東京都大田区の雑色駅前おとなこども・たけお歯科では、妊娠中のむし歯・歯周病の予防と治療に加え、生まれてくる赤ちゃんのむし歯予防や0歳からの口育まで見据えたマタニティ歯科を行っています。本稿では、妊娠中のお口の変化と受診に適した時期、治療の安全性、同院の取り組みを紹介します。
| <執筆>
|
妊娠中は、女性ホルモンの変化によって歯ぐきに炎症が起こりやすくなります。33件の研究をまとめた系統的レビューでは、歯垢(プラーク)の量はほとんど変わらないのに、妊娠中期・後期には歯ぐきの炎症の程度が高くなることが示されています【1】。つわりで歯みがきがしにくくなる、食事が不規則になるといった変化も重なり、妊娠中はむし歯や歯周病が進みやすい時期です。一方で、「妊娠中は歯科治療を受けられない」と考えて、受診を控える方も少なくありません。米国で行われた研究では、妊娠13〜21週に歯周病の治療に加えて、むし歯の治療や抜歯などを受けた妊婦さんでも、流産や早産などは増えていませんでした【2】。
東京都大田区の「雑色駅前おとなこども・たけお歯科」は、京急本線「雑色」駅から徒歩30秒の歯科医院です。2013年に開院し、2021年に現在の場所へ移転しました。院長の鈴木丈夫先生は、米国UCLAへの留学経験を持ち、愛知学院大学歯学部の非常勤講師も務めています。同院は予防と「口育」を診療の柱とし、マタニティ歯科を「ただ単純に妊婦さんの虫歯治療ではありません」と位置づけています。お母さんと生まれてくる赤ちゃん、両方のお口の健康を守ることが目的です。
本記事では、妊娠中にお口のトラブルが増える理由、妊娠中に歯科治療を受けるときのポイント、赤ちゃんのむし歯予防、そして同院のマタニティ歯科の取り組みをご紹介します。
妊娠中にお口のトラブルが増える理由

1)女性ホルモンの変化で歯ぐきが腫れやすくなる(妊娠性歯肉炎)
妊娠中は女性ホルモンが増え、歯ぐきが歯垢(プラーク)の細菌に過剰に反応しやすくなります【3】。系統的レビューでは、歯ぐきの炎症の程度は妊娠初期より中期・後期で高く、出産後には下がっていました【1】。妊婦さんの60〜75%に歯肉炎がみられるとの報告もあります【4】。
同院は、歯ぐきの赤み・腫れ・出血を歯周病の初期症状と捉え、早めの受診を勧めています。歯みがきのときに血が出るなどの変化に気づいたら、そのままにせず相談することが大切です。
2)つわり・食生活・唾液の変化でむし歯ができやすくなる
妊娠中は生活の変化から、むし歯もできやすくなります。同院では、その理由として次のような点を挙げています。
つわりで気持ちが悪く、歯をきれいに磨けない
嘔吐でお口の中が酸性になり、いつも以上に歯がダメージを受けやすい
つわりで食事が不規則になり、お口の中に食べ物がある時間が長くなる
唾液の分泌量が減る
総説でも、お口の中の酸性化や甘いものが欲しくなることなどで、妊娠中はむし歯のリスクが高まるとされています【4】。つわりの時期は、体調のよい時間帯に磨くなど、無理のない範囲でケアを続けましょう。嘔吐した直後は歯みがきを避け、うがいをして酸を洗い流すことが勧められています【3】。
3)歯周病と妊娠経過の関係
歯周病と、低出生体重・早産・妊娠高血圧腎症などとの関連が報告されています【5】。同院も、お母さんの歯周病が赤ちゃんに影響しうると考え、妊娠中の歯周病のケアを重視しています。
歯周炎のある妊婦さん823人を対象にしたランダム化比較試験では、妊娠中の歯周治療は安全に行え、歯ぐきの状態も改善しました【6】。一方、早産や低出生体重を防ぐ効果については、研究によって結果が分かれており、まだはっきりしていません【5】【7】。
妊娠中の歯周治療は、お母さん自身のお口の健康を守るためにも大切です。歯周病がある場合は、妊娠の経過や体調に合わせて、歯科医師と治療を相談しましょう。
![]() 当院に妊婦歯科健診でお越しになる妊婦さんは、特に症状がない方がほとんどです。検査をして、むし歯や歯ぐきの腫れが見つかることが多いですね |
妊娠中でも歯科治療は受けられる
1)計画的な治療を進めやすい妊娠中期(安定期)
妊娠中の歯科治療は、時期と体調に合わせて進めます。体調が安定しやすい妊娠中期(いわゆる安定期)は、計画的な治療を進めやすい時期です【4】。
| 時期 | 体の状態 | 歯科での対応の目安 |
| 妊娠初期 | つわりが出やすく、体調が変わりやすい | お口のチェックや歯みがきの相談、痛みや腫れへの対応が中心 |
| 妊娠中期(安定期) | 体調が安定しやすい | むし歯・歯周病の治療やクリーニングを計画的に進めやすい |
| 妊娠後期 | お腹が大きくなり、あお向けの姿勢がつらくなりやすい | 姿勢に配慮しながら必要な処置を行い、続きは出産後に行うことも |

妊娠後期は、あお向けの姿勢でお腹の重みにより大きな静脈が圧迫され、気分が悪くなることがあります【4】。治療中につらくなったら、遠慮なく伝えましょう。
同院は「妊娠中だからといって、すべての治療に制限がかかるわけではないので、まずはご相談ください」と呼びかけています。むし歯の治療や抜歯などの必要な処置は、妊娠中でも安全に行えます【3】。痛みや腫れがある場合は時期を問わず相談し、妊娠経過と処置の必要性に応じて対応します。同院では、妊娠初期・後期に強い痛みが出た場合も、リスクを説明し、お薬で様子をみるか、麻酔をして治療するかを相談したうえで、患者さんの納得と同意のもとで決めています。

2)歯科の局所麻酔
歯科治療で使う局所麻酔は、妊娠中も使用できます【3】。歯科治療で局所麻酔を受けた妊婦さん210人と、受けていない794人を比べた研究では、先天異常・流産・出生体重に統計学的な有意差は認められませんでした【8】。
同院では、表面麻酔、極細の針、一定の圧力でゆっくり麻酔液を入れる電動麻酔器、体温に温めた麻酔液を使い、注射の痛みを抑えています。なお、同院では麻酔を使うむし歯の治療は原則として安定期(妊娠中期)に行い、妊娠初期・後期は強い痛みがある場合などを除いて行っていません。

3)レントゲン撮影
歯科のレントゲン撮影は、妊娠中のどの時期でも安全に行えます【3】。診断・治療に必要な場合に、撮影範囲や条件を適切に設定して撮影できます。妊娠中であることは、撮影の前に必ず伝えましょう。同院では、妊娠中は原則としてレントゲン撮影を行わず、出産後に撮影して確認しています。
4)お薬
痛み止めや抗菌薬などのお薬は、必要性を見極めたうえで、妊娠中に使えるものを選びます。同院では、妊婦さんに影響しにくいお薬に限って使っています。服用中のお薬や気になることは、産婦人科の主治医にも相談しておきましょう【3】。受診の際は、母子健康手帳と、服用中のお薬がわかるもの(お薬手帳など)を持参すると安心です。
5)妊娠中期の歯科治療の安全性
米国で行われたランダム化比較試験では、歯周炎のある妊婦さん823人を、妊娠中に歯周治療を行う群と出産後に行う群に分けて比べました。早産の割合は、妊娠中に治療を受けた群で12.0%、出産後に治療した群で12.8%と、差はありませんでした【6】。
この試験の参加者のうち、妊娠13〜21週にむし歯の治療や抜歯などの必要な歯科治療を受けた351人を含めて解析しても、流産・死産、先天異常、早産などの頻度に差はありませんでした【2】。
![]() 当院では、麻酔を使うむし歯の治療は、原則として安定期に行っています。深いむし歯は仮のセメントで詰めておき、出産後にレントゲンで確認してから最終的な治療を行っています。歯肉炎を伴う歯周病の治療は妊娠後期まで続け、出産前にお口の中を良い状態に整えます。お薬は妊婦さんに影響しにくいものに留め、治療中は診療台を倒しすぎないよう、その都度配慮しています |
生まれてくる赤ちゃんのむし歯予防は妊娠中から
1)赤ちゃんのむし歯予防は家族のお口の健康管理から
赤ちゃんの口の中の細菌は、日常のふれあいを通して、身近な大人から伝わります。日本口腔衛生学会の声明では、生後4か月の時点で、母親の口の細菌が子どもに移ることが確認されているとしています【9】。
1993年の母子46組の追跡研究では、38人でミュータンス菌が検出され、初回検出時の年齢の中央値は26か月でした【10】。ただし、菌の獲得時期には個人差があり、特定の時期だけ注意すれば予防できるという意味ではありません。
また、むし歯はミュータンス菌だけでなく、砂糖のとり方や歯みがきなど、多くの要因が重なって起こります。保護者から赤ちゃんへ口腔細菌が伝わることはありますが、それだけでむし歯になるわけではありません。同声明は、食器の共有を避けることよりも、砂糖をとりすぎない、毎日仕上げ磨きをする、フッ化物を利用するといった予防を重視しています【9】。
親子のスキンシップは大切にしながら、家族のお口の健康管理と、歯が生えてからの仕上げ磨き・フッ化物の利用に取り組みましょう。
2)お母さんのお口を整えることが、赤ちゃんを守る
母親と2〜6歳の子ども1,184組を調べた米国の研究では、未治療のむし歯や歯の喪失が多い母親の子どもほど、むし歯が多い傾向がみられました【11】。母子の口腔状態の関連を示す研究で、母親の治療による子どものむし歯予防効果を直接証明するものではありませんが、妊娠中にむし歯や歯周病を治し、出産後も予防を続けることは、お母さん自身の健康のためにも大切です。
出産後に母親がキシリトールガムを噛んだ群では、2歳時に子どものむし歯菌が検出された割合が9.7%と、ほかの方法の群より低かったという報告もあります【12】。キシリトールは補助的な方法と考え、歯みがき・フッ化物の利用・食習慣の管理を基本にしましょう。
3)これから親になる方への相談
同院では、これから親になる方からの次のような相談にも対応しています。
- フッ素はいつ頃から始めればよいか
- 乳児期のむし歯予防
- 乳歯が生える時期
- 歯ブラシの選び方
- 赤ちゃんの歯の磨き方
- 離乳食はいつから始めればよいか
- 離乳食は何を食べさせればよいか
出産前に知っておくことで、赤ちゃんの歯が生えてきたときに、落ち着いてケアを始められます。
![]() これから親になる方には、保護者のお口の菌がお子さんに移ること、そして将来むし歯や歯周病になりにくい環境は、赤ちゃんのうちから整えておいた方がよいことを知っていただきたいです。日々の診療では、口腔機能発達不全症のお子さまがとても多いと感じています。口腔機能発達不全症のままだとあごが小さくなり、かみ合わせが悪くなって、むし歯や歯周病になりやすくなります。将来の全身の健康にも影響すると考えています。お口の機能が未発達のお子さまは多いのですが、離乳食の与え方やトレーニングなどで、機能を育てることができます |
雑色駅前おとなこども・たけお歯科のマタニティ歯科
1)妊娠中の予防ケア(健診・PMTC・スケーリング・フッ素)

同院は、妊娠中の予防として、定期健診と歯科衛生士による専門的なクリーニング(PMTC)、歯石除去(スケーリング)、フッ素の塗布を勧めています。「PMTCやスケーリング、フッ素散布でより虫歯になりにくい歯を手に入れましょう」と呼びかけています。
院内には、むし歯・歯周病のリスクを約5分で調べるSMT唾液検査や、歯周ポケットの細菌の種類と量を観察する位相差顕微鏡もあり、お口の状態を目で見て確認できます。妊婦さんには積極的には行っていませんが、ケアへの意欲を高めた方がよいと判断した場合に活用しています。

2)痛みと不安に配慮した治療

同院は、患者さんの不安や過去の経験を聞き取るカウンセリングを重視しています。タブレットで口の中の写真や治療法を示し、説明した内容は印刷して持ち帰れます。歯科医師と歯科衛生士は、患者さん一人ひとりの担当制で診療にあたります。
麻酔の痛みにも配慮しており、体調や気持ちの変化が大きい妊娠中も、安心して相談できる環境を整えています。治療中は診療台を倒しすぎないようにするなど、お腹が大きくなってからの姿勢にも配慮しています。
3)出産後も続く「口育」と小児歯科
同院は「0歳から始める口育」を特徴に掲げています。口育は、呼吸や飲み込み、舌の位置といったお口の機能を整え、顔やあごの健やかな成長を促す取り組みで、新生児期から始められます。同院では、首がすわる前の赤ちゃんへの指導は安全面から慎重に考え、生後6か月ごろからを目安に口育の指導を行っています。スタッフは保育士の資格も取得し、赤ちゃんの抱っこの仕方や、ハイハイなどを通して口を育てる体幹づくりも学んでいます。今後は、遊びを取り入れながら、安全に楽しく続けられる取り組みを広げていく予定です。

小児歯科では、歯みがきができるようになるまでは1か月に1回、できるようになったら3か月に1回の通院を目安にしています。歯の汚れを赤く染め出し、磨き残しの割合(PCR)を確認しています。
2027年4月からは、管理栄養士による離乳食教室を始める予定です。現在は管理栄養士が毎月来院し、医院での栄養指導の強化や、離乳食教室の進め方の準備を進めています。他院の取り組みの見学も行い、よいところを取り入れていく方針です。お子さまへの口育指導は、永久歯が生え始める6歳を目安に担当を分けており、6歳未満のお子さまには管理栄養士が、6歳以上のお子さまには歯科衛生士が、スライドを使って指導しています。
![]() 最近は、管理栄養士が在籍する歯科医院が増えてきています。ここ3〜4年のことですね。お子さんの食事や栄養の指導ができると、お口も体もより健やかに成長できます。大人の方でも、糖尿病などの栄養指導は歯科と深く関わっています |
4)大田区の妊婦歯科健康診査
大田区では、妊娠中に1回、区内の指定歯科医療機関で妊婦歯科健康診査を無料で受けられます。受診票は「母と子の保健バック」の「受診票セット」に入っており、受診の際は受診票と母子健康手帳を持参します。歯石除去やむし歯などの治療は、保険診療(有料)となります。
同院は、大田区の妊婦歯科健康診査の実施医療機関です。健診をきっかけに、妊娠中のお口の状態を確認しておきましょう。

![]() 大切にしているのは、お母さんに必要なことを知っていただくことと、お子さまと一緒にお口を守ることです。お母さんには出産間際まで通院していただき、生後6か月ぐらいに赤ちゃんの歯が生えてきたら、赤ちゃんも一緒に通っていただきます。半個室なので、親子一緒に受診できます。 |
雑色駅前おとなこども・たけお歯科とは
1)クリニックの4つの特徴

① 予防と、歯をできるだけ残す治療
できるだけ削らず、抜かず、歯を残すことを第一に治療します。高度な医療と予防プログラムを提供し、安全で根拠のある治療のみを行うことを大切にしています。
② カウンセリングと担当制
患者さんの不安や希望を聞き取り、納得できる治療計画を立てます。歯科医師と歯科衛生士は担当制で、同じスタッフが継続して診療にあたります。

③ 医科レベルの滅菌・感染対策
あらゆる形状の器具に対応するクラスB滅菌器と、回転切削器具用のクラスS滅菌器を導入しています。全ユニットに口腔外バキュームを備え、院内の水はエピオス水システムで殺菌水を循環させています。

④ 雑色駅から徒歩30秒、家族で通える
京急本線「雑色」駅から徒歩30秒です。一般歯科から小児歯科、マタニティ歯科、口育まで幅広く対応し、親子・家族で通えます。

2)院長プロフィール

| 項目 | 内容 |
| 氏名 | 鈴木 丈夫(すずき たけお)先生/雑色駅前おとなこども・たけお歯科 院長 |
| 主な経歴 | 2003年 日本大学松戸歯学部卒業 2003年5月〜2005年9月 ヒロ・ヤマダデンタルオフィス青山/ヒロ・ヤマダデンタルクリニック川崎勤務 2005年9月〜2009年3月 米国UCLA留学(インプラント外科・補綴のコース受講、客員研究員) 2008年4月 愛知学院大学口腔病理学教室研究員 2009年4月 ヒロ・ヤマダデンタルオフィス青山/ヒロ・ヤマダデンタルクリニック川崎勤務 2013年11月 たけお歯科開院 2014年3月 歯学博士取得(愛知学院大学歯学部口腔病理学講座) 2014年4月 同講座 非常勤助教 2020年4月 同講座 非常勤講師 2021年7月 雑色駅前へ移転し、現医院名に |
| 現職 | 雑色駅前おとなこども・たけお歯科 院長 愛知学院大学歯学部口腔病理学講座 非常勤講師 |

3)基本情報
| 項目 | 内容 |
| 医院名 | 雑色駅前おとなこども・たけお歯科(医療法人社団 幸育会) |
| 院長 | 鈴木 丈夫 |
| 所在地 | 〒144-0055 東京都大田区仲六郷2-14-14 カンタービレ1階 |
| アクセス | 京急本線「雑色」駅から徒歩30秒 JR・東急「蒲田」駅からバス7分「雑色駅通り」下車 徒歩1分 京急本線「六郷土手」駅から徒歩15分 |
| 電話番号 | 03-6428-6463 |
| 診療時間 | 月〜土 9:30〜13:00/14:30〜18:00 |
| 休診日 | 日曜・祝日 |
| 予約 | 予約優先制(24時間WEB予約あり) |
| 公式サイト | https://www.takeo-dental.com/ |
マタニティ歯科の受診の流れ

①予約:電話または24時間WEB予約で予約します。妊娠中であることと妊娠週数をお伝えください。
②問診:妊娠の経過や体調、服用中のお薬を確認します。母子健康手帳をお持ちください。
③お口の検査:むし歯や歯ぐきの状態を確認します。
④計画の相談:妊娠の時期や体調に合わせて、治療とクリーニングの計画を相談します。
⑤クリーニング・治療:計画に沿って、クリーニングや必要な治療を行います。
⑥出産後も親子で:出産後も定期健診を続け、赤ちゃんの歯が生えてきたら親子で通えます。
費用
同院では、妊婦さんの診療は、専門的なクリーニング(PMTC)やフッ素塗布も含めて、すべて保険診療の範囲で行っています。大田区の妊婦歯科健康診査は無料です。健診後に歯石除去などを受ける場合の自己負担(3割負担)の目安は、次のとおりです。
- 大田区の健診後に始める歯石除去(スケーリング)など:1回1,500〜2,000円程度
- 歯ぐきの奥の歯石を取る治療(SRP):数回に分けて行い、1回1,500〜2,000円程度(4回の場合、合計6,000〜8,000円程度)
- 治療後の定期的なメンテナンス(SPT):1回3,000円程度
同院によると、健診から続けて治療を始める場合は初診料がかからないため、初めて受診する方は、大田区の健診を利用すると費用を抑えやすいとのことです。
費用はお口の状態や処置の内容によって異なりますので、詳しくはクリニックにご確認ください。
こんな方に
- 妊娠してから、歯ぐきの腫れや出血が気になる
- つわりで歯みがきが十分にできない
- 妊娠中に歯科治療を受けてよいか迷っている
- 出産前にむし歯を治しておきたい
- 赤ちゃんのむし歯予防について知りたい
- 親子で通える歯科医院を探している
雑色駅前おとなこども・たけお歯科のマタニティ歯科に関するよくある質問
Q1. 妊娠中に歯科を受診するなら、いつがよいですか?
体調が安定しやすい妊娠中期(安定期)は、計画的な治療を進めやすい時期です【4】。ただし、痛みや腫れがあるときは、時期を問わずご相談ください。妊娠がわかったら、早めにお口の状態を確認しておくと安心です。
Q2. 歯科の麻酔は赤ちゃんに影響しませんか?
歯科で使う局所麻酔は、妊娠中も使用できます【3】。歯科治療で局所麻酔を受けた妊婦さんの研究でも、先天異常・流産・出生体重に統計学的な有意差は認められていません【8】。同院では、麻酔を使う治療は原則として安定期(妊娠中期)に行っています。
Q3. レントゲンは撮っても大丈夫ですか?
歯科のレントゲン撮影は、妊娠中のどの時期でも安全に行えます【3】。診断や治療に必要な場合に、撮影範囲や条件を適切に設定して撮影できます。同院では、妊娠中は原則として撮影せず、出産後に撮影して確認しています。
Q4. つわりがひどくても受診できますか?
体調のよい日や時間帯を選んで受診できます。治療中に気分が悪くなったら、遠慮なくお伝えください。
Q5. 出産後、赤ちゃんは何歳から通えますか?
同院は「0歳から始める口育」に取り組んでおり、0歳から相談できます。赤ちゃんへの口育の指導は、首がすわって安全に行える生後6か月ごろからを目安にしています。歯が生えてきたら、お母さんと一緒に通院できます。半個室のため、親子一緒に受診できます。
Q6. 子どもを連れて受診できますか?
同院には保育士が在籍し、生後6か月から3歳までのお子さまの託児に対応しています(事前予約制)。託児の日時は院内に掲示しているほか、電話でも確認できます。現在はスタッフ体制の都合で新規の託児受付を休止しており、再開時期は未定です。スタッフが増え次第、再開する予定です。最新の受付状況は、お電話でご確認ください。


妊娠中のお口のケアがとても大切だということを、ご存じない方がほとんどなのが現状です。お子さんがある程度大きくなってから説明を聞いて、もっと早く予防や口育のことを知って行動していれば、子どものためになったのに、と振り返る方もいらっしゃいます。
だからこそ、妊娠中からお口のケアをしてむし歯を予防するとともに、生まれてくるお子さんのお口を育てる口育についても、知っておいていただきたいのです。たとえば離乳食のあげ方を知っておくだけでも、口腔機能発達不全症になりにくいお口を、最初から育てていくことができます。早く知るほど、いわばスタートダッシュを切って予防に取り組めます。
お腹に赤ちゃんがいるときから知識を持ち、準備をしておけば、出産後すぐに動き出して、さまざまな対策をとることができます。気持ちにも余裕が生まれ、お母さんにとっても大きな安心につながります。お子さんのあごが正しく成長すれば、歯並びが整い、矯正が必要なくなることもあります。空気の通り道も広くなり、鼻呼吸がしっかり身につけば、病気にもかかりにくくなります。その土台は、赤ちゃんのときから作っていけるのです。
マタニティ歯科をはっきりと掲げている歯科医院は、まだそれほど多くありません。それでも私は、本当に大切な取り組みだと考えています。一人でも多くの方に知っていただきたいと思いますし、お子さまの将来のためにも、妊娠中から気軽にご相談ください。
まとめ|お母さんと赤ちゃんのお口を、妊娠中から守る

妊娠中は、ホルモンや生活の変化で、歯ぐきの炎症やむし歯が起こりやすくなります。時期や体調に合わせれば、妊娠中でも歯科の治療やクリーニングは受けられます。
お母さんのお口の健康を整えることは、生まれてくる赤ちゃんのむし歯予防にもつながります。雑色駅前おとなこども・たけお歯科では、妊娠中のケアから出産後の口育・小児歯科まで、親子のお口の健康を続けて支えています。
妊娠中のお口の気になることは、まずは気軽に相談してみてください。
*本記事の情報は執筆時点のものです。診療時間・診療内容・料金は変更される場合があります。最新情報は公式サイトまたはクリニックに直接ご確認ください。
参考文献(エビデンス)
医学文献に加え、現在の説明を補う学会資料(【3】【9】)を掲載しています。番号は本文での出現順です。
【1】Figuero E, Carrillo-de-Albornoz A, Martín C, Tobías A, Herrera D. Effect of pregnancy on gingival inflammation in systemically healthy women: a systematic review. J Clin Periodontol. 2013;40(5):457-73.
PMID: 23557432 DOI: 10.1111/jcpe.12053
日本語要旨:全身的に健康な女性で、妊娠が歯肉の炎症に与える影響を調べた系統的レビュー(33研究:コホート研究14件・横断研究19件)。歯肉炎指数(GI)は妊娠初期より中期・後期で高く、コホート研究では出産後は妊娠中期・後期より有意に低かった。非妊娠女性も妊娠中期・後期の女性よりGIが低かった。妊娠中は歯垢の増加を伴わずに歯肉の炎症が強まると結論している。
【2】Michalowicz BS, DiAngelis AJ, Novak MJ, Buchanan W, Papapanou PN, Mitchell DA, et al. Examining the safety of dental treatment in pregnant women. J Am Dent Assoc. 2008;139(6):685-95.
PMID: 18519992 DOI: 10.14219/jada.archive.2008.0250
日本語要旨:歯周炎のある妊婦823人を、妊娠13〜21週に歯周治療を行う群と出産後に行う群に分けた試験(OPT研究)のデータを用いた解析。妊娠13〜21週に、むし歯の治療や抜歯などの必要な歯科治療を完了した351人を含め、重篤な有害事象、流産・死産、先天異常、早産(37週未満)の頻度に有意な差はなかった。表面麻酔・局所麻酔の使用も有害な転帰の増加と関連しなかった。
【3】American Dental Association. Pregnancy. (2026年10月20日確認)
日本語要旨:米国歯科医師会(ADA)による、妊娠中の歯科診療の解説(2025年7月14日更新)。妊娠中のエックス線撮影は妊娠のどの時期でも安全で、患者への腹部・甲状腺の防護はもはや推奨されないとし、リドカインなどの局所麻酔薬も使用できるとしている。抜歯・根管治療・むし歯の治療などの必要な処置や、歯周病の治療(スケーリング・ルートプレーニング)も妊娠中に安全に行える。嘔吐の直後は歯みがきを避け、うがいで酸を中和するよう勧め、そのほかの薬剤は産科の主治医と相談するとしている。
【4】Silk H, Douglass AB, Douglass JM, Silk L. Oral health during pregnancy. Am Fam Physician. 2008;77(8):1139-44.
PMID: 18481562
日本語要旨:妊娠中の口腔の健康についての総説。妊婦の60〜75%に歯肉炎がみられる。お口の酸性化や甘いものへの欲求でむし歯のリスクが高まる。歯科のレントゲンは鉛エプロンと甲状腺シールドを用いて行い(2008年時点の見解)、局所麻酔薬のリドカインなどは適切な量であれば安全に使用できるとしている。妊娠後期はあお向けの姿勢での苦しさや大静脈の圧迫に注意が必要とした。妊娠後期や出産後にキシリトールなどで母親の口の細菌を減らすことが、乳児への感染を減らすことにも触れている。
【5】Sanz M, Kornman K; Working group 3 of the joint EFP/AAP workshop. Periodontitis and adverse pregnancy outcomes: consensus report of the Joint EFP/AAP Workshop on Periodontitis and Systemic Diseases. J Clin Periodontol. 2013;40 Suppl 14:S164-9.
PMID: 23627326 DOI: 10.1111/jcpe.12083
日本語要旨:欧州歯周病連盟(EFP)と米国歯周病学会(AAP)の合同ワークショップによるコンセンサス・レポート。母親の歯周炎は低出生体重、早産、妊娠高血圧腎症と関連するが、関連の強さは中程度で、集団や歯周炎の測定方法により異なる。妊娠中の歯周治療は安全で歯周の状態を改善するが、早産や低出生体重の全体的な発生率は減らさないとまとめている。
【6】Michalowicz BS, Hodges JS, DiAngelis AJ, Lupo VR, Novak MJ, Ferguson JE, et al. Treatment of periodontal disease and the risk of preterm birth. N Engl J Med. 2006;355(18):1885-94.
PMID: 17079762 DOI: 10.1056/NEJMoa062249
日本語要旨:歯周炎のある妊婦823人を、妊娠21週までに歯周治療(スケーリング・ルートプレーニング)を行う群413人と、出産後に行う群410人に無作為に分けた試験。治療により歯周の状態は有意に改善し、治療は安全だった。早産(37週未満)は12.0%対12.8%で、有意な差はなかった(P=0.70)。出生体重や胎児発育にも有意な差はなかった。
【7】Iheozor-Ejiofor Z, Middleton P, Esposito M, Glenny AM. Treating periodontal disease for preventing adverse birth outcomes in pregnant women. Cochrane Database Syst Rev. 2017;6:CD005297.
PMID: 28605006 DOI: 10.1002/14651858.CD005297.pub3
日本語要旨:妊婦の歯周治療と出産の転帰を検討した15件のランダム化比較試験(7,161人)の系統的レビュー。低出生体重に関する7試験(3,470人)の解析では、治療群で低出生体重(2,500g未満)が9.70%対12.60%と少なく、減らす可能性が示された(RR 0.67、根拠の確実性は低い)。早産(37週未満)への効果は明確でなかった。報告のあった研究では、母体の死亡や有害事象は生じていなかった。
【8】Hagai A, Diav-Citrin O, Shechtman S, Ornoy A. Pregnancy outcome after in utero exposure to local anesthetics as part of dental treatment: A prospective comparative cohort study. J Am Dent Assoc. 2015;146(8):572-80.
PMID: 26227642 DOI: 10.1016/j.adaj.2015.04.002
日本語要旨:妊娠中に歯科治療で局所麻酔薬を使用した210人(うち53%は妊娠初期)と、催奇形性のある物質にさらされていない794人を比べた前向きコホート研究。重大な先天異常は4.8%対3.3%で有意な差はなく(P=0.300)、流産、在胎週数、出生体重にも差はなかった。歯科用局所麻酔薬は大きな催奇形リスクにはならないと結論している。
【9】日本口腔衛生学会. 乳幼児期における親との食器共有について. 2023年8月31日.
日本語要旨:日本口腔衛生学会の声明。生後4か月の時点で母親の口の細菌が子どもに移ることが確認されており、食器の共有を避けることでむし歯を予防できるという科学的根拠は十分でないとした。むし歯はミュータンス菌だけでなく多くの要因で起こるため、砂糖の摂取を控える、毎日の仕上げ磨き、フッ化物の利用による予防を重視するよう勧めている。
【10】Caufield PW, Cutter GR, Dasanayake AP. Initial acquisition of mutans streptococci by infants: evidence for a discrete window of infectivity. J Dent Res. 1993;72(1):37-45.
PMID: 8418105 DOI: 10.1177/00220345930720010501
日本語要旨:母子46組を出生時から約5歳まで追跡し、子どもの口にむし歯菌(ミュータンス菌)が定着する時期を調べた研究。38人で菌が定着し、定着時の年齢の中央値は26か月だった。菌の定着が特定の時期に集中することから、「感染の窓(window of infectivity)」があると提唱した。
【11】Dye BA, Vargas CM, Lee JJ, Magder L, Tinanoff N. Assessing the relationship between children’s oral health status and that of their mothers. J Am Dent Assoc. 2011;142(2):173-83.
PMID: 21282684 DOI: 10.14219/jada.archive.2011.0061
日本語要旨:米国の全国健康栄養調査(NHANES III)から、2〜6歳の子どもと母親1,184組を分析した研究。母親に未治療のむし歯がない場合と比べ、未治療のむし歯が多い母親では、子どものむし歯経験(治療済み・未治療を含む)が多いことのオッズ比は3.5(95%信頼区間2.0〜6.2)だった。また、母親に歯の喪失がない場合と比べ、歯の喪失が多い母親では同オッズ比は3.3(95%信頼区間1.8〜6.4)だった。母親のお口の健康状態は、子どものお口の健康状態の強い予測因子であると結論している。
【12】Söderling E, Isokangas P, Pienihäkkinen K, Tenovuo J. Influence of maternal xylitol consumption on acquisition of mutans streptococci by infants. J Dent Res. 2000;79(3):882-7.
PMID: 10765964 DOI: 10.1177/00220345000790031601
日本語要旨:むし歯菌の多い母親とその子ども169組を2年間追跡した研究。出産3か月後から母親がキシリトールガムを1日2〜3回以上噛んだ群(106人)では、2歳時に子どものむし歯菌が検出された割合が9.7%で、クロルヘキシジン・バーニッシュ群(28.6%)やフッ化物バーニッシュ群(48.5%)より低かった。
※本記事は医療に関する情報提供を目的としたものであり、診断・治療方針は医療機関での診察に基づいて判断されます。
SNS Share
\ この記事をシェアする /
