「消したい理由は、人それぞれでいい。」形成外科医・松本敏明理事長が語る、タトゥー除去の真実と患者への向き合い方

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SSCクリニックは1991年の開院以来、あざ治療を中心とするレーザー治療で9,000件を超える臨床実績を積み重ね、総患者数は15,000名以上に達しています。就職・結婚・育児など人それぞれの事情に寄り添い、世界最高峰のピコレーザー「StarWalker®PQX」とQスイッチルビーレーザーを症状に応じて使い分けます。日本形成外科学会専門医・松本敏明理事長が直接施術を担い、麻酔専門医による安全体制のもと、全国から難症例が集まります。

就職が決まった。結婚が決まった。子どもが生まれた。── タトゥー(刺青)を消したいと思う理由は、一人ひとり違います。そして、その決断をした瞬間に多くの方が直面するのが、「どこに相談すればいいのか」という壁です。
インターネットには「ピコレーザーで簡単に消える」という情報があふれていますが、カラータトゥーや深く入った刺青、あるいはすでに複数回の除去を経た皮膚への対応は、機器の性能だけで解決できるものではありません。
札幌駅前に位置するSSCクリニックは、1991年の開院以来、日本形成外科学会専門医としてレーザー治療と皮膚修復に向き合い続けてきたクリニックです。日本レーザー医学会・日本レーザー治療学会の評議員も務める松本敏明理事長のもと、ピコレーザーをはじめとする複数機種を症例ごとに使い分ける「コンビネーション治療」で、全国から訪れる患者様と向き合っています。
今回は松本理事長に、タトゥー除去についてインタビューを実施しました。「機器」ではなく「医師の判断と技術」が決め手になる、タトゥー除去の本質をお伝えします。

松本 敏明 先生

インタビューを受けていただいた先生

医療法人優美弘仁堂

理事長

松本 敏明 先生

SSCクリニックの基本情報

SSCクリニックの外観

クリニック名形成外科・美容外科 SSCクリニック(医療法人優美弘仁堂)
所在地〒060-0809 北海道札幌市北区北9条西3丁目 パワービル札幌駅前3F
アクセスJR「札幌駅」北口地下歩道13番出口より徒歩1分
診療時間10:00〜12:30 / 13:30〜18:00(火〜土)
休診日月曜・日曜・祝日
TEL011-728-4103
オンライン診療導入(遠方の方も事前相談が可能)
英語対応可(多言語音声翻訳機器配備)
公式サイトhttps://tattoorm.skin/
https://ssc-clinic.com/

CHAPTER 1 クリニックの哲学と歴史

Q1 40年以上、レーザー治療に特化し続けてきた背景と、形成外科医としての原点を教えてください。

私が形成外科医として歩み始めた1970年代、当時のアザ治療の主流は異常色素のある皮膚を切除して健常部の皮膚を移植する「皮膚移植術」でした。色の異常を「取り除く」というより「置き換える」発想の治療です。しかし実際には、治療した部位がアザ以上に目立ってしまうことが多く、私は「これは本当に患者さんのためになる治療なのだろうか」と根源的な疑問を抱いていました。
そんな頃、アメリカを中心に「レーザー」で皮膚の色素を取り除くという画期的な治療が始まりました。私は形成外科医数名と共にこの新しい治療法の研究に携わり、当時まだ国内ではほとんど使用されていなかったレーザー機器の導入にも関わりました。これが日本におけるレーザー治療黎明期の取り組みの一つでした。以来、日々改良されるレーザー機器と共に、約50年間この分野一筋でやってきました。「患者さんの皮膚を傷つけずに、正しく治す」──それが私の原点です。

Q2 「形成外科の専門医」がタトゥー除去を担うことで、いわゆる美容クリニックと異なる点はどこにありますか?

形成外科とは、体表の欠損・変形に対して機能と形態の両面から修復・再建を行う分野です。瘢痕(傷跡)治療、皮膚再建、ケロイド対応、熱傷(やけど)の処置など、皮膚そのものの治癒メカニズムを深く理解していることが求められます。当院には日本形成外科学会認定の形成外科専門医が在籍しており、複合的な診療体制を整えています。
タトゥー除去のレーザー照射は一見シンプルに見えますが、皮膚の状態・色素の深さ・照射エネルギーのバランスを誤ると、肥厚性瘢痕や色素脱失(白抜け)といった後遺症が残ることがあります。形成外科系の知識と経験を持つ医師は、こうしたリスクを治療前から見極め、仮に副反応が起きた場合でも修復できる技術を持っています。当院ではタトゥー除去を専門的に行う「SSCタトゥーリムーバルセンター」を設置しています。また、同施設内には傷跡や瘢痕の治療を専門とする「SSC傷リカバリーセンター」を併設しており、リストカット跡・手術瘢痕・熱傷跡など高度な傷跡修正にも対応しています。単に色素を除去するだけではなく、治療後の皮膚の状態まで見据えながら診療を行う──これが当院の大きな特徴です。

<編集部コメント>

SSCクリニックは、日本形成外科学会の専門医を含む複数の医師体制に加え、非常勤として大学病院医師チームとの連携診療体制を整えています。小児・乳幼児のあざ治療では麻酔専門医による全身管理も実施しており、安全性への徹底したこだわりがすべての治療に通じています。

CHAPTER 2 複数機種を使い分けるという選択

Q3 ピコレーザーはタトゥー除去に優れた技術だと思います。その上で、なぜSSCクリニックでは複数の機種を使い分けることにこだわっているのでしょうか?

ピコヤグレーザーとQスイッチルビーレーザーの波長、吸光度、特性の違い

ピコレーザーは確かに非常に優れた技術です。極めて短いパルス幅で色素粒子を微細に破砕するため、特に黒色系の色素に対しては非常に高い除去効果を発揮します【1】。当院では高性能なピコレーザー「StarWalker®PQX」(Fotona社)を採用しており、その性能は私も高く評価しています。
ただし、治療効果を最大限に高めるためには、ピコレーザーだけにこだわらず、症例ごとに最適なレーザーを選択することが重要です。例えば、薄くなった残存色素や特定の色調に対しては、Qスイッチルビーレーザー(694nm波長)の方が有効に働く場合があります。また、除去を急ぐ必要がある方にはアブレーション(皮膚剥削術)を組み合わせるコンビネーション治療が有効です。
皮膚の状態・色素の種類・患者様のご希望・タイムラインを総合的に見極めて、最適な機器の組み合わせを選択する──この判断そのものが、経験を積んだ医師としての仕事だと思っています。そのために、当院では複数のレーザーを使い分けています。

Q4 Fotona社の「StarWalker®PQX」を導入されていますが、患者様の目線でその違いをわかりやすく教えていただけますか?

StarWalkerPQX

一言で言うと、「より深く、より幅広く、より少ない負担で届く」レーザーです。
当院で採用しているStarWalker®PQXは、非常に短い“ピコ秒”という単位でレーザーを照射できる機器です。従来のレーザーよりも瞬間的に高いエネルギーを集中させることで、熱で焼くというより、“衝撃波(フォトメカニカル効果)”によって色素を細かく砕くことができます。
そのため、周囲の正常な皮膚への熱ダメージを抑えながら、皮膚の深い層にあるタトゥー色素にもアプローチしやすいことが特徴です。さらに、大きなスポット径で均一に照射できるため、広範囲のタトゥーにも効率的に対応できます。
また、1064nm(黒・紺系)と532nm(赤・橙系)の2種類の波長を搭載しているため、黒一色だけでなく、多色のカラータトゥーにも対応可能です。
患者様にとって最も大切なのは、「できるだけ皮膚への負担を抑えながら除去を進めること」だと思っています【2】。その点で、StarWalker®PQXは当院のタトゥー除去治療において非常に重要な役割を担っている機器です。

<編集部コメント>

ピコレーザーは近年「最新機器」として注目されていますが、実際には“どの機器を使うか”だけでなく、“どの波長をどう使い分けるか”が結果を左右します。SSCクリニックでは、単に機器を導入するだけでなく、形成外科専門医の視点から症例ごとに治療設計を行っている点が特徴的でした。

Q5 Qスイッチルビーレーザーは、ピコレーザーが普及した今も有効なのでしょうか?どのような症例に適していますか?

The Ruby Z1 Nexus

はい、Qスイッチルビーレーザーは現在でも非常に重要な機器です。
このレーザーは「694nm」という波長を持っており、特に青・緑・薄い色調のタトゥー色素に反応しやすい特徴があります。黒系に強いピコレーザーとは少し得意分野が異なり、カラータトゥーや治療後半の細かな色素に力を発揮する場面があります。
当院で使用している「The Ruby Z1 Nexus」は、高出力かつ繊細な調整が可能なQスイッチルビーレーザーです。タトゥーの状態や皮膚反応に応じて、Qスイッチモードとノーマルパルスモードを使い分けながら、出力を細かく調整できます。そのため、患者様ごとに適した治療が可能です。
特に治療後半では、ピコレーザーで大きな色素を細かく砕いたあとに、“うっすら影のように残るゴースト色素”が課題になることがあります。そのようなケースでは、Qスイッチルビーレーザーを使うことで、皮膚への負担や白抜け(脱色素斑)のリスクを抑えながら、より自然な仕上がりを目指せる場合があります。
当院では、まずピコレーザーで大きく色素量を減らし、その後にQスイッチルビーレーザーで細かな残存色素を丁寧に仕上げる、という治療戦略を取ることもあります。
大切なのは、「どちらの機械が優れているか」ではなく、タトゥーの色・深さ・皮膚状態・治療経過に合わせて、適切に使い分けることだと考えています。

Q6 アブレーション(皮膚剥削術)をレーザーと組み合わせる「コンビネーション治療」は、どのような方に向いていますか?

「できるだけ早く消したい」という強いご希望をお持ちの方、または就職・結婚といった明確なスケジュールがある方に特に有効な治療です。
アブレーションとは、皮膚表面の色素が入った層を剥削(けずり取る)ことで物理的に除去する方法です。レーザー単独では5〜10回以上の照射が必要な場合でも、アブレーションを組み合わせることで治療期間を短縮できる可能性があります。
ただし、術後のケアとダウンタイムが必要なこと、また皮膚の状態や部位によっては適応外となることもあります。当院では初診のカウンセリングで患者様のご状況を丁寧に伺い、コンビネーション治療が適切かどうかを慎重に判断しています。

CHAPTER 3 経験と技術が直接施術することの意味

Q7 SSCクリニックでは、レーザー治療における「診断と治療設計」を重視されています。なぜそこが重要なのでしょうか?

ハンドピースを握る医師

レーザー照射は「誰がやっても同じ」ではありません。照射エネルギーの設定、スポット径、照射間隔、そして何より「この皮膚の状態でこのエネルギーを当てて大丈夫か」というリアルタイムの判断が、治療結果を大きく左右します。近年はレーザー機器の普及により治療を提供する医療機関も増えていますが、レーザー治療や皮膚修復に関する十分な知識・経験がないまま治療が行われることで、色素脱失や瘢痕形成などのトラブルにつながるケースもあります。そのため当院では、形成外科やレーザー治療の知見を持つ医師が診断と治療設計を行い、患者様の状態を継続的に評価しながら治療を進めることを重視しています。また当院では、カウンセリングから照射まで一貫して医師が担当することで、患者様の経過を継続的に把握し、次回の照射にフィードバックできます。これがトータルケアの基本だと考えています。
また当院は日本レーザー医学会から「指導施設」の認定も受けており、治療の標準化と教育体制の整備にも取り組んでいます。

Q8 「他院で断られた」「他院では上手く除去できなかった」という患者様に、どう向き合っていますか?

そうした患者様が当院を選んでくださることは、大変重く受け止めています。「もう諦めるしかないと言われた」という言葉を聞くたびに、その方が積み重ねてきた時間と気持ちを思うと、必ず何かできることがあるはずだと向き合います。
他院で難しいとされた症例には、すでに複数回の照射を受けて皮膚が疲弊しているケース、色素が深く残存しているケース、一部に色素脱失が起きているケースなどがあります。当院では「SSC傷リカバリーセンター」での豊富な瘢痕修復の知見を活かしながら、まず皮膚の現状を丁寧に診察した上で、現実的に可能な改善範囲をご説明し、そこから最適な治療計画を組み立てます。「必ず完全に消える」という無責任な約束はしませんが、「できる限りのことを最善を尽くしてやる」という姿勢は変わりません。

Q9 タトゥー除去で「傷跡が残る」とはどういう状態を指すのでしょうか?形成外科医の視点で教えてください。

「傷跡が残る」という状態には、いくつかの種類があります。患者様が正しく理解されることが、クリニック選びにも非常に重要だと思います。
1つ目は「色素残存」です。レーザー照射を重ねても色素が完全に消えず、薄く残ってしまう状態です。
2つ目は「肥厚性瘢痕」──照射エネルギーが強すぎたり、適切でないタイミングで照射した場合に、皮膚が盛り上がってしまう状態です。
3つ目は「白抜け(脱色素斑)」です。色素細胞(メラノサイト)が照射で障害を受けると、タトゥーの形に沿って皮膚が白く抜けてしまうことがあります【3】。これは色素残存と逆の状態で、特に回復が難しいとされています。
4つ目は「テクスチャ変化」──皮膚の表面がざらついたり、質感が変わってしまうケースです。
当院では創傷治癒理論に基づいた治療アプローチにより、こうしたリスクを最小限に抑えることを治療設計の根幹に置いています。

<編集部コメント>

タトゥー除去では「消えるかどうか」に注目が集まりがちですが、実際には“傷跡を残さずに薄くしていくこと”も非常に重要です。今回のインタビューでは、SSCクリニックが「除去」だけでなく「皮膚修復」まで含めて診療を考えている点が印象的でした。

CHAPTER 4 “消したい理由”は、人それぞれでいい

Q10 どのような理由でタトゥー除去を希望される患者様が多いですか?

本当に様々です。就職や転職をきっかけに相談される方もいれば、結婚や出産、お子様の成長を機に、「家族との時間をより気兼ねなく楽しみたい」と考えて来院される方もいらっしゃいます。近年はタトゥーがあっても利用できる施設が増えてきていますが、施設ごとにルールは異なるため、そうした将来の生活環境を見据えて相談されるケースもあります。新たな職場環境やライフステージの変化を見据えて、あるいは過去と決別したいという気持ちから相談される方も少なくありません。
当院は、タトゥー自体を否定していません。自己表現としてタトゥーを大切にされている方も多くいらっしゃいますし、当院のスタッフにタトゥーがあったとしても採用や職務に影響はありません。
タトゥー除去は「過去を消す」のではなく、「これからの生活や環境に合わせて新たに進むための治療という選択」だと思っています。どんな理由であっても、私たちはその方の想いに寄り添い、最善の方法を一緒に考えます。

Q11 「就職や転職の前までに消したい」というご相談はありますか?現実的なスケジュール感を教えてください。

非常に多いご相談です。就職活動の解禁時期や内定後の入社日に合わせて、「○月までに薄くしたい」というご希望をお持ちの方が多くいらっしゃいます。
レーザー単独での除去の場合、1回の照射後は皮膚の回復期間として最低6〜8週間のインターバルが必要です。「6ヵ月後の入社式に向けて目立たなくしたい」という場合、照射できるのは概ね3〜4回となります。アブレーションとのコンビネーション治療を選択することで、より短期間での改善が期待できるケースもあります。
いずれにせよ、まず早めにご相談いただくことが大切です。「間に合わない」とあきらめてしまっている方でも、できることがある場合がありますので、ぜひ一度ご来院ください。

CHAPTER 5 患者様が知っておくべき「除去の現実」

Q12 タトゥー除去について、患者様がよく持つ誤解や思い込みはどんなものですか?

最も多いのは「ピコレーザーを使えば数回で完全に消える」という思い込みです。ピコレーザーは優れた機器ですが、タトゥーの色・深さ・使用されたインクの種類によって効果は大きく異なります【4】。特に色の鮮やかなカラータトゥーは、黒一色のタトゥーと比べて難易度が高く、回数も多くなります。
次に多いのが「黒は簡単に消える」という思い込みです。黒はレーザーが吸収されやすい色ではありますが、皮膚の深い層まで入っていたり、インクの量が多い場合は、それでも多くの回数が必要です。
また「1回で全部消える」という期待をお持ちの方も多いのですが、タトゥー除去は基本的に複数回の照射が必要な治療です。焦らず、正しい知識を持って治療に臨んでいただくことが、最終的な満足につながると思っています。

<編集部コメント>

SNSや広告では「短期間で消える」という表現を見かけることもありますが、実際には色・深さ・インクの種類によって必要回数は大きく異なります。今回のインタビューでは、“期待を煽る”のではなく、“現実的な治療期間や限界も含めて説明する姿勢”に、長年レーザー治療に向き合ってきたクリニックとしての誠実さを感じました。

Q13 カラータトゥーの除去が難しい理由と、SSCクリニックが対応できる理由を教えてください。

カラータトゥーが難しい理由は、色素の種類によってレーザー光の吸収波長が異なるからです。黒・紺には1064nm、赤・橙には532nm、青・緑には694nm(ルビー)が適しています【5】。つまり、1種類のレーザーですべての色に対応することはできません。
当院では、StarWalker®PQX(1064nm・532nmの2波長)とQスイッチルビーレーザー(694nm)を組み合わせることで、幅広い色調に対応できます。それぞれの色素に対して最適な波長を選択し、照射エネルギーを調整することで、カラータトゥーへの対応力が格段に高まります。多色タトゥーのご相談も、まずはお気軽にカウンセリングにお越しください。

Q14 治療回数・期間・痛みについて、患者様に正直にお伝えしていることを教えてください。麻酔の選択肢も含めて。

治療回数については、一般的には複数回の治療が必要です。例としてあげるならば、5cm²程度の黒一色のタトゥーであれば概ね4〜5回が目安ですが、大きなもの・カラータトゥー・深い色素の場合は10回以上になることもあります。1回の照射から次の照射まで最低6〜8週間のインターバルが必要なため、完治まで数年かかるケースも珍しくありません。これは決して誇張ではなく、患者様にとって大切な現実として最初にお伝えしています。
痛みについては、照射時に輪ゴムではじかれるような痛みがあります。部位・照射エネルギー・個人差によって異なりますが、当院では表面麻酔(クリーム麻酔)と局所麻酔(注射)のどちらにも対応していますので、痛みに不安がある方はご遠慮なくお申し出ください。
「痛いから怖い」「時間がかかるから不安」という気持ちは十分理解できます。だからこそ、最初のカウンセリングで正直にお伝えし、患者様が納得した上で治療を始めていただくことを大切にしています。

Q15 症例写真を見る際に、患者様はどこを確認すると正しく判断できますか?

症例写真は非常に重要な情報ですが、見方を誤ると判断を誤ることがあります。まず「照射回数と期間」が明記されているかどうかです。次に「撮影条件」──照明・カメラの角度・フィルターの有無によって、見た目の印象は大きく変わります。
そして最も大切なのは「タトゥーの色・大きさ・部位」が自分と似た症例かどうかです。黒一色の小さなタトゥーの症例写真が、カラータトゥーを持つ方の参考になるとは限りません。誠実なクリニックは、様々な症例・様々な結果を公開しています。「完全に消えた」写真だけしかないクリニックは、むしろ注意が必要かもしれません。

CHAPTER 6 通いやすさと、治療へのハードルを下げること

Q16 通院しやすい料金設定を整えている背景には、どのようなお考えがありますか?

タトゥー除去は複数回の通院が必要な治療です。1回あたりの費用が高すぎると、「途中でやめてしまう」という事態が起きてしまいます。治療を始めたけれど経済的な理由で中断せざるを得なくなった──そういう患者様を見てきたからこそ、できるだけ継続しやすい料金体系を整えることが、患者様のためになると考えてきました。
また、モニターにご参加いただける患者様には、通常料金より低い設定でご提供しています。「タトゥーを消したいけれど費用が心配」という方には、ぜひご相談いただければと思います。すべての方が安心して治療を始め、最後まで続けられる環境をつくることが、私たちの役割だと考えています。

Q17 全国から患者様が訪れると伺いました。どのようなケースでのご来院が多いですか?

大きく分けると3つのパターンがあります。
1つ目は「他院での治療がうまくいかなかった」という修正のご来院です。除去が不十分で色素が残っているケース、色素脱失が起きているケース、皮膚にダメージが残っているケースなどがあります。こうした症例は難易度が高いですが、当院の経験と複数機種対応で、できる限りの改善を目指します。
2つ目は「カラータトゥー・広範囲のタトゥーへの対応」です。複数波長・複数機種による治療が必要な症例は、専門的な設備と経験がないと対応が難しいため、北海道内はもちろん、本州・九州・海外(インバウンド)からのご来院もあります。なお当院ではスタッフによる英語対応が可能なほか、必要に応じて医療通訳の手配にも対応しています。また、院内には専用の多言語音声翻訳機器を配備し、海外からの患者様にも円滑な診療環境を整えています。
3つ目は「医師による施術を希望する」という理由です。傷跡への対応や副反応リスクへの不安から、当院を探してご来院いただく方もいらっしゃいます。「SSCクリニックでなければできない治療がある」と信頼して来てくださることは、私にとって最大の励みです。

CHAPTER 7 相談する前に知っておいてほしいこと

Q18 「消えるかどうか不安で、まだ相談できていない」という方へ、専門医として伝えたいことはありますか?

まず、「相談すること」と「治療を決断すること」は全く別のことです。カウンセリングにいらっしゃっても、その日に治療を決めていただく必要はまったくありません。どんな状態のタトゥーでも、まず診察することで「消えるかどうか」「何回かかるか」「費用の目安はどのくらいか」という現実的な情報をお伝えできます。
情報を持たないまま不安を抱え続けることが、一番つらいことだと思います。「どうせ消えないだろう」と思い込んでいた方が、診察を受けてみると治療の選択肢があることに気付いたというケースは少なくありません。
「無理に急がなくていい。でも、正しい情報を知ってほしい」──それが私のお伝えしたいことです。なお当院ではオンライン診療も導入しており、遠方の方も手術当日まで来院不要で事前相談が可能です。ぜひお気軽にご利用ください。

Q19 最後に、「タトゥーを消したい」と思っているすべての方へ、メッセージをお願いします。

タトゥーを消したいと思うことは、過去を否定することではありません。これからの自分の生活や環境に合わせて、新たな一歩を踏み出すための選択です。その想いに、私たちは全力で寄り添います。
当院は1991年の開院以来、一万件以上の患者様の悩みに向き合ってきました。技術・機器・経験、そして何より「患者様に寄り添った医院づくり」というコンセプトに基づき、皆様の暮らしを応援し続けることが私たちの使命です。
「消えるかどうかわからない」「費用が心配」「どこに相談すればいいかわからない」──そんな不安を一人で抱えないでください。SSCクリニックが、皆様にとって「安心して話せる場所」「信頼できる専門家のいる場所」であり続けられるよう、これからも誠実に向き合ってまいります。

症例紹介

症例1:SSC-ピコ+Q症例

SSCピコQ症例

施術内容ピコNd:YAGレーザー+QRレーザーによる刺青・タトゥー除去
副作用・リスク照射部位の皮膚に色素沈着・瘢痕形成・発赤・水疱・痂皮の形成、脱色素斑が生じることがあります。
費用(税込)¥32,000(5回コース料金/1回の料金)

症例2:SSC-ピコ症例

SSCピコ症例

施術内容ピコNd:YAGレーザーによる刺青・タトゥー除去
副作用・リスク照射部位の皮膚に色素沈着・瘢痕形成・発赤・水疱・痂皮の形成、脱色素斑が生じることがあります。
費用(税込)¥30,600(5回コース料金/1回の料金)

症例3:SSC-Q症例

SSCQ症例

施術内容QRレーザーによる刺青・タトゥー除去
副作用・リスク照射部位の皮膚に色素沈着・瘢痕形成・発赤・水疱・痂皮の形成、脱色素斑が生じることがあります。
費用(税込)¥90,900(5回コース料金/1回の料金)

編集部まとめ

今回のインタビューで特に印象的だったのは、SSCクリニックが単に「タトゥーを消す治療」を行っているのではなく、「患者様のこれからの人生や環境の変化に寄り添う医療」としてタトゥー除去に向き合っている点です。
近年はピコレーザーの普及によって「簡単に消える」というイメージが先行しがちですが、実際にはタトゥーの色・深さ・皮膚状態・既往治療歴によって難易度は大きく異なります。松本理事長は、形成外科専門医としての長年の経験をもとに、ピコレーザーだけに頼らず、Qスイッチルビーレーザーやアブレーションを組み合わせながら、一人ひとりに適した治療戦略を構築している点が特徴的でした。
また、「完全に消える」と安易に断言せず、回数・期間・リスクまで正直に説明する姿勢からは、一人ひとりの状態や希望に応じて治療方針を組み立てる姿勢に、長年レーザー治療に携わってきた医師としてのこだわりが感じられました。特に、傷跡修正や他院修正にも対応する形成外科的視点は、美容クリニックのタトゥー除去との大きな違いと言えるでしょう。
「消したい理由は、人それぞれでいい」という言葉の通り、SSCクリニックは過去を否定するのではなく、新たな人生の一歩を支えるための医療として、タトゥー除去に向き合っているクリニックだと感じました。

参考論文

【1】Ross V, Naseef G, Lin G, Kelly M, Michaud N, Flotte TJ, Raythen J, Anderson RR. Comparison of responses of tattoos to picosecond and nanosecond Q-switched neodymium:YAG lasers. Arch Dermatol. 1998 Feb;134(2):167-71.

PMID: 9487208 DOI: 10.1001/archderm.134.2.167
日本語要旨:ピコ秒レーザーとナノ秒QスイッチYAGレーザーを比較した研究です。ピコ秒レーザーはより少ない照射回数で高い色素破砕効果を示し、特に黒色タトゥー除去に有効性が示されました。
【2】Lorgeou A, Perrillat Y, Gral N, Lagrange S, Lacour JP, Passeron T. Comparison of two picosecond lasers to a nanosecond laser for treating tattoos: a prospective randomized study on 49 patients. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2018 Feb;32(2):265-270.

PMID: 28758261 DOI: 10.1111/jdv.14492
日本語要旨:49例を対象にピコ秒レーザー2機種とナノ秒レーザーを比較した前向き試験です。ピコ秒レーザー群でより高い色素除去効果が確認され、治療効率の高さが示唆されました。
【3】Baumler W, Breu C, Philipp B, Haslbock B, Berneburg M, Weiss KT. The efficacy and the adverse reactions of laser-assisted tattoo removal – a prospective split study using nanosecond and picosecond lasers. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2022 Feb;36(2):305-312.

PMID: 34543473 DOI: 10.1111/jdv.17674
日本語要旨:ナノ秒レーザーとピコ秒レーザーの有効性と副反応を比較した研究です。ピコ秒レーザーは高い除去効果を示す一方、適切な出力設定や照射管理の重要性も指摘されています。
【4】Reiter O, Atzmony L, Akerman L, Levi A, Kershenovich R, Lapidoth M, Mimouni D. Picosecond lasers for tattoo removal: a systematic review. Lasers Med Sci. 2016 Sep;31(7):1397-405.

PMID: 27311768 DOI: 10.1007/s10103-016-2001-0
日本語要旨:ピコ秒レーザーによるタトゥー除去に関するシステマティックレビューです。従来レーザーより短期間・少回数で効果を得やすく、色素除去効率や患者満足度の向上が報告されています。
【5】Kono T, Chan HHL, Groff WF, Imagawa K, Hanai U, Akamatsu T. Prospective comparison of picosecond and nanosecond lasers for treatment of professional tattoos in Asians. Laser Ther. 2020;29(1):47-52.

PMID: 32903983 PMCID: PMC7447827 DOI: 10.5978/islsm.20-OR-07
日本語要旨:アジア人のプロフェッショナルタトゥーを対象に、ピコ秒レーザーとナノ秒レーザーを比較した研究です。ピコ秒レーザーは色素除去効率に優れ、アジア人皮膚でも有効性と安全性が示されました。

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