【203名調査】がんの早期発見の大切さは98.5%が知るのに、検診を定期的に受ける人は33.5%──血液でがんに関連する状態を調べる検査は59.6%が「知らなかった」

本ページはPRを含みます。

20代〜60代以上の203名に聞いた意識調査で、がんの早期発見の大切さは98.5%が知っていた一方、がん検診を定期的に受けている人は33.5%でした。保険診療と自由診療の違いが「はっきり分かる」は18.2%、CTC検査などを「知らなかった」は59.6%。不安の最多は費用でした。

「がんは早く見つかるほどいい」。そう理解していても、実際に定期的ながん検診の受診につながっているとは限りません。また、がんの検査や治療にはさまざまな選択肢があり、保険診療と自由診療の違いや、血液でがんに関連する状態を調べる検査など、何を基準に選べばよいのか迷う方もいるのではないでしょうか。
そこで株式会社ディープインパクトは、2026年8月1日から9月30日にかけて、20代〜60代以上の男女203名を対象に「がん検査・早期発見と自由診療のがん治療に関する意識調査2026」を実施しました。調査の監修は、りんくうメディカルクリニック院長の小村泰雄先生です。
その結果、早期発見のメリットについて98.5%が「知っていた」と回答した一方、がん検診を定期的に受けている人は33.5%でした。また、免疫療法やNKT細胞などでは「名前は聞いたことがある」という回答が多い一方、内容まで知っている人は限られていました。
今回の調査から見えてきたのは、単なる「知識不足」だけではありません。早期発見の大切さを知っていても検診につながっていないこと、検査や治療の名前を知っていても内容までは十分に理解されていないこと、そして選択肢が増えるなかで費用や医療機関選びに不安を感じていることです。
この記事では、203名の回答から見えてきた「知る・受ける・選ぶ」のギャップを、13問の調査結果とともに整理します。あわせて、がんの検査や自由診療を検討するときに知っておきたいポイントも解説します。

この調査で見えた3つのギャップ
① 早期発見を知っている ↔ 定期的に検診を受ける
② 治療・検査の名前を知っている ↔ 内容まで理解している
③ 選択肢が増えている ↔ 自分に合うものを選べる

【調査概要】

調査名がん検査・早期発見と自由診療のがん治療に関する意識調査2026
調査対象20代〜60代以上の男女(有効回答203名)
調査期間2026年8月1日〜9月30日
調査方法インターネット調査
調査主体(実施)株式会社ディープインパクト
調査監修小村泰雄(医療法人社団わかと会 りんくうメディカルクリニック 院長)
編集・発表ナールス美容医療アカデミー編集部
りんくうメディカルクリニック小村泰雄院長
MESSAGE
りんくうメディカルクリニック小村泰雄院長のメッセージ

りんくうメディカルクリニック

院長 小村泰雄先生

今回の調査では、早期発見の大切さはほぼすべての方がご存じでしたが、実際に検診を続けている方は3人に1人でした。また、がん検診を受けていれば必ずがんを早期に見つけられるとは限らず、通常の検診だけでは十分でない場合もあります。
一方で、検査や治療の選択肢は確実に増えています。大切なのは、それぞれの検査や治療で何がどこまで分かっていて、どこに限界があるのかを、正しく情報収集することです。この調査が、ご自身やご家族のがんへの備えを考えるきっかけとなり、今回のがん公開セミナー「がんの早期発見の検査・予防と対策」を通じて、自由診療にできることを皆さまと一緒に考えていければ幸いです。
医療法人社団わかと会 りんくうメディカルクリニック 院長 小村 泰雄

回答者は40〜50代が中心(55.7%)、男女はほぼ半々

203名の回答者の年代構成。20代7.4%、30代19.2%、40代26.6%、50代29.1%、60代以上17.7%で、40〜50代が55.7%を占める

203名の回答者の性別構成。女性108名53.2%、男性95名46.8%で、ほぼ半々の構成

回答者の年代は、50代が29.1%、40代が26.6%で、40〜50代が55.7%と過半数を占めました。30代は19.2%、60代以上は17.7%、20代は7.4%です。性別は女性53.2%、男性46.8%で、ほぼ半々の構成でした。
以下では必要に応じて、年代を「20〜30代(54名)」「40〜50代(113名)」「60代以上(36名)」の3つに分けて比較しています。

がん検診を「定期的に受けている」は33.5%──男性の約7割、20〜30代の8割超が未受診

がん検診との関わり。定期受診33.5%、過去に受診したが定期的ではない19.2%、未受診だが関心あり36.0%、未受診で関心もあまりない11.3%

がん検診との関わりを聞いたところ、「定期的に受けている」は33.5%、「過去に受けたことがあるが、定期的ではない」は19.2%でした。受けたことがある人は合わせて52.7%で、残りの47.3%は「受けたことがない」と回答しています。
未受診96名の内訳では、「受けたことはないが、関心はある」が73名で、未受診者の76.0%を占めました。一方、「関心もあまりない」は23名でした。未受診者の中にも、がん検診に関心を持つ回答者が多い結果でした。

がん検診との関わり(性別・年代別)

区分定期的に受けている過去に受けたが定期的ではない未受診(関心はある)未受診(関心はあまりない)
全体(203名)33.5%19.2%36.0%11.3%
女性(108名)45.4%26.9%23.1%4.6%
男性(95名)20.0%10.5%50.5%18.9%
20〜30代(54名)5.6%13.0%55.6%25.9%
40〜50代(113名)38.1%24.8%31.9%5.3%
60代以上(36名)61.1%11.1%19.4%8.3%

性別では差が大きく、未受診の割合は男性69.5%、女性27.8%でした。年代別では、60代以上の61.1%が定期的に受けている一方、20〜30代では未受診が81.5%にのぼります。

早期発見の大切さは98.5%が認知──「知っている」と「行動」のギャップ

がんの早期発見のメリットの認知。よく知っていた53.2%、なんとなく知っていた45.3%、知らなかった1.5%で、認知合計は98.5%

「がんは早い段階で見つかるほど治療の選択肢が広がり、体への負担が小さくなりやすい」ことについて、「よく知っていた」は53.2%、「なんとなく知っていた」は45.3%で、合わせて98.5%が知っていました。「知らなかった」は1.5%にすぎません。
今回の回答者では、早期発見のメリットは広く認知されていました。しかし、がん検診を定期的に受けている人は33.5%です。認知の高さに比べて定期受診の割合は低く、「知っている」ことと「定期的に受診している」ことの間に差がみられました。

保険診療と自由診療の違い、「はっきり分かる」はわずか18.2%

保険診療と自由診療の違いの理解度。はっきり分かる18.2%、なんとなく分かる50.2%、ほとんど・まったく分からない31.5%

がん治療の「保険診療」と「自由診療」の違いについて、「はっきり分かる」は18.2%でした。「なんとなく分かる」が50.2%、「ほとんど・まったく分からない」が31.5%で、約8割(81.8%)が「なんとなく」以下の理解にとどまっています。
年代別に見ると、20〜30代では「ほとんど・まったく分からない」が51.9%と過半数でした。一方、60代以上では「はっきり分かる」が30.6%と、ほかの年代の約2倍でした。

保険診療と自由診療の違いとは?

がん治療では、がんの種類・病期などに応じて、手術、放射線治療、薬物療法(免疫チェックポイント阻害薬を含む)などが行われます。これらのうち、公的医療保険の適用条件を満たす治療は「保険診療」で受けられます。一方、「自由診療」は公的医療保険が適用されず、原則として費用は全額自己負担です。なお、治療効果に関するエビデンスがあることと、国内で保険適用されていることは同じ意味ではなく、承認された適応や実施条件などによって扱いが異なります。
国立がん研究センターのがん情報サービスは、自由診療として行われる免疫療法について「効果が証明されておらず、医療として確立されたものではありません」としています[1]。自由診療を検討する際は、効果や安全性、費用を慎重に確認し、担当医に相談することが勧められています[1]。

免疫療法は「名前は聞いたことがある」が60.6%、内容まで知る人は11.3%

免疫療法の認知。内容まで知っている11.3%、名前は聞いたことがある60.6%、知らなかった28.1%で、名称以上の認知は71.9%

がん細胞を排除する免疫の働きの認知。よく知っていた29.1%、なんとなく知っていた51.2%、知らなかった19.7%で、認知合計は80.3%

本調査では、「手術・薬物療法・放射線治療の3大療法に加えて、免疫療法という選択肢があること」を知っているか尋ねました。「内容まで知っている」は11.3%、「名前は聞いたことがある」は60.6%、「知らなかった」は28.1%でした。なお、実際の診療では、免疫チェックポイント阻害薬は薬物療法の一つとして標準治療に組み込まれる場合があります[1]。
「知らなかった」の割合は、20〜30代で46.3%、40〜50代で24.8%、60代以上で11.1%と、若い世代ほど高くなっています。
また、体には、がん細胞を見つけて排除する「免疫」のはたらきが備わっていることについては、「よく知っていた」が29.1%、「なんとなく知っていた」が51.2%で、約8割が知っていました。

NKT細胞を「知らなかった」は36.0%、20〜30代では55.6%

NKT細胞の認知。内容まで知っている17.7%、名前は聞いたことがある46.3%、知らなかった36.0%で、名称以上の認知は64.0%

免疫細胞の一つである「NKT細胞(ナチュラルキラーT細胞)」について、「内容まで知っている」は17.7%、「名前は聞いたことがある」は46.3%、「知らなかった」は36.0%でした。
年代別では、「知らなかった」が20〜30代で55.6%、40〜50代で31.9%、60代以上で19.4%でした。

NKT細胞とは?

NKT細胞は、自然免疫と獲得免疫をつなぐ性質をもつT細胞の一群です。なかでも「iNKT細胞(インバリアントNKT細胞)」は、CD1d分子に提示された脂質抗原を認識し、サイトカイン産生などを介してNK細胞やT細胞など、ほかの免疫細胞を活性化することが知られています。条件によっては腫瘍細胞に直接作用することも報告されています[2]。iNKT細胞を活用した治療については複数の臨床研究が行われていますが、有効性をさらに検証する研究が続いています[2]。
日本では、NKT細胞を活用した免疫療法が一部の医療機関で自由診療として行われています。検討する際は、前述のとおり、効果・安全性・費用を確認したうえで判断することが大切です。

受けた・調べたことがあるのは人間ドック48.8%、血液による検査は7.9%

これまでに受けた・調べたことがあるもの。人間ドック・任意の検査48.8%、自治体・職場のがん検診37.4%、特にない30.0%などの複数回答結果

これまでに受けた・調べたことがあるもの(複数回答、203名)

項目割合
人間ドック・任意の検査48.8%
自治体・職場のがん検診(健診)37.4%
特にない30.0%
血液でがんに関連する状態を調べる検査(CTC検査・リキッドバイオプシーなど)7.9%
がん保険・民間の検査サービス6.4%
自由診療のがん治療(免疫細胞療法など)について調べた3.0%
その他(PET検査など)1.0%

これまでに受けた・調べたことがあるものは、「人間ドック・任意の検査」が48.8%で最多、「自治体・職場のがん検診(健診)」が37.4%で続きました。「特にない」も30.0%います。
血液でがんに関連する状態を調べる検査は7.9%、自由診療のがん治療について調べたことがある人は3.0%と、まだ少数にとどまっています。

CTC検査などを「知らなかった」59.6%──検診を定期的に受ける人でも52.9%

CTC検査・リキッドバイオプシーの認知。受けたことがある7.9%、内容まで知っている3.4%、名前は聞いたことがある29.1%、知らなかった59.6%

血液を採ってがんに関連する状態を調べる検査(CTC検査・リキッドバイオプシーなど)について、「知らなかった」は59.6%でした。「名前は聞いたことがある」は29.1%、「受けたことがある」は7.9%、「内容まで知っている」は3.4%です。

CTC検査などの認知(年代別・検診受診状況別)

区分受けたことがある内容まで知っている名前は聞いたことがある知らなかった
全体(203名)7.9%3.4%29.1%59.6%
20〜30代(54名)1.9%0.0%24.1%74.1%
40〜50代(113名)9.7%4.4%30.1%55.8%
60代以上(36名)11.1%5.6%33.3%50.0%
がん検診を定期的に受けている人(68名)10.3%5.9%30.9%52.9%

がん検診を定期的に受けている68名に限ってみても、52.9%が「知らなかった」と回答しました。今回の回答者では、定期的に検診を受けている人の中でも、CTC検査・リキッドバイオプシーの認知が高いとはいえない結果でした。

CTC検査・リキッドバイオプシーとは?──分かっていることと限界

リキッドバイオプシーは、血液などの体液を調べて、がんに関連する情報を得る検査の総称です。血液中を流れるがん細胞(CTC:血中循環腫瘍細胞)や、がん細胞から出たDNA(ctDNA)などを調べます。早期発見、再発の発見、治療効果の確認などへの活用が期待されており、臨床試験が数多く進められていますが、どの場面で役立つかはまだ検証が続いている段階です[3]。
CTCについては、転移性乳がん患者を対象とした研究で、治療開始前の血液7.5mL中のCTCが5個以上だった群は、5個未満の群に比べて無増悪生存期間と全生存期間が短かったと報告されています[4]。また、CTCが複数集まった「CTCクラスター」は循環中ではまれで、主に動物モデルを用いた研究では、単独のCTCより高い転移能を示すことが報告されています。Acetoらの研究では、その転移能は23〜50倍でした[5]。
こうした研究から、CTCは予後や転移との関連を評価するバイオマーカーとして研究されてきました。一方、CTCを含むリキッドバイオプシーの用途・臨床的有用性は、がん種や検査目的によって異なります。とくに自由診療で検査を受ける場合は、検査の目的、性能、結果から何が分かり何が分からないのかを事前に確認しましょう[3]。

不安の核心は「費用」64.5%と「医療機関の選び方」54.7%

がんの検査や自由診療のがん治療で不安に感じること。費用64.5%、信頼できる医療機関の選び方54.7%、自分に合う検査・治療が分からない50.2%など

がんの検査や自由診療のがん治療で不安に感じること(複数回答、203名)

項目割合
費用・料金が高い64.5%
信頼できる医療機関の選び方が分からない54.7%
どの検査・治療が自分に合うのか分からない50.2%
本当に効果・意味があるか分からない42.4%
エビデンス(科学的根拠)が十分か分からない27.1%
誇大な情報・広告にだまされないか心配21.2%
検査結果をどう受け止めればよいか不安19.7%
不安はとくにない4.4%

がんの検査や自由診療のがん治療について不安に感じることは、「費用・料金が高い」が64.5%で最多でした。次いで「信頼できる医療機関の選び方が分からない」54.7%、「どの検査・治療が自分に合うのか分からない」50.2%が続きます。
「不安はとくにない」は4.4%で、95.6%が何らかの不安を抱えていました。回答者全体では、1人あたり平均2.8項目を選んでいます。
年代別では、「自分に合うのか分からない」が40〜50代で59.3%、60代以上で58.3%と約6割にのぼり、20〜30代(25.9%)の2倍以上でした。また「エビデンスが十分か分からない」は、60代以上で36.1%と高めでした。40〜50代・60代以上では、「自分に合う選択肢を見極めること」への不安が目立つ結果でした。

情報源はGoogle検索がトップ、AIチャットも32.0%

健康・医療情報の情報源。Google検索56.2%、家族・友人・知人の口コミ52.2%、医療機関の公式サイト46.3%、AIチャット32.0%など

健康・医療の情報を集めるときに参考にするもの(複数回答、203名)

項目割合
Google検索56.2%
家族・友人・知人の口コミ52.2%
クリニック・病院の公式サイト46.3%
AIチャット(ChatGPT・Geminiなど)32.0%
専門の口コミサイト(医療系)26.1%
雑誌・テレビ7.9%
Instagram・TikTokなどSNS5.9%
その他(かかりつけ医・知人の医師への相談、医学論文など)4.9%

健康・医療の情報源は、「Google検索」56.2%、「家族・友人・知人の口コミ」52.2%、「クリニック・病院の公式サイト」46.3%が上位でした。
注目したいのは「AIチャット(ChatGPT・Geminiなど)」で、32.0%と、専門の口コミサイト(26.1%)や雑誌・テレビ(7.9%)を上回りました。20〜30代では40.7%がAIチャットを参考にしています。医療情報の入り口として、検索に加えてAIチャットも利用されていることがうかがえます。

後押しになるのは「信頼できる医師・専門家からの説明」46.3%

がん検査・治療を検討する際に最も安心・後押しになるもの。医師・専門家からの説明46.3%、体験者のリアルな声23.6%、効果とリスクを正直に説明する情報15.8%など

がんの検査や治療を検討する際に最も安心・後押しになるもの(単一回答)は、「信頼できる医師・専門家からの説明」が46.3%で最多でした。次いで「実際に体験した人のリアルな声」23.6%、「効果とリスク(限界・不確実さ)を正直に説明してくれる情報」15.8%、「費用・検査/治療内容の明確な提示」11.8%、「信頼できる専門メディアの解説記事」2.5%でした。
年代別に見ると、「医師・専門家からの説明」は20〜30代38.9%、40〜50代48.7%、60代以上50.0%と、年代が上がるほど高くなりました。反対に「体験した人のリアルな声」は20〜30代で35.2%と高く、60代以上では11.1%でした。

富本充昭
MESSAGE
ナールス美容医療アカデミー編集長 富本充昭 コメント

ナールス美容医療アカデミー

編集長 富本充昭

私自身、2005年に肺がんが見つかりました。社会人になってから毎年、欠かさず受けていた健康診断で疑いを指摘され、CT検査を受けました。それでも診断がつかず、基幹病院で気管支鏡検査を受けて、肺がんと診断されました。
幸い早期であったため、胸腔鏡手術を受けて、20年以上再発せずに過ごしています。
検査の大切さは、自分自身の経験から実感しています。
手術から約2年後、今度は父が胃がんを患いました。再発したとき、私は免疫療法について父の主治医に相談しましたが、返ってきたのは前向きとはいえない反応でした。患者や家族が遠慮して、希望や迷いを医師に話しにくい。その難しさを身をもって知りました。
今回の調査でも、95.6%の方が検査や治療に不安を抱え、最も後押しになるのは「信頼できる医師・専門家からの説明」でした。早期発見の大切さを行動につなげること、そして患者と医師が率直に話し合えること。その両方を、情報発信を通して支えていきたいと考えています。
ナールス美容医療アカデミー編集長 富本 充昭

がんの検査・治療を考える前に、知っておきたい3つのこと

1)「知っている」から「受ける」へ。まずはがん検診を

今回の調査では、早期発見のメリットを98.5%が認知していました。まずは、お住まいの自治体や職場で受けられるがん検診について、対象年齢・検査方法・推奨される受診間隔を確認しましょう。国が推奨するがん検診は、死亡率減少効果などの科学的根拠と利益・不利益を踏まえて定められています[6]。

2)保険診療と自由診療の違いを知っておく

がんの種類や病期などに応じて標準治療として推奨される治療の多くは、適用条件を満たせば保険診療で受けられます。一方、自由診療は原則として費用が全額自己負担で、治療によってエビデンスの水準も異なります[1]。自由診療を検討するときは、標準治療との関係や、期待できる効果・限界・リスクについて医師から十分な説明を受けましょう。

3)新しい検査・治療は「できること」と「限界」をセットで

CTC検査や、自由診療で行われる一部の免疫細胞療法などには、研究・検証が続いているものがあります[1][2][3]。「何が分かっているのか」だけでなく、「何がまだ分かっていないのか」「どのようなリスクや費用があるのか」も合わせて確認することが大切です。

自由診療をどう選ぶか──セミナーで一緒に考えます

調査では、半数以上の人が「信頼できる医療機関の選び方が分からない」と回答しました。ただ、がんの治療は1回で終わるものではなく、治療の回数や期間、費用、医療機関との関わり方は、病状やご本人の考え方によって一人ひとり異なります。そのため、決まったチェックリストだけで「正しい選び方」を示すことは簡単ではありません。
今回のがん公開セミナー「がんの早期発見の検査・予防と対策」では、Q&Aセッションやパネルディスカッションを通じて、こうした疑問に専門医がお答えします。自由診療とどう向き合うかを、皆さまと一緒に考えていきましょう。

よくある質問

Q1. がん検診と人間ドックは何が違うのですか?

国が推奨する対策型のがん検診は、がん死亡率を減らす効果などの科学的根拠と、検診による利益・不利益を踏まえて、対象年齢や受診間隔が定められています[6]。一方、人間ドックは個人が任意で受ける検査で、検査項目や費用は医療機関によって異なります。どちらを受けるか迷う場合は、まず自治体などで受けられる、国が推奨するがん検診の対象かどうかを確認するとよいでしょう。

Q2. CTC検査を受ければ、がんがあるかどうか分かりますか?

CTC検査を含むリキッドバイオプシーは、早期発見や再発の発見などへの活用が研究されていますが、どの場面で役立つかはまだ検証が続いている段階です[3]。検査によって目的や精度も異なるため、受ける前に「何が分かる検査なのか」を医師に確認しましょう。また、がん検診の代わりになるものではない点にも注意が必要です。

Q3. 自由診療のがん治療を検討するとき、何に気をつければよいですか?

自由診療の治療は費用が全額自己負担で、効果が証明されていないものも含まれます[1]。治療の効果と根拠、リスク、費用の考え方について医師から十分な説明を受け、納得したうえで検討しましょう。疑問や不安は一人で抱えず、セカンドオピニオンを受けることも選択肢の一つです[1]。

本調査を読む際の注意点

  • 本調査はインターネットで回答を募った調査です。回答フォーム内では、希望者に小冊子をプレゼントする案内も行いました。無作為抽出による標本調査ではないため、回答者の募集方法や、がん・医療への関心の程度などによる選択バイアスが生じている可能性があります。結果を日本人全体の割合として一般化することはできません。
  • 回答は自己申告によるもので、医学的な診断や検査結果に基づくものではありません。
  • 年代別の比較のうち、60代以上は36名、20〜30代は54名と人数が少ないため、年代間の差は参考値としてご覧ください。

割合は小数第2位を四捨五入しているため、内訳の合計が100.0%にならない場合があります。

調査のポイント

  • 回答者は40〜50代が55.7%、女性53.2%・男性46.8%
  • がん検診を定期的に受けている人は33.5%。受けたことがある人は52.7%
  • 未受診の割合は男性69.5%、女性27.8%。20〜30代では81.5%
  • 「受けたことはないが、関心はある」が36.0%で最多
  • 早期発見の大切さを知っていた人は98.5%
  • 保険診療と自由診療の違いが「はっきり分かる」は18.2%
  • 免疫療法を「内容まで知っている」は11.3%
  • NKT細胞を「知らなかった」は36.0%(20〜30代では55.6%)
  • CTC検査などを「知らなかった」は59.6%(検診を定期的に受ける人でも52.9%)
  • 95.6%が何らかの不安を抱え、最多は「費用」64.5%、次いで「医療機関の選び方」54.7%
  • 情報源の4位はAIチャット(32.0%)。20〜30代では40.7%
  • 最も後押しになるのは「信頼できる医師・専門家からの説明」46.3%

参考文献

【1】国立がん研究センター がん情報サービス. 免疫療法. 2025年11月6日更新.
日本語要旨:がんの免疫療法を、効果が証明され保険診療で受けられるもの(主に免疫チェックポイント阻害薬)と、効果が証明されていないもの(自由診療として行われる治療や、臨床試験などの研究段階の医療)に分けて解説している。自由診療として行われる免疫療法は効果が証明されておらず、医療として確立されたものではないとし、効果・安全性・費用を慎重に確認して担当医に相談すること、セカンドオピニオンを受けることを勧めている。
【2】Wolf BJ, Choi JE, Exley MA, et al. Novel Approaches to Exploiting Invariant NKT Cells in Cancer Immunotherapy. Front Immunol. 2018;9:384.
PMID: 29559971 DOI: 10.3389/fimmu.2018.00384
日本語要旨:iNKT細胞は、CD1d分子に提示された脂質抗原を認識する、自然免疫に近い性質をもつT細胞の一群である。腫瘍細胞を直接認識して攻撃するほか、腫瘍微小環境でほかの免疫細胞を活性化させる間接的な抗腫瘍作用をもつ。α-ガラクトシルセラミドを用いた樹状細胞療法やiNKT細胞の養子移入など複数の臨床試験が行われており、CAR-iNKT細胞などの新しい手法が前臨床研究で検討されていることを総説している。
【3】Alix-Panabières C, Pantel K. Liquid Biopsy: From Discovery to Clinical Application. Cancer Discov. 2021;11(4):858-873.
PMID: 33811121 DOI: 10.1158/2159-8290.CD-20-1311
日本語要旨:血液中のCTC(血中循環腫瘍細胞)や細胞外核酸(ctDNA)を調べるリキッドバイオプシーについての総説。がんの早期発見、病期診断の精度向上、再発の検出、治療効果のモニタリングなどへの応用が期待され、多くの臨床試験で用いられている一方、臨床での有用性は検証中であり、現時点では有望な初期結果が得られている段階であるとしている。
【4】Cristofanilli M, Budd GT, Ellis MJ, et al. Circulating tumor cells, disease progression, and survival in metastatic breast cancer. N Engl J Med. 2004;351(8):781-791.
PMID: 15317891 DOI: 10.1056/NEJMoa040766
日本語要旨:転移性乳がん患者を対象に、血液7.5mL中のCTC数と予後の関係を調べた前向き研究。治療開始前にCTCが5個以上の患者は、5個未満の患者に比べて無増悪生存期間(中央値2.7か月対7.0か月)、全生存期間(10.1か月対18か月超)がいずれも有意に短かった。治療開始前と初回フォローアップ時のCTC数は、無増悪生存期間と全生存期間の最も有力な予測因子であった。
【5】Aceto N, Bardia A, Miyamoto DT, et al. Circulating tumor cell clusters are oligoclonal precursors of breast cancer metastasis. Cell. 2014;158(5):1110-1122.
PMID: 25171411 DOI: 10.1016/j.cell.2014.07.013
日本語要旨:複数のがん細胞が集まったCTCクラスターは、血液中で偶然集まったものではなく、原発巣のがん細胞の集団に由来することを示した研究。CTCクラスターは検出されるCTCの2〜5%にすぎないが、単独のCTCに比べて転移を起こす能力が23〜50倍高かった。クラスター形成に関わる分子としてプラコグロビンを同定し、その発現が高い乳がん患者では遠隔転移のない生存期間が短いことも示した。
【6】厚生労働省. がん検診.(2026年10月6日確認)
日本語要旨:国が推奨するがん検診として、胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・子宮頸がんの5つについて、対象年齢と受診間隔を示している。がん死亡を減らす効果が確実で、かつ利益が不利益を上回る検診を、科学的根拠に基づいて推奨していると説明している。

SNS Share

\ この記事をシェアする /