情報サイト
2.ミラドライ治療はこんな方におすすめ
ミラドライは次のような項目に当てはまる方におすすめです。
- ボトックス注射でワキ汗を抑えているが、より効果が持続する治療を望んでいる
- 皮膚科で内服薬・塗り薬で多汗症を治療しているが効果が不十分
- ワキ汗・ワキガの悩みを早く解消したいが、手術は受けたくない
- ワキ汗が気になって、仕事や勉強に集中できない
- ワキ汗やワキガ、スソワキガが心配で、外出時に不安を感じる
- 季節に関係なく、いつも制汗剤が手放せない
- 一日に何度も着替えたり、シャワーを浴びる必要がある
- 汗ジミや汚れが気になって、着る服の選択肢が少ない
- 1度の施術でずっと効果を持続させた
- 手術で傷跡を残したくない
- 治療後、仕事・日常生活にすぐに戻りたい
3.ミラドライ治療の効果発現のメカニズム
発汗は、人が体温を調節するために大切な機能ですが、その量が過剰になるとQOL(生活の質)が下がってしまいます。
これが多汗症の問題ですが、汗腺から通常より多く汗が出ることが原因です。
汗腺には「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」があります。
エクリン汗腺は、分泌される汗の98%が水分で特にニオイを発しません。
一方、アポクリン汗腺は鉄分や脂肪酸、アンモニアなどの成分が含まれているため、若干粘り気があり、それが細菌と混ざることで特有のニオイを発します。これがワキガの症状です。
多汗症とワキガの治療には、この2つの汗腺のはたらきを抑えたり、破壊することが必要です。
ミラドライは、次のようなメカニズムで治療します。
1)ミラドライは水分に反応するマイクロ波を利用
ミラドライは、皮膚の表面から特定の周波数のマイクロ波を当て、汗腺を破壊する治療です。マイクロ波は、水分子に振動を起こすことによって熱を発する特性があり、その原理を利用しています。ミラドライの熱は汗を発する汗腺に集中的にはたらきかけ、汗腺そのものを破壊します。
2)ミラドライ治療の効果発現プロセス
ミラドライ治療は、以下のプロセスで効果が現れます。
施術前の評価と準備
施術前に、医師が患者の状態を確認し、治療計画を立てます。治療を始める前は、施術範囲にマーキングを行い局所麻酔を施します。
マイクロ波照射
麻酔が効いたことを確認したら、特定のマイクロ波を照射します。マイクロ波は表皮から汗腺のある真皮を通過し、水分を含む汗腺に吸収されて熱を発します。この熱によって汗腺の機能が破壊されます。マイクロ波の熱が及ぶ深さは、汗腺が集中するエリアに合わせて設計されているため、より深部にある脂肪層に影響することはありません。また、ミラドライは、ハイドロセラミック・クーリングという機能によって、表皮から真皮を照射と同時に冷却していきます。そのため、抵抗が少なく、エネルギーは深くまで伝わります。
さらに、真皮を熱から保護することができ、痛みも感じにくくなります。効果の発現
比較的、施術後すぐにその効果を感じられます。個人差はあるものの、一般的には汗の分泌が減少し、ワキの湿度をコントロールできるようになります。ミラドライ照射によって、7~8割の汗腺が破壊され、照射直後は残りの汗腺の機能も一時的に止まるため、治ったような効果を感じることができます。しかし、残った2~3割の汗腺が数ヶ月すると活動を再開するので、発汗量は少し戻ります。そのため、効果がないとか再発したと感じる場合もありますが、ミラドライ照射数ヶ月後に7~8割改善していれば通常です。
この状態が気になる場合は、再度ミラドライ照射を行うことで、より効果を高めることが可能です。持続期間
一度破壊された汗腺が再生することはありませんので、半永久的な効果を期待できます。
4.ミラドライのメリット
多汗症・ワキガの治療にミラドライを利用するメリットは以下の5つです。
1)手術なしで治療できる
ミラドライは外科手術を必要とせず、照射によって行う治療です。したがって、傷跡が残らず回復も早いため、周囲に気づかれることなく治療ができます。
2)効果が半永久的に続く
ミラドライの効果は半永久的とされています。一度の施術で汗腺の機能を制御できるため、通院を繰り返す必要がなく、時間とコストがかかりません。
ただし、クリニックの方針や患者の状態によっては、2回以上施術を行うこともあります。
3)汗腺にのみ反応するため安全性が高い
ミラドライは、特定のマイクロ波を使用し、汗腺だけを熱処理する設計になっています。汗腺以外の神経や組織に影響を与えないため、比較的安全性が高い治療法といえます。また、冷却装置で患部を冷やしながら施術を進めるので、肌の炎症リスクも抑えられます。
4)多汗症とワキガを同時に治療できる
ミラドライでは、多汗症の原因となるエクリン汗腺とワキガの原因となるアポクリン汗腺を同時に破壊するため、両方一度に治療することが可能です。
また、スソワキガの治療も可能です。
5)エビデンスに基づく治療法である
ミラドライは多くの臨床研究が行われており、その効果と安全性が確立されています。エビデンスに基づく治療法として、患者にとって信頼性が高い選択肢となっています。
また、最近ではミラドライの効果に関する医学論文も登場しつつあります。(*)
<ミラドライの研究報告>
5.ミラドライの治療の流れと施術後の注意・料金
次に、ミラドライの一般的な治療の流れと施術後の注意点、料金の目安について解説します。
1)施術当日の流れ
カウンセリング
医師との事前カウンセリングにより、治療計画を定めます。カウンセリングでは、医師やカウンセラーが汗やニオイの悩み、肌の状態や服薬状況などを確認します。また、ミラドライの施術内容や治療の流れ、注意点などの説明があります。ここで施術内容や料金など気になることがあれば、すべて相談しましょう。
マーキング
ワキの広さを測定し、発汗する場所、体毛の位置を確認しながら、患者の状態に応じてミラドライの照射範囲を決めます。照射範囲に合わせて、インクの転写シートを用いて正確にマーキングを行います。マーキング範囲は、照射漏れのないように少し広めに取ります。
麻酔
ワキの下に局所麻酔を行います。この麻酔により、施術中の痛みや不快感を軽減します。
照射
ミラドライでマイクロ波をワキの下に照射し、汗腺を破壊します。施術は片ワキに20~30分程かかるため、トータルで40~60分程度です。マーキングの範囲によってはもう少し時間がかかることもあります。基本的には、1回の治療で済むように、最大出力で照射します。なお、麻酔の効果で痛みはほとんど感じませんが、人によっては少しピリッとした刺激を感じる場合があります。
2)ミラドライの副作用
- 照射したワキの痛み・腫れ
- ワキや周辺部のむくみや違和感
- ワキのしこり
- ワキの内出血
3)帰宅後のケアと注意
施術後は、医師の指示に従って適切なアフターケアを行うことが大切です。特定の軟膏や保冷剤の使用が必要な場合もあります。
施術当日~3日間
施術後は、患部をこすらないように注意し、汗をかかないように心がけます。施術当日も入浴は可能ですが、長時間湯につかるとワキに熱がこもりやすくなります。施術後3日間は、シャワーを浴びる程度にしましょう。また、施術後の激しい運動は、1週間程度控える必要があります。ワキを動かさない運動(ランニングなど)であれば、翌日から可能です。施術後は、一時的にワキの腫れや痛みが現れます。アイスパックをいくつか準備しておき、当て布をしてワキに挟むと腫れや痛みを軽減できます。ただし、直接アイスパックを肌に当てたり、長時間冷やし続けたりすると、低温やけどの元になるので控えましょう。
3日目以降
日常生活での制限はありませんが、腕を大きく動かすような激しい運動は避けましょう。痛みや腫れを感じるときは、適宜アイスパックで冷やしてください。
1カ月後
1カ月ほど過ぎた時点で、まれに腕を上げたときに肌が突っ張ったり、肌の奥に違和感を感じることがあります。次第に改善しますが、マッサージやストレッチで軽くほぐすと改善が早まります。気になることがあれば、医師に相談しましょう。
4)ミラドライ治療を受けられない場合
妊娠中の方は、麻酔や施術の刺激による早産・流産などのリスクが考えられるため、施術を受けられません。出産後は可能ですが、内服薬によっては授乳を控える必要があります。
また、過去に多汗症やワキガの手術をしたことがある方、ワキの皮膚にトラブルがある方、アレルギーのある方はミラドライが適さないことがあります。少しでも不安なことがある場合には、医師に相談しましょう。
ほかでも次のような方は施術を受けることができない場合があります。
- 乳がんの手術をしたことがある方
- ワキに傷や炎症、腫瘍(良性含む)がある方
- 電子機器を埋め込んでいる方(ペースメーカーなど)
- 酸素投与されている方
- 糖尿病、膠原病、心臓疾患、出血性疾患、ケロイド体質の方
- ステロイド内服中の方
- 感染症をお持ちの方
5)ミラドライ治療の料金
ミラドライによるワキ汗治療は、自由診療となります。そのため、料金はクリニックによって異なります。
また、ワキやスソワキガなど部位によって料金が異なったり、照射回数(ダブル(二度照射)やトリプル(三度照射))、年間保証、またモニター価格などのさまざまなプランで料金が異なることもあります。
一般的に、1回(両ワキ)の施術料金は200,000~400,000円程度です。高額ですが、1度の施術での効果が期待できるため、コストパフォーマンスが高いと感じる方も多いようです。
実際の料金については、各クリニックにお問い合わせください。
6.ほかの多汗症治療との比較
ここでは、ミラドライとほかの治療(緩和)方法との比較について解説します。
1)制汗スプレー剤や吸収パッド
制汗スプレー剤や吸収パッドは、多汗症の症状を一時的に軽減する手軽なアイテムとしてよく利用されます。ただし効果は一時的で、数時間おきに使用または交換する必要があります。
また、市販の制汗スプレー剤の多くには塩化アルミニウムが含まれており、場合によっては皮膚に炎症を起こすことがあります。
2)塗り薬
多汗症の治療薬には、保険適応のエクロックゲルやラピフォートワイプと自費診療の塩化アルミニウム、外用薬のパースピレックスなどがあります。
軽症の場合は一定の効果はあります。
ミラドライと比べて費用は安いですが、根本的に治す治療ではなく、効果も短期間です。
3)ボトックス注射
ボトックス注射は、ワキに注射することで汗腺の活動を抑制する治療法です。効果は一般的に4~6カ月程で、効果が感じられなくなったら再度注射が必要です。ミラドライ治療と比較すると1回の金額は安いですが、定期的な通院が必要となりコストが嵩みます。
4)手術による治療
手術による治療は、症状が重度の場合に用いられます。多汗症ではワキを数センチ切開して交換神経の一部を切除する交感神経遮断術(ETS)、ワキガでは切開部分からアポクリン汗腺を除去する剪除法が用いられます。手術は効果的で持続性は高いですが、ダウンタイムが長く傷跡も残るため、最終手段として検討されることが多いです。
<ミラドライ治療とほかの治療の比較表>
ミラドライ治療 | ボトックス注射 | 手術治療 | 塗り薬 | |
治療内容 | マイクロ波によってワキの汗腺を選択的に破壊する | ボトックスをワキに注射して汗腺の活動を抑える | ワキを切開し、汗腺の除去や神経の切除を行う | 治療薬を塗る |
対象 | 中〜重度の ワキガ / 多汗症 | 軽度の ワキガ / 多汗症 | 重度の ワキガ / 多汗症 | 軽度の ワキガ / 多汗症 |
施術時間 | 1時間程度 | 10分程度 | 2~3時間程度 | なし |
持続期間 | 半永久的 | 4~6カ月 | 半永久的 | 短い |
料金相場 | 200,000~400,000円 | 30,000円〜 | 保険適用の場合20,000~60,000円程度 保険適用外だと100,000~200,000円 | 保険診療と自由診療あり 2,000円~5000円 |
傷跡の有無 | 残らない | 残らない | 数センチ程度の傷跡が残る | 残らない |
ダウンタイム | 2~3日程度 | ほとんどない | 2週間程度 | ない |
メリット | ・切らずに治療できる ・ワキガと多汗症が同時に治療可能 ・半永久的な効果が見込める ・安全性が高い ・ダウンタイムが少ない | ・施術時間が短い ・ダウンタイムが少ない | ・半永久的な効果が見込める ・保険適用になる可能性がある | ・手軽で費用が安い ・保険診療で使える薬がある |
デメリット | ・費用が高額 | ・効果が持続しない ・定期的な通院が必要 ・効果が表れるまでに数日~2週間ほどかかる ・注射時に痛みをともなう | ・ダウンタイムが長い ・傷跡が残る ・保険適用外だと費用が高額 | ・根本的な治療ではない ・効果の持続期間が短い |
7.ミラドライの失敗例とは?
ミラドライ治療を行った人の中には、効果を感じられなかったという人もいます。ここではミラドライの失敗例について解説します。
1)治療効果が感じられない
個人差があるものの、期待した効果が得られなかったと感じる方もいます。これは、照射漏れや照射の強さが不十分で、汗腺が正しく破壊されていないことが原因だと考えられます。医師のスキルレベルによるところもあるため、クリニック選びは慎重に行うことが大切です。また、治療効果が感じられない場合、治療を受けた医療機関に相談することも改善の糸口になります。
なお、クリニックによっては、他院のミラドライの失敗例を再度施術してくれるとこともあります。
2)ニオイがゼロにならない・再発する
ミラドライ治療で破壊できる汗腺の割合は、およそ7~8割といわれています。これが通常で、臭いを軽減する効果は見込めます。
ただし、完全にゼロになるものではないことを理解しておきましょう。
また、ミラドライで破壊されなかった2~3割の汗腺が、数ヶ月程経過すると再び活動を始めると汗やニオイが気になることがあります。
この発汗によって「汗やニオイが戻った」、「再発した」と感じるかもしれませんが、ミラドライでは7~8割程度の改善が正常です。どうしても気になる場合は、治療を受けた医療機関で相談することをおすすめします。
3)施術後の副作用が強い
施術後は痛みや腫れ、むくみが出ることがあります。一般的には施術後1〜2週間程度で落ち着きます。また、痛みが強い場合は医師に相談しましょう。
そのほか、ワキに硬さを感じたり、ワキが完全にしまらない、感覚が鈍いなどの違和感が生じる場合や治療後の汗腺の回復過程でしこりができる場合もあります。時間が経つにつれ徐々に治まるので、過度な心配は不要です。
しかし、個人差があるため、治療後の症状が長く続く場合もあります。ワキの腫れや凸凹状態が長く続くなどです。それでも大きな心配はありませんが、気になる場合はクリニックに相談しましょう。
8.ミラドライ治療に関するよくある質問
ここではミラドライ治療に関する、よくある質問と回答をご紹介します。
Q1.ミラドライとビューホットとの違いは何ですか?
ビューホットとは高周波(フラクショナルRF)の熱で、気になるニオイの元であるアポクリン汗腺を破壊するワキガに対する最新の治療機器です。
アポクリン汗腺にピンポイントで熱を与えて、細かい範囲で局所的な熱破壊を行います
一方、体内に数百万個と広がるエクリン(多汗症の原因である)汗腺の破壊には不向きです。
対して、ミラドライはマイクロ波を広範囲に照射し、満遍なく汗腺を焼灼・凝固します。
汗のニオイがお悩みであれば、広範囲の汗腺を一度で焼灼できるミラドライがおすすめです。
多汗症治療としては不向きなビューホットですが、乳周りやすそ周りにはそもそも多汗症の原因となるエクリン汗腺が少なくいため、匂いの原因となるアポクリン汗腺をピンポイントで破壊することが可能です。
乳・すそ周辺のニオイにお悩みがある女性には、ビューホットの治療がおすすめです。
なお、ミラドライは厚生労働省とFDA(アメリカ食品医薬品局)に承認されている治療機器です。一方、ビューホットは未承認機器のため、安全性や効果に関して不安な点が挙げられます。
Q2.ミラドライ治療にダウンタイムはありますか?
ミラドライのダウンタイムは、個人差がありますが、赤みや痛みが2〜3日続くことがあります。 ほとんどの場合、1週間程度で落ち着いていきます。
また、施術部位にむくみやしびれが1週間程度生じる可能性もあります。
Q3.ミラドライ治療に後遺症はありますか?
ミラドライは安全性が高く、重大な後遺症が残ることはありません。まれに副作用として潰傷形成、皮膚の隆起などを感じることがありますが、時間とともに消失していくことがほとんどです。
Q4.ミラドライ治療は子どもでも受けることができますか?
ミラドライは安全性が高いことから、子どもでも治療が可能です。しかし、局所麻酔を行う際の体重制限や、医療機関によって定めている最低年齢があるため、クリニックへの事前確認をおすすめします。
また、未成年の場合は親権者の同意が必要になります。
Q5.ミラドライは、2回以上受けることができますか?
可能です。多くの方が2回目でより効果を感じています。一般的には2回目で90%以上の効果が見込めるといわれています。
また、必要な場合は3回受けることも可能です。
Q6.ミラドライ治療でワキ毛が減るというのは本当ですか?
ミラドライ治療は、多汗症とワキガ治療を目的としていますが、ワキ毛が減少することも報告されています。汗腺を破壊するときに、近くの毛根も一緒に破壊されるからです。しかし、脱毛を目的とする治療法ではないことを理解しておきましょう。
Q7.ミラドライはワキ以外でも効果がありますか?
ミラドライは、ワキの多汗症とワキガの治療のために開発された医療機器ですが、デリケートゾーン(外陰部)が臭うすそワキガにも使うことが可能です。
Q8.ミラドライの最大出力での照射とは?
ミラドライには、照射時に選択できる出力(レベル)というものが存在します。この出力(レベル)は「1〜5」の5段階から選択できます。
レベル1は、照射時間がもっとも短く、効果が低い出力レベルです。
レベル5は、照射時間がもっとも長く、効果が高い出力レベルです。
つまり、ミラドライの最大出力での照射とは、レベル5に設定した照射です。
9.まとめ
ミラドライのメカニズムから、治療の効果やメリット、あわせて失敗例やデメリットなどを幅広く解説しました。
従来、多汗症とワキガの根本的な治療には手術という選択肢しかありませんでした。しかし、ミラドライという機器を用いることで、痛みの軽減や時間の短縮が可能になった上、長期的な効果も期待できるようになり、これらの症状で悩む方にとっては、治療への可能性が大きく広がりました。
ただ一方で、健康保険の適用がない自由診療のため、高額な治療費がかかったり、医師のスキルや施術の仕方によっては、効果が現れない場合もあるようです。
ミラドライでの治療を検討している方は、まずは信頼できるクリニックを選び、しっかりとカウンセリングを受けて納得した上で治療を受けましょう。
この記事が、ミラドライ治療を検討中の方、また興味のある方に役立てば幸いです。
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