男性専門の総合美容クリニックであるゴリラクリニックは、エステではなく医療機関です。
自由診療のため費用は高額になりますが、基本は医療費控除は対象になりません。
しかし、医療脱毛の中でも、医療費控除が対象になるものがあります。
- 美容クリニックで医療費控除が認められた過去の例
- ゴリラクリニックで医療費控除の対象になるのは?
- ゴリラクリニックの費用を経費にできるのか
ゴリラクリニックでの施術を受ける際には、医療費控除の対象になるかもしれません。
施術の目的やメニューにより異なりますので、参考になさってください。
1.ゴリラクリニックの医療脱毛は医療費控除対象外
ゴリラクリニックは男性の全身やヒゲ、VIOなどの医療脱毛の施術メニューがあります。
「医療」という文言がついていますが、医療費控除の対象にはなりません。なぜなら、美容目的の脱毛は医療費控除対象外だからです。
しかし、病気の治療目的に付随する脱毛であれば医療費控除の対象となることがあります。
そこで、医療費控除の対象になるものとならないものの、根本的な違いについてご説明します。
1)美容目的の脱毛は医療費控除対象外
脱毛で医療費控除の対象になるか否かのポイントは、治療目的か美容目的かという点です。
美容目的の医療脱毛とは、見た目をよくするために行うものです。
男性・女性問わずに医療脱毛を受ける方は審美目的の方が多いので、一般的に医療脱毛は医療費控除の対象外とされています。
審美目的の治療は医療脱毛は保険も適用外となり、高額な費用がかかります。
「費用がかかるので、医療費控除の対象になれば嬉しい」と考える方も多いでしょう。
しかし、残念ながら全額実費での治療で医療費控除の対象外です。
2)治療目的の脱毛であれば医療費控除の対象
審美目的ではなく、治療目的の一環の脱毛であれば医療費控除の対象になる可能性があります。
日常生活をしていく上で、治療を行わなければ何等かの支障が出ると判断されなければいけません。
診察をした医師の判断によります。
患者から「治療目的で医療脱毛をしたい」と主張をしたとしても、認められるかはわかりません。
<参考記事>
2.医療脱毛で医療費控除された例
では医療脱毛で医療控除される治療とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。
脱毛で医療費控除が認められた例をご紹介します。
- 腋臭(ワキガ)・多汗症治療
- 多毛症治療
- 性同一性障害によるヒゲの医療レーザー脱毛
このような前例がある治療であれば、治療目的の脱毛として医師の判断の差はでにくいと考えられます。
なお、どんなケースであれ、エステ脱毛は医療行為でないため、医療費控除は認められません。
1)腋臭(わきが)・多汗症治療
わきがは、医学的には腋臭症(えきしゅうしょう)という病名がついています。
脇の下から特有のニオイを放つもので、厚生労働省に病気と認められているため治療となります。
そのため腋臭症や多汗症の患者さんは、医療脱毛が治療の一環と認められる可能性があります。
脱毛レーザーは、ニオイの元となるアポクリン腺を破壊します。
また脱毛によって毛の量が減っていくと、ニオイを抑えられるようになります。
ワキガの治療といえば手術を想像する方も多いでしょうが、このような理由により医療脱毛も治療となります。
<参考記事>
ゴリラクリニックの男のわきが・多汗症治療の効果は?口コミ・評判も調査
2)多毛症治療
多毛症とは、女性なのに男性のように体や顔の毛量が増加してしまう状態です。
多毛症の原因は、男性ホルモンの増加や卵巣の異常、甲状腺疾患や乳腺疾患などがあります。
毛を濃くする血液中の男性ホルモン「アンドロゲン」と、毛を薄くする女性ホルモン「エストロゲン」のバランスが崩れてしまったのが原因です。
多毛症の治療法は主に、レーザー脱毛、ホルモン補充療法などがあります。
多毛を減らす処置として、レーザー脱毛は多毛症の治療として認められます。
3)性同一性障害によるヒゲの医療レーザー脱毛
性同一性障害とは、生まれ持った身体の性と心の性が一致しない状態です。
近年では海外だけでなく、日本国内でも性同一性障害への理解が深まってきています。
性同一性障害だと診断された方の医療脱毛は、一部で医療費控除が認められる可能性があります。
女性の心を持った、男性のヒゲ脱毛に限られますので注意しましょう。
また医療機関でのレーザー脱毛でのみ医療費控除が認められますが、全身脱毛では医療費控除は認められない可能性もあります。状況によってどうなるかわかりませんので、主治医に相談してみてください。
3.確定申告で医療費控除をするには
確定申告は事業主であれば毎年行っていますが、サラリーマンの方は馴染みがないかもしれません。
1月1日~12月31日までの1年間で、支払った医療費が10万円以上になると対象になり、一部還付されます。
- そもそも医療費控除とは
- 確定申告に必要な書類
- 確定申告の方法
確定申告で医療費控除をするための書類や申請方法について、ご説明します。
1)そもそも医療費控除とは
医療費控除とは、家族全員分の医療費が基準額を超える際に、税務署に確定申告をすると一部が還付される制度です。
1年間の家族の医療費の合計が10万円を超えると対象となりますが、10万円全額が戻るわけではありません。
個人事業主・フリーランスの方は毎年2月16日から3月15日に確定申告をしているでしょう。
サラリーマンなど給与所得者の方は、この期間以外でも医療費控除等の還付申告が可能です。
「医療費控除額(上限200万円)=医療費(保険などで補填された額を除く)-10万円」という式で計算されます。
医療費控除額は実質的に金銭として還付されるというよりも、翌年の所得税や住民税に反映されます。
還付というよりは、還元という認識でいた方がいいかもしれません。
2)医療費控除の対象となる一般的なケース
今回は、医療脱毛が医療費控除の対象となるかを中心に解説を進めました。
つまり、特殊なケースの話です。
一般的に医療費控除の対象になるものは次のようなケースです。
- 病院での診療・治療・入院費用
- 医師からの処方箋によって処方された医薬品の費用
- 治療に必要な医療機器にかかった費用
- 治療のためのリハビリにかかった費用
- 通院に必要な交通費(原則公共交通機関のみ)
3)確定申告に必要な書類
確定申告をする際にはこれらの書類が必要になります。
- 確定申告書A
- 医療費控除の明細書
- 源泉徴収票
- 本人確認書類
「確定申告書A]や「医療費控除の明細書」は国税庁のホームページや税務署で手に入りますので、漏れのないよう準備しておきましょう。
クリニックからもらった領収書も処分せずに、書類として大切に保管しておきましょう。
4)確定申告の方法
書類が全て揃ったら、確定申告書を記入して税務署に提出します。
- 税務署へ持参
- 税務署宛てに郵送
- e-tax
確定申告を申請するには、これらの方法があります。
e-taxを利用するのであれば、書類のプリントアウトは不要で、24時間好きなタイミングで申請が可能です。
4.ゴリラクリニック医療費控除を申請する際の注意点
ゴリラクリニックでの施術は、多くの場合で医療費控除の対象外となります。
ただし条件によっては医療費控除の対象になるケースもありますので、これらに留意しておきましょう。
- 「医療」脱毛でも医療費控除の対象外
- 自由診療でも医療費控除の対象になる場合もある
- 脱毛レーザーによる火傷の治療は保険の適用か
1)「医療」脱毛でも医療費控除の対象外
医療脱毛と「医療」という文言がついていたとしても、脱毛は基本的には自由診療です。
皮膚科やクリニックで施術をしたとしても、医療費控除の対象外となる場合が多いといえるでしょう。
ゴリラクリニックも同様です。
わきがや多汗症の治療が目的の医療脱毛なのであれば医療費控除の対象となります。
医師とのカウンセリングでは、治療目的であると話をしましょう。
2)自由診療でも医療費控除の対象になる場合もある
医療脱毛や美容クリニックの施術は、審美目的であり自由診療で個人の判断で受けるものです。
しかし、2章で説明したとおり、治療目的だと認められれば、公的医療保険の適用外でも医療費控除の対象になる場合もあります。
3)脱毛レーザーによる火傷の治療は保険の適用か
医療脱毛のレーザーを照射すると、肌が弱くてトラブルを起こしてしまう方もいます。
強い刺激により、肌が火傷してしまう場合があり、この火傷の治療に対しては保険適用となるので覚えておきましょう。
医療脱毛のレーザーを照射する際には、肌の状態を整えておくとトラブルを回避できるかもしれません。
医療脱毛を受ける際の注意点として、これらに注意しましょう。
- 乾燥を避け、保湿をしておく
- 施術前は日焼けを避ける
- 施術後は運動や飲酒など、血行がよくなる行動を避ける
医療脱毛レーザーを照射する前後はスケジュール管理もして、肌トラブルにならないようにしましょう。
もし火傷の治療などの治療が必要になれば、我慢せずにクリニックを受診しましょう。
5.ゴリラクリニックの脱毛費用を経費にできる?
ゴリラクリニックでの医療脱毛は続けると、費用が高額になります。
医療費控除も対象外となり全額自己負担になると、必要経費とできないかと悩む方もいます。
個人事業主がヒゲ脱毛をはじめとする医療脱毛を経費とするのは、基本的には難しいです。
他にも、美容室代やトレーニングジム代は、例え仕事のためであったとしても私生活でも役立つ支出だと判断されます。
そのため俳優やモデル、ユーチューバーといった、人に見られる仕事をしている人であったとしても、ゴリラクリニックの医療脱毛の費用を全額経費として計上するのは難しいです。
しかし、このような職業であれば、一部の費用は経費として認められる可能性があります。
また、撮影のために特殊な髪型をして、プライベートでは完全に役に立たないと判断されれば全額経費として認められます。
一概に経費になるか否かを決めることはできません。職業や施術内容により税務署が判断します。
6.ゴリラクリニックの医療費控除でよくある質問
Q1.ゴリラクリニックのヒゲ脱毛はなぜ医療費控除されないのですか?
審美目的で行われる治療だからです。
しかし、何からの治療が目的として、ヒゲ脱毛が必要と認められれば、医療費控除の対象となります。
Q2.ゴリラクリニックは医療機関なのに、保険適用外なのですか?
はい。保険診療外です。
ゴリラクリニックは、医療機関ですが美容目的の美容クリニックです。
また、病気の治療を保険診療で行っていませんので、全て自由診療となります。
Q3.確定申告が初めてなのですが、何から始めればいいですか?
会社員の方であれば、年間いつでも医療費控除の申請が可能です。
税務署に用紙をもらいに行く際に、窓口の方に相談してみてもいいでしょう。
また、確定申告の時期になると、市役所や税務署で用紙の記入について相談できるので活用してみましょう。
Q4.ムダ毛が多く毎日の生活が深いです。審美ではなく快適さを求めて脱毛したいのですが、医療費控除になりませんか?
現状では、残念ながら、「ムダ毛が多いこと」は生活する上で支障があるとは判断されません。そのため、治療目的にはあたらないので医療費控除の対象とはなりません。
Q5.自由診療でも医療費控除の対象になるのですか?
はい。自由診療であっても治療として認められれば医療費控除の対象となります。
医療費控除と健康保険の適用は、別の問題です。「医療費控除の対象=保険適用」というわけではありません。
7.まとめ|ゴリラクリニックの費用は医療費控除の対象外
ゴリラクリニックでのヒゲ脱毛や全身脱毛などの費用は、医療費控除の対象外となります。
見た目を美しくするための審美目的で行われた治療に関しては、医療費控除は認められません。
しかし、医療脱毛が審美目的ではなく、何らかの病気の治療の一環として認められれば、医療費控除の対象となります。
実際、医療脱毛が医療費控除と認められる可能性は高くありませんが、何らかの病気の治療で必要な場合は、施術前に医師としっかり話合い治療を開始させましょう。
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