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大阪・泉佐野市のりんくうメディカルクリニックが提供するiNKT療法について、院長の小村泰雄先生を取材しました。NKT細胞を活性化する仕組み・従来の免疫治療との違い・治療の流れ・適応・リスク・副作用・料金まで、がんを検討中の方に向けてわかりやすく解説します。

私は、がん治療とは「がんと言われたから始まるのではなく、日々発生するがん細胞への管理であり、食事・運動・睡眠など、全ての生活の中にある」と考えています。
iNKT療法は、その考え方を体現する治療のひとつです。外から薬を入れるのではなく、患者さま自身の体が本来持っている免疫の力を引き出し、がんと戦う力を高める——これが私たちの目指す医療です。副作用が少なく、現在受けている治療と組み合わせられることも、患者さまの生活の質を守るうえで大切な要素だと考えています。
一人ひとりの患者さまに「寄り添い、話し合い、最善を尽くす」——その姿勢でこれからも取り組んでまいります。
| <執筆・編集>
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りんくうメディカルクリニックは、大阪府泉佐野市・りんくうタウンに位置する、がん治療・生活習慣病治療・予防医療・再生医療(幹細胞治療)を専門とするクリニックです。「寄り添い、話し合い、最善を尽くす」を使命とし、関西国際空港の対岸という国際的なアクセスにも恵まれた立地で、各研究機関・医療機関と連携したがん統合医療を提供しています。
そのなかでも注目を集める治療のひとつが再生医療等提供計画に基づいて実施される「iNKT療法」です。これは、患者さま自身の体内に存在するNKT(ナチュラルキラーT)細胞を活性化することで、がんの進行・再発・転移の抑制を目指す免疫細胞療法です。iNKT療法ではNKT細胞がインターフェロン・ガンマ(IFN-γ)を分泌することで、自然免疫系(NK細胞)と獲得免疫系(キラーT細胞)の両方を同時に活性化できる点が大きな特徴です。また、患者さま自身の細胞を用いた治療であるため副作用が少なく、他の治療法と組み合わせて実施できることも大きなメリットとして挙げられます。
本記事では、りんくうメディカルクリニックを訪問し、小村泰雄院長への取材で得た情報を参考にしつつ、iNKT療法の仕組み・特徴・治療の流れ・適応・リスク・副作用・料金まで詳しく解説します。また、同クリニックが提供するその他のがん治療メニューについても紹介します。
りんくうメディカルクリニックのiNKT療法とは

iNKT細胞は、自然免疫と獲得免疫を橋渡しする特殊なリンパ球として知られています。近年では次世代型がん免疫療法への臨床適応の研究が進められています。りんくうメディカルクリニックは、国内でもまだ数少ないiNKT細胞を活用したがん治療に取り組んでいます。
1)iNKT療法の仕組み

もともと人の体には、外部から侵入した異物や体内で生じた異常細胞を排除する「免疫」という機能が備わっています。免疫細胞(NK細胞やキラーT細胞など)は、日々発生するがん細胞を認識・排除する働きを持っています。iNKT療法はこの免疫のしくみを最大限に活用した治療法です。
りんくうメディカルクリニックのiNKT療法では、患者さまご自身の血液中から単球(免疫細胞の一種)を採取し、クリニックに併設している細胞培養加工施設(CPC)に搬送します。そこで「αガラクトシルセラミド(iNKTリガンド)」という物質をNKT細胞の活性化に必要な成分として取り込ませ、培養・製剤化したうえで患者さまに点滴投与します。
投与されたNKT細胞は体内で「インターフェロン・ガンマ(IFN-γ)」を分泌し、自然免疫系と獲得免疫系の両方を一括して活性化することで、がん細胞への攻撃力を高めます。
この仕組みは長期の免疫記憶(メモリーT細胞)を誘導し、投与後6〜9か月間にわたって免疫活性が持続すると考えられています【1】【2】。
2)iNKT療法の5つの特徴
りんくうメディカルクリニックのiNKT療法の特徴を整理します。
| 特徴 | 内容 |
| どんながんにも効果が期待できる | がん細胞を標的にするのではなく、患者さまの体内に存在する「がんに対する免疫細胞群」を活性化する治療法のため、どんな種類のがんにも効果が期待できます |
| 長期免疫記憶による持続的な攻撃 | 免疫細胞群を急激に増殖させることにより、活性化された免疫細胞の一部が体内に残存してがんに対する長期免疫記憶を形成し、持続的にがんを攻撃します(6〜9か月間) |
| 2種類のがん細胞・変異がん細胞にも対応 | 自然免疫と獲得免疫系を同時に活性化できるため、「がん抗原を発現している細胞」「発現していない細胞」あるいは「新たに出現する変異がん細胞」を同時に排除できます |
| 誰でも治療可能(HLA型に非依存) | iNKT細胞は全ての人に共通であり、iNKTリガンドは全ての人のiNKT細胞を活性化できます。患者さまのHLA型に関係なく、誰にでも治療が可能です |
| がんによる免疫不全からの回復 | がん患者さまの体内では免疫抑制物質により樹状細胞の分化が抑制され免疫不全状態になっています。iNKT細胞は免疫系細胞の中で唯一、未熟樹状細胞と機能的に反応し、成熟樹状細胞に分化させることができるため、免疫不全の免疫系を活性化し、がんへの免疫力を回復させることができます |
3)従来の免疫治療との違い

がん細胞には「がん抗原を持つ細胞(目印あり)」と「がん抗原を持たない細胞(目印なし)」が混在しています。従来の免疫治療の多くはどちらか一方の細胞しかターゲットにできず、もう一方のがん細胞は攻撃できないという課題がありました。
iNKT療法では、NKT細胞が活性化することで自然免疫系(NK細胞)と獲得免疫系(キラーT細胞)の両方が同時に動員されるため、抗原の有無によらず多様ながん細胞を一括して排除できる可能性があります。さらに、新たに出現する変異がん細胞にも対応できる点が大きな特徴です。実際に多発性骨髄腫を対象とした研究では、NKT細胞を標的とした治療により広範な免疫活性化と臨床的退縮が報告されています【3】。
| 比較項目 | 従来の免疫治療 | iNKT療法 |
| ターゲット | がん抗原あり/なし、どちらか一方のみ | 抗原の有無を問わず多様ながん細胞に対応 |
| 変異がん細胞 | 対応できず再発リスクあり | 変異がん細胞にも同時に対応 |
| HLA型依存 | HLA型により制約あり | HLA型に関係なく全員に適用可能 |
| 免疫記憶 | 短期的 | 6〜9か月間の長期免疫記憶を誘導 |
| 免疫不全への対応 | 困難 | 未熟樹状細胞を成熟樹状細胞に分化させ免疫不全を回復 |

私たちの体の中では、毎日多数の異常細胞やがん化の可能性を持つ細胞が生じていると考えられています。一説では、「毎日数千個規模のがん細胞が発生している」と説明されることもあります。健康な体には、それらを発見して退治してくれる「免疫」という名の防衛隊が常に働いています。NK細胞やキラーT細胞といった免疫細胞たちが、毎日パトロールしながらがん細胞を見つけ次第やっつけてくれているのです。
ところが、免疫の力が落ちたり、がん細胞が巧みに免疫から逃れたりすると、防衛隊がうまく機能しなくなります。これが「がんが育ってしまう」状態です。iNKT療法は、このときに低下した免疫の働きを高め、再び活性化させることを目指す治療です。薬を外から投与するのではなく、自分の体にもともと備わっているがんへの抵抗力そのものを引き出す——それがiNKT療法の根本的な考え方です。
治療のカギとなるのが「NKT細胞」という免疫細胞です。この細胞は、いわば免疫チームの「司令官」的な役割を担います。NKT細胞が活性化すると「インターフェロン・ガンマ(IFN-γ)」という信号物質を放出し、NK細胞(自然免疫系)とキラーT細胞(獲得免疫系)の両方を同時に動員します。司令官一人が動くことで、チーム全体の攻撃力が一気に高まるイメージです。
さらに注目すべきは「免疫不全からの回復」という働きです。がん患者さまの体内では、がん細胞が出す免疫抑制物質によって樹状細胞の分化が抑制され、免疫不全の状態に陥っています。iNKT細胞は免疫細胞の中で唯一、この状態の樹状細胞に働きかけ、正常に機能する樹状細胞に育てることができます。これにより、患者さまのがんに対する免疫力そのものを回復させる効果が期待されています。
iNKT療法とは一言で表すなら、「あなた自身の免疫という最強の防衛力を、最新の技術で呼び覚ます治療」です。薬に頼るのではなく、体に本来備わっている力を引き出すという発想が、がん治療の新しい可能性を開いています。
【iNKT療法 5つのポイント早わかり】
| ポイント | 医学的な説明 |
| 免疫という「防衛隊」を呼び覚ます治療 | 患者さま自身のNKT細胞を活性化し、がんの進行・再発・転移を抑制する免疫細胞療法 |
| 司令官(NKT細胞)が2つ以上の部隊を同時に動員 | IFN-γを介して自然免疫系(NK細胞)と獲得免疫系(キラーT細胞)の両方を代表として複数の免疫系を一括活性化 |
| どんながん細胞にも対応——変異がん細胞まで | がん抗原の有無を問わず多様ながん細胞に対応。変異がん細胞にも同時対応。HLA型に左右されず全員に適用可能 |
| 「自分の細胞」を使うから副作用が少ない | 患者さま自身の細胞を活用するため、外来薬剤による一般的な抗がん剤と比べて副作用が少ないとされている |
| 「ワクチンのような記憶」で長期間がんに備える | メモリーT細胞(免疫記憶)を誘導し、投与後6〜9か月間にわたって免疫活性が持続すると考えられている |
りんくうメディカルクリニックとは?

1)クリニックの特徴・理念
りんくうメディカルクリニックは、「寄り添い、話し合い、最善を尽くす」を使命として掲げる統合型がん治療クリニックです。院長の小村泰雄先生は「がん治療は、がんと言われたから始まるのではなく、日々発生するがん細胞への管理であり、食事・運動・睡眠など全ての生活の中にある」という考え方のもと、先進的な医療と日常の栄養補助を統合的に組み合わせた治療を実践しています。
同院は多言語対応(日・英・中・韓・ベトナム語)を整備しており、関西国際空港対岸のりんくうタウンという国際的な立地を活かして、海外からの患者さまの受け入れにも積極的に取り組んでいます。
2)細胞培養加工施設(CPC)との連携体制
iNKT療法は、患者さまから採取した単球をクリニックに併設している細胞培養加工施設(CPC:Cell Processing Center)に搬送し、αガラクトシルセラミドを用いた培養工程を経て製剤化するプロセスが不可欠です。この一連の工程は、最短1週間で製剤ができあがります。
りんくうメディカルクリニックにおけるiNKT療法は、再生医療等安全性確保法に基づく第三種再生医療等提供計画(計画番号:PC5220020)に登録・承認されたうえで実施されています。
■ 第三種再生医療等提供計画番号:PC5250108
■ 計画名称:「NKTがんワクチンGC-MO」を用いたNKTがん免疫治療
■ 根拠法令:再生医療等の安全性の確保等に関する法律
■ 培養期間の目安:最短1週間
■ 実施形態:併設CPC(細胞培養加工施設)へ搬送・培養後に投与
CPCは国家基準に基づくクリーンルームを配備し、衛生的に血液細胞を加工するための基準を満たした施設です。技術者(培養士)は品質管理の手順に沿って、血液細胞ワクチンが正常に処理されているか、異物の混入がないかなどを確認しながら一連の作業を進めます。

iNKT療法では、患者さまの血液から採取した細胞を「CPC(細胞培養加工施設)」という専門施設で培養・強化してから体に戻します。この培養工程は、治療の効果を左右する重要なプロセスです。NKT細胞をしっかり活性化させた状態で製剤化できるかどうかが、治療の質を大きく左右するからです。
小村院長のお話では、CPCとクリニックの距離が近いことには、品質面での大きなメリットがあるとのことでした。細胞は生きた組織であるため、採取後できるだけ速やかに培養を開始することが理想的です。搬送距離が短ければ温度変化や時間のロスが抑えられ、細胞が元気な状態で培養をスタートできます。小村院長は「培養スタート時の細胞の状態が良いと、最終的な製剤の品質も安定しやすい」と語っておられました。
りんくうメディカルクリニックにはCPCが併設されており、採取した細胞を迅速に届けられる体制が整っています。また、CPC担当者と医師・スタッフが日常的にコミュニケーションを取れるため、培養経過の共有や患者さまの状態変化への対応もスムーズです。大切な細胞を最善の状態で育てて戻してもらえる環境かどうかが、治療の質に関わる重要な視点です。
3)提携施設・連携体制

りんくうメディカルクリニックが入居するメディカルりんくうポート内には、「IGTクリニック(血管内治療・温熱治療)」が隣接しています。両クリニックは提携関係にあり、iNKT療法などの全身免疫療法と、血管内治療など局所へのアプローチを組み合わせることで、より統合的な治療戦略を検討することが可能です。
4)医師・スタッフ体制
りんくうメディカルクリニックには、院長1名・医師1名が在籍し、がん免疫療法に精通した体制が整えられています。
| 役職 | 氏名 | 専門・経歴の概要 |
| 院長 | 小村 泰雄 | 香川大学医学部卒。循環器専門医・総合内科専門医。心臓血管センター長を経て現職。日本再生医療学会所属 |
| 非常勤医師 | 筏井聡子先生 | 帝京大学医学部卒 日本医師会認定産業医 日本人間ドック学会認定医 点滴療法研究会、日本抗加齢医学会、日本オーソモレキュラー医学会所属 |
5)院長プロフィール

| 氏名 | 小村 泰雄(こむら やすお) |
| 略歴 | 1997年 香川医科大学(現香川大学)医学部 卒業 1997年 香川大学医学部付属病院第一内科 1998年 広島県呉共済病院 2000年 愛媛県南松山病院 2001年 社会保険小倉記念病院 2005年 浦添総合病院 循環器科 医長、部長 2009年 回生病院 心臓血管センター長 2018年 りんくうメディカルクリニック院長 |
| 専門・資格・所属 | 日本循環器学会 循環器専門医 日本内科学会 総合内科専門医 日本心血管カテーテル治療学会(CVIT) 日本心臓ペーシング学会 日本心臓リハビリテーション学会 日本透析学会 日本高血圧学会 日本病院総合学会 日本抗加齢学会 日本脳神経血管内治療学会 日本再生医療学会 点滴療法研究会 泉佐野泉南医師会会員 |
6)クリニック基本情報

| 医院名 | 医療法人社団 わかと会 りんくうメディカルクリニック |
| 住所 | 〒598-0047 大阪府泉佐野市りんくう往来南3-41 メディカルりんくうポート2階 |
| アクセス | JR阪和線・南海空港線「りんくうタウン駅」より徒歩10分程度。 関西国際空港よりタクシーで約15分 |
| 診療時間 | 午前 9:30〜13:00/午後 14:30〜18:30(月〜金) |
| 休診日 | 土曜・日曜・祝日 |
| 電話番号 | 0724-24-0024(受付時間 9:30〜18:30、月〜金) |
| 予約 | 電話・ホームページお問い合わせフォームより |
| 診療形態 | 自由診療(保険適用外) |
iNKT療法の治療の流れ

iNKT療法は外来診療で実施でき、入院の必要はありません。患者さまご自身の細胞を採取・培養・投与するという一連のプロセスで行われます。治療はワンクール(約63日間)終了後に、3〜4か月ごとに画像検査と血液検査による評価を継続します。
STEP1:カウンセリング・問診・治療前検査
まず医師による問診と治療前検査を行い、iNKT療法の適応を確認します。現在の治療状況・がんの種類・既往症・服薬内容などを丁寧に確認したうえで、治療スケジュールを決定します。他院での治療経過やデータ(画像・血液検査結果)があればご持参ください。
治療前検査は成分採血を行う前に以下の7項目を実施します。
| 検査項目 | 目的・内容 |
| 一般検査 | 赤血球数・白血球数・ヘモグロビン量・ヘマトクリット量・血小板数・白血球分画を測定。貧血・感染・免疫状態の把握 |
| 感染症検査 | HBs抗原・抗体、HCV抗体、HIV抗体、HBV-DNA、HCV-RNA、HTLV-1抗体を測定。治療適応の確認 |
| 甲状腺機能検査 | TSH・T3・T4を測定。甲状腺疾患の有無を確認 |
| 糖尿病検査 | 血糖値・HbA1cなどを測定。全身状態の把握 |
| 肝機能検査 | AST・ALT・γ-GTPなどを測定。肝障害の有無を確認 |
| 腎機能検査 | 血清クレアチニン・eGFRなどを測定。腎障害の有無を確認 |
| 間質性肺炎検査 | KL-6を測定。間質性肺炎の有無と程度を確認 |
※治療前検査の結果次第では追加検査や精密検査を行う場合があります。
海外からの患者さまへ
海外からの患者さまの場合、事前にメールその他で現在の治療状況・がんの種類・既往症・服薬内容などの情報を提供することで適応の可否を確認できます。また、現地からオンラインでカウンセリングを受けることも可能です。
STEP2:成分採血(アフェレーシス)

血液成分分離装置を用いて、約3〜4時間かけて患者さまの血液から「リンパ球と単球」を採取します。採血中も通常の状態で過ごしていただけます。採取した血液の中で培養に必要な単球以外の赤血球や顆粒球、血小板など健康維持に必要な血液成分はアフェレーシス中に体内に戻します。採取された単球は、クリニックに併設の細胞培養加工施設(CPC)内で培養時まで適切に保管されます。


成分採血(アフェレーシス)では、血液中の単球の採取量が多いほど、より多くのNKT細胞を培養・製剤化できる可能性が高まります。
同クリニックでは末梢血ではなく中心静脈から採血を行う方法を取っており、これにより一度に採取できる単球の量が増えることを小村院長に教えていただきました。院長によれば「条件が整えば、通常2回分とされる製剤量の倍、4回分相当の製剤が得られる」とのことでした。
製剤が多く得られるということは、採血の回数を減らして追加投与が可能になることを意味します。1回の採血で4回分の製剤化ができれば、1年から1年半は次回の成分採血が不要になります。
そのためには、「採血前日の体調管理」も大切です。睡眠をしっかり取り、体調を万全に整えた状態で臨むことで、単球の採取量が変わる可能性があります。採血当日を万全の状態で迎えるためにも、前日の休養と体調管理をしっかり意識しておきましょう。
STEP3:細胞の培養(最短1週間)

搬送された細胞をCPCにて培養します。この培養工程では、NKT細胞を活性化するために必要な物質「αガラクトシルセラミド」を細胞に取り込ませます。培養期間は最短1週間で製剤ができあがります。培養・製剤化の品質が治療効果を大きく左右するため、法令に基づく管理体制のもとで実施されます。
STEP4:点滴投与(原則2回・4週間間隔)

製剤を点滴で投与します。投与は原則2回行い、1回目の投与から約4週後に2回目を実施します(ワンクール約63日間)。投与後はメモリーT細胞(免疫記憶を担う細胞)が誘導され、長期免疫記憶が6〜9か月間持続すると考えられています。なお、投与経路によって免疫応答が異なる可能性も報告されており【4】、患者さまの状態に応じた投与設計が重要とされています。
※投与後の血液検査ではNK活性・NKT細胞数・IFN-γを測定します。投与回数や間隔については、患者さまの状態により医師と相談のうえ調整される場合があります。
| ステップ | 内容・目安 |
| STEP1:カウンセリング・治療前検査 | 問診・7項目の治療前検査・治療スケジュール決定 |
| STEP2:成分採血(day -3) | 血液成分分離装置による採血(約3〜4時間)。採取後20時間以内にCPCへ搬送 |
| STEP3:培養 | 併設CPCでαガラクトシルセラミドを用いた培養(最短1週間) |
| STEP4:1回目投与(Day 0) | 点滴投与(day7に血液検査) |
| STEP4:2回目投与(Day 28) | 1回目から約4週後に点滴投与(Day35・Day63に血液検査) |
| 治療後フォロー | ワンクール終了後、3〜4か月ごとに画像検査・血液検査で評価継続 |
標準治療とiNKT療法の組み合わせ
iNKT療法を実施する時期は、標準治療の治療方針決定後になります。iNKT療法の効果が最も期待できる時期に治療ができるよう、患者さまご本人と相談し、スケジュールを決定します。
| 組み合わせ | 注意点・ポイント |
| 外科手術+iNKT療法 | 外科手術後、体力の回復(数か月)を待ってiNKT療法を行います |
| iNKT療法+抗がん剤 | 抗がん剤により免疫系が破壊される可能性があるため、抗がん剤治療前にiNKT療法を行います |
| iNKT療法+ホルモン療法 | ホルモン療法は免疫系にダメージを与えないため、iNKT療法との併用が可能です |
| iNKT療法+放射線(局所照射) | 重粒子線・陽子線治療などはがん抗原が樹状細胞に取り込まれ免疫系を活性化するため、iNKT療法との相乗効果が期待できます |
| iNKT療法+放射線(全身照射) | 全身照射は骨髄増殖機能の抑制を促し免疫系が破壊される可能性があるため、放射線治療前にiNKT療法を行います |
| iNKT療法+免疫チェックポイント阻害剤 | どのような副反応が発生するか不明なため、両治療の間に休薬期間を設けます |
| 再発予防目的 | 外科手術後に経過観察中の方が、再発予防としてiNKT療法を受けることも可能です |
iNKT療法の適応・対象となる方
1)治療の適応となる方
- 現在、手術・抗がん剤・放射線などのがん治療を受けている方
- がんの転移・再発の予防を目的とする方
- 副作用が少ない治療法を希望する方
- 他の免疫細胞療法や抗がん剤治療と組み合わせたい方
- 標準治療後の新たな選択肢を探している方
αガラクトシルセラミドはすべての人のNKT細胞を活性化できるため、HLA型(白血球の型)に左右されることなく、基本的にどのようながん種の方にも対応が可能とされています。
2)治療を受けられない場合
以下に該当する方はiNKT療法を受けることができません。
- がん以外の重篤な合併症や疾患がある方
- 自己免疫疾患と診断されている方
- B型肝炎ウイルスの感染歴がある方(※注意1)
- C型肝炎ウイルスの感染歴がある方(※注意1)
- ヒト免疫不全ウイルスに感染している方(HIV抗体陽性)
- ヒトT細胞白血病ウイルスに感染している方(HTLV-1抗体陽性)
- アルブミン過敏症の既往がある方
- 妊娠中あるいは妊娠の可能性のある女性、および授乳期の女性
- 他家の臓器並びに造血幹細胞移植の治療歴がある方
※注意1:遺伝子検査でウイルスの陰性化が確認された場合は治療可能
3)慎重に検討が必要な場合
- 成分採血を行うことができない状況がある方
- 担当医師が参加を不適当と判断している方
- 他の免疫治療とiNKT療法との併用を検討している方(*)
(*)他の免疫治療を受けている方については個別に医師にご相談ください。
iNKT療法のリスク・副作用
iNKT療法は患者さまご自身の細胞を用いる治療であるため、外来の薬剤による一般的な抗がん剤治療と比べて副作用は少ないとされています。ただし、iNKT療法は現時点では標準治療ではなく、臨床研究・自由診療領域として実施されている治療である点には注意が必要です。
1)主な副作用・リスク
iNKT療法は第I相試験において、一過性の発熱など比較的軽度の副反応が中心と報告されています【1】。
| 症状・リスク | 詳細・目安 |
| 投与後の発熱・患部の痛み | 治療当日から翌日のみの症状。通常1〜2日程度で軽快します |
| 悪寒・震え | 投与時に起こる場合があります。個人差はありますが通常短期間で改善します |
| 注射部位の発赤・熱感 | 一時的なもので、通常数日以内に改善します |
| 肝障害・腎障害(稀) | 臓器障害が生じる可能性があります。定期的な経過観察が必要です |
| 細胞塞栓(稀) | きわめてまれな副作用として報告されています |
| アフェレーシス時のしびれ | 口周りや手足にしびれが起きる場合があります |
2)未承認医薬品であることについて
■ 本治療は未承認医薬品等を使用するものです。使用できる他の国内承認医薬品はありません。
■ 第三種再生医療等提供計画番号: PC5250108 に基づき実施しています。
■ 日本国内では、未承認医療機器・医薬品を医師の責任において使用することができます。
副作用や不安な点があれば、カウンセリング時に医師へ遠慮なくご相談ください。
諸外国における安全性等に係る情報(クリニック公式掲載)
・Giaccone G, et al. Clin Cancer Res 2002: 8: 3702-9.
・Chang DH, et al. JEM 2005: 201: 1503-17.
・Nicol AJ, et al. Clin Cancer Res 2011: 17: 5140-51.
・Richter J, et al. Blood 2013: 121: 423-30.
料金について
りんくうメディカルクリニックにおける全ての治療は自由診療(保険適用外)となります。料金はすべて税込、日本国内在住者向け価格です。
| 内容 | 料金(税込) |
| カウンセリング料(がん治療) | 11,000円〜 |
| 初診料(がん治療) | 22,000円〜 |
| iNKT療法(成分採血及び投与2回) | 2,900,000円〜 |
(注意)継続的に行われる総額1万円を超える治療については再診料が不要です。
ただし、治療後2か月を経過した場合、再診料3,300円が別途必要です。
電話やカウンセリングによる相談についても別途再診料が必要です。
成分採血(アフェレーシス)を医師の判断で途中終了する場合は、使用した医材料費用のみのお支払いとなります。
お支払いは一括払い(現金・カード・振込)。
現金の場合は実施日当日、振込の場合は前日までにお願いします。
りんくうメディカルクリニックの他のがん治療メニュー
りんくうメディカルクリニックでは、iNKT療法のほかにも、副作用が少なく他の治療と組み合わせやすい複数のがん治療を提供しています。
1)高分子抗がん剤(リポ化抗がん剤療法)
リポソーム化技術を用いて、副作用を抑えながらがん細胞に薬剤を集中させる抗がん剤治療です。リポソームとは脂質二重膜でできたシャボン玉状の微粒子(20〜100nm)で、正常な血管の壁の隙間(6〜7nm程度)は通りにくく、がん新生血管(200nm程度の隙間)は通過しやすいという「EPR効果」を利用してがん細胞に薬剤を集中させます。小村院長らは難治性進行がん患者に対するシスプラチンリポソーム療法について論文報告を行っており、副作用軽減の可能性が示唆されています【5】。
● 特徴:EPR効果によるがん細胞への薬剤集中・副作用を抑えた低容量継続投与
● 対象:全身転移がん、従来の抗がん剤が適応外とされた方 など
2)免疫細胞療法(NK細胞療法)
患者さまご自身の血液(約50ml)を採取し、NK細胞を培養・活性化して点滴で戻す治療です。採取から点滴投与までは約2週間が目安で、繰り返し実施できます。1クール3回が基本です(追加投与可)。第三種再生医療等提供計画(PC5250132)に基づいて実施されています。
● 特徴:自己細胞を使用・繰り返し実施可能・副作用が少ない
● 対象:がんの進行抑制・再発予防を目的とする方
3)CTC検査(血中循環がん細胞検査)
血液中を流れる循環がん細胞(CTC)と循環がん幹細胞(CSC)を検出し、がんの超早期発見・再発予測・治療効果の評価に活用する検査です。国内機関(日本遺伝子研究所)と欧州機関(RGCC社)の2種類から選択できます。
● 特徴:超早期発見・再発予測・治療効果モニタリング
● 対象:がんリスクの早期把握を希望する方、治療効果を確認したい方
4)がん光免疫療法(がん超音波免疫療法)
光感受性物質をがん細胞に集中させ、レーザー光または超音波を照射してがん細胞を選択的に破壊する治療法です。「アブスコパル効果」により離れた転移病巣への攻撃も期待されます。使用するレーザー機器(MLDS)はEUのCEマーキングおよびFDAに承認された医療機器です(日本国内未承認)。
● 特徴:局所破壊と全身免疫喚起のダブルの効果
● 対象:広範ながん種・末期(ステージⅣ)・難治性がんの方
5)水素療法
体内に蓄積する活性酸素(ヒドロキシラジカル)を選択的に除去することで、がんの進行抑制・副作用軽減・体質改善を目指す治療です。水素吸入と水素内服カプセル(ソレザウス3000)を取り扱っています。
● 特徴:副作用が極めて少ない・他の治療との併用が容易
● 対象:がんの進行抑制・治療中の副作用軽減・再発予防を希望する方
6)ヨウ素療法
ヨウ素(ヨード)の内服薬と点滴薬を組み合わせて投与することで、血中循環がん細胞(CTC)の減少を目指す治療法です。CTC検査と組み合わせて治療効果をモニタリングしながら進めることができます。
● 特徴:CTCの減少効果・CTC検査と組み合わせたモニタリングが可能
● 対象:CTCが検出された方・がんの再発予防・進行抑制を希望する方
7)高濃度ビタミンC療法
高濃度のビタミンCを静脈内に点滴投与することで、がん細胞の攻撃と免疫機能の向上を図り、がんの予防・再発防止を目指す治療です。使用するビタミンC製剤(Ascor®)はFDAによって認証されています(認証:2017年10月2日)。G6PD欠損症の方には投与できないため、治療前にG6PD検査を実施します。
● 特徴:過酸化水素によるがん細胞への直接攻撃・免疫機能向上・副作用が少ない
● 対象:がんの予防・再発防止・治療中の免疫サポートを希望する方(G6PD欠損症の方は除外)
8)各治療の比較一覧
| 治療名 | 繰り返し | 他治療併用 | 主な特徴 |
| iNKT療法 | 原則2回 | ○ | NKT細胞活性化・長期免疫記憶(6〜9か月)・変異がん細胞にも対応 |
| 高分子抗がん剤 | ○ | ○ | EPR効果・副作用を抑えた継続投与・全身転移に対応 |
| NK細胞療法 | ○ | ○ | 自己NK細胞の培養・活性化・約2週間で投与 |
| CTC検査 | ○ | ○ | 超早期発見・再発予測・治療効果モニタリング |
| がん光免疫療法 | ○ | ○ | 局所破壊+アブスコパル効果・深部臓器にも対応 |
| 水素療法 | ○ | ○ | 抗酸化・副作用軽減・体質改善 |
| ヨウ素療法 | ○ | ○ | CTC減少効果・CTC検査と組み合わせてモニタリング |
| 高濃度ビタミンC | ○ | ○ | 過酸化水素によるがん細胞攻撃・免疫向上・副作用が少ない |
よくある質問(FAQ)
Q1. iNKT療法はどのようながんに対応していますか?
αガラクトシルセラミドはすべての人のNKT細胞を活性化できるため、HLA型に関わらず、基本的にどのようながん種にも対応が可能とされています。現在のがんの標準治療(手術・抗がん剤・放射線)との併用はもちろん、転移・再発予防を目的とした利用も可能です。ただし、重篤な合併症・自己免疫疾患・特定の感染症(B型・C型肝炎、HIV等)がある方は対象外となる場合があります。詳細はカウンセリングでご確認ください。
Q2. iNKT療法とNK細胞療法はどう違いますか?
iNKT療法はNKT細胞を活性化し、IFN-γを介して自然免疫系・獲得免疫系の両方を同時に活性化します。変異がん細胞への対応や免疫不全の回復、長期の免疫記憶(6〜9か月)を誘導する点が特徴です。一方、NK細胞療法は採取したNK細胞を直接培養・活性化して点滴で戻す治療で、繰り返し実施が可能です。組み合わせて実施することも可能ですので、カウンセリングでご相談ください。
Q3. 通院回数や期間はどのくらいかかりますか?
カウンセリング・治療前検査・成分採血まで2〜3回の来院(2〜3日)が必要です。投与は成分採血の約1週間後(1回目)と、その約1か月後(2回目)の計2回で、この期間は約40日前後です。2回目の投与後は、1週間後と約1か月後に画像検査と血液検査で経過を確認します。合計で約65〜70日です。
Q4. 他の治療(抗がん剤・放射線)と同時に受けられますか?
はい、iNKT療法は多くの標準治療との併用が可能です。ただし、抗がん剤や全身放射線治療は免疫系に影響を与えるため、それらの前にiNKT療法を行うことが推奨されます。免疫チェックポイント阻害剤との併用については休薬期間が必要です。詳細はカウンセリングでご相談ください。
Q5. 費用はどのくらいかかりますか?保険適用はありますか?
りんくうメディカルクリニックの全ての治療は自由診療(保険適用外)です。iNKT療法(成分採血及び投与2回)は2,900,000円〜(税込、国内在住者向け)です。カウンセリング料11,000円〜、初診料22,000円〜が別途必要です。
Q6. セカンドオピニオンとして利用することはできますか?
はい、りんくうメディカルクリニックではセカンドオピニオンの相談も受け付けています。現在の治療に対する不安や、新たな治療の選択肢を検討したい方は、まずお問い合わせください。他院のデータ(画像・血液検査結果など)をご持参いただくと、より詳しいご説明が可能です。
Q7. 採血(アフェレーシス)の前日に準備しておくことはありますか?
採血の前日はしっかりと睡眠を取り、体調を万全に整えておくことが重要です。体調が良い状態で臨むことで、血液中の単球の採取量が増える可能性があります。同クリニックでは中心静脈からの採血を行っており、条件が整えば1回の採血で4回分相当の製剤が得られることもあるといいます。当日の具体的な注意事項はカウンセリング時にご確認ください。
Q8. 製剤を多く作っておくことはできますか?余った製剤はどうなりますか?
前日の体調管理や採血方法によっては、1回の採血で4回分の製剤を作成できる場合があります。余剰分の製剤の保管・使用については、患者さまの状態や治療計画に応じて医師と相談のうえ決定します。詳細はカウンセリングでご確認ください。
Q9. CPCとはどのような施設ですか?
CPC(Cell Processing Center:細胞培養加工施設)とは、採取した細胞を安全・高品質に培養・製剤化するための専門施設です。国家基準に基づくクリーンルームを配備し、技術者が品質管理の手順に沿って血液細胞ワクチンの製造を行います。りんくうメディカルクリニックにはCPCが併設されており、採取した細胞を迅速かつ高品質な状態で届けられる体制が整っています。
Q10. りんくうメディカルクリニックへのアクセス方法を教えてください。
大阪府泉佐野市りんくう往来南3-41 メディカルりんくうポート2階に位置しています。JR関西空港線・南海空港線「りんくうタウン駅」から徒歩10分程度、関西国際空港からタクシーで約15分です。診療は月曜〜金曜(9:30〜13:00、14:30〜18:30)で、土日祝は休診です。電話(0724-24-0024)またはホームページのお問い合わせフォームからご予約いただけます。
Q11. iNKT療法のメリットとデメリットをわかりやすく教えてください。
| メリット | ● どんな種類のがんにも対応が期待できる:HLA型に関係なく、がん抗原の有無を問わず多様ながん細胞に働きかけることができます。 ● 副作用が少ない:自分自身の細胞を使う治療のため、一般的な抗がん剤のような強い副作用が起きにくいとされています。 ● 他の治療と組み合わせられる:手術・抗がん剤・放射線などの標準治療と併用できるため、現在受けている治療の効果を補完する形で活用できます。 ● 長期間の免疫記憶が持続する:投与後6〜9か月間、免疫活性が持続すると考えられており、再発・転移の抑制が期待できます。 ● 免疫不全の回復が期待できる:がんによって低下した免疫システムそのものを回復させる働きがあり、体の自然な防御力を高めることができます。 |
| デメリット | ● 保険が適用されない:自由診療のため、費用はすべて自己負担となります。iNKT療法(成分採血及び投与2回)は2,900,000円〜(税込)です。 ● 未承認の治療である:現時点では国内で承認された標準治療ではなく、臨床研究・自由診療領域として実施されています。効果には個人差があり、すべての方に同様の結果が得られるとは限りません。 ● 複数回の来院が必要:成分採血・点滴投与・経過観察の血液検査など、ワンクールで複数回の通院が必要になります。 ● 受けられない場合がある:重篤な合併症・自己免疫疾患・特定の感染症(B型・C型肝炎、HIVなど)がある方や、妊娠中の方などは対象外となります。 |
Q12. がんの標準治療だけではがんは治らないのですか?
手術・抗がん剤・放射線治療という3つの標準治療は、科学的な有効性と安全性が確認されたがん治療の基本です。早期がんをはじめ、多くのがんで標準治療のみで治癒が得られるケースは数多くあります。
一方で、進行がん・転移がん・再発がんのケースでは、標準治療単独では根治が難しい場合もあります。また、抗がん剤や放射線治療は免疫系にダメージを与えることがあり、治療後の再発リスクや免疫力の低下が課題となることがあります。
iNKT療法は、標準治療に取って代わるものではなく、標準治療と組み合わせることで相乗効果を高めることを目的とした治療です。たとえば、手術後の再発・転移予防や、抗がん剤・放射線治療の前に免疫力を高めておくといった形での活用が考えられています。「標準治療を受けながら、免疫の力も借りてがんと戦う」という統合的なアプローチが、りんくうメディカルクリニックの目指す治療の考え方です。
なお、iNKT療法の効果には個人差があり、すべての方に同様の結果が得られるとは限りません。治療を検討される際は、担当医師と十分に相談のうえ判断されることをおすすめします。
まとめ
りんくうメディカルクリニックのiNKT療法は、患者さまご自身のNKT細胞をαガラクトシルセラミドで活性化し、自然免疫系・獲得免疫系の両方を同時に動員することで、多様ながん細胞——がん抗原を持つ細胞・持たない細胞・新たに出現する変異がん細胞——への攻撃を目指す免疫細胞療法です。HLA型に左右されずすべての人に対応でき、副作用が少なく他の治療との併用も可能な点が大きな特徴です。また、がんによる免疫不全を回復させる働きも持つ点がiNKT療法固有の強みです。
がんと向き合うとき、治療法の選択は患者さまご自身とご家族にとって、大きな決断です。iNKT療法は「自分の免疫力でがんに立ち向かう」という、体にやさしい新しいアプローチです。標準治療と組み合わせることも、再発・転移の予防を目的に活用することも可能です。まずは「こんな治療があるのか」と知っていただくことが、選択肢を広げる第一歩になります。
また、同クリニックでは、iNKT療法に加えて、高分子抗がん剤(リポ化抗がん剤療法)・NK細胞療法・CTC検査・がん光免疫療法・水素療法・ヨウ素療法・高濃度ビタミンC療法と、多彩な治療メニューをそろえており、患者さまの状態や希望に合わせた統合的ながん治療を提供しています。さらに、提携するIGTクリニック(血管内治療・温熱治療)との連携により、より幅広い選択肢を検討することも可能です。
がんの治療・再発予防・副作用軽減など、さまざまなニーズに対応できる体制が整えられていますので、まずはカウンセリングでご相談されることをおすすめします。
なお、iNKT療法を含む免疫細胞療法は、現時点では標準治療を置き換えるものではなく、標準治療と組み合わせながら活用が検討される治療です。治療適応や期待できる効果には個人差があるため、十分な説明を受けたうえで検討することが大切です。
参考文献(エビデンス)
本記事の科学的根拠として、以下の査読済み論文・臨床試験を参照しています。
【1】Giaccone G, Punt CJ, Ando Y, et al. A phase I study of the natural killer T-cell ligand alpha-galactosylceramide (KRN7000) in patients with solid tumors. Clin Cancer Res 2002; 8: 3702-9.
PMID: 12473579
日本語要旨:固形腫瘍患者を対象に、NKT細胞リガンドであるαガラクトシルセラミド(KRN7000)を投与した第I相試験。忍容性はおおむね良好で、生体内での免疫学的反応が確認され、NKT細胞を介したがん免疫療法の臨床応用可能性を示した。
【2】Chang DH, Osman K, Connolly J, et al. Sustained expansion of NKT cells and antigen-specific T cells after injection of alpha-galactosyl-ceramide loaded mature dendritic cells in cancer patients. JEM 2005; 201: 1503-17.
PMID: 15867097 DOI: 10.1084/jem.20042592
日本語要旨:進行がん患者にαガラクトシルセラミド搭載成熟樹状細胞を投与した研究。NKT細胞だけでなく抗原特異的T細胞の持続的増殖も確認され、樹状細胞を用いたNKT細胞標的免疫療法が全身性の抗腫瘍免疫を誘導し得ることを示した。
【3】Richter J, Neparidze N, Zhang L, et al. Clinical regressions and broad immune activation following combination therapy targeting human NKT cells in myeloma. Blood 2013; 121: 423-30.
PMID: 23100308 DOI: 10.1182/blood-2012-06-435503
日本語要旨:多発性骨髄腫患者に対し、NKT細胞を標的とした併用免疫療法を実施した研究。臨床的退縮例とともに、NKT細胞、NK細胞、T細胞などを含む広範な免疫活性化が確認され、血液がん領域におけるNKT細胞療法の可能性を示した。
【4】Nicol AJ, Tazbrikova A, Nieda M. Comparison of clinical and immunological effects of intravenous and intradermal administration of α-galactosylceramide (KRN7000)-pulsed dendritic cells. Clin Cancer Res 2011; 17: 5140-51.
PMID: 21653690 DOI: 10.1158/1078-0432.CCR-10-3105
日本語要旨:αガラクトシルセラミドを負荷した樹状細胞について、静脈内投与と皮内投与の臨床的・免疫学的効果を比較。免疫応答は投与経路や細胞量に影響されることが示され、NKT細胞を活性化する樹状細胞療法の最適化に有用な知見を提供した。
【5】Komura Y, Kimura S, Katagiri T, Hirasawa Y, Muranishi H, Homma K. Clinical Use of Cisplatin Liposomes for Patients With Refractory Advanced Cancer. Cureus. 2024; 16(11): e73181.
PMID: 39650995 DOI: 10.7759/cureus.73181
日本語要旨:難治性進行がん患者に対するシスプラチンリポソームの臨床使用を報告。腫瘍制御の可能性に加え、腎機能悪化や骨髄抑制などの副作用軽減が示唆された。ただし症例報告レベルであり、有効性・安全性の評価には今後の症例蓄積が必要である。
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